チューリヒやベルン、ジュネーブ、ルツェルンなど歴史と文化に彩られた都市、 そして美しい山々や湖が人々を惹きつけてやまないスイス。
登山をする方が多く、6月~8月にかけてがベストシーズンと思われがちなスイスですが、 おすすめの旅行シーズンは、過ごしやすく天気が安定している5月です。
9~10月の短い秋も美しく、季節のグルメも見逃せません。スイスに住んで肌で感じた月ごとのスイスの気候と雰囲気をまとめてみました。
スイスのベストシーズンは5月、次点は9月~10月
スイスを訪れるのにおすすめのシーズンはなんといっても5月です。
晴天の爽やかな日が続き、スイスの美しい自然と風景をあますことなく楽しむことができるからです。
6月になると予想以上に暑い日があり、灼熱の紫外線に焼かれることになります! 過ごしやすい5月に町歩きを楽しむことをおすすめします。
また、5月は白アスパラのシーズンです。
新鮮でたっぷりと水分を含んだアスパラガスはそれだけでも甘みがあってすごく美味しいですよ! ぜひ味わってください。
5月の次におすすめなのが、9月から10月の短い秋です。
気温は下がり、寒い日もありますが、木々が色づきノスタルジックで美しい景色を見ることができます。
また、日の出と日が落ちるのが早くなってくるので、ドラマティックな光での写真撮影に向いています。
そして、秋にスイスを訪れる一番の魅力は、なんといっても秋の味覚! トリュフやアンズ茸、セップ茸などの珍しいキノコがレストランのメニューを彩ります。
ジビエ料理や、カボチャ、収穫したてのワインになる前のブドウジュースなど旬の味覚が満載です。
スイスの12か月の月別シーズン解説
5月と9~10月がおすすめの旅行シーズンとなるスイス。ですが、必ずしもその時期に旅行を計画できるとは限りません。
そこで、スイスの1年間の気候を月ごとに紹介します。旅行の計画を立てる際に参考にしてください。
4月
4月のスイス、チューリヒの平均最高気温は13.4度、平均最低気温は4.3度です。若葉が芽生え、花々が咲き、春の訪れを感じる美しい季節です。
しかし、まだまだ寒暖の差が激しく、最高気温が20度近くまで上がる暖かい日もあれば、 冬が逆戻りして来たのかと思うような寒い日もあります。
天気が崩れる日も多く、不安定です。 雪が降ったり、最低気温がマイナスになるような日もあり油断できません。
スイス人にとっては少し寒くても待ちに待った春! 晴れている日のカフェのテラス席は、たとえ寒くてもコートを羽織った人で満席となります。
5月
5月のスイス、チューリヒの平均最高気温は19.8度、平均最低気温は9.9度です。冬の気配はなくなり、晴天の日が続くようになります。
長い冬を耐え忍んだスイスの人たちが一斉に太陽の光を求めて外に出て、 ベンチや公園の芝生、カフェのテラスなどで日光に当たる姿が見られるようになります。
徐々に日も長くなり、春から夏に移り変わる最高のシーズンです。
レマン湖畔モントルーやヴヴェイの山の高地では、 ナルシスという真っ白な水仙の花が群生している姿を見ることができます。
最低気温が10度前後まで下がる日もあるので、上着を持参するのを忘れずに。
6月
6月のスイス、チューリヒの平均最高気温は25.1度、平均最低気温は15.2度。太陽の光が強くなり、春というより夏のようにギラギラと紫外線の強さを感じるようになります。
スイスの学校の年度末にあたり、1年勉強を頑張った子供達が長期のバカンスに入ります。
長期休みに向けて少しずつ浮かれた雰囲気になるシーズンです。近年では温暖化の影響で、6月に30度を超える真夏のような日があることも少なくありません。
6月後半は特に暑くなるので、サングラスや日焼け止め、帽子が手放せません。
爽やかな陽気を求めて行くと、暑さにびっくりすることもあるかもしれません。
山岳リゾートや湖畔のリゾートへ行くのならベストなシーズンと言えるでしょう。
7月
スイス、チューリヒの7月の平均最高気温は24.3度、平均最低気温は15.1度です。日本の夏より湿度が少なく、爽やかな陽気です。
カラリと晴れた日が続き、時には最高気温が30度を超えるような熱波が来ることもあります。
紫外線が強いので、日の当たる場所では焼かれるような暑さを感じます。また、スイスの一般家庭では冷房が普及していません。
クーラーに慣れている日本人にとって、思わぬ暑さにぐったりしてしまうかもしれません。バカンスシーズンとなるため、都市部は人が少なくガランとした雰囲気になります。
山間部では、高山植物が見頃を迎え、ハイキングや登山に適した季節となります。
8月
スイス、チューリヒの8月の平均最高気温は24.7度、平均最低気温は15.1度です。8月1日はスイス建国記念日で、愛国心の強いスイス人が大変盛り上がります。
日本では8月というと夏真っ盛りのイメージですが、 スイスは秋の訪れが早く、8月後半になると最低気温が10度台になるような肌寒い日も増えてきます。
山登りやハイキングを予定している方は8月前半に訪れることをおすすめします。
9月
スイス、チューリヒの9月の平均最高気温は17.4度、平均最低気温は9.8度です。9月はスイスの学校や会社の新年度のスタート月です。
急速に秋が深まり、肌寒く感じられます。葉が散り始め、日も短くなります。空気が澄んで山が綺麗に見える季節でもあります。
比較的晴れることが多く、短いけれど美しいスイスの秋を感じることができるでしょう。
10月
10月のスイス、チューリヒの平均最高気温は15.9度、平均最低気温は7.7度です。木々の葉が色づき、綺麗だな……と思うとすぐに悪天候が続き、葉は茶色くなり散ってしまいます。
秋というよりすでに冬が近づいてきていることを感じます。
最低気温は10度を切り、朝晩は寒さに身が縮む日もあります。この季節にしか食べられないグルメもあるので、都市巡りとグルメを目的にしている方には穴場の季節でしょう。
11月
スイス、チューリヒの11月の平均最高気温は7.4度、平均最低気温は2.3度です。すでに冬。曇天や雨が続き、日も短くなりスッキリしない日が続きます。
これから3月の終わりまで、スイスに長い冬が訪れます。厳しい冷え込みは日本の冬本番のようです。
11月後半には、冬のメインイベント、クリスマスのために町中がイルミネーションで飾られます。
12月
スイス、チューリヒの12月の最高平均気温は、3.2度、平均最低気温は‐0.9度です。スイスの冬の厳しさがお分かりいただけるでしょうか。
家の中は全館暖房で快適な暖かさですが、外は少し立っているのも厳しい寒さです。
公園に行きたい!と泣いて頼む2歳の我が子を仕方なく公園に連れて行ったら、寒いから帰りたいと泣かれた思い出があります!それくらい寒いのです。
12月は、暗くて寒くて長い、憂鬱な冬を乗り切るためのイベント、クリスマスがあります。
寒いですが、イルミネーションで飾られたスイスの町は綺麗ですよ。
また、山間部ではスキーなどのウィンタースポーツを楽しめるシーズンとなります。
1月
スイス、チューリヒの1月の平均最高気温は-0.9度、平均最低気温は-5度です。とにかく寒いという実感はありましたが、数値化すると住んでいる私もショックです。
新年を迎えるスイス。日本のお正月と違い、実にあっさりしています。祝日でおやすみとなるのは1月1日のみ。
2日からは商店も人々も通常営業です。スイスのお正月は、大晦日から家族で集まってのんびりと過ごすのが定番です。
2月
スイス、チューリヒの2月の平均最高気温は7.6度、平均最低気温は0.6度です。まだまだ寒いですが、2月後半ともなると少し日が出て過ごしやすい日も出てきます。
日照時間が短く、天気も悪く長い冬に冬季鬱病になってしまう人も多いスイス。待ちに待った冬の出口が見えてきて少しほっとします。
しかし、日本と比べれば極寒といっても過言ではない厳しい月に違いありません。
3月
スイス、チューリヒの3月の平均最高気温は13.4度、平均最低気温は4.1度です。ようやく春の訪れが感じられ、ほっとする季節です。
前半は寒い日が多いですが、後半になると天気も安定し日差しにぬくもりを感じることができます。
年によって日付の変わる移動式祭日、復活祭が3月~4月にかかることが多く、 待ちわびていた春の復活をお祝いするムードに包まれます。長~い冬を越えた喜びはひとしおです。
とはいえ、まだ天気が安定せず寒い日が多いので、 天気予報とにらめっこしながら外出の予定を組む日々は続きます。
スイスを訪れる際は標高に注意!標高によって変わるベストシーズン
スイスといえば山登り。
ハイキングや名峰が見られる展望台を訪れることをスイス旅行の目的にしている方は多いでしょう。ここで注意したいのは、訪れる町や村の標高です。
天候や地形によって多少異なることもありますが、 高度が100m上がるごとに気温は約0.6度下がります。
先ほど紹介したのは、平地にある都市の気温です。
例えば、人気の山岳リゾート、ツェルマットは標高1,620mです。1620m÷100×0.6度=9.6度 ツェルマットの町は下界より9.6度気温が低くなることが分かります。
この気温は風を考慮していないので、風が吹けばもっと体感温度が下がります。
ヨーロッパ最高峰のモンブランを見ることができる展望台エギーユ・デュ・ミディは、真夏に訪れても雪があります。標高が変われば気候はガラリと変わります。
登山やハイキングを計画されている方は、標高に基づき気候や天気、適した服装を調べる必要があります。
決しておすすめできないスイスの厳しい冬に隠れたおすすめのシーズン
旅行者の方には「来ない方がいいよ」とアドバイスしてしまいたくなるほど寒くて厳しいスイスの冬。
しかし、そんな最悪のシーズンに、最高に美しいおすすめの期間があるんです! それは、11月後半からクリスマスまでの短い期間。
スイスの町や村がクリスマスデコレーションでかわいらしく飾られます。
普段からメルヘンチックでおとぎの国のような雰囲気のスイスがますますかわいくなるので、 大人も思わずワクワクしてしまいますよ。
日が落ちるのが早いので、17時ころからイルミネーションが点灯し、美しい夜景を楽しむことができます。寒くて指がかじかみますが、シャッターを押す手が止まらないでしょう。
まとめ
山間部の多いスイスでは訪れる場所の標高に注意が必要です。
一般的に晴天が多く、カラッとして過ごしやすいと思われがちなスイスの夏。ベストシーズンだと思う方も多いかもしれません。
しかし、近年では温暖化の影響で都市部ではうだるような暑さ。とてもベストシーズンとは言えない状況なんです。
とはいえ、高地のリゾートでは爽やかな気候と晴天が続くこと、高山植物が見ごろを迎え、 ハイキングや登山にぴったりのベストシーズンとなります。
目的や過ごし方に合わせて気候をチェックしてスイス旅行を楽しんでください。
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