海外で働きたいという思いはあっても、不安を感じる方もいると思います。それが途上国となればなおさらでしょう。
私はバングラデシュで約2年の日系会社勤務を経て、現在は知人と設立したローカル企業を運営しています。
バングラデシュで働き始めたとき、独立したとき、それぞれに不安がありました。もちろん今でも不安なことはありますが、ここで仕事をしてよかったと強く思っています。
バングラデシュで働くメリットとデメリットを紹介します。
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バングラデシュで働くメリット1. 物価が安い
バングラデシュでは輸入品以外の物価が日本と比べて安いです。
例えば、牛肉は1キロ200BDT(約280円)です。野菜は日本のほぼ10分の1の値段です。なお、イスラム教徒が8割を超えるバングラデシュなので、豚肉は市場にありません。
ローカルの中流レストランで1日3食、外食した場合でも500BDT(約700円)あれば足ります。味も、辛いものが平気なら毎日通っても飽きません。
家賃は場所によりますが、駐在の外国人が住んでいたり大使館があったりする地域で3〜4LDKが月30,000〜200,000BDT(約42,000〜280,000円)です。
私の1カ月の生活費は約5万6千円
私の場合は少し節約して、月40,000BDT(約56,000円)で生活できています。日々の出費が安く済むということは仕事をする上でのメリットです。
※1BDT(バングラデシュタカ)=約1.4円(2017年7月)
バングラデシュで働くメリット2. 大の親日国という環境
※全員初対面ですが晩御飯をご馳走になりました
バングラデシュが1971年に独立した際、日本はいち早く国として認めました。バングラデシュの国旗のデザインも日本の日の丸を元にしたといわれています。
日本による開発支援では、バングラデシュの各地方でJICAの青年海外協力隊が活躍しています。さらに、2014年には5年間で約6000億円の開発援助金を出す旨が発表されています。
当時、安倍首相がバングラデシュを訪問した際には、ダッカ市内の至るところに安倍首相のポスターが貼られました。
日本人というだけで好意を持たれる
バングラデシュの街中でよく「どこの国の人ですか?」と聞かれます。「日本人です」と答えると、「おぉ!友達!!」と握手を求められることもあります。
また、地方の知人の家を訪問した際に経験したことです。「日本人が来る」という噂が広まったらしく、当日、その知人の家に着いた時には約200人が集まってきました。
こんなエピソードもあります。仕事のためにある窓口に並ぶと、行列ができていました。ところが、日本人と分かると、列に並ぶことなく用事を済ませられるという優遇を受けました。
日本人に対するこういった好意的な目は先人達のおかげであって、甘え過ぎてはダメだと思います。しかし、決して心地悪くはなく、正直なところ、仕事がしやすい環境です。
バングラデシュで働くメリット3. 貴重な経験ができる
日本で仕事をしても貴重な経験は積めると思います。では、なぜこの項目を立てたかというと、海外、特にバングラデシュではより珍しく貴重な経験ができる可能性が高いからです。
いい意味での特別待遇
例えば、バングラデシュの銀行に口座開設に行くとします。口座開設に必要な書類の説明から実際の開設まで、全て支店長が対応します。私は日本にいた頃、現在より預金がありましたが、支店長室に入ったことはありません。
バングラデシュでは、日本でいう大臣、国会議員の方にも、適切な理由があればアポを取り1週間ほどで会えてしまいます。
これが物価の違いによるものなのか、親日感情からくるものなのかは分かりませんが、バングラデシュでは外国人はいい意味で特別な扱いを受けていることを感じます。これらはかなり貴重な経験です。
バングラデシュで働くデメリット1. 常にレートが心配
日系企業や外資系企業で働いていれば、その企業の本社がある国の通貨で給与が支給されることがあります。一方、ローカル企業の場合は、当たり前ですが現地通貨タカで支給されます。
開発途上国の通貨だからといって、価値が上がり続けるわけではないです。2015年7月は1タカ=約1.58円、2017年7月現在は1タカ=約1.4円です。レートが約10%上下しています。
もしも、タカの暴落と日本への帰国が重なったら大変なことになるという不安を感じます。
バングラデシュで働くデメリット2. 治安が日本より悪い
バングラデシュに住んで4年が過ぎたので、昼間でも近づいてはダメな場所があること、深夜の外出が危ないことなど、少しは身を守る知識が付きました。
しかし、慣れたといっても日本より治安が悪いことに変わりはありません。そのため、日本にいるときよりも防犯に注意を払う必要があります。
また、バングラデシュの治安は政治情勢にも左右されやすいです。現在、バングラデシュは二大政党の政権争いになっています。
野党が与党の不正に対して行うストライキ(ホルタル)があります。このストライキは座り込みだけでは済まず、激しいときには道路の封鎖、建物への投石、車両の放火が行われます。
危険なので、開催場所には近づかないことが大原則です。当然ですが、開催場所の周囲は経済活動がストップします。
バングラデシュで働くデメリット3. 衛生度・医療の質が低い
メリットの1で述べた、物価が安いことの裏返しかもしれないですが、ローカルレストランや露店で出される食べ物は衛生的でないことがあります。
また、バングラデシュ現地の人は、水道水を沸騰させ飲み水としています。
私は、現在は食べ物も水も全く問題ありませんが、バングラデシュに来た当初から約半年は毎日お腹を壊していました。
そんな状況のバングラデシュなので、日本では普通の衛生環境の中での医療行為が超一流の病院でないと受けられません。そのため、大きなケガや交通事故がないようにしなければなりません。
高度な医療が受けられるのは一部の人のみ
また、高度な手術が必要になった場合、タイ、シンガポールへ行きます。しかし、貧富の差が激しいこの国でそれができるのは、ほんの一握りのお金持ちのみです。
では、それ以外の人が何かアクシデントに巻き込まれた場合は……。そう考えると本当に怖くなります。健康管理に関しては特に、日本にいるとき以上に気を付けた方がいいです。
まとめ~人によってメリット・デメリットは異なる
アジアの最貧国から開発途上国になったバングラデシュ。デメリットもありますが、私はメリットを感じることの方が圧倒的に多いです。
しかし、治安に関しては譲れない、為替リスクのある国では働けないなど、さまざまな考え方があるでしょう。
何がメリットで何がデメリットであるかは人によって違います。海外就職への憧れだけで突き進むのも危険ですが、マイナス面だけ見てしまうのももったいないです。自分にとってのメリットを大切にチャレンジしてください。
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