最低月給を4,000フラン(約46万円)に統一するという、労働者にはなんともうれしい案がかつて議題にされた国、それがスイスです。しかし結果は、国民投票で否決。
それでも、現在の最低月給は3,000スイスフラン(以下フラン、約34万円)ほどなので、スイスアルプスの山々並みに高いと言ってもいいでしょう。周辺諸国の、例えばドイツの平均月給は1,500ユーロ(約19万円)と言われているので、それと比べてもずいぶん高いことがわかります。
ここでは、そんなスイスのお仕事事情をご紹介したいと思います。
※1スイスフラン=約114円、1ユーロ=約125円
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スイスでは正社員でも週1日勤務?
日本で正社員と言えば1日8時間労働の週5日か6日出勤が普通で、それよりも少ない労働時間の場合はパートタイマーとされていますよね。
スイスでは、正社員として20%~100%までの労働時間を選ぶことができます。現在、スイスで100%で働く正社員の平均労働時間は週41.6時間。20%正社員の場合、週に約8時間程度働き、20%の給料が支払われる仕組みです。日本の正社員の1日分ということになります。
労働時間にかかわらず休暇や福利厚生などの恩恵は誰でも等しく受けることができます。とても素晴らしいシステムですね!ただし、時給で働くパートタイマーの場合は有休などはありません。
スイスの労働時間や残業は?
上で述べたように、現在スイスで100%で働く正社員の平均労働時間は週41.6時間です。
企業によって週の労働時間の設定は異なりますが、事務職の場合、最大で45時間までと決められていて、それ以上は残業扱いになります。
とは言っても、週45時間と設定している企業はまれです。一般的には9時から18時まで、昼休み1時間と午前・午後に小休憩30分、そして週休は2日というところがほとんどです。
残業は時給で計算され、さらに25%の残業手当が付きます。また、残業を休暇として消化することもできます。
スイスで働く人の有給休暇はどれぐらい?
スイスでは正社員で働くと、最低4週間の有給休暇がもらえます。企業によって休暇日数は異なり、6週間の有休があるところも!そのため、ほとんどの人が年に2回長期休暇を取り、外国へバカンスに行きます。
人気の行き先は、スペインのマジョルカ島や、カナリア諸島などのビーチリゾート。オールインクルーシブと呼ばれる、3食食べ放題飲み放題のビュッフェプランでのんびりと過ごします。
日本だと有休を取りづらい雰囲気がありますが、スイスでは有休は必ず消化しなければいけない義務があるので、堂々と長期で休めます。
スイス人の給与はやっぱり高い?
現在の最低月給に特に法律の定めはないのですが、3,000フラン(約34万円)ほどとされています。
スイスでは、大学ではなく職業学校に進学し、その後就職するのが一般的です。この職業専門学校を卒業しているかどうかでも給料が変わってきます。
職業学校を卒業して職に就く場合では、職種にもよりますが初任給は大体4,200フラン(約47万円)です。
接客業や販売業の給与は低め
比較的月給の安い職種は接客業や販売業です。就職難易度が低いこともあって、EU圏からの出稼ぎ外国人がたくさん就労しています。
ホテルやレストランでは最低3,400フラン(約39万円)、販売員で3,600フラン(約41万円)ほど。これは職業専門学校を出ていない場合の最低月給です。資格などを持っていれば4,000フラン(約46万円)を上回る給与になります。
所得税用?13カ月目の給与
スイスでは毎月の給与のほかに、13カ月目の給与という名の1カ月分のボーナスが出ます。
スイスでは所得税は源泉徴収されず、確定申告して納税する必要があります。1カ月分のボーナスはその所得税を支払うためにという意味で始まったそうです。
日本では、ボーナスが月給の数カ月分という会社がほとんどだと思うので、1カ月分というのは少し寂しい気がしてしまいますね。
まとめ~給与が高い分、物価も高い!
スイスはヨーロッパの中でも平均所得が高い国です。ただし、物価もスイスアルプスの山々並みに高い!保険料なども含め、何もかもすべて高額です。給料は高くても、実際はそんなにぜいたくに暮らせていない印象です。
でも、スイスと言えばアルプスの山々に囲まれた素晴らしい大自然。しっかり取れる休暇を利用して、天気のいい日に外で日光浴しながらのんびり過ごすことが当たり前にできます。これこそが、スイスでの最高のぜいたくかもしれませんね。
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