カトリックの国、イタリアでチベット仏教体験はいかがですか?
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敬虔なカトリックの国イタリアに、ヨーロッパで随一の大きさを誇るチベット仏教寺院があります。ピサ州のポマイア(Pomaia)という街にある、Istituto Lama Tzong Khapa(イスティトゥート・ラマ・ツォン・カーパ)です。
寺院といっても外見はお城を彷彿とさせますが、中には立派な僧院があり、ログハウスに個室、ドミトリーなどの宿泊施設や食堂も完備されています。
ちょっと変わったイタリア旅行をしてみたいという方には面白い体験になるはずです。
記事の目次
チベット仏教とは
※仏舎利塔
インドで生まれた仏教は、7世紀ごろチベットに伝えられ、数々のラマ(宗教上の指導者の意味)によって弟子へと代々伝えられて来ました。それ故ラマ教とも言われます。
死後再び生まれ変わるという輪廻転生を信じ、カルマ、つまり、今まで行った諸行(悪行、善行全て)は、巡り巡って自分の元へ戻ってくると考えられています。
来世の自分がどう生まれ変わるかは、今現在の自分の行い次第という概念を理解しているため、多くのチベット仏教信者は困っている人を助け、いつも笑顔で明るく生きるように心がけています。
チベット仏教の最終目標は悟りの境地へ到達することであり、執着や欲望、怒りといった悪行を捨て去ることによって、自らも悟りを得ることができ、ブッダ(悟った人)になれると信じています。
※マニ車
オム・マニ・ペメ・フム(Om・Mani・Padme・Hum)という慈悲の化身である観音菩薩の真言(マントラ)を唱えることによって、惨事から逃れ、徳を積み、苦しみから解放されて悟りを開くことができると考えられています。
ダライ・ラマ法王は全てのチベット仏教徒にとっての最高指導者です。
チベット仏教の寺院について
ヨーロッパで最も大きなチベット仏教寺院、Istituto Lama Tzong Khapaは1976年に設立され、以降多くのチベット人指導者がこの寺院を訪れ、数々の有難いお話を残していかれました。今現在も2人のチベット人指導者が常駐しています。
ダライ・ラマ法王も3度この地を訪れ、イタリアにおけるチベット仏教の重要な役割を担っています。
1983年よりチベット仏教の真髄と実践の習得を目的とした5年から7年の長期仏教カリキュラムが実施され、今ではその卒業生たちが全世界でチベット仏教の普及に尽力しています。
週末には初心者向けのコースも実施され、チベット仏教の哲学を学び、そして、それを日常生活でいかに実践して行くかを学びに来る方々が沢山いらっしゃいます。
また仏教だけに限らず、ヨガやマインドフルネスなどのコースもあり、心と体の改善にも一役買っています。
チベット仏教の寺院施設の紹介
宿泊施設
屋外にはログハウス、寺院内には個室やドミトリーなど様々な宿泊施設があります。最大で120人ほど泊まることができます。
※ログハウスの外観と内装
※ドミトリー
食事
専門のシェフによるベジタリアンフードも堪能できます。
※食堂
※夏は外で食事です
お店
数珠や仏像などの仏教用品を売るお店と併設してカフェ・バールもあります。カフェの他にジュースやアイスなどを販売していますが、アルコールは置いてありません。
ティーガーデン
夏限定(5月から9月)で様々な国々のお茶が楽しめるティーガーデンがオープンします。
チベット仏教寺院でのボランティア活動
こちらの寺院ではボランティア活動をすることもできます。週6日、1日6時間の軽作業の見返りとしてドミトリーのベッドを支給され、1日3度の食事が与えられます。
仕事の内容は、皿洗いや調理補助、寺院の清掃係や庭掃除と多岐に渡ります。勿論、年齢や性別によって与えられる仕事は変わりますが、どなたでもできる仕事になっています。最低で2週間、最長で3ヶ月までの期間を指定することができます。
ボランティア活動を通して、チベット仏教の理解を深めるだけでなく、集団生活を通して奉仕することの素晴らしさを学び、また、たくさんの友人もできます。
イタリア人が多数を占めるためイタリア語での会話が身につきますし、海外からのボランティアもやって来るので英語の勉強にもなります。
片道約20分の所にある最寄り駅のRosignano(ロジニャーノ)への車の送迎も予約すれば可能です。
もし興味のある方は、下のリンクからボランティア申請フォームへ移動し、全て記入した上で送信してください。
- https://www.iltk.org/(イタリア語)
- https://www.iltk.org/(英語)
チベット仏教寺院周辺の見どころ
※ポマイアの街並み。 Istituto Lama Tzong Khapa出口からの眺め
20分ほど車を走らせれば Castiglioncello(カスティリオンチェッロ)、Cecina(チェチナ)といった海沿いの街に行くことができます。
また車で1時間ほどの所にSan Gimignano(サン・ジミニャーノ)、ワインで有名なBolgheri(ボルゲリ)などがあります。Pisa(ピサ)やLivorno(リヴォルノ)へも1時間以内で到着します。Firenze (フィレンツェ)へは約1時間半です。
Casciana Terme(カッシアーナ・テルメ)やSan Giuliano Terme(サン・ジュリアーノ・テルメ)、少し離れてはいますが、 Sassetta(サッセッタ)やSaturnia(サトゥールニア)といった温泉地へもアクセス可能です。
- 名称:Istituto Lama Tzong Khapa (イスティトゥート・ラマ・ツォン・カーパ)
- 住所:Via Poggiberna, 15 56040 Pomaia (Pisa)
- 電話番号:+39 050/685654 月曜から金曜(9:00 – 12:30/14:00 – 18:00)、土日(9:00 – 17:00)
- メールアドレス:segreteria@iltk.it
- 公式サイト :http://www.iltk.org/it(イタリア語)、https://www.iltk.org/en(英語)
まとめ
半日もあれば全てを見て回ることができますが、こちらの寺院へは泊りで訪れることをおすすめします。
美味しいベジタリアンランチを食べたらカフェでゆっくりしましょう。緑の中を散歩するのも悪くないですね。綺麗な夕焼けを見終わったらディナーです。
食後は満天に広がる星を見ながら、日々の喧騒を少しばかり忘れてみましょう。
そして、次の日の朝は早めに起きて瞑想の時間にあてましょう。きっと心が穏やかになって、良い一日のスタートが切れるはずです。
生き急ぐ世の中にあって、時々足を止め、自分自身について考えてみるのも悪くないのではないでしょうか?
この寺院ではそんな貴重な時間を手にすることができます。イタリアという国に居ながらにして・・・
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