メキシコで働くには?日本人向け求人や就活方法、給料事情などメキシコ就職・転職するために知っておきたいこと
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今、メキシコは日本企業の進出ブームです。2015年にはトヨタがメキシコに工場を作ったことでも話題になりました。
外務省の統計によると1,000社以上もの日本企業がメキシコに進出しています(2017年10月現在)。当然、それらの企業が日本人を採用することも多くなっています。
海外就職が珍しくなくなったとはいえ、旅行先としてもまだあまり日本人にはなじみがないメキシコ。そんなメキシコで働くことに興味がある人のための情報をまとめました。
- メキシコの就職状況・特徴を知る
- スペイン語や英語を勉強し幅を広げる
- メキシコで働く自分をイメージする
- メキシコでの生活状況を知る
- 転職サイトを利用する
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記事の目次
メキシコで働く魅力とは
日本から遠く離れたメキシコ。ここで働く日本人は、どんな理由でメキシコを選んだのでしょうか。
- スペイン以外で日本から一番近いスペイン語圏
- 同じスペイン語圏であるアルゼンチンより治安が良いイメージがある
- 物価が安い
また、実際にメキシコに暮らしてみると以下のような魅力を実感できます。
- 見知らぬ人に対しても親切
- 絶景が多い
- 料理がおいしい
- メキシコ人は人懐こく友達がたくさんできる
以下の記事で詳しく解説しています。
メキシコで働くメリットとデメリット
メキシコで働くメリットとしては、
- スペイン語が学べる
- スペイン語を活かして仕事ができる
- メキシコの文化や習慣を知ることができる
- 日本との働き方や価値観の違いを学べる
などがあります。
デメリットとしては、日本にすぐ帰れないということがありますが、これは外国で働くのであればどんな国でも多少は覚悟しておかなければいけないことかもしれません。
日本人がメキシコで働くには
メキシコで働くには2通りの方法があります。
- メキシコに進出している企業に日本で就職し、異動願を出す
- メキシコで現地採用の仕事を探す
1の方法で海外駐在員になれば、日本への帰国後も仕事を続けられるので安心です。待遇や給料もしっかりしているため、安定して暮らせます。
海外駐在員になるには男性が有利です。女性は男性に比べると海外で暮らすことのリスクが高いため、特に治安の悪い国にはなかなか派遣されない現実があるからです。
しかし、例えば今からトヨタに就職してメキシコ異動を待つのは不確実で時間もかかります。手っ取り早くメキシコで働きたいという方は、2のメキシコでの現地採用を狙う方法がおすすめです。
メキシコで多い日本人向けの仕事
今メキシコで日本人向けの求人が多いのは、以下のような仕事です。
- 日系企業での通訳(スペイン語または英語)
- マネージャー
- 営業
- 経理・事務
- 日本語教師
いくつかの仕事内容と給料を具体的にご説明します。
日系企業での通訳
今、メキシコで求人がもっとも多く、かつ給料もいいのは通訳です。「でも、スペイン語できないし……」と尻込みするかもしれません。しかし、実はメキシコでの通訳はハードルがそれほど高くないおすすめの職業なんです。
日常会話レベルでもOK
近年の急速な日系企業の進出により、慢性的に通訳不足のメキシコ。とにかく日本語が話せて、スペイン語もしくは英語でコミュニケーションが取れればOK、という企業もたくさんあります。
通訳の現場は主に自動車工場です。日本から派遣されてきたスタッフと工場で働くメキシコ人の間の通訳になります。
応募条件は「スペイン語で日常会話ができる(英語もわかれば望ましい)」ぐらいで、資格不問のことも多いです。自動車業界特有の専門用語を覚えなければいけませんが、それは働きながら身につければいいでしょう。
給料がいい
先に述べた通り、通訳は給料が高いです。
日本企業から直接支払われる上、特殊な仕事であるため、最低でも月20,000ペソ(約12万円)、多いところで50,000ペソ(約30万円)以上が相場です。
ちなみに、メキシコ人の平均月収は7,000ペソ(約4万円)です。20,000ペソ(約12万円)もあればメキシコでは十分生活でき、経験を積んでさらに給料のいい企業に転職することも可能です。
まず語学留学するのも手
日本でもスペイン語の勉強はできますが、余裕があるならまずメキシコに語学留学してから就職活動するのもいいですね。ただしメキシコで仕事が決まっても、就労ビザの手続きでいったん帰国しなければいけない場合があるため、貯金はして行きましょう。
もし何らかの資格を取りたいなら、DELE(スペイン政府公認のスペイン語検定試験)のB2レベルを持っていれば心強いです。通訳の仕事は十分なお給料がもらえるので、頑張る価値はありますよ。
日系企業での事務
事務といっても、その仕事内容は営業を含むものや翻訳スキルが必要なものなどさまざまです。特に需要があるのは、
- 経理
- 書類翻訳
- 営業補助
などの職種です。
また即戦力を求められることがほとんどで、前職の経験によりお給料も上下します。通訳と同じく最低月20,000ペソ(約12万円)から、良くて年収200万~300万円というところが多いです。
日本でサラリーマンをしていると少ない年収ですが、物価が安いメキシコでは余裕のある暮らしができるでしょう。
日本語教師
日系企業が多く進出している地域では、そこで働くメキシコ人のための日本語教育の需要が高まっています。
日本語教師として働くには一般に、日本語教育能力検定試験に合格しているか、日本語教師養成講座420時間を修了しているかのどちらかが求められます。また教師という性質上、大卒以上の学歴を求められることも多いです。
応募資格を満たしていれば未経験可のケースもよくありますが、若い人の方が採用率は高くなります。
給料はメキシコ基準が多い
メキシコの日本語学校は現地で経営されているので、お給料もメキシコ基準の金額になります。
月10,000ペソ(約6万円)前後ですが、物価が安い地域だとそれ以下になることもあります。10,000ペソ程度でもなんとか生活はできますが、何かあった時の医療費や帰国費用はあらかじめ貯金しておいた方がいいでしょう。
しかし、日本語教師はたくさんの学生と出会えるやりがいのある職業です。
メキシコの日本人向けの仕事の給料相場
- 営業:20,000~45,000ペソ(約12万〜27万円)
- 通訳:27,000~67,000ペソ(約16万〜40万円)
- マネージャー・管理者:25,000〜50,000ペソ(約15万〜30万円)
- 経理・事務:20,000ペソ〜(約12万円〜)
- 販売:17,000~30,000ペソ(約10万〜18万円)
- エンジニア:29,000〜39,000ペソ(約17万〜23万円)
- カスタマーサポート:20,000〜30,000ペソ(約12万〜18万円)
メキシコ就職活動の進め方
メキシコであっても日本であっても、就職活動の進め方に違いはありません。基本的には以下のような流れになります。
- メキシコについて調べる
- 気になる求人を探す
- 詳しい人に話を聞いてみる
- 実際にメキシコに足を運んでみる(余裕があれば)
メキシコはどんな国なのか?どんな環境なのか?遠すぎて実感がわかないものです。可能であれば実際に足を運んでみる、それが難しければ転職エージェントなどメキシコの情報に詳しい人に話を聞いてみるなどしましょう。
メキシコの日本人向け求人の探し方
ネットで「メキシコ 求人」と検索するとさまざまな求人情報を見ることができます。
- まず日本で研修してからメキシコ入りする求人
- すでにメキシコに住んでいる人を対象にしている求人
と分かれているので、よく条件を確認するようにしましょう。
日本の転職サイトを使う
ほとんどの人は日本在住のままメキシコの仕事を探すことになると思います。そんな人におすすめの転職サービスをご紹介します。
- リクルートエージェント(未経験から幅広く求人を探す)
- パソナキャリア(未経験から幅広く求人を探す)
まずは仕事探しからメキシコへの就職・転職活動が始まります。
- あわせて登録したい:海外就職専門求人サイトGuanxi
日本の大手の転職エージェントは「求人」「待遇」「サポート」がしっかりしているので、不安の多い海外転職でも安心して利用できます。大手の転職サイトを使うことで、メキシコ就職へのハードルを下げることが可能です。
メキシコへ進出している日系企業の募集案件もあるので、まずは無料登録して求人研究・企業研究をしましょう。
メキシコ日本商工会議所の「求職者リスト」を使う
メキシコに行ってから仕事を見つけたい場合は、メキシコ日本商工会議所の「求職者リスト」に情報を登録しておくと、自分に合う仕事を紹介してくれます。
社会人経験があり、即戦力となる何かを持っていてスペイン語の日常会話ができるなら就職はそこまで難しくないでしょう。
コネを使う
もし知り合いにメキシコ在住者がいるなら、仕事を紹介してもらえるかもしれません。
日本からネットで探すより、現地に住んでいる人に聞く方が情報が早い場合もあるので、メキシコに人脈があるならぜひ使ってください。
メキシコ就職を有利に進めるには
メキシコで仕事を見つけること自体はそんなに難しくありません。ただし、日本語教師以外は新卒より何らかの社会人経験がある方が有利です。
また、万が一のための貯金も必要なので、まず日本で数年働いてスペイン語も身につけてから行く方がいいでしょう。
メキシコのビザ
メキシコで長期で滞在するためには以下のビザが必要になります。(*メキシコは180日以内の観光、単位取得を伴わない語学習得の場合、ビザの申請は必要ありません。)
- 観光ビザ
- 学生ビザ
- 就労ビザ
- 配偶者ビザ
メキシコで働くためには就労ビザの取得が必須です。メキシコでは就労ビザの取得は比較的容易とされており、就職先の企業からビザの申請を出すことになります。詳しい就労ビザの取得方法は「メキシコの就労ビザ取得方法とは?取得体験をご紹介」をご確認ください。
メキシコで日本人向け求人を探す際の注意点
給料のいい求人を見つけたからといって、簡単に飛びつくのはよくありません。日本とは環境の違うメキシコで求人を探す時の注意点をまとめました。
最新の治安情報をチェック
メキシコは治安が悪いことで有名ですが、日系企業が多いグアナファト州、アグアスカリエンテス州、ケレタロ州は比較的落ち着いています。
しかし、油断は禁物です。かつて日本企業が多く進出し、住みやすい地域として有名だったモンテレイ州は、その後数年の間に急激に治安が悪化しました。住み慣れた場所で殺人事件が頻発するという状況に危機感を覚えて、帰国した日本人も多いです。
メキシコは大統領が代わっただけでも治安が大きく変わります。
いい求人情報を見つけたら、まずその地域の最新の治安情報をチェックしましょう。外務省の海外安全ホームページなら、メキシコの州ごとの情報が確認できます。
健康保険を確認
日本国内であっても、仕事を探す時には給料だけでなく福利厚生も確認すると思います。外国での就職となると、病気になった時のために保険には入っておきたいですよね。
求人を出している企業の福利厚生はしっかりと確認しましょう。メキシコの健康保険のシステムは日本とは違うので注意してください。
国の定めた保険への加入が必須
メキシコで働く場合、国が定めたIMSSという健康保険に入らなければいけません。この保険はメキシコの低所得者向けサービスのため保険料が安く、適用される病院では設備が古かったり、何時間も待たなければならなかったりと、不便な面があります。
私立の病院へ行けば日本並みの治療が早く受けられますが、こちらはかなり高額です。風邪で診察を受けて薬をもらうだけでも、保険が効かなければ数万円かかります。
ただし、メキシコは日本と違い薬局に診察室があり、軽い風邪程度なら無料で診てもらえます。そこで必要な薬を教えてもらって、自分で治す人が多いです。
高額医療保険の有無が重要
急な病気や事故で治療が必要になった場合、基本的な健康保険だけではカバーしきれません。メキシコではそんな時のために「高額医療保険」というものがあります。
企業によって福利厚生に高額医療保険を含んでいるかどうかは異なります。募集要項に明記されていなければ、必ず確認してください。
また日本の海外旅行保険は、医師に英語で書類を用意してもらわなければなりません。医師が協力的でない場合、かなりの時間がかかります。
書類がもらえたとしても初めは全額自己負担となるので、メキシコに長期で滞在するなら現地の保険を使った方がいいでしょう。
メキシコの外資系企業で働くには
外資系企業を狙うためには、英語力とともに交渉力・マネジメント能力があると有利です。
とにかくメキシコで働きたいなら日系企業の方がハードルは低いですが、実力を試したいならぜひ外資系企業で働いて、スキルアップ・キャリアアップを目指したいところです。
メキシコの外資系企業を狙うなら、サポートもしっかりしていて「無料」で使える大手の転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。転職サービスごとに扱っている非公開求人も異なるので、複数登録し求人の比較をしてみましょう。
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
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- Spring転職エージェント(アデコ)(あわせて登録したい)
メキシコの大手企業
メキシコで有名な企業には、以下のものがあります。
- 金融のメキシコ銀行、バンコ・アステカ
- オートバイのイタリカ
- 小売のOXXO、ソリアナ
- 食品のサウサ、ホセ・クエルボ
- セメントのセメックス
- 通信のTelcel
- 鉄道のフェロメックス
- 石油のペメックス
- 鉱業のグルポ・メヒコ、ぺニョーレス
- 航空のアエロメヒコ
主要産業は自動車で、日本の自動車メーカーもメキシコで自動車を生産しています。また、メキシコには油田が多く、石油産業も発展しています。
メキシコでの生活費
メキシコで生活するにはどのくらいのお金が必要なのでしょうか。現地採用のお給料で足りるかどうか、気になるところですよね。
メキシコシティでルームシェアした場合、月6,000ペソ(3万6千円)ほどで生活できます。ただし、たまには外食や旅行もしたい、という場合は最低でも月10,000ペソ(約6万円)ほどあった方が余裕が出ます。
メキシコでは治安の問題から、家賃が安すぎる物件は避けた方がよいでしょう。日本のワンルームマンションのような部屋はほとんどないので、社会人でもルームシェアをするのが一般的ですが、部屋に鍵が付いているかどうかは確認しておきましょう。
メキシコの労働時間
メキシコの平均労働時間は2014年度のデータで年間2,228時間。OECD(経済協力開発機構)が調査した40カ国中なんと第1位です。長時間労働が社会問題化している日本でも1,729時間の21位なので、どれだけメキシコの労働時間が長いかが分かりますよね。
この年間2,228時間という労働時間は、1日8時間労働だとすると日本よりも62日多く働いている計算になります。メキシコの労働基準で1週間の労働時間は48時間(日本は40時間)までと定められていることや、年間の祝祭日の数が少ないことなどが重なり、メキシコが1位という結果になったと考えられます。
労働時間を見ると大変そうだという印象を持つかもしれません。それでも、メキシコ人は働いている時も楽しそうな人が多いです。人生の楽しみ方が上手なんですね。
メキシコで日本人の多い地域
メキシコで日本人が多く住んでいるのは、何といってもメキシコシティ。ついでアグエスカリエンテス、ガルサガルシア、グアダラハラ、カンクン、サポパン、ケレタロなどです。
メキシコシティには16の行政区がありますが、ポランコ、クワウテモク、デル・バジェ、コヨアカン、サンタフェなどは日本食レストランや日本食材、日系人医師がいる病院などが多く、日本人にとって住みやすいエリアです。
バヒオ地区と呼ばれるアグアスカリエンテス、ハリスコ、グアナファト、ケレタロ、サンルイスポトシ、サカテカスには日系企業が続々と進出しています。日系企業が拠点を置く工業団地もあり、日本人が増えている地区です。
まとめ~まずはしっかりと情報収集を
メキシコでの職探し自体はそんなに難しくありませんが、生活するにあたっては入念な下調べが必要です。就職希望地域に住んでいる知り合いがいれば、生活の様子を直接聞くのも役に立ちます。ただし、住み慣れると危険に対する認識が甘くなるので、いろいろな角度から情報収集するようにしてください。
日本にいるとメキシコの悪いニュースばかり目にしますが、ちゃんとリスク管理をして安定した仕事さえ見つかれば、日本人が生活することは不可能ではありません。
日本ではできない貴重な経験もたくさんできます。まずは情報を集めることから始めてみてください。
メキシコ就職・メキシコ転職するには
今すぐのメキシコ就職を考えていなくても、ひとまず転職サイトに登録しておくことがおすすめです。メキシコへの就職・転職を進める上で大事なものは「情報収集」と「行動力」です。
メキシコの日系企業では現地採用社員・海外駐在員が求められています。うまく転職活動を進めるためにも、気になる求人情報をストックしておくことが大事です。情報収集が進めば、より具体的にメキシコで働く自分をイメージできるでしょう。
もちろん、〇〇についての「話だけ聞きたい!」という使い方も可能です。
以下のサイトは日系の大手転職サイトです。「求人」「待遇」「サポート」がしっかりとしているので、不安の多いメキシコ転職でも安心して利用できます。登録は3分程度、利用は全て無料です。
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