南米のコロンビア、チリ、エクアドルで、ビジネス・パーソンとして働いてきました。また、中南米の他の国にも出張で行く機会があります。その前は、スペインでも働いていました。
日本では、南米というとサッカーくらいしか思い浮かばないかもしれませんが、南米で働くことの楽しさを紹介させて頂きます。
私の生活経験は南米だけですが、ここではメキシコ以南の中南米全体を、一つの文化圏として説明したいと思います。
中南米人はラテン人?
「ラテン人」というと一般に、スペイン人やイタリア人に代表される情熱的で陽気なイメージや、メキシコ人のちょっとおとぼけイメージがあるのではないでしょうか。
中南米は別名「ラテン」アメリカですが、そういう一般的なイメージの「ラテン人」とは、ちょっと違います。
勿論、日本人やイギリス人などに比べれば、いわゆる「ラテン」です。
しかし、中南米には先住民であるインディオ系やインディオとスペイン人の混血人種が多い国もあれば、スペインではない他のヨーロッパ人の影響を受けている国もあり、単に「ラテン人」という言葉ではひとくくりに出来ません。
例えばインディオ系が多いのは、メキシコやグアテマラ、ペルー、ボリビア、エクアドルといったアンデス山脈沿いの国々です。
インディオ民族の中でも、メキシコにはアステカ族とマヤ族とあり、ペルーやボリビア、エクアドルはインカ族で、それぞれ少しずつ性格も違います。
この他にも、チリのマプーチェ族、チチカカ湖周辺のアイマラ族、パラグアイのグアラニ族などの少数民族もいます。またドイツ系やイギリス系の移民が多いチリや、イタリア系が多いアルゼンチンでは、基本的にインディオ系は殆どおらず、白人中心です。
ブラジルは、黒人、白人、アジア人、先住民系がごちゃごちゃに混ざっているのですが、その混ざり方は、米国のようにそれぞれがきちんと住み分かれているのではなく、混血しています。
なので、髪の毛は黒人のようにちり毛で、皮膚は白く、東洋人の目をした、不思議な人種もよく見かけます。ベネズエラなどのカリブ岸には、レバノンやシリアからのアラブ系移民も多くいます。
中南米人の特徴
上記のように中南米では、アマゾンの生物多様性のように人種も多様ですが、ごく簡単にそれぞれの特徴をまとめると、以下のようになるでしょうか。
- アステカ族:戦士的
- マヤ族:ハワイ人のように温和
- インカ族:真面目だけれど暗くて、何を考えている かよくわからない
- チリ人:ドイツ系が多いので真面目で、ラテンのノリがない
- アルゼンチン人:イタリア系が多いので、大袈裟。中南米人の中では嫌われている
- ベネズエラ人:アラブ系が多く、商人系でドライ。中南米人の中では嫌われている
- ブラジル人:フレンドリーで定評あり。中南米人の中でも人気者
中南米で働く魅力
上記のように、国によって国民性も違ってくるのですが、それぞれの国の違いは、中南米をひとくくりにして日本と比較した場合の違いに比べれば、小さいでしょう。
中南米全体に共通しているのは、人情がある、というところでしょうか。全体的に、日本の江戸時代あたりの下町人情がある感じがします。
家族や家族と過ごす時間を大切にしますが、家族だけでなく、親しくなると、家族でなくても家族のような扱いをしてくれます。
外に出れば、皆車で移動するので通りで歩いている人は殆どみかけない米国と違って、人がうじゃうじゃいて、でも同じように人がうじゃうじゃいる日本で感じるような群集の中の孤独は、何故か感じません。
ビジネスも一般的には、西欧の契約書重視とはちょっと違って、口約束の方が大事だったりします。相手がしっかり目を見て握手しながら約束してくれた事は、ちゃんと守ってくれて、後で契約書を送ってもろくに見もしないでサインしてくれます。
逆に契約書を送ると、「俺の言った事が信用できないのか」と、気分を悪くされかねません。
中南米で働く魅力には勿論、ブラジル以外ではスペイン語が通じるので、スペイン語が出来ればどこでも通用することもあります。逆に英語はあまり通じないので、英語しか出来ないとつらいかもしれません。
働く中南米人
ラテン人は、蟻とキリギリスの話のように、遊んでばっかりで怠け者、というイメージもあると思いますが、そんな事はありません。
特にインディオ系は基本的に働き者ですし、フランスのようにバカンスを2ヶ月も3ヶ月もとったりしません。
休暇はまとめてとってゆっくり休むのが普通ですが、それでも1~2週間です。残業も、必要な時はちゃんと遅くまで残ってくれますが、無意味な残業はしません。
ラテン人は時間にルーズ、というイメージもあるかもしれませんが、時間に対する考え方が違うだけです。ラテン人の時間管理に関しては、別の機会にご紹介したいと思います。
まとめ
中南米人の国別の特徴や違いを書きましたが、同じ国の中でも違いがあります。
例えばコロンビアやエクアドルのように、アンデス山脈の高地と海岸地方の低地とある場合、低地の人は解放的ですが、高地の人は閉鎖的です。また富裕層と低所得層も、根底は同じでしょうが付き合い方を変える必要があります。
日本人が中南米で仕事をする場合は、中~高所得層と一緒に働くことになるかと思いますが、この場合どんな職場の雰囲気になるのかを、次回紹介させて頂きます。
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