インドのコーチンで体験したインド独立記念日「8月15日」
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私はオーストラリアに子連れ留学し8年住んだ後、南インドのバンガロールで現地IT企業の社内日本語教師として働いていました。インドを選んだのは「大好きな国」だったからで、日本に戻った今も一年に一度はインドに里帰りしています。
そんな里帰り旅行で南インドのコーチンという都市に行ったとき、ちょうどインドの独立記念日と重なり、お祝い行事に参加し、お祝いムードを体験することができました。
今回は私がコーチンで体験した、インドの独立記念日の様子を紹介します。
インド独立記念日
インドの独立記念日は8月15日、1947年にイギリス領であったインドが独立しました。この日は国民の休日なので、学校・企業・官公庁などはお休みになり、国をあげてお祝いをします。
街のあちらこちらには国旗が飾られます。インドの国旗のオレンジ(サフラン色)は、ヒンドゥー教、緑色はイスラム教、その間の白は、両宗教の和解を表しています。
真ん中には仏教の法輪(チャクラ)が空と海を表す青色で描かれています。法輪(チャクラ)の中の24本の線は時間を表わしていて(1日の24時間)、多宗教や多民族の団結の象徴でもあるそうです。
国旗の色であるオレンジ・緑・白の風船や布が飾られていることもあります。
インド独立記念日の朝
私は南インドのコーチン旅行中に、インドの独立記念日を迎えました。前日、ホテルのフロントの人から「明日は朝から独立記念日のお祝いをするから集まってね」と声をかけられました。
いろいろなスタッフからすれ違うたびに同じように声をかけてもらい、みんなが前日からわくわく楽しみにしている様子が伝わってきました。
当日の朝はホテルの中庭にスタッフや宿泊客が大勢集まりました。ほぼ全員集まったところで、スタッフのひとりが国旗を掲揚し、その様子をみんな静かに見守ります。
国旗が静かにゆっくり上がっていくのを見ながら、インドの歴史は長いけれど、国としてはまだそんなに古くないんだ、インドの人々が味わったさまざまな歴史の上にこの日があるんだなと、そんなことを考えました。
お菓子がふるまわれる
国旗が掲揚されると、ホテルのスタッフからお菓子がふるまわれました。
黄色くて丸いこのお菓子は「ブンディラドゥ」といわれるもので、日本でも有名になった、インドの神様ガネーシャの大好物だといわれています。ガネーシャの絵を見てみると、手にこの「ブンディラドゥ」を載せていることがあります。
お祝い事のときに出されることが多く、インドの結婚式で新郎新婦がお互いに食べさせあいをするときには、この「ブンディラドゥ」が使われるそうです。
お菓子の後は「ハッピー・インデペンデンスデー!(独立記念日おめでとう)」と挨拶を交わし、チャイを飲みながら雑談タイムが始まりました。
インドのお菓子
ちなみにこの「ブンディラドゥ」は、ヒヨコ豆を粉にしたベスン粉を丸い形にして揚げ、シロップを混ぜてお団子にしたものです。インドのお菓子はとても甘く、一口食べて「無理!」というのもありますが、よく見るものを3つ紹介しましょう。
- グラブジャムーン:これは私が今までインドで食べた中で一番甘いお菓子です。甘いドーナツをそれよりも甘いシロップに漬けたような甘さです。見た目は丸く、シロップ漬けになって売られています。
- ジャレビ:小麦粉と水を合わせた生地を揚げてシロップに漬けたもの。ここでもやはり「シロップ」です。インドの庶民的なお菓子で、露店などで買うことができます。
- バルフィ:砂糖と牛乳が原料の牛乳を煮詰めて固めたお菓子です。ミルキーのインド版といった感じなので、ミルキーが好きな人は大丈夫かもしれません。
インド独立記念日の街の様子
街のあちこちに国旗や国旗カラーの布や風船が飾られています。オートリキシャ(自動三輪タクシー)も、インド国旗を掲げていたりと、街中がオレンジ・緑・白の三色に彩られます。
ショッピングセンターではセールが行われることも多く、ちょっとしたお祭り騒ぎです。
この日は、国旗カラーの置き時計やマグカップ、傘といった小物や、背中に国旗と「INDIA」の文字が書かれた白いポロシャツなど、様々な独立記念日グッズが売られていました。
独立記念日前後はセキュリティが強化されるので、警官や軍隊の人の数が増えますが、それだけ安全が守られているということで、怖がらなくても大丈夫でしょう。
滞在中によく通ったカフェにも独立記念日にはこんなかわいい飾り付けがされていました。
まとめ
私がコーチン旅行の日程を組んだときは、独立記念日だということは全く考えていなかったのですが、この日をインドで過ごせていい思い出になりました。
インドの人が自分がインド人であることを誇りに思い、国を愛し、この日を心から喜んでいることが伝わってきました。「インドが好き!」と素直に自然体で言えるインドの人たちのことを少しうらやましく思いました。
独立記念日はインド各地それぞれでお祝いされますので、もしこの日をインドで過ごす機会があれば、ぜひお祝いの集まりに参加してみてください。
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