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中南米でありがちなビジネス上のトラブルとは?日本との違いを知ってイライラを回避

納期

ラテンの人とのビジネスで一番注意を要するのは、代金回収がしっかりできるかどうかだと思います。

昔買った「ビジネス・スペイン語」の本では、代金回収の例文の章が一番充実していて、あれこれと表現を変えながら回収できるまで何度もレターを出す際の表現が豊富に記載されていました。

私が働いてきた中南米では、日本とはビジネス上の考え方や習慣が大きく異なり、トラブルに発展するケースも考えられます。そのような事態を避けるため、商取引を伴うビジネスを前提として注意すべき点をご紹介します。

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目次

中南米では支払いがいつになるか分からない

支払い

冒頭に述べた通り、代金回収は中南米でのビジネスにおいてもっともトラブルになりやすい事項です。

会社が倒産でもしない限り踏み倒されることはありませんが、期日通りに支払われることはまず「ない」と思って間違いないでしょう。

相手企業の支払いシステムを確認

たいていの会社では支払い日が決まっているので、取引を始める前にどのような支払いシステムになっているのかを確認するべきです。

オーナーさんが小切手や銀行への支払い指示書に都度サインするというのではない比較的大きな企業では、経理が完全にシステム化されているため、週に1度金曜のみとか、15日と月末のみとか、月に1度だけということもあります。

それ以外の日は、どんなにお願いしても支払われることはありません。

また、請求書がきちんと経理のシステム上で支払いアカウントとして反映されているかどうかを可能な限り確認しておくことも大切です。

催促した方が勝ち

中小企業で、支払いを指示する権限がある人物が支払い日を動かせる場合は、得てして支払い期日の順番ではなく、督促がうるさい取引先から払うものです。

従って、言い方には注意する必要もありますが、支払い期日が来ても払われないものは遠慮なく頻繁に催促することが得策です。

中南米では納期は「最善のケース」

納期

ラテンの人に「いつまでにできるか」と聞くと、まずほとんどの場合、最善のケースが提示されます

日本人の思考回路は、「○○までにできそうではあるけれど、何が起こるか分からないから余裕を持って△△までにしておこう」というものです。

そのため、ラテンの人に「○○日まで」と言われると、つい同じ思考回路で「遅くても○○日までにはできるだろう」と考えてしまいます。

が、このラテンの人の言う納期が守られることはほとんどないので、結局は洪水のような言い訳を聞きながらイライラ待つことになってしまいます。

2倍の時間を想定していた方が楽

私はこちらの人に、「日本人のように○○日までと言っておいて結局それよりも早くできた方がずっと心象が良くなるから、余裕を持った期日を約束してほしい」と何度も言っています。

ですが、彼らはどうしても本能的というか反射的に、最善のケースを想定した期日を言ってしまうようです。

従って、例えば月曜に依頼して金曜までにできると言われたら、その週には絶対できずに来週に持ち込まれると思った方が気分的にも楽です。目安として倍くらいの時間を見ていた方が良いでしょう。

中南米では休暇は長く、その間は連絡がつかない

休暇

ラテンの人は休暇をしっかり取ります。日本人は年次有給を1日単位で取ったりしますが、こちらでは最低でも1週間まとめて取ることを「休暇」と呼びます

そして、休暇中は仕事はしません。メールをチェックして対応する、ということもまずありません。そのため、いくらモバイルで連絡がつく人でも休暇中は一切仕事の連絡はできないと思ってください

その代わり、客先には「今担当者が休暇中なので1週間待ってほしい」といった言い訳も通用したりします。休暇に入る人がいたら、事前に十分に打ち合わせをしておきましょう。

中南米では品質の高さにこだわらない

車

日本人と違ってラテンの人は、品質に関しては完璧に追求することはありません。もちろん、機能に影響する品質は手を抜いてはならないことは理解していますが、例えばちょっとしたキズなど機能に影響しないところには寛容です。

以前、中古車を買いに中古車センターへ行って、年式も比較的新しい青いマツダのコンパクトカーを見つけました。

コレだ!と思って値切ることにしたのですが、「ほらここにキズがあって汚れているから安くしてよ」と言ったら、新車じゃないんだから何を言ってるんだと突っぱねられ、言い値で買うことに。

中古車は売る方も買う方も、キズがあっても汚れていても気にしません。中古だからとあきらめてください。

中南米で日本がビジネスチャンスを失う原因

ビジネス

中南米では、一般消費財で日本ブランドが優位を保っているのは自動車くらいで、あとは中国製や韓国製が優勢です。

日本企業の進出もまだ少なく、中国企業や韓国企業との競争に負けることもしばしばですが、理由は価格競争力の他に2つあると思います。

賄賂

一つは、残念ながら中南米では汚職が公然化している面もあり、賄賂もしくは謝礼を払った方が有利という点です。潔癖な日本人はコンプライアンス上の問題もあり、贈賄はしないのが普通ですが、中国人や韓国人は抵抗なく払うようです。

また賄賂は、あからさまに要求されるというよりも暗黙に示唆されるので、日本人はなかなかその暗黙のメッセージが読み取れません。

国により異なる事情

ただ、国によっても事情は違い、例えばチリは一般的にクリーンです。

エクアドルからチリに引っ越した時にチリ人の友人から「チリに行ったら間違っても警官にお金を渡さないように」と戒められました。エクアドルでは、交通違反をして反則切符を切られそうになったら、警官にいくらか払って許してもらうのがほとんど普通なので。

決断の遅さ

もう一つの理由は、日本人は決断が遅いということです。

日本の会社は、ある程度の規模以上だと商談してもその場で即断できず、本社に問い合わせるという回答しか出せない場合がほとんどです。また本社に問い合わせても、すぐに結論を出せるとは限りません。

いったん出された結論が覆されることがないのは日本企業の利点ですが、納期に関する時間感覚が日本人とラテンの人とで違うように、決定に関する日本人の時間感覚は逆にラテンの人にとってストレスとなります。

その点、中国人や韓国人の決断の速さは、ラテンの人のスピード感と相性が良いようです。

まとめ〜違いを理解しておけば納得できる

支払い期日や賄賂の件などは、知っていれば回避できるというものではありませんが、知っていることで気が楽にはなると思います。

例えば納期に関しては、本文中にも述べたように最初から倍の期間を想定していればイライラすることはなくなるでしょう。また、中国や韓国、またはラテン企業との競争に負けて受注を逃したら、賄賂を払わなかったせいだと思えば納得もできる場合があるのではないでしょうか。

日本のやり方を押し付けすぎることなく、中南米の商慣習を理解して共生を目指しましょう。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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