スイス第2の都市ジュネーブ。多くの国際機関や、金融機関、そして日本からの留学生も多いジュネーブ大学がある都市です。
ジュネーブに駐在や留学が決まったら、まず探すのは住むための家でしょう。ジュネーブでは、年々人口が増え続け、慢性的な住宅不足が続いています。そのため、家賃が高騰し、手ごろな物件をみつけるのは至難の技です。
ジュネーブに約3年駐在し、途中一度の引っ越しを経験。2軒のアパートに暮らした筆者が、ジュネーブでの家探しのポイントをまとめてみました。
ジュネーブのエリアの特色とは
ジュネーブとひとくちにいっても、地区によりその特色は大きく異なります。
閑静な住宅街を中心とするものもあれば、商店や飲食店が立ち並ぶ活気のある地区もあります。家族構成やライフスタイルに合わせて、自分の好みに合った地区を選択することをおすすめします。
それでは、ジュネーブの代表的な地区とその特色を紹介します。
Petit Saconnex(プチ・サコネ地区)
国際機関が多く集中するエリアです。近年建てられた新しいアパートが多く、キッチンやバスルームなど設備の新しいアパートが多いようです。
インターナショナルスクールや日本人駐在員の勤め先となる国際機関や企業などが集中しているため、駐在員に人気のエリアです。
Balexert バレクセーという大きなショッピングセンターや、Jardin Botanique ジャルダン・ボタニック=植物園と呼ばれる広大で美しい公園もあります。
Pâquis(パキ地区)
ジュネーブの主要鉄道駅コルナヴァン駅にほど近いエリアです。近くに日本食材店やManor マノーというデパートがあるためとても便利です。
インドカレーや韓国料理、ベトナム料理など各国のグルメを味わえるレストランが数多くあり、外食を楽しめるエリアです。便利で飲食店も多いことから、若い方にはおすすめのエリアと言えます。
反面、ナイトスポットがあることから、夜には路上に麻薬の売人や娼婦が立つこともあり治安が悪い地域でもあります。
Saint Jean(サン・ジャン地区)
ローヌ川を見下ろす高台にある地区で、近年人気の出てきた落ち着いたエリアです。
Plainpalais(プランパレ地区)
大きな広場Plains de Plainplais プラン・ド・プランパレを中心とし、広場では市場やさまざまなイベントが行われ活気があります。また、美術館やアトリエの集中するアーティスティックなエリアでもあります。
日本人駐在員の子どもが通う日本語補習校がこの地区にあります。
市内有数の娯楽地区であることから、市内外からさまざまな人が集まり、薬物売買や服用などの犯罪の増加が報告されているエリアでもあります。
Eaux Vives(オーヴィヴ地区)
レマン湖に面し、ジュネーブのシンボルである大噴水ジェッドーを眺めることができるエリア。ヨーロッパらしい古い町並みが残っていて風情があります。
バラの花が美しいLa Grange ラ・グランジュ公園や、観光客にも人気の公園Jardin Anglais ジャルダン・アングレに隣接しています。
おしゃれな商店や、レストランも多く、都市生活と美しい自然の両方を享受できる日本人駐在員にも人気のあるエリアです。
Champel(シャンペル地区)
昔からの閑静な高級住宅街で、お年寄りや子どもづれのファミリーが多く、落ち着いたエリアです。
Route de Florissant ルート・ド・フロリサンと呼ばれる、シャンペルの目抜き通りには、スーパー、パン屋、カフェ、薬局、銀行…と生活に必要なものがそろっていてとても便利です。
Parc Bertrand パーク・ベルトランという大きな公園や、学校も数多くあり、子育てに最適です。ただ、古い建物が多く、アパートの設備は少々難ありかもしれません。
魔の渋滞スポット、モンブラン橋に要注意!〜職場や学校へのアクセス
ジュネーブの町は、レマン湖とローヌ川により南北に二分されています。北側にはコルナヴァン駅や国際機関があり、南側に旧市街があります。
レマン湖にかかるモンブラン橋は、この南北に分かれたジュネーブを繋ぐ交通の要。通勤時間にはうんざりするほど混雑することがたびたびあります。
このモンブラン橋を渡って通勤や通学をしなければならない場合、毎日のようにすし詰めのバスやトラムに閉じ込められることになりかねません。
筆者はモンブラン橋対岸にある保育園に娘を送る際、事故が起こり大渋滞となり、普段は30分ほどの送迎に1時間かかったことがあります。
住居を選ぶ場合は、勤め先や学校にモンブラン橋を渡らずに行くことのできるエリアを選択しましょう。
家具付き物件か家具無し物件か
ジュネーブには、ベッドやダイニングテーブルなどの家具一式、そして冷蔵庫やテレビなどの家電もそなえつけられている家具付きの物件も貸しに出されています。
わが家は家具付きの物件を借りていました。家具や家電のほかに、食器や花瓶、掃除用具まで、生活に必要なものがすべて備え付けられていました。
ジュネーブへの引越しに際し、費用を自己負担しなければならない場合、大きな家具は輸送費用がかかるので送りたくありませんよね。そういった場合には家具付きの物件を借りることをおすすめです。
ただし、家具付き物件は数が少なく、人気があるため家賃が高騰しています。家賃が高い割に、備え付けの家具はたいてい格安量販店のもので、少し安っぽい印象です。それでも人気があり、なかなか良い物件がみつからないことも多いです。
浴槽のある物件がおすすめ
ヨーロッパは乾燥しているため、日本のように毎日浴槽につかる習慣がありません。そのため、バスルームに浴槽がなく、シャワーのみの物件もあります。
家探しをしているのが暑い季節だったら、浴槽はなくてもいいか…と思うかもしれませんが、スイスの冬は長くてとても寒いです!あたたかいお湯につかれる浴槽が恋しくなることもあるかもしれません。
家賃やその他の条件との兼ね合いもありますが、頭の片隅に入れておいてください。
洗濯機は共用が基本!?家の中に洗濯機が置ける物件を確保しよう!
スイスのアパートでは、なんと洗濯機は共用がスタンダード。たいていの場合、アパートの地下に共用の洗濯部屋があり、そこに数台の洗濯機と乾燥機が置いてあります。
洗濯ができる曜日と時間が各家庭に割り当てられ、自分が洗濯できる日にまとめて洗濯をしなければならないのです。先進国でリッチなイメージのあるスイスで、洗濯機が共用だなんて驚きますよね。
これは部屋の中に洗濯機を置くスペース、排水、水道の位置などの問題からのようです。毎日のように家の中で洗濯をしている日本人にとって、大量の洗濯物を持って、エレベーターで洗濯室と家を行き来するのは不便としか言いようがありません。
家の中に洗濯機が備え付けられている物件も、もちろんありますので、ぜひ条件のひとつに加えてください。
まとめ
住宅不足で家賃の高いジュネーブ。限られた期間で希望通りの家をみつけることは難しいかもしれませんが、優先順位を事前に決めておき、効率よく家探しができるといいですね。
インターネットで不動産屋のサイトを見ると、さまざまな条件で絞り込み物件を探すことができます。
そしてもうひとつ、重要なのはスピードです。これぞ!と思う物件があればすぐにメールや電話でコンタクトを取りましょう。
ジュネーブでお気に入りの家がみつかりますように。
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