バングラデシュ人の働き方とは？ローカル企業の代表として実感した日本との違いとその理由

海外で働くと、日本とは仕事に対する姿勢や取り組み方に違いがあり、その違いがストレスになる場合もあります。しかしそれは個人の問題ではなく、状況によりそのような考え方、働き方になってしまうのかもしれません。

私はバングラデシュでローカルパートナーと起業し、中古バイク屋を経営しています。その中で、バングラデシュ人と日本人の働き方の違いを感じました。

では具体的に何がどう違うのか、またその理由であるバングラデシュの状況を紹介したいと思います。

バングラデシュ人を取り巻く、働き口の少ない状況

※オープンして数日後のバイク屋の様子

私がバングラデシュに働きに来た理由は、貧しいけれども頑張って現在の状況から成り上がりたい！という気持ちのある人の成功のきっかけになりたいと考えたことです。

そのためには現地で会社を作ってローカルスタッフをできる限り雇用し、仕事がない人の数を減らす必要があると考えました。

そのため、私の会社では学歴は一切求めず、面接のみで雇用するかしないかの決定を行っています。

困難な状況にある人を優先

そんな特徴からか、広告なしの知人伝えのみでも週に10名以上の面接希望者が来店します。

家族構成や現在の状況を特に詳しく聞くと、100%の方が「生活をよくするためにお金が必要、ほしい」と言います。「バイクが好き」という人は1人もいません。このことから、働き口の不足を強く感じました。

とはいえ私の会社は慈善事業ではないので、タイヤの空気入れができる、バイクに乗れる（免許の有無ではありません）を最低基準に採用しています。そして、一番優先しているのは家族が困難な状況にある方です。

そのため、うちで働くローカルスタッフは貧困に苦しんでいる人ばかりです。そして私は、生活に困っているレベルなのだから必死に、真面目に働くだろうと思っていました。

バングラデシュ人は目先の小さな利益を求める

当初2人のスタッフを雇いましたが、真面目に、必死になって働いてくれるという期待は見事に裏切られました。工具の横流し、会社に隠れて仕事を個人で請けるということが開始1ヶ月で発生したのです。

なぜこの様な行為をしたのか問い詰めたところ、

• お金がもっとほしい
• 早くお金がほしい

というなんとも悲しい理由でした。

彼らは目先の小さな利益を求め、少し先の大きな利益が考えられないということに気付きます。考え方を変えることは難しいので、不正ができない仕組み作りに試行錯誤しました。

しかし様々な手口で不正は続き、その後スタッフは現在までで4回総代わりしています。

バングラデシュ人スタッフは自信を持たせて育てる

貧困に苦しんでいると、楽に手っ取り早くお金を手に入れたいという気持ちが根付いてしまうことが多いです。

さらに、彼らは私の前とお客様の前での態度が極端に違います。お客様に対して、日本では考えられないレベルの横柄な態度を取るのです。その態度から、彼らは権力に非常に憧れているということにも気付きました。

そのため、彼らを徹底的に管理しながらもそのことに気づかせず、「自分は仕事に対するある程度の決定権を会社から与えられている」と思わせる様にしています。

一石二鳥の仕組みがうまくいく

例えば、パーツを仕入る必要がある場合、彼らが仕入れ先を選べる様にしています。しかし、私は全ての仕入先より全てのパーツの値段を教えてもらっています。

彼らはこの事実を知っているため、パーツの値段を誤魔化すことができません。これで従業員を疑うことなく仕入れを任せられる様になりました。

この仕組みに変更して3ヶ月ですが、不正は起きておらず、スタッフが彼らの友達に誇らしげに自分の仕事を語っている場面に遭遇しました。この時は少し感動しました。

今後もスタッフの様子を見ながら今の仕組みを続けていく予定です。

まとめ～違いを認めて相手を良い方向に導く

海外で働いて、日本人との考え方や価値観の違いに遭遇した場合は、それを日本と同じに変えようとするのではなく、相手を自分が良いと思った方向に導くようにチャレンジしてみるといいです。

私はバングラデシュ人からすると、あくまで外国人です。バングラデシュ人ではないので、無理に考え方を否定して怒りを買っても、得することは少ないと思うからです。

違いを理解した上で、こちらから歩み寄ることが大切です。

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