甘く見てはいけない!海外旅行中・海外滞在中の熱中症対策
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日本の夏は毎年暑くなっています。毎年多くの方が熱中症で倒れたり、命を落としたりしています。「熱中症」という病気はここ数年の間に、人々の間で認知されるようになりました。
日本国内で暮らす人にも熱中症対策は必要ですが、高温多湿の国へ海外旅行に出かける人や、そのような国に滞在する人にとっても、熱中症対策は必須事項だと思います。
今回はミャンマーに旅行した際に私が熱中症になった経験をもとに熱中症対策についてお知らせします。
記事の目次
私が行っていた熱中症対策
水分補給
一番気を使っていたことは水分補給です。
普段よりも意識して水分補給を心がけ、外出する時は常に飲み物を持っていました。熱中症対策用の飴やタブレットも携帯しているといいと思います。
外出時間の調整
私は特別な用事がなければ、気温の高い昼間の時間帯は屋外で過ごすことを控えるようにしていました。
屋外にある観光名所に出かける際は早朝か夕方の時間帯を選んでみてはいかがでしょうか?無理は禁物です。
日除けアイテム
ミャンマーの最大都市ヤンゴンの年間平均気温は約27度です。暑い時期は気温が毎日30℃以上の猛暑日ということも珍しくありません。
私は強い日射しから身を守るため、日除けグッズを持ち歩いていました。外出時は常に帽子をかぶるようにしていました。日傘でもいいと思います。日傘は雨天時にも使えるものだと便利です。
服装
TPOに配慮しながら
- 通気性がよく
- 汗をかいても乾きやすい素材
上記の洋服を選んで着ていました。それと同時に外出時は大きめのスカーフや薄手の上着を必ず持ち歩くようにしていました。
東南アジア諸国に共通する事なのですが、日本よりも冷房が強めの設定になっているところが多いです。外は30℃以上で湿度が高く、室内や車内は時に寒すぎるくらい冷房が効いているという環境から体調不良になる場合があります。
また、亜熱帯気候の国は天候が変わりやすいです。猛暑日でも突然のスコールで一気に外気が下がることもあります。身につけるもので体温調節を行い、熱中症に備えましょう。
私が経験した熱中症
ミャンマー人の友人と一緒にミャンマー国内旅行に出かけた時に、私は熱中症になりました。
約1週間のスケジュールで最大都市ヤンゴンから北上し、ミャンマー最後の王朝の王都だったマンダレー、イギリス占領時代にイギリス人の避暑地だったピンウールインを通って最後はインレー湖付近の街を目指す車での旅でした。
旅も終盤になり、あとはインレー湖付近の街に行くだけになった時です。私達は山間の小さな町に滞在することになりました。
そこはヤンゴンやマンダレーと比べると高地にあり、とても涼しい場所でした。まるで猛暑日の東京のオフィス街から突然、軽井沢や日光に来たかのようでした。
夕方、その町についてから私は寒気を感じていました。突然の気温の変化で風邪でもひいたのかなと思っていました。
とりあえず、日本から持ってきていた風邪薬を飲み、友人に相談しました。友人は私を心配してくれ、「念のために体温を測ろう。」と薬局を探して体温計を買ってくれました。
お互いに自分達の薬は準備していたのですが体温計だけは持っていなかったのです。私の体温は平熱でした。「これなら安心だね。」と言って私と友人は笑っていました。
熱中症の進行
体温測定をした時点では「軽い風邪」のような状態でしたが、状態は徐々に悪化していきました。その日の夜、夕食を食べるために地元のレストランに行ったのですが、私は食欲がなく、ほとんど食べられませんでした。
悪寒が強くなり、船酔いになったような状態が続いていましたが私は我慢してしまい、そのままホテルに戻り、眠りにつきました。
深夜、私は自分の呼吸音で突然目が覚めました。口呼吸しないと息ができないほど苦しく、激しい頭痛、大量の汗が出ていました。体も熱く、熱があることがすぐにわかりました。
そのうちに気分が悪くなり、フラフラの状態でシャワールーム(ユニットバスでした)に行き、洗面所で嘔吐。そして、下痢の症状が出てきました。
シャワールームからベッドに戻ろうとした時はまっすぐ歩くことができず、バランスを崩して一回転倒してしまいました。
「これはいけない!」と思いました。いつもの習慣でシャワールームのドアに鍵をかけていたのです。友人は眠っています。
幸い怪我はありませんでしたが、もし、どこかに頭をぶつけて大怪我をしたり、意識を失っていたらどうなっていたことでしょう?今、考えるとゾッとします。
熱が40度まで上がる
何とか自力でタイルの上から立ち上がり、ドアを開けて、友人に助けを求めました。
友人が再び体温計を出して私の体温を測ってくれました。なんと熱が40度もありました。普通の状態ではありません。私の症状と状況から「熱中症ではないか?」ということになりました。
私は日本から持ってきた解熱剤と下痢止めを飲み、休むことにしました。その間、友人がフロントへ連絡し、氷水とタオルで体を冷やしてくれ、脱水症にならないように飲み物を用意してくれました。
熱中症から回復するまで
翌日
翌日の予定は全てキャンセルです。予定ではインレー湖付近の街へ移動することになっていました。
朝になっても私の熱は下がりませんでした。高熱が続いていましたが意識はしっかりしていました。2人で相談した結果、その日はホテルで休み、様子を見ることにしました。
私は「定期的に体温測定を続け、服薬し、水分を摂り、眠る。」ということを繰り返していました。
その間、友人はSNSで日本にいる私の家族へ連絡してくれ、状況報告をしてくれました。さらに、SNSでミャンマー人の友人たちに私の状況を報告してアドバイスを求めてくれていました。私の友人には医療関係者もいたからです。
私には「熱中症の可能性が高く、安静にしたほうがいい」という結論が出ました。
絆
「困った時は助け合う」という精神をミャンマーの人々は大切にしています。私の友人には彼女の友人たちから次々と私へのお見舞いメッセージが届いていました。
「一体、何があったの?」
「きっと、旅の疲れと急激な気温の変化で体調を崩してしまったのでしょう。」
「脱水症に気を付けて。」
ある方は「私の友人があなた達の滞在先付近で医師として働いているから、もしもの時はここへ。」とお医者さんの連絡先と病院名を教えてくれたそうです。
ほとんどの方が数日前に知り合ったばかりの方々です。日本から来た、ただの旅行者にすぎない私に親切にしてくれるミャンマー人のやさしさに私は感激していました。
回復
その日の夕方、やっと私の体温は平熱になりました。体力を消耗してしまったので「完全回復」とは言えませんでしたが、まずはひと安心です。
私が平熱になったというニュースは友人のSNSで直ちに拡散され、今度はたくさんの激励メッセージを頂きました。
決断
私は決断しなければいけませんでした。このまま旅行を続けて最終目的地まで行くか、それとも予定をキャンセルしてヤンゴンへ戻るか?
最終目的地は目の前にありました。最終目的地まであと車で2時間程度です。しかし、私はまだ完全回復していません。
ただでさえ、周りの皆さんに迷惑をかけてしまっています。大都市とは異なるため、万が一、体調が悪化した際、対応してもらえる病院があるかどうかもわかりません。しかも私は外国人です。言葉の問題もあります。
本当に残念でしたが私は「ヤンゴンへ戻る」という決断をしました。友人には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかし、友人は笑ってこう答えました。
「あなたの健康が第一。旅行にはまたいつでも行ける。ミャンマーはいつでもあなたを待ってるわ。」
この言葉に私はどれだけ救われたでしょうか。友人、ホテルのスタッフの皆さん、旅行中お世話になった車の運転手さん、そしてSNSを通して私のことを見守ってくれた皆さんに感謝です!
まとめ
平熱になってから2日後頃には私はすっかり元気になっていました。
熱中症対策はきちんとしていたつもりでしたが、旅の疲れが出たことと急激な気温差に体がついていけなかったことから熱中症になってしまったのだと思いました。
熱中症は誰にでも起こる病気です。「自分は大丈夫」と思わず、熱中症対策をしましょう。熱中症は重症化すると死の危険もあります。私はたまたま運が良かっただけです。
無理のないスケジュールを立て、もしもの時は予定をキャンセルして下さい。健康と安全が第一です。
<ご参考までに>
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100PLUS公式サイト:http://100plus.com.my/
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