メキシコの人口は1億人強と日本とあまり変わりませんが、面積は日本の5倍近くあります。この広大な国土の中にジャングルや砂漠など気候のバラエティに富んだ地域が広がっています。
カンクンなど人気のリゾート地や、マヤやアステカ文明の古代遺跡など豊かな文化を持っている国です。
日本からは遠いのであまり身近ではないかもしれませんが、隣国のアメリカ人にはバケーションや移住先として大変人気で、定年退職後に移り住む人がたくさんいます。
今回はメキシコ移住についてご紹介します。
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メキシコ移住のメリット
物価
メキシコの物価は、日本との所得差もあるため日本人の感覚で見てみるととても安いです。
農業が盛んな国なので、野菜や乳製品は特に安く買うことができ、野菜や果物は1kgあたり250円前後で買えます。
首都のメキシコシティは海から離れているため魚介類は割高ですが肉類は安く、牛肉が1kgあたり約900円で買えます。
家賃も6万円台から治安の良い地区で探せます。
ローカルの生活ではこれよりも更に安く探せますが、食品の衛生状態や家のセキュリティーなど日本人では対応できない面がありますので、あまりにも安さだけを求めるのはおすすめできません。
食べ物
メキシコは食の国と言われており、メキシコ料理は世界的に人気があります。
タコスやグヮカモレは日本でも有名ですが、日本で売られているものとは少し違っています。
日本ではタコスはレストランのメニューとして出されているところが多いと思いますが、メキシコでは屋台で気軽に買うジャンクフードのような扱いなので、お肉や玉ねぎがゴロゴロと入ってだいぶワイルドな見た目になっています。
他にもケサディーヤやエンチラダスなどトウモロコシや小麦の粉で作られた皮で具を巻いた料理がたくさんあります。
気候
メキシコは北半球の国なので、暑い時期・寒い時期は日本と同じです。
5~10月が雨季で、11〜4月が乾季となっています。
ただ、首都メキシコシティは高地にあるため朝夕の寒暖差が激しく、カリブ海に面しているリゾート地カンクンは1年を通して気温が29度前後と、地域によって気候の特徴は大きく異なっています。
メキシコには砂漠やジャングルもあるため、住む場所によって乾燥帯、温帯、熱帯と変わってきます。
メキシコは暖かい国と思われがちですが、高地では5度くらいまで下がる時間帯もありますので長袖の準備もあった方が良いでしょう。
メキシコ移住のデメリット
治安には注意が必要
メキシコの治安に不安があることは、日本でも比較的知られていると思います。
時々ニュースになる麻薬に関する殺人事件やマフィアの抗争などは貧困層が住む治安の悪い区域で多く起こるため、行動エリアをきちんと選べばそこまで心配することはないでしょう。
ただ、スリや強盗はどこでも起こり得るので、強盗に遭った際には抵抗せずに財布を渡し、予備のお金を靴底に入れておくなどの心構えをしておきましょう。
身の安全を確保するためには、よく知らないエリアには一人で行かない、特に女性はあまり綺麗で高そうに見える格好はしないなどに気を付けてください。
医療費は日本よりずっと高額
メキシコで就職をする場合はメキシコの社会保険に加入でき、国立病院での診察が無料になります。
ただメキシコの医療の質は全体的に低めで、医療機器の衛生面も日本人には不安があります。
また、診察の予約自体が簡単に取れるものではありません。
そのため、メキシコに在住する日本人のほとんどが私立病院にかかりますが、薬代や検査代を別にして診察料だけで1万円くらいかかることが一般的です。
手術ともなると何十万円もの治療費・入院費が発生することがありますので、海外での保険をどうするか十分に準備しておくことをおすすめします。
メキシコ移住する方法
長期留学生として移住
180日以内の語学留学であれば、特別なビザ取得は必要ありません。
語学留学であっても180日を超える滞在をする場合や、その他大学などに3ヶ月以上通う場合には学生ビザが必要になります。
また、学生ビザはメキシコの教育担当機関であるSistema Educativo Nacionalに登録されている学校のみが対象となります。
語学学校に通いながら長期滞在を希望する人は駐日メキシコ大使館に別途問い合わせる必要があります。
メキシコ人と結婚して移住
メキシコ人と結婚すると、配偶者のスポンサードによるResidente Temporal(一時滞在許可証)というビザで滞在できます。
内縁の配偶者(コモンロー)でも、このビザの対象となります。
ビザ免除であるFMM (Forma Migratoria Multiple)の状態でメキシコに入国後、所定のフォームに記入した文書とその他身分の証明に必要な書類を用意して手続きできます。
海外発行の証明書はスペイン語に翻訳の上でアポスティーユ(公証役場での認証)の取得が必要です。
参考:メキシコ外務省
移住ビザを取得して移住
メキシコのリタイアメントビザは年齢に制限なく申請できます。
申請条件は、毎月51,340ペソ(約28万円)の年金を受給していること、又は直近12ヶ月にわたり各月の平均残高が2,053,600ペソ(約1,100万円)以上あることのどちらかを満たす必要があります。
年齢に関係なく取得できるので、メキシコ移住を希望している方は早いうちから収益分配型の金融商品などを購入して準備をしておくと良いかもしれません。
就職して移住
まず日本からメキシコの企業の内定をもらい、その内定先に就労ビザ(Residente Temporal)の申請をしてもらう必要があります。
許可されると在日本メキシコ大使館で、内定先が移民局に登録した職務内容や給料に虚偽がないか確認するための面接を受けます。
その後入局許可証が発行されますが、この段階ではあくまで入国を許すだけのものです。就労ビザはメキシコ入国後30日以内に弁護士を通じて申請します。
また、Residente Temporalの有効期限は180日間ですが、地域のInstituto Nacional de Migración(INM)で最長4年有効の在留カードに切り替えることができます。
メキシコ移住の生活費
日本との経済の発展度の差から、メキシコの生活費は日本円で考えるととても安く済みます。
家賃は1人暮し用の部屋なら2万円台から探せます。もちろん更に安い物件もたくさんありますが、日本人が安全に生活できることを考えると、あまりに家賃の低い家は避けましょう。
ただ相場は地域によっても異なり、例えばリゾート地のカンクンでは、10万円くらいは考えておいた方が良いと思います。
食費も安く、庶民的な外食なら300円くらいで食べることができます。自炊する場合でも肉や野菜が安いので、月に2万円以内に収めることも可能です。
ただ、首都のメキシコシティは内陸なので魚介類はかなり値段が高くなっています。
メキシコ移住に必要なビザ
ビザの種類
180日以内の滞在で観光など報酬を伴わない訪問であれば日本人はビザが不要ですが、報酬を得る行為を行う場合には日数に関わらずVisa para visitantesというビザの取得が必要です。
180日を超えて滞在する場合には就労をしなくてもビザを取得しなければなりません。
180日以上滞在する人向けのビザは一時滞在許可証 (Residente Temporal)と呼ばれ、その中に学生・就労・メキシコ人との結婚のように種類が分かれています。
また、メキシコ人と結婚して2年が経過すると、永住権を申請できます。
取得条件など
メキシコのビザは就労・学生どちらも比較的取得が容易だと言われています。
学生ビザは、大学によっては個別の語学力の証明が必要かもしれませんが、語学学校の場合には特に資格は要求されません。
また、就労ビザの場合には先に日本で申請し内定をもらった上で、日本のメキシコ大使館で面接を受けることが求めらてれいます。
面接では、これから就職しようとしている企業が移民局に届け出た仕事の内容や報酬について、本人の認識と相違がないかをチェックされますので事前に準備してきちんと答えられるようにしておきましょう。
メキシコ移住に必要な語学力
英語力
メキシコはスペイン語の国なので、移住にあたって英語力は必要とされません。
メキシコでは英語が通じない場合の方が多いので、移住に必要な語学力は英語ではなくスペイン語であると言えます。
中にはスペイン語をあまり必要としない職種もありますが、最低限日常会話はできるようにしておくことが望ましく、できればビジネスレベルも身につけたいところです。
また、DELEというスペイン語検定の資格を持っていると、職探しで有利になる場合があります。
メキシコ移住の初期費用
メキシコ行きの航空券は、安い時期であれば10万円弱から探せます。
ビザ申請費用は180日以内の滞在のもので約2万7,000円、180日を超える長期滞在で約4,800円です。家を借りるにあたって通常は礼金がないため、敷金として家賃の1~2ヶ月分と契約料として約5,500円を支払います。
現地採用として働く場合にはIMSSという公的な健康保険に加入することが義務付けられてますが、この費用は給料や会社との取り決めによって異なります。
この保険では公立の病院の受信が無料になりますが、日本人がメキシコの公立病院を受診すること事はまずないので、私立の病院にかかれるような保険を探すか、海外旅行保険などを準備しておくことになります。
メキシコ移住で住みやすい都市
レオン
グアナフアト州の都市、レオンには日本人が多く住んでいます。
観光都市ではないので日本での知名度はあまり高くありませんが、グアナフアト州にはマツダ、ホンダなどの自動車メーカーが工場を置いており、日本領事館もレオン市にあります。
適度に都会、適度にのんびりしており、日本人が多いことから日本食材の入手も比較的容易です。
またコストコやウォルマートのような世界的に有名なスーパーのチェーン店も進出していますので、日常の買い物にはとても便利だと思います。
メキシコシティ
メキシコシティはメキシコの首都です。
国立宮殿やメトロポリタン大聖堂や、アステカ帝国の大神殿であるテンプロ・マヨールなどメキシコの歴史を感じられる建造物が市内にあります。
同時に大都会でもあるため地下鉄が整備されており、銀行や買い物など生活に必要なところへのアクセスも良好です。
多くの日系企業のメキシコ本社が集まっていることから在住の日本人も多く、日本人同士の繋がりができたり日本食材が手に入りやすかったりと、異国生活での不安な面をカバーできる部分がたくさんあると思います。
ただ、人口も多いことから危険なエリアはきちんと認識をしておいた方が良いと思います。
カンクン
カンクンは世界的なリゾート地として有名です。
カリブ海に面して美しいビーチがたくさんあり、特に北米の人たちからの人気が高く、欧米人が多く訪れることから治安がメキシコの中では比較的安定しています。
熱帯気候の地域のため一年を通して暖かく気候が安定しているので、天気や気圧の変化で体調が左右することがありません。
ただ観光都市ということで家賃は他の地域と比べて高めに設定されているところが多いようです。
また治安が良い方とは言ってもスリなどの軽犯罪の危険は常にありますので、外国で暮らすという警戒心は常に持っておいた方が良いと思います。
メキシコ移住前にすべきこと
手続き
メキシコに長期間住む場合には、現在住んでいる自治体に登録している住民票を抜く手続きを行います。
海外への転出は渡航予定日の2週間前からできることが多いのですが、自治体によって個別にルールが定めらているので、しっかり確認しましょう。
またその際に、国民年金を継続するか、一度やめるのかという項目についても窓口で聞かれます。
海外に住んでも家族などに頼んで日本国内から支払いをしてもらうようにすれば国民年金を払い続けることができます。
また、メキシコと日本の距離は非常に遠く、必要な書類があとから発覚しても簡単に送ってもらうことができません。身分証明に必要な書類は二重にチェックをして忘れないようにしましょう。
メキシコ移住で注意すべきこと
水道水は飲めない
メキシコの水道水は飲めません。
バクテリアやピロリ菌などが検出されており、お腹を壊したり肝炎になったりするおそれがあるため現地のメキシコ人ですら水道水は飲まずに買います。
また、シャワーの最中に口を開けていて水が口に入ってしまってお腹を下したという例もあるため、とにかく警戒心を持つことが必要だと思います。
飲食店でも氷入りの飲み物はやめておいた方が安全です。
煮沸して飲む人もいますが、20L入りの水のボトルが700円ほどで売られており、一度買ってしまえば次からはボトル代が不要となって300円くらいで買えるので、多くの人がこの水のボトルを家に多数常備しています。
野菜や果物は専用洗剤で洗う
野菜や果物は、必ず専用の洗剤で洗ってから食べます。
日本のように、衛生的な環境で育てられた上できちんと洗浄されてからお店に並んでいるわけではないので、雑菌や汚れが付着していてきちんと消毒をせずに食べると健康を害してしまいます。
この他、タコスは非常に有名な料理ですが、メキシコでは屋台のようなお店で売られていることが多く、あまりにもローカルなところで買ってしまうと食あたりをするおそれがあります。
また、これとは逆に、お肉はスーパーで売られているものは大手のお店でも古くなって傷んでいることがあるので、地元のお肉屋さんで切り分けて売ってもらう方が新鮮で安全なものを手に入れられます。
家賃はケチらない
家賃の節約はあまりおすすめできません。
セキュリティーがしっかりしていないと、日本人が住んでいてお金があると思われてしまい、空き巣や強盗に狙われる危険があります。
しかし、メキシコの平均月収は約4万円なので、それよりももう少し高い給与で働くとしても、現地採用ではあまりに高い家賃の場所には住めません。
そのような人はたくさんいますので、都会ではシェアハウスの住人募集が頻繁に行われています。
ハウスシェアでは各部屋にバスルームがついていることが多いので、キッチン以外はほぼ独立してプライバシーが保たれた生活ができます。
メキシコ移住体験談
メキシコというと日本ではどうしても治安の面から「大丈夫?」と心配されがちです。
確かに日本よりはずっと警戒していますし、財布や携帯から迂闊に目を離せません。
ただそれ以上に、メキシコ人の親しみやすさ、困っている人を助けようとしてくれる温かさに何度も助けられています。
街中で何かに困ったとき時に声をかける人は安全上女性や、ある程度きちんとした身なりの人を選んでいますが、何とかして助けようとしてくれる人が多いです。
日本人から見ると時にいい加減でやきもきしてしまう場面も多いのですが、メキシコ人は「今この時を楽しんでいる」という人が多く、日本人に足りないものに気づかされることがしばしばあります。
キシコはコロナ禍でも隔離期間が無い珍しい国なので、ワーケーションをしてみてみるのもありだと思います。
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