アメリカで履歴書作成から労働ビザ取得まで、就職活動のポイント
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今、これを読んでいる人の中には「アメリカの地で英語を使いながら、仕事で自分を試してみたい」と考えている人がいるのではないでしょうか。海外の中でもアメリカを目指す人は、志の高い人が多いように思います。
アメリカには文化や習慣がたくさんあるようでいて、実はそれほどではありません。「しきたり」や「体裁」などがなく、それぞれが個人の能力・スキル・個性で社会に貢献して生きているからだと思います。
ここでは、そんなアメリカで就職活動した私の苦労話とともに、アメリカ就活で役立つ情報をお届けします。
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記事の目次
アメリカ就職を目指すなら履歴書で自己アピール
アメリカと日本では、履歴書の形式がまったく違います。
日本では全国一律で決まっている履歴書ですが、アメリカの履歴書は「書き方の仕様」はあっても、学歴・経歴・能力など、どの部分を強調したいのかによって書き方が違ってきます。
この履歴書サンプルのリンクを見ると分かるように、産業別だけでも20種類以上の書き方があります。
興味のある分野や得意な分野の職種でよく使われる履歴書を基に書けば、提出先から連絡がくる可能性が高くなります。なぜなら、業界ごとの仕様に従って書いた方が相手に伝わりやすいからです。
履歴書作成には時間と忍耐が必要
私にとっては、日本の履歴書よりもアメリカの履歴書を作成する方がより多くの時間と忍耐力を必要としました。
アメリカの履歴書を作成する場合、自分が働きたいと思う業種の履歴書サンプルをよく理解し、自分を一番上手に引き出せる構成を考え、文法や言葉選びに気をつけながら書くことが大切です。
初めてアメリカの履歴書を書いた時は、自分のスタイルや良いところを引き出すのに必死でした。現地の大学を卒業間近で勉強も押し迫る中、履歴書の作成をすること2週間ほど。眠い目をこすりながら、言葉を選びながら何度も書き直しました。
ネイティブチェックを受けて修正を繰り返す
外国語である英語ではなかなかうまく書けず、何度もネイティブの人にチェックしてもらいました。チェックを受けるために会っては修正することを繰り返し、結局、履歴書1通仕上げるのに合計3週間ほどかかります。
面接で、ある面接官から履歴書の出来具合をほめられた時には「時間をかけて作って良かった」と心底思いました。
履歴書の作成で困った時はエージェントに相談
履歴書作成には根気が必要です。作っている途中で心が折れてしまうこともあります。そんな時には転職エージェントの力を借りるという方法もあります。
日系の転職エージェントはサポートが手厚いので、履歴書の作成を手伝ってくれたり、選考に通りやすい履歴書作りをサポートしてくれたりします。
例えば、海外にも拠点のあるJAC Recruitmentなどは無料でサポートしてくれるので、海外就職や履歴書作成で悩んだら利用してみてください。
アメリカ就職には面接で受け答えできる英語力が必要
履歴書の審査を通過した後には必ず面接があり、その時の会話力が英語力を示すことになります。この面接時に英語できちんと質疑応答できないのであれば、就職に結びつくことはありません。
ただ、履歴書に日本人であることを示せば、完璧な英語力よりも応募職種の専門知識があるかどうかが評価される可能性があります。専門知識があり、なおかつその知識についてきちんと英語でやり取りできれば、日本語なまりの英語でも採用につながります。
アメリカの大学卒業なら英語力は不問
日本の会社では英語のスキルを確認するために「英語力はどのくらいありますか?」もしくは「TOEFL または TOEICのスコアはどれくらいですか?」と聞かれることがよくあります。
アメリカでも、日系企業であればそのように聞かれるかもしれません。でも、私はこの質問をされたことは一度もありません。それは、アメリカの大学を卒業しているからです。
アメリカの大学を卒業することは、アメリカ人にとっても大変なことです。大学を卒業したという事実があれば、英語力を聞かれることはありません。
生活に困らない英語力を身につけるには最低3年
私は日本の短大で英文学科を専攻し、必死で英語を勉強して渡米しました。英語力には自信があったものの、実際には表面的な会話止まり。アメリカの社会で問題なく生活していくには、私の経験から最低でも3年はかかると思います。
発音がうまくできず途中で電話を切られてしまったり、大学のグループ・プロジェクトでうまく自分を表現できず、グループと打ち解けずられずに気まずい思いをしたり。
そういった壁を乗り越え、3年半のアメリカ生活を過ぎた頃から少しずつ英語での会話がこわくなくなっていきました。
アメリカでの就職先探しにはあらゆる手を使う
アメリカでの就職先は、知り合いを通して探すのが一番効果的です。でも「アメリカに知り合いがいない」という人がほとんどのはずなので、日本にいながらアメリカで仕事を探すことは難しいです。
アルバイトやインターンで経験を積む
多くの人はアメリカに来てから仕事を探すことになると思うので、大学生なら在学中に大学構内でアルバイトをしたりインターンに参加したりと、いろいろな勤め先を通して職場経験することをおすすめします。
ビザの関係で働くことができない場合はインターンとして無償で働き、そこから就職に結びつけるという話をよく聞きます。
短期間でもアピール材料に
私自身、現地の大学在学中に大学内の本屋でアルバイトをしたり日本語の家庭教師をしたりしました。
その後、ワシントンDCにある金融関係の会社でアルバイトをする機会に恵まれましたが、勉強とのバランスが保てず、残念ながら3カ月働いただけでした。これは、大学を卒業する2年も前のことです。
しかし、その経験を履歴書に書いたことがきっかけで、後に50社以上応募した会社の一つに採用が決まりました。アメリカでは常に「使える」人材を求めているので経験は不可欠です。
企業と就職希望者のマッチングイベントに参加する
アメリカの大都市では、英語と日本語のバイリンガルを対象にした「キャリア・フォーラム」が毎年開催されています。
「ボストン・キャリア・フォーラム」はかなり大規模なようですが、私は一度も出席したことがありません。ただ、このフォーラムを利用して就職先が決まったという人の話を聞いたことがあります。
求人サイトを使う
その他、専門分野の就職ウェブサイトの利用も効果的です。
日本人という利点を活かしてアピールしない限り、一般的な求人サイトにはなかなか印象を残すことができません。そのため、自分の得意とする分野の就職サイトを探し、そこから職種を絞った方が効果的です。
例えば、ITの専門知識がある人ならば、”IT, computer programmer, job, New York”など、業界、職種、そして勤務したい都市を入力して検索すると、それに合った就職ウェブサイトが見つかります。そこから興味のある仕事へ応募すれば返事をもらえる可能性が高いです。
アメリカ就職最大の難関、労働ビザのスポンサー探し
アメリカ就職で一番大変なことは、労働ビザのスポンサー探しです。仕事を探すと同時に、ビザのスポンサーになってくれる企業を探すわけなので、ストレスは並大抵ではありません。
私の経験から、スポンサーになってくれる企業は非常にまれだと感じます。何度も何度も履歴書を送り面接に挑みましたが、なかなかスポンサーになってくれる会社が見つからず、毎日ストレスに苛まれ落ち込みました。
企業がスポンサーになるということは、その人材のために時間とお金を費やすということです。経験と知識のあるよっぽどの人材でないと、なかなかスポンサーになってはくれません。
労働ビザの発行数には限りがある
政府の方針により、企業が発行できる労働ビザの数には限りがあります。そのため、かなり腕のいい弁護士を雇っている企業でない限り、労働ビザが下りるのに時間がかかるとよく聞きます。
基本的に、労働ビザが下りるまでは給料がもらえないので無償で働き、ビザが出たらその分をまとめて払ってもらえるということになります。
スポンサーを得るため応募先を限定
私の場合は、大学を卒業してから初めての企業に就職が決まるまで3カ月ほど時間がかかりました。応募すれば返事はきましたが、「ビザのスポンサーを探しています」と伝えると反応が変わりました。
初めの2カ月くらいはそのことに気付かず、とにかく興味のある仕事に応募していたものの、スポンサーを探すことに問題があるのだと分かり、応募先を日本語に関係のある仕事に絞りました。
その結果、次第に応募先から連絡がくるようになり、数社と面接するまでに至りました。
解雇を経てビザの下りやすい国際機関へ
そして、やっと採用が決まったのは良かったのですが、入社して3カ月後、景気悪化で一番先に解雇され、どん底に突き落とされます。
その2日後、たまたま見つけた求人広告が国際機関のアシスタントでした。私はまったく知らなかったのですが、国際機関はアメリカ政府とつながりがあるため、採用が決まればビザが下りやすいという利点があります。
また、国際機関用のビザ枠があるので、仕事の契約をする際に申請ができ、その後の心配がありません。
他にも、大学などの教育機関や医療などの研究機関で働く場合も割と問題なくビザが取得できるようです。景気に左右される企業よりもこういった機関を目指せば、アメリカ就職もそれほど遠い目標ではありません。
アメリカ就職では企業名よりも個人の能力が重要
日本では「どこの企業で働いているのか」がいまだ重視され、それが有名企業であれば「すごい」というイメージがあります。一方、アメリカではそのような意識はなく、有名企業であっても専門職の経験や技能がなければビザ発給対象になりにくいです。
例えば、パーティーなどでは「どこの会社で働いているの?」と聞かれるよりも「どんな仕事をしているの?」と聞かれる方が一般的です。仮に大企業で働いていると言ったとしても、「では、そこでどんな仕事をしているの?」と仕事の内容を聞かれます。
アメリカの人たちは、個人がどのような能力やスキルを持っているかに関心があるのです。
何ができて、どんな貢献ができるのか
アメリカでの仕事探しは、ビザがない人にはとても難しくなります。ただ、得意分野や専門の能力・知識を持っている人は、時間がかかっても仕事を見つけることができます。
専門知識や特殊な能力がない人は自分を見直し、自分には何ができて、どの分野で仕事をしていきたいのかを分析すると就職先が見つかりやすいと思います。
まとめ〜夢に向かって大きなチャレンジを
アメリカで仕事をするには、まず労働ビザの認可が必要です。仕事そのものに加えてスポンサーを見つけることはとても大変です。
日本人にしかできないような日本語教師や寿司職人などの仕事であれば、比較的簡単にビザが下りると聞いたことがあります。ただ、せっかくアメリカで仕事をするのならばチャレンジ精神をかき立てられるような分野に挑戦してみたいもの。
そうなるとアメリカで職を探すことは苦労の連続ですが、成功した時の達成感と充実感は大きいと思います。夢を大きく持ち、アメリカの地で頑張っている日本人を私は応援します。
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