こんなに違う!驚きのフランス仕事事情

フランスの仕事

言わずと知れたバカンス大国、フランス。

社会人になっても仕事を休み、子供たち顔負けの長期休暇を取って、ビーチに寝そべり、あるいは静かな山あいのコテージで読書にふける……。

日本では考えられないようなゆったりとした空気が、確実にフランスには流れています。

ゆったりしているのは、バカンスの時だけではありません。

普通のウィークデーだって、夕方6時にはカフェやバーは大賑わい。そして10時になると、もう街は静まり返っています。日本の酒場は、9時、10時が盛りだというのに…

さて、この違いはどこから来るのでしょうか?

フランスの仕事事情に迫って、この国の大人たちがいかに働き、いかに休んでいるのか、検証してみましょう。

フランスはみんなそろって正規雇用!

正規雇用

フランスの雇用政策で、まず日本との大きな違いとして挙げたいのが、その正規雇用率の高さです。

高いなんてものじゃありません。給与所得者全体の、なんと85%もの人が正規雇用なのです。

日本で正規雇用というと、それはほぼイコールでフルタイム労働という意味合いを持ちますよね。

そして、ボーナスや有給休暇などの福利厚生が付いた上で、給与もパート・アルバイトとは違いのある額を手にできる。それが日本の正規雇用です。

フランスの正規雇用は、それとは全く意味合いが異なります。

このフランスの「正規雇用」とは、正確には「無期限雇用」のことで、パートタイム労働も認められています。日本式に言うと、パートタイム勤務の正社員がいるということですね。

そして、パートタイマーでも、待遇はフルタイムの正規雇用者と全く同じ。違いは、勤務時間の差で生まれる賃金の差だけなのです。

さらに驚くのが、非正規雇用、つまり「期限付き雇用」に関してです。

この種類の雇用は、特別あるいは一時的なケースに限られていて、しかも契約期間は18ヶ月以内となっています。

そして、待遇面では正規雇用者と同等でなければならないと、法律によって定められています。

つまり、人を短い期間だけの不安定な雇用に、いつまでも就かせておいてはいけません、というのがフランスという国の考え方なのです。

こうして、みんなそろって正規雇用と言っても決して過言ではない、そんな快適な仕事環境が、フランスには存在しているのです。

フランスの給料事情

フランスの給与

フランスには、「業種間一律スライド制最低賃金」という制度があります。

簡単に言うと、物価の変動に応じて最低賃金を変えていく制度で、フランス全国、どの業種でも有効です。

ちなみに、2016年1月に改定された現行の最低賃金は、時間当たり9.67ユーロ。1ユーロ/115円で計算すると、1,112.05円となります。

つまり、日本で最も高い最低賃金額である東京都の932円より、180円も高いのです。

この給与水準で単純に比較すると、フランス人はたくさん給料がもらえていいな、と思うかもしれませんが、そう簡単にはいきません。

フランスは、手厚い社会保障を提供する代わりに、税率も高い国なのです。所得税だ健康保険税だなんだと、年間の稼ぎの3割・4割が税金に消えていきます。

とはいえ、この税金のおかげで、子供たちの学費は大学まで無料、医療費は格安などなど、様々な恩恵があることも事実です。

いろいろな要素が関係していて比較は難しいのですが、一般的な労働者の場合、手取りは日本と同程度、その上で社会保障は日本より厚いというのが、結論と言えそうです。

5時に始まるフランスのもう一つの1日

アフターファイブ

人は何のために働くのでしょうか。

好きなことを仕事にしているという幸せな人もいますが、ほとんどの人は、生活のためにと割り切って仕事をするものです。

仕事がそういうものであれば、人生の楽しみは、家族や友人との時間、趣味のための時間など、個人生活の充実になりますよね。

ですが、長時間労働や職場の付き合いが当たり前の日本では、仕事の日は仕事だけで終わり、つかの間の休日も家事や用事に追われがち。

自分や家庭を潤す時間は、本当に限られたものになってしまいます。

翻って、個人主義の国フランスでは、仕事が終わった5時に新しい1日が始まると言っても過言ではないほど、仕事後の個人の時間が重視されています。

他の法律はともかく、法定労働時間は毎日遵守のフランス人!

家族とゆっくり過ごす人、恋人との甘い時間に心躍らせる人、友人との酒盛りで上機嫌な人……。

まだまだ明るい5時過ぎのフランスには、もう一つの1日が始まった人々の活気があふれています。

バカンスの源!フランスの潤沢な有給休暇

有給休暇

「基本残業無し」というだけでも羨ましいのに、フランス人たちはもう一つの大きな恩恵を享受しています。

それは、世界にその名をとどろかす、長いバカンス。

正確には、その長いバカンスを可能にする、潤沢な有給休暇と連続休暇システムです。

1982年以降、フランスの労働者は、一般に年間5週間の有給休暇を取ることができるようになりました。分割でも取れますし、まとめて取ることも法律上はOKです。

そして、その休暇を基本的にすべて消化します。

5週間も有給休暇があり、1ヶ月くらいまとめて休んでも良いよと言われたら、誰だって休みたいですよね。

そんな夢のような話が、フランスでは現実なのです!

もちろん、すべての人が好き勝手に休みを取っていたら会社も公共サービスも成り立ちませんから、社内調整はなされます。

それでも、労働者みんながそれだけ休むわけですから、どうしても様々な不便さが出てくるのは容易に想像できます。

取引先の担当者と1ヶ月連絡がつかない、かかりつけの歯医者が2週間お休み…なんて、日本だったら大ゴトです。

でも、「みんな休むんだから不便は忍びましょう」というのが、フランス人の精神。本当に、個人主義が浸透した国なのです。

関連:有給は年37日間!のんびり過ごすフランスのバカンスの仕組み

フランスの産休と育休

育休

出産と育児は人生の一大事。あっという間に過ぎ去っていく時間でありながら、子供にとっても親にとっても、とても重要な年月です。

フランスでは、産休・育休はどうなっているのでしょうか?

皆さんのご想像どおり、とても手厚いです。(そのために高い税金を払っているわけですからね)

フランスでは、産休を16週間取ることができ、その間給与が満額支給されます。ちなみに、2人目以降の場合は34週間まで取れます。なんていう手厚さ!

育休の方は、女性だけでなく男性も3年間取ることができます。1人目の場合は最長6ヶ月間、2人目以降は3年間、月額552.11ユーロ(約63,000円)の給付金が支給されます。

もちろん、育児期にも働くことを望む人も大勢いるわけですが、出産前に1年以上勤めた会社であれば、育休の代わりにパートタイムを選ぶことができます。

そして、復帰後のキャリアも安心です。法律で、育休あるいは育児のためのパートタイム期間後には、元の立場への復帰を保障することが義務付けられているからです。

働く女性が多数派のフランスらしい、安心の制度です。

クビになりたいフランス人?手厚い失業保障

失業保険

フランス人の勤務態度が悪いのは、失業保障が手厚くて、クビになったら働かずに暮らせるからだ、なんて言う人もいます。

それが本当かどうかは別としても、たしかにフランスの失業保障は手厚いと言えます。

たとえば、50歳未満の人が、解雇や会社の倒産などやむを得ない事情で職を失ったとしましょう。

その人が過去28ヶ月の間に122日以上勤務したか、あるいは610時間以上労働していれば、最低でも日額約30ユーロ(約3,500円)は支給されます。

支給期間は、直近2年間の労働期間と同じです。普通に働いていた人であれば、2年間は失業保障があるということになります。

これなら、あせらずに就職活動ができますね。

まとめ

いかがでしたか?

フランスという国の仕事環境を見てきましたが、どう思われたでしょうか?フランス人に生まれたら良かったのにと羨ましく思った方も少なくないかもしれませんね。

たしかに、働くという観点で見た時、フランスは全体として恵まれた国であると言えると思います。

一方で、社会保障が手厚いゆえに、働けるのに働かない人が増えたり、解雇が怖くないので勤務態度が悪い労働者が多かったりします。

さらには、労働者の権利が強くストが頻発することから、社会サービスの不便さを感じる市民が多いなど、いろいろな問題があるのも事実です。

日本とフランスの仕事を取り巻く環境は大きく異なり、その違いは、国としての歴史や文化に根ざす、とても深いものです。

良いと思える面を取り入れようとしても、社会全体が関係しているので、そう簡単ではありません。

しかし、外の世界の、日本とは違った考え方ややり方を見ると、視野が広がり、少なくとも自分の生活や仕事をもっと充実させるためのヒントは得られるかもしれません。

本当に充実した生活ってなんだろう、仕事の意味ってなんだろう、そんな深いことを考えさせられる、フランスの仕事事情なのでした。

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