スペイン語って世界でどのぐらいの人によって話されているか、知っていますか?
なんと4億2千万人、20以上の国と地域で話されています。特に中南米ではブラジルを除く多くの国で公用語として使われています。それだけ多くの人に話されていますから、当然国による違いも出てきます。
スペインのスペイン語と中南米のスペイン語では発音も違いますし、単語の使い方や言い回しなども国によって大きく変わってきます。
今回は私が2年のメキシコ生活の中で知った「メキシコでしか通じないスペイン語」をお教えします。
どれも日常的によく使われる言葉ばかりなので、知らないとちょっと不便な思いをするかもしれません。ぜひ覚えて、使えそうなものは使ってみてくださいね。
ていねいに聞き返す時に必ず使う「¿Mande?」
メキシコのホテルやちょっといいレストラン、空港などでよく使われるこの言葉。
「¿Mande?(マンデ)」とは本来、「どうぞお申し付けください」というへりくだった意味のスペイン語です。
しかしメキシコでは「なんとおっしゃいましたか?」という丁寧な聞き返しの表現になります。
通常、スペイン語で聞き返す時は「¿Cómo?(コモ)」と言いますが、メキシコではこの「¿Mande?」の方をよく使います。
もちろん、「¿Cómo?」と聞き返しても通じますので大丈夫ですが、相手に「¿Mande?」と言われた時に意味がわかると会話がスムーズに進みます。
メキシコシティはなんと言う?意外と知らない「DF」
メキシコの首都はメキシコシティ。スペイン語に訳すと「Ciudad de México(シウダッド・デ・メヒコ)」です。
メキシコシティを歩くと、いたるところにこの「Ciudad de México」をあらわす「CDMX」というロゴが書かれています。
しかし、メキシコ人はあまり、メキシコシティのことを「Ciudad de México」とは呼びません。
では、首都・メキシコシティはなんと呼ばれているのでしょうか。
答えはアルファベット2文字、「DF(デー・エフェ)」です。スペイン語で連邦区をあらわす「Distrito Federal(ディストリート・フェデラル)」という言葉から来ています。
正式にはメキシコシティの中に行政上、連邦区と決められた地域があるのですが、そんな細かいことは気にせずにメキシコシティのことを指して「DF」と呼ぶ人がほとんどです。
バスの行き先やニュースなどでもばんばん「DF」が使われていますので、ぜひ覚えておいてください。
ちなみにメキシコ人が単純に「México(メヒコ)」という時は、国を指す場合と首都のあるメキシコ州を指す場合とありますので注意してください。
ケーキじゃなかった!ボリューム満点の「Torta」
スペイン語で「Torta(トルタ)」といえば主にパイやタルトなどの焼いたケーキを指します。(デコレーションケーキは「Pastel(パステル)」です)
しかしこれがメキシコでは「フランスパンにはさんだボリュームたっぷりのサンドイッチ」という意味に変わります。このトルタ屋さん、屋台や市場の中にたくさんあるのですが、私は最初ぜんぶケーキ屋さんだと思っていました。
はじめてメキシコのTortaを見たときは驚きました。
しかし手頃な値段でお腹いっぱい、野菜も肉も食べられるのでのちに欠かせない食べ物になりました。おすすめは「キューバ風サンドイッチ」と名付けられた「Torta cubana(トルタ・クバーナ)」です。
なぜキューバ風と呼ばれるのかはわかりませんが、野菜、チーズ、肉、ソーセージ、卵などすべての具材が少しずつ入っているお得感あふれるトルタです。
ちなみに、日本のコンビニでも売られている白いパンに挟まれた三角のサンドイッチは英語風に「sandwich」と呼ばれます。スペイン語にもサンドイッチをあらわす「Bocadillo」(ボカディージョ)という単語がありますが、メキシコでは使われません。
女の子は乱発注意!若者言葉の「Güey」
「Güey」は正式な読み方は「グウェイ」ですが、会話の中で聞くと「ウェイ」に聞こえます。
意味は誰かを指して「こいつ」とか「この男」と言いたい時、また誰かに呼びかける時に使ったり、とにかく語尾につけたりと様々です。
大した意味はない若者言葉ですが、改まった場所や年上の人を前にしたときは使うべきではありません。また、女性が使うと下品に聞こえます。
外国人が馴染もうとして「Güey」を乱用すると「まともな友達いないのかな」とか「ちゃんとしたスペイン語を知らないのかも」と思われるので、使い方には注意しましょう。
ちなみに私は2年のメキシコ生活の中で、聞いてわかるようにはなりましたが自分では1度も使ったことがありません。
ただ、メキシコ映画やTVを見ているとひんぱんに出てくるので「ウェイってなに?」と悩まないためにも、知識として覚えておいた方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
同じスペイン語でも国や地域によって使い方が大きく変わります。日本で習うのは「スペインのスペイン語」ですから、はじめは戸惑うかもしれません。
ただどこの国でも、TVや映画の影響でスペインのスペイン語を理解してくれます。無理して合わせる必要はないので安心してください。
メキシコでは独特な言い回しのほかに、地名や人名に先住民族の言葉「ナワトル語」や「マヤ語」などが多く使われていて興味深いです。
スペイン語圏の国を旅するときは、ぜひその地方特有の言葉を覚えて、使ってみてください。
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