有休は年5週間!大人ものんびり過ごすフランスのバカンスの仕組み

フランス フランスで働く

バカンス大国として有名なフランス。

幼稚園から決まったサイクルで長期のバカンスがあり、学校の夏休みはなんと丸々2ヶ月間、大人になっても会社員なら1年に5週間もの有給休暇があります。長い休みを取れない日本から移り住んだ私も、最初はびっくりしてしまいました。

では、そんなバカンスがたくさんのフランスで、国民はいったいどのように長い休みを過ごすのでしょうか?フランスのバカンスの仕組みについてご紹介します。

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フランスの学校のバカンスシステムと祝祭日

約2ヶ月ごとにやってくる学校の長期バカンス

フランスで子育てをしてみて最初にびっくりしたことは、なんと言っても頻繁に訪れる長期バカンスです。夏休みが明けて9月1日に新学年が始まるのですが、10月の20日頃には年度最初のバカンスがやってきます。

その後も、約2ヶ月学校へ行っては2週間のバカンスがやってくる、というサイクルを1年間繰り返すのです。

バカンスの日程は毎年変わるのですが、年度の終わり頃に次年度の年間スケジュールが国から発表されます。

  • 万聖節のバカンス(vacances de Toussaint):11月1日の万聖節を挟んで2週間
  • クリスマスバカンス(vacances de Noël):12月25日のクリスマス前から年明けまでの2週間
  • スキーバカンス(vacances de ski):2月の前半から3月の頭のどこか2週間
  • イースターバカンス(vacances de Pâques):4月の後半から5月の頭にかけての2週間
  • 夏休み(vacances d’été):7月1週目の週末から8月いっぱいの2ヶ月間

※バカンス客の集中を少しでも分散しようという目的で、フランス全土がA、B、Cと3つのゾーンに分けられており、スキーバカンスとイースターバカンスの始まりと終わりの時期がずらしてあります。

年11日の祝祭日も

その他に年間11日の祝祭日もあり、上記のバカンスに含まれるものもありますが、もちろん学校はお休みです(ただし、振り替え休日はありません)。

  • 1月1日:Jour de l’an (元旦)
  • 3月か4月の月曜日:Lundi de Pâques (復活祭)
  • 5月1日:Fête du Travail (メーデー)
  • 5月8日:8 Mai 1945 (ヨーロッパ戦勝記念日)
  • 5月の木曜日:Jeudi de l’Ascension (昇天の木曜日)
  • 5月か6月の月曜日:Lundi de Pentecôte(聖霊降臨祭)
  • 7月14日:Fête Nationale (フランス革命記念日)
  • 8月15日:Assomption (聖母被昇天祭)
  • 11月1日:La Toussaint (万聖節)
  • 11月11日:Armistice (第1次世界大戦休戦記念日)
  • 12月25日:Noël (クリスマス)

学校がこんなにお休みばかりで大人は困るのでは?とお思いではありませんか?ご心配なく。先に述べた通り、休みが多いのは子供だけではないのです。

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フランスの会社で取ることのできる有休の日数

フランスの会社員には年間5週間の有給休暇があり、そのうち最高で4週間連続して休める権利が法律で保障されています。4週間ということは、1ヶ月近くまとまったバカンスを取ることができる、ということになりますね。

とはいえ、大人は子供のバカンス期間、すべてそれに合わせて休みを取れるわけではありません。基本的に、専業主婦的な感覚はあまりなく、パートタイムも含め約80%の女性が働いているフランス。男女共働きの家庭でバカンス中に子供がずっといる、そんなシチュエーションは困りますよね。

では、長期に渡る子供達のバカンスの間、フランスではどのように過ごすのが一般的なのか見てみましょう。

どう乗り切る?休暇中の子供がいるフランス家庭の対処法

家族でバカンス

バカンス中の子供をどうするかは家庭によって違いますが、お金をかける家庭、お金をかけない家庭、色々な対処方法があります。

おじいちゃん・おばあちゃんに子供を預ける

もちろん祖父母が健在なことが前提なのですが、赤ちゃんの小さな頃から子供を2週間のバカンスの間、丸々祖父母に預けることは一般的です。

5歳になると子供は飛行機に1人で乗ることができるので、遠く離れた祖父母の家に1人で行き来することも多く、お金のかからないベビーシッター的要素たっぷりな祖父母の活躍が輝きます。

休みを取って田舎の別荘に家族で行く

祖父母の家に子供を預けるのと同じぐらい多い過ごし方がこれ。フランスでは別荘を持っている家庭は意外と多いです。

子供に合わせてバカンスを取り、全期間を田舎の別荘で過ごす家族もいれば、土日に有休を数日加えてゆったり長めの週末を過ごす家族もいます。また、友人の別荘に招かれたり、お借りしてお邪魔したりすることも。

もし子供と一緒にバカンスを取れなくても、別荘で過ごす友人の家族に預けておく、なんていうシーンもフランス映画にはよく出てきます。

お金を払って解決!学童保育を利用する

祖父母の家に子供を預けることができたり、休みを取って家族で田舎の別荘に行ったりすることができる人はいいですが、もちろん両親が仕事を休めない場合もありますよね。

そんな時は、各市がオーガナイズしている学校の「Centres de loisirs(サントル・ド・ロワジール)」という、日本でいうところの学童保育のようなシステムに事前に登録しておくと、子供達を預けることができます。

市によって預かり時間に多少の幅はありますが、だいたい朝8時~夜18時半の間、好きな時間に子供を預けることができます。

各家庭の収入によって預ける際の料金が変わってくるのですが、最高でも1日10ユーロほどと格安で、もちろん給食付き、毎日のスケジュールも校外へのミニ遠足など充実しているので、子供達もとても楽しむことができます。

フランスならではの「スキーバカンス」

スキー

年に5回あるバカンスのうち、3回(万聖節、クリスマス、イースター)はキリスト教の祝祭日にまつわるバカンスですが、残り2回のうち1回は夏休み、そしてもう1回、2月に 「Vacances de ski(スキーバカンス)」と呼ばれる宗教と関係のないバカンスがあります。

スキーバカンスとは、その名の通り「スキーに行くためのバカンス」であり、もちろん義務ではありませんが、多くの子供達が実際にスキー旅行に旅立ちます。

フランスの南にはアルプスの山々がそびえ立ち、広大な面積を持つ有名なスキー場が多数あります。フランス人にとってスキーは、小さい頃から慣れ親しむ冬のメジャーなスポーツです。

1週間単位でのパック旅行が主流

スキー場周辺に別荘を持っている人も少なくありませんが、メインはやはりパック旅行の利用でしょう。

どこのスキー場の宿も、バカンス1週目の土曜から1週間、2週目の土曜から1週間、もしくは2週間まとめて、という単位でしか取れないことがほとんどで、1週間以上の長期滞在がメジャーです。

また、宿が提携しているスキー場のリフト券やレンタルスキーなど必要なものがセット価格になっていることが多く、中には食事も込みの料金形態になっている宿もあります。

充実の保育システムで大人もバカンスを満喫

同時にスキースクールも充実していて、子供達を朝から夕方までスクールに預けることができます。まだスキースクールに入れない小さな子供の保育システムも整っているので、大人も自由に滑ったり、ゆっくりしたりと、「大人のバカンス時間」をしっかり確保できるようになっているのが、いかにもフランスらしいのです。

大人も子供も楽しむフランスの長期休暇「夏休み」

夏休みの海

フランスの夏休みは主に7月と8月。街のパン屋さんも、レストランも、薬局も、7月か8月に2週間以上のまとまった休みを取ることは当たり前です。

パリにある有名アイスクリーム屋さんが、8月に1ヶ月間のバカンスを取って店を閉めているのを知ったときは、かき入れ時の8月に休むなんて!とビックリしましたが、フランス人のバカンスにかける思いを知るにつれ、アイス屋さんが夏に休むことすら当たり前に思えてきました。

宿題なし!2ヶ月間のんびり過ごす子供達

そしてこちらもビックリすることに、フランスの学校の夏休みは丸々2ヶ月ですが、学年の変わり目なので、まさかの宿題一切なし!習い事もバカンスの間はお休みになるので、子供達、本当に2ヶ月間のんびりとした時間を満喫できるのです。

何もすることのない子供達には「Colinie de vacances」という、子供だけで参加できるアクティビティも。国や民間団体が運営するもので、臨海学校やボーイスカウトなどの活動があります。1週間、2週間、もしくは丸々1ヶ月など、期間も行き先も様々、山でのキャンプから海でのスポーツ体験まで内容も豊富です。

家庭の経済環境が悪く、バカンスに旅立てない子供達には募金まで用意されているというのですから、驚きですね。

海辺でゴロゴロ、休みは何もしないのがフランス流

家族で出かけるバカンス先で人気なのは、やはり南の海!海外であっても、国内であっても、山より海が断然人気なのは、フランスが太陽ののぞく日の少ない寒い国だからなのでしょうね。

そして、出かけた先では何よりも「ゴロゴロする!」のがフランス人のバカンスの過ごし方

日本人のように、3日の休暇で観光を、なんていう過ごし方は、フランス人にとってはバカンスではありません。いかに何もせずゴロゴロして過ごすか、これがフランス人のバカンスの最大の楽しみなのです。

まとめ~バカンスはフランス人にとって1年間の活力の源

日本ではなかなか取りにくいバカンスが、国民の権利として当たり前に認められているフランス。

子供達はバカンスばかりでお勉強足りてるの?とお思いでしょうが、幼稚園の時から毎日帰りは16時半、1日の勉強時間は小さい頃からとても長いので、きっとバランスは取れているのでしょう。

夏のバカンスが終わった瞬間に、翌年の夏のバカンスの予約をする、それぐらいバカンスを楽しみに1年間頑張るフランス人。日本とはバカンスに対する考え方がまるで違って面白いですね!

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