オランダで個人事業主のビザを自力で取得する方法~その①~

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オランダに滞在するためのビザのひとつである「個人事業主ビザ」。移民の多いオランダでは移民局が忙しいこともあり、すぐに取れるわけではありませんが、しっかりと準備をして手順を踏めば取得は比較的容易と言われています。

ビザの申請作業は、主に「書類の準備」です。確実な情報に沿って、確実に書類を準備する。わからないところがあれば確認する。そうすることで、時間はかかってもビザは取得できます。

今回はオランダでのビザ取得に関する私の経験をお伝えすることで、少しでもみなさんの助けになればと思います!

オランダで個人事業主ビザの取得は自力でできるのか?

パスポート

オランダで個人事業主ビザを取得することは可能です。ただし、取得までやり通す覚悟があればの話です。

個人事業主ビザを取得するためには、

  • 家を決める
  • 移民局や市役所にアポイントを取る
  • 書類を記入し印刷する

と、やることがたくさんあります。そして、自分の思うように進まないことが大半だと思います。

では、なぜオランダで個人事業主のビザを自力で取得できるのでしょうか?

ポイント①日蘭通商航海条約で日本人のビザ取得は優遇されている

オランダと日本の通商の歴史は400年と長いです。そんな歴史的な背景もあり、1912年に日蘭通商航海条約が締結されています。この条約は、オランダと日本の間の通商航海の自由と最恵国待遇を原則としたものです。

最恵国待遇とは、例えばオランダが日本以外の国との間により有利な条件の条約を結んだ場合、日本にもその条約が適用されるといったものです。この条約のおかげで、日本人はオランダでの起業が容易になっています。

2014年末から2016年までは、日本人はオランダにおける労働許可が不要でしたが、2017年からは労働許可が必要になっています。

また、個人事業主ビザの申請代金は変動が激しいので、ご自身で移民局のホームページにて確認することをおすすめします。

  • 2016年→1,296ユーロ
  • 2018年→1,336ユーロ(5月以降1,325ユーロ)

※移民局ホームページ:https://ind.nl/en/

ポイント②オランダ語だけでなく、英語も通じる

オランダでは、ほとんどの場合英語が通じます。私は英検3級ほどの英語力ですが、それでもオランダ語よりは英語の方がはるかに話せます。

移民局や市役所はもちろん、スーパーマーケットやバス、電車、トラム、地下鉄など、生活で必要なところでは英語で事足ります

そのため、ビザ申請のためのやりとりもグーグル翻訳を駆使しながら確認することができます。ただ、移民局や市役所からくる手紙はオランダ語であることが多いので、インターネットや辞書を使って翻訳する必要があります。

これら2つのポイントから、個人事業主ビザを自力で取得することが可能なのです。ただし、それなりの忍耐力とあきらめない心が必要になります。それを覚悟の上で内容を確認していきましょう!

出発前に日本でしておくことーその①

証明書

まずは、オランダに来てしまってから「えぇ~、その書類日本でしか準備できないのに」となってしまわないように、出発前から計画的に書類の準備を進めていきましょう。

オランダで個人事業主のビザを申請する際に、日本で準備しておくべき書類は2つあります。

一つ目は、「戸籍謄本」を取得し外務省でアポスティーユをもらうことです。アポスティーユとは、外国で手続きをする際に必要になる外務省の証明のことです。

オランダの個人事業主のビザを取得する際には必要になるので、日本で取得していきましょう!

戸籍謄本

はじめに、本籍地で戸籍謄本を入手してください。戸籍謄本は別名「全部事項証明」とも呼ばれ、戸籍に記載されている家族を含むすべての情報が載っています。また、戸籍抄本というのは、一部の個人のものという意味です。

私は仕事の関係で福岡に住んでおり、本籍地は東京だったため、実家の母親に戸籍謄本を入手してもらい郵送してもらいました。手数料は市区町村によって異なるかもしれませんが、私の自治体では450円/1通で取得できました。

アポスティーユ

次に、外務省で「戸籍謄本」をオランダでも使えるように証明(アポスティーユ)してもらいます。

東京都と神奈川県、大阪府では、ワンストップでアポスティーユが取得できます。直接行ける人は、その方が時間の短縮になると思います。直接申請に出向いた場合、翌日には受け取りが可能です。

郵送の場合は、発送から受領まで10日~2週間ほどかかります。

必要書類

  • 証明が必要な書類(戸籍謄本)
  • 身分証明書
  • 申請書

※郵送の場合は、返送先を明記した封筒(切手付き)やレターパックが必要

詳しい流れ、必要書類は、下記のホームページからご確認ください。

外務省ホームぺージ:https://www.mofa.go.jp/

出発前に日本でしておくことーその②

残高証明書

日本で準備しておくべき二つ目の書類は、銀行残高の「英文証明書」です。銀行口座を持っている銀行に、時間に余裕を持って出してもらいましょう。

私が利用していた東京三菱UFJ銀行は、英文証明書が発行可能でした。ただ、英文での証明書が発行できない銀行もあるようなので、その場合はできる銀行に口座を開設するか、弁護士さんに依頼するかなどの方法を取る必要があります。

ここでは、東京三菱UFJ銀行の場合をお伝えします。申請には、窓口に本人が直接行く必要があります。発行手数料は756円/1通です(現金でも口座引き落としでも可能)。

受け取りは、窓口と郵送を選ぶことができます。盲点なのは、英文の残高証明書は口座を開設した店舗でしかできないということです。そのため、私は福岡の支店で申請して、埼玉の支店から郵送してもらうという方法を取りました。

郵送の場合は、1週間から10日間ほど時間がかかります。

必要書類

  • 本人確認書
  • 届け印
  • 通帳(キャッシュカードでも可)

詳しくは、下記のホームページからご確認ください。

東京三菱UFJ銀行ホームページ:http://www.bk.mufg.jp/

在オランダ日本国大使館での書類の申請

在オランダ日本国大使館

日本で書類を準備してオランダに着いたら、在オランダ日本国大使館に行って2つの書類を用意してもらう必要があります。

  • FAMILY REGISTER CERTIFICATE(家族についての証明)
  • CERTIFICATE(個人についての証明)

在オランダ日本国大使館は、南ホラント州のデン・ハーグにあります。デン・ハーグには、在オランダ日本国大使館の他に外務省もあります。

最低でも2回は出向く必要があるので、家が決まっておらず宿を転々とされる場合は、デン・ハーグに近い宿泊施設が楽でしょう。私は、家が決まるまではデン・ハーグ周辺のドミトリーを転々としていました。

デン・ハーグの駅から歩いて行くこともできますが、3kmほどあるので40分ほどはかかります。バスだと24番、トラムだと1番か16番ですが、バスの方が停車駅から近いのでおすすめです。

詳しくは、在オランダ日本国大使館のホームページで確認しましょう!

在オランダ日本国大使館に着くと、建物は檻のように囲まれています。呼び鈴を鳴らして要件を伝えると、二重になっている扉が開きます。

中に入り、セキュリティーチェックを受けます。セキュリティーの方たちは日本人ではないので、やり取りは英語です。ちょっとこわもてに見えますが、指示に従えばとってもフレンドリーです。

パスポートを提出して、荷物をすべてロッカーに入れます。携帯電話を持って中に入ることはできません。貴重品と必要書類のみを持って、セキュリティーの建物から大使館本館に移動します。

本館に移動したら、窓口の方に書類の申請に来たことを伝えます。申請用紙を渡されるので、それに記入をして、あとは必要書類と一緒に提出して待つだけです。

申請書類には、オランダでの電話番号を書く欄もあるので、必要そうな情報はメモして持っておくと楽です。住所は決まっていなくても大丈夫です。分からないことがあれば、窓口の方に聞きましょう。親切に教えてくれます。

私が行ったときは他に3組ほどいましたが、1時間もあれば終わります。待合室には日本の書物もたくさんあるので、それをゆったり読みながら待てばあっという間です。

しばらくすると引換書をもらえるので、それを受け取ったら終わりです。だいたい1週間で完成するとのことでした。

必要書類

  • パスポート(原本)
  • アポスティーユ済みの戸籍謄本(一通)

※念のため2通用意していましたが、1通で申請できました。

ただ、申請する書類1通につき、戸籍謄本も1通必要という情報もあったので、不安な方は2通用意しましょう!

在オランダ日本大使館での書類の受け取り

バス停

1週間後に書類を受け取りに行きます。私の場合は4/3(火)に申請して、受け取りは4/9(月)以降でした。

書類を受け取るときのポイントは、朝一番で行くことです。在オランダ日本国大使館は、9時からやっています。書類を受け取ったらその足で同じデン・ハーグにある外務省に行けるのでおすすめです。

申請時と同じように在オランダ日本国大使館に向かい、また同じようにセキュリティーチェックを受けて窓口へ。窓口で引換書を渡したら、現金で20ユーロを支払っておしまいです。

手数料は、ユーロで現金のみとなります。お釣りの出ないように用意していきましょう!ここでは受け取りだけなので、5分もあれば終わります。

また、外務省への行き方の詳しい説明が書かれたプリントが親切にも置いてあるので、それをもらっていくといいかもしれません。わからなければ大使館の人に確認しておくと安心ですね。

まとめ

ここまでは、アポイントも必要ないビザ申請の第一歩といったところです。ただ、異国の地で、時間通りに場所に到着するために電車やバスに乗る練習にもなります。楽しみながら申請を進めるくらいの気持ちでいきましょう!

では、大切なポイントをおさらいしておきましょう!

ポイント!

  • 日本出発前に必要な書類をしっかりとおさえる
  • 移動は時間に余裕をもってする
  • わからないことがあったら確認する

ここまでできたら、次は外務省へ行きましょう!

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