韓国企業で働くと毎日が事件?仕事中に起こったトラブル・ハプニング
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日本から近い国であっても、海外で働けば驚くような出来事に遭遇します。
私は韓国の釜山にあるローカルの小さな貿易会社で4年ほど働いていました。古い商業地域に立つ築30年ほどの雑居ビル2階が事務所です。古い建物だったので、雨漏り、ゴキブリは当然のこと。他にも、韓国ならではのハプニングがたくさんありました。
4年間の勤務中に経験したさまざまな事件を紹介したいと思います。
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記事の目次
韓国企業での事件1. 取引先が売掛金を払わず逃げる
韓国の中小企業の社長は皆そうなのか分かりませんが、私が勤めていた貿易会社の社長は契約を書面ですることを嫌いました。いわゆる口約束でなんでも進めようとするので、それが原因となるトラブルが絶えませんでした。
一度、商品の卸先の業者に売掛金400万円ほどを丸ごと支払ってもらえず逃げられたことがあります。契約書がないので法的に処理することはできません。結局、そのまま泣き寝入りすることになりました。
そんな事件があった後でもなお、社長は口約束での契約のスタイルをやめることはありませんでした。困ったものです。
韓国企業での事件2. 社長が音信不通
これは結構深刻な事件でした。2012年に当時の李明博大統領が竹島に上陸し、日韓関係が一気に悪くなった時のことです。
私の勤めていた貿易会社は日本向けに商品を輸出していました。そのため、日韓関係悪化の影響をもろに受け、会社の経営状態は一気に傾きました。
さらに、卸先の業者が売掛金を支払わずに逃げてしまうという前述のトラブルがあったのもこの時です。
突然、社長が失踪
悪いことが重なっていたそんなある日、社長が会社から姿をくらましてしまいました。ちょっと気分転換に旅行に行ってきます、というメッセージを残して。
社長がいない間に会社にはあちこちから支払いの催促の電話がかかってきます。社長は携帯電話の電源を切っていて音信不通。為す術のない私たち社員は、ただただかかってくる電話に出ては怒鳴られるのに耐えるだけ。
まるでドラマに出てくるシーンを演じているような気分でした。
数日後、なんとか資金繰りをした社長が帰ってきて、督促の電話から解放されました。日本も韓国も、経営者のストレスは計り知れないものがあるのですね。
韓国企業での事件3. 事務所の入ったビルがリフォームを始める
勤務先の貿易会社が入っている雑居ビルは3階建てで、2階が事務所、3階はビルの所有者が住居として使用していました。ある時、その所有者が小さな子どものいる家族に替わった時に問題は起こりました。
なんと新しい所有者は、建物をリフォームしたいと言い始めたのです。
外観と住居部分の変更に3ヶ月
もともとのビルは、韓国の古い建物によくある赤レンガ造りのものでした。
新しい所有者も以前の所有者と同じく3階を住居にするようで、赤レンガを真っ白な壁にしてメルヘンチックな外観にする計画だというのです。また、外観だけを変えるのではなく、住居の3階は柱などを全部取り払い、全く違う間取りにするのだとか。
工事期間は約3ヶ月。まさかとは思いましたが、本当に建物のリフォーム工事は始まりました。
その期間中だけ事務所を移す経済的余裕はビル所有者にも貿易会社にもなかったので、私達は3ヶ月の間、工事中の建物の中で仕事をすることになったのです。
騒音と振動の中の日々
毎日絶え間ない騒音と振動。粉塵にまみれての業務。よくもあの状態に3ヶ月間も耐えたと思います。
晴れてリフォーム工事が終わった時は、静寂がどれほどありがたいものだったか身にしみて感じることができました。
韓国企業での事件4. 寒さでトイレの水が凍った
釜山は朝鮮半島の南端にある都市です。海に面しているので気候は温暖で、冬は雪もめったに降りません。けれども、真冬の何日かは明け方に気温が氷点下まで下がることがあります。
そんな寒い冬の朝、会社に出勤すると、トイレの水が凍って使えなくなっているというトラブルが度々ありました。建物が古いためにトイレの窓の建て付けが悪く、完全に窓を閉めることができなかったからです。
対処法は?
そんな時は、やかんにお湯を沸かしてタンクと便器の氷を溶かして対応します。
ただ、水道管が凍ってしまった時はどうしようもありません。凍えながら、近くの地下鉄の駅まで走って用を足しに行きました。
見かねた近所のコンビニの店主さんが、トイレが使えるようになるまではコンビニのトイレを使っていいよと言ってくれました。とってもありがたかったです。
韓国企業での事件5. 配達されたはずの新聞が届かない
会社では新聞を取っていました。ビルに新聞受けはあったのですが、毎朝配達の人が2階の事務所のドアの前に置いていってくれていました。
ある時、配達員が変わったのか、新聞が1階の建物入り口に置かれるようになります。
それからしばらくすると、毎朝来るはずの新聞が、日によっては届いていなかったりするようになりました。その度に新聞の集配所に電話をして問い合わせても、配達員はきちんと配ったと言います。
早朝出勤の社員が見つけた「犯人」とは
そんなことが続いたある日、ついに新聞が届かなかった原因が判明しました。用事があって早朝に出勤した社員が、廃品回収のリヤカーを押したおばあさんが新聞を回収していこうとするのを見つけたのです。
韓国の古い住宅地や商業地では、老人がリヤカーを引いて新聞紙やペットボトル、空き缶などの廃品回収をして回ります。こうして日銭を稼いでいる貧しいお年寄りの姿は、韓国ではたまに見かける光景です。
おばあさんには申し訳なかったのですが、新聞は以前と同じようにビルの2階の入り口に置いてもらうようお願いし、問題は解決しました。
韓国企業での事件6. 冷蔵庫に眠っていたキムチ
最後に、まさに韓国ならではのハプニングをご紹介します。
社員共有の冷蔵庫
会社には休憩室があり、そこで社員が昼食を食べることができるよう冷蔵庫や電子レンジ、テーブルが置いてありました。
昼食はお弁当を持ってくる人が多かったのですが、たまにキムチを入れたタッパーをそのまま冷蔵庫に保管している人もいました。
冷蔵庫の中に入れたものはそれぞれ自分で管理します。そのため、冷蔵庫にその黒いビニール袋が長い間放置されていても、誰も気に留めることはありませんでした。
発酵しすぎたキムチが出てくる
ところが、さすがに半年ほど過ぎると、みんな口には出さなくともその黒いビニール袋をどうにかしないとと思うようになります。
勇気ある社員が黒いビニール袋を取り出して開けてみると……。
その先を文章で詳しく書くことは控えますが、とにかく中身はかなり発酵して黒くなったキムチだったようです。
まとめ~乗り越えられればタフになる
どれもこれも、悪い意味での適当さが原因と思われるトラブルばかり。韓国に来たばかりの人なら耐えられないかもしれません。
しかし、こうしたことを乗り越えられる頃には、すっかり図太い日本人になっているでしょう。
韓国在住10年を超えた私は、この程度のハプニングは軽く笑って流せるようになりました。この先、日本人を相手に仕事をすることがあれば、もう少し繊細な感覚を思い出す必要があるかもしれません。
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