皆さん、メヘンディというものをご存知ですか?日本ではまだあまり知られていませんがヘナアートやヘナタトゥーとして呼ばれ、消えるタトゥーとして日本でも密かに人気があります。
ここネパールでのメヘンディはとても一般的で、子供からおば様まで多くの女性たちから愛されています。デザインによってさまざまな意味が込められていたり幸運を呼ぶとも伝えられ、おまじない的な要素もあります。女子心をくすぐりますませんか?
今回はそんなメヘンディについてご紹介します。
メヘンディとは?
メヘンディとはヒンディー語で「ヘナを使い肌に模様を描き肌の表面を染めていく」という意味です。実はかなり古くから使用されていて、その歴史は約三千年〜四千年もさかのぼることになります。アジアの西(ネパールやインド)などから中東や北アフリカまで広い地域で愛用されているのです。
現代では日本や欧米でもファッションの一部として人気があります。ヘナという植物の葉で肌を染めるます。しかも自然の力で染めるので安心です。人にもよりますが2日か3日目くらいが一番濃く色が出て、1週間から10日位で徐々に消えていきます。消えていく際に願いが叶う、ともいわれます。
花嫁がまとう幸運のメヘンディ
ネパールでは普段の生活でもファッション感覚でメヘンディをしますが、ネパールやインドではやはりメヘンディといえば結婚式で花嫁が施すことで有名です。花嫁が嫁ぎ先で幸せに暮らせますようにと、願いを込めて施すのだとか。
私が聞いた話によると両手、両足、に施されたメヘンディはペーストが乾くのに時間がかかります。この状態でしばらく待つのが意外にも大変なので辛抱強さを試すためにもメヘンディを両手、両足にするのだとか。
他には色が濃く、出れば出るほど、旦那さんから愛されている、などともいわれネパールでは旦那さんのイニシャルを入れるデザインも人気です。花嫁意外にも結婚式に参加する人達はメヘンディやサリーで着飾り、結婚式での女性たちはとても華やかです。
またヘナはヒンドゥー教の神様、ラクシュミーが好きな植物とも知られいます。富の象徴であるラクシュミーが好きなメヘンディは幸せを呼ぶとも伝えられています。
絵柄にそれぞれ意味がある
絵柄にも意味があるようですがモチーフにこだわらず美しさ重視で描かれることも多いです。アーティストさんによっても違います。絵柄の意味誰かの解釈だったりと意外にもアバウトですが、意味を持たせてデザインを描くのも素敵ですよね。下記は私の知っているデザインの意味のほんの一部です。
- ピーコック(孔雀、羽を閉じているもの)・・・成功を意味する。
- ピーコック(孔雀、羽を開いているもの)・・・愛情を意味する。
- ロータス(蓮)・・・女性の美しさと強さを意味する。
意外にも本場よりも日本のメヘンディアーティストがすごい
私自身もネパールでの自分の結婚式がキッカケでメヘンディに興味を持ち、ワークショップなどにも参加し、自分でも作って描くようになりました。日本にいた頃はアートイベントなどでメヘンディアーティストとしても活動することもありました。
ネパールに来てからは趣味でたまに頼まれたら描く程度でしたが、手先の器用な日本人の描くメヘンディはネパールの人々にはとても良く見えたようで噂が噂を呼び長蛇の列が出来た事件がありとてもビックリしました。無料で描いていたということもありますが、現地のメヘンディのクオリティは確かにお世辞にもすごく上手とはいえません。
中には綺麗なものもありますが「このクオリティでお金とってるの!」というものも結構多いのです。日本ではメヘンディはまだまだ一般的ではありませんが、日本でもメヘンディアーティストとして活動されている方もたくさんいます。私はメヘンディアーティストとしてはまだまだ未熟ですが、他の日本人のメヘンディアーティストさんは本場ネパールのアーティストさんよりもかなりクオリティが高いのです!
やはり日本人ならではの手先の起用さと、仕事に対しての丁寧さは本当に素晴らしいものだと海外に住んでこそ身に染みてわかりました。そして日本では薬事法なども厳しいので日本で活動されているアーティストさんはヘナパウダーにもこだわっている方が多いです。
クオリティの高いデザインとナチュラルで安全なペーストを使いながらも意外にもイベントなどでワンポイントならば1000円前後で施してくれるアーティストさんも多いかと思いますので興味がある方はぜひお試ししてみてはいかがでしょうか?
カラーリングや白髪染めでも人気!
ヘナはメヘンディとしてだけでなく髪染めにも人気です。白髪に染まりやすく、トリートメント効果もあり天然成分なのでのでカラーリングや白髪染めにはとても良いです。
日本でも美容院などでヘナ染めをしている所もありますがヘナを輸入しなくてはならないので普通のカラーリングに比べるとかなり高額でした。しかし、ここネパールでは割と手軽に手に入るようなので500円以下で染められ、とてもお得です。
簡単に家で染めることもできます。髪染めとしてもヘナはネパールの人々からとても身近に愛用されています。
ネパールでは婦警さんや公務員でもメヘンディOK?
日本ではメヘンディもタトゥーと同じ様な感覚で見られてしまうので仕事柄、「見えない所に描いてください」と言われることもありますがネパールでは普通に婦警さんが大きなデザインのメヘンディをしていてかなり驚きました。
他にも結婚式に参加した子供も次の日学校にメヘンディをしたまま行ってもさほど怒られる事もないようです。メヘンディへの感覚は日本とはだいぶ違い、ネパールの人たちにとって、とてもなじみ深い物のようです。
ヘナペーストの作り方
- コーンに詰まらないようにヘナパウダーをストックングや茶こしなどで細かくサラサラの状態にします。
- ヘナパウダーに水などを加え好みの柔らかさにペースト状にします。作り方によっては濃いめのチャイやコーヒー、レモン汁、メヘンディ用のオイルなどを混ぜたりもします。
- 一日か二日寝かせます。
- ペーストをコーンに詰め、もれないようにしっかりとテープでとめます。
- コーンの先を少し切れば出来上がりです。手作りのヘナペースとは保存料など使用していないので一週間ほどで使い切るのことがおすすめです。
ヘナペーストの使い方、注意点など
■体の部分のペイントしたい所に好きな模様を描いていきます。
■模様が完成したらペーストが乾くまでしばらく待ちます。
※このときペーストをより長く肌にのせておくことが、肌に色をしっかりと付けるポイントになります。長く肌にのせるために砂糖水やメヘンディオイル、オリーブオイルなどをペーストの上から塗ると長くペーストを肌にのせておくことができます。ネパールではマスタードオイルなども使用されることも多いです。ペーストを剥がした後もオイルを塗るとさらに長持ちします。
■メヘンディを長持ちさせるためにはメヘンディ部分を水等でごしごし擦るのはさけましょう。水仕事をする場合はゴム手袋などした方が良いです。
■体温の高い箇所ほど色が濃く出ます。特に手のひらはかなり濃く色が出ます。場所によって濃さが違うので面白いです。
■ブラックヘナなどには注意してください。色が濃く出るからといっても肌に良くない成分が入っている可能性があります。自然なヘナは染まった部分はオレンジ色や茶色になります。
■ヘナは自然で染まる染料ですがごくまれにアレルギーを起こす人もいるので、肌の弱い方や心配な方は一度パッチテストをするといいでしょう。ヘナ自体は自然染料ですが中には化学物質の入ったヘナパウダーの商品もあるかもしれないのでヘナパウダー選びも慎重に。
まとめ
いかがでしたか?
日本では知らない人も多いですが日本でもヘナパウダーは手に入ります。趣味で始めるのでしたらペーストやコーンも自分でで作れるので気軽に始めることができます。もっと詳しく知りたい方はワークショップなどに参加するのもおすすめです。
メヘンディは暖かい季節の方が色も良く出ますし、これからの時期、肌を出す機会も多くなりますので興味がある方はぜひお試しくださいね!
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