スウェーデンで就職して分かった勤務時間と休暇事情。個人のライフスタイルが尊重される働き方

スウェーデン スウェーデンで働く

スウェーデンというと、夏休みが長い、勤務時間が短いなどのイメージがあると思います。実際にスウェーデンで働いてみると、ここでは休暇など仕事以外の時間を有意義に過ごしている人が多いことに気がつきました。

基本的に、スウェーデン人は仕事モードとプライベートモードの切り替えがとても上手です。プライベートを充実させるためにも仕事は効率良くこなし、決して無理な働き方はしません。

以前スウェーデンのアパレル関連会社に勤務して知った、スウェーデンの勤務時間と休暇事情をご紹介したいと思います。

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スウェーデンでは勤務時間を柔軟に調整できる

スウェーデン

スウェーデンでは、会社によりけりですが、1日8時間、週40時間労働が基本となっています。労働法により週の労働時間が40時間を超えてはならないと定められていて、残業時間もここに含まれます。

多くの企業ではフレックスタイム制が導入されています。フレキシブルタイムを7〜9時、16〜18時に設定しているケースが多くなっています。

子供のお迎え時間に合わせて勤務可能

特に子育てをしている世代にとっては、フレックスタイムは重宝できる制度です。就業開始時間より1時間早く出社し、1時間早く退出するというように、子供のお迎え時間に合わせて仕事ができるからです。

私が勤めていた会社では9〜18時の1日8時間労働が基本でした。しかし、勤務開始時刻や終業時刻は目安で、しっかり守らなくてはいけないという雰囲気ではありませんでした。

子育て中だった私もフレックスタイムを利用し、朝早く出社して夕方早くに退社するスタイルを選択していました。こうすることで、都合に合わせて就業時間や退社時間を管理でき、自分にも子供にも負担をかけない形で仕事をすることが可能でした。

個人の状況と家族を優先

スウェーデンでは労働者の権利を守るための法的拘束力が強く、個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を尊重する風潮があります。

私の上司は、ストックホルムから特急で2時間ほどのところに自宅がありました。通勤に時間がかかるので、仕事の状況に合わせてオフィス勤務とリモートワークを組み合わせていました。

それに対し、社内の誰もが当たり前のこととして理解を示していたのがスウェーデンらしいなと感じました。

また、家族のことは最優先という考えが徹底しています。そのため、子供の学校や習い事の送迎、学校行事などで、遅刻したり定時前に退社したりするのはある程度許容されています。

もちろん、その時できなかった仕事は後できちんと補う形で自分の責任は果たします。

スウェーデンで働くと残業はほとんどなし

スウェーデン

基本的にはスウェーデン人はほとんど残業をしません。また、私の会社では残業代は支払われないことになっていました。

抱えている仕事に優先順位を付け、合理的に進めていきます。残業したり1つのことに時間をかけたりしていると仕事ができない人だと思われてしまいます。早く仕事をすることもスキルの1つです。

仕事は目標が達成されていれば良しとし、完璧さは追求しない面もあります。ある意味、完璧さを求めて先に進めなくなるよりも、まずは進んでみるというアプローチをスウェーデン人は好みます。

完璧さを求めないという肩の力を抜いた感じがストレスを最低限に抑えるコツなのかもしれませんね。

スウェーデンの仕事休みは?年間祝日数

スウェーデン

スウェーデンでは、2018年は17日の祝日があります。ほとんどがイースターやクリスマスなどキリスト教関連の行事の祝日です。

祝日の振替休暇制度はありません。したがって、年により祝日が週末に重なるとお休みが減ってしまうこともあります。

なお、祝前日は半日勤務になる企業が多いです。私が勤務していた会社では、祝前日の就業時間は9~13時でした。こうした日は、リモートワークをする人も多かったです。

スウェーデンの有給休暇と休暇手当

熱気球

1年の有休は最低でも25日

スウェーデンの労働法では、フルタイム勤務の場合、年次有給休暇は最低25日と定められています。最低25日ということなので、会社によってそれ以上の有給休暇を付与しているところもあります。私が勤務していた会社では社員一律で25日でした。

短時間勤務の場合は、それが勤務時間全体に占める割合と同じ割合の日数の有休が付与されていました。つまり、労働時間70%勤務の場合、有給休暇は7割の17日になります。

また労働法では、労働者は「6〜8月の間は連続して4週間の休暇を取る権利を有する」と定められています。そのためスウェーデンでは、少しずつ消化するというよりも、まとまった日数の有休を取得する人が多い印象を受けます。

ただし医療従事者に限っては、最長の連続休暇が3週間と短くなっています。

休むともらえる!?休暇手当

スウェーデンの企業では、ビジネスイヤーを4月1日から翌年の3月31日までとカウントします。このビジネスイヤー1年を通して正社員として在籍していることで、翌年のビジネスイヤーに新たに有給休暇が付与され、それに伴い休暇手当も支給されます。

休暇手当とは、有給休暇を取得したことに対して支払われる手当です。法令では、月収の0.43パーセント(1日当たり)を休暇手当として支給することが定められています。

私の場合は勤務期間が短かったため、この休暇手当を取得するチャンスはありませんでした。しかし、スウェーデンの一般企業ではごく普通に支給されるようです。

有給休暇を取ってさらに手当が支給されるとは、日本にはない制度なので驚きます。

スウェーデン人の定番の休暇の過ごし方

スウェーデンの草原

最も多くの人が長期休暇を取得するのは夏の間です。その次に多いのが、クリスマス時期と学校の長期休暇時です。

スウェーデンの学校は、秋休み、冬休みの他に、スポーツ休暇、イースター休暇と夏休み以外にもまとまった休暇があります。学校に通う子供がいる人は、それに合わせて休暇を取ることが多いようです。

夏の休暇の定番

夏休みはサマーハウスに行く人が多いです。スウェーデン人のほとんどがサマーハウスを持っていると言っても言い過ぎではないと思います。

サマーハウスは、豪華な別荘というよりもキャンプができるコテージという感じです。都市部から離れた水辺にあることが多く、人々はここで夏休みの大半を過ごします。

釣りを楽しんだり、海水浴をしたりと、スウェーデンでは夏は思いっきり自然の中で過ごすことが多いです。

冬の休暇の定番

スウェーデンの学校では、冬の間に長い休みが2回あります。クリスマス連休を含む冬休み、2月にあるスポーツ休暇(Sportslov)です。冬休みは約3週間、スポーツ休暇は約1週間あります。

クリスマス時期

家族や親戚一同が集まり、みんなでクリスマスのご馳走を食べるなどしてのんびりと過ごします。日本のお正月の過ごし方と似ています。

スポーツ休暇

スウェーデンの小・中・高校で、冬のスポーツを楽しむために設けられた休暇です。休暇の時期は各自治体で異なり、だいたい2月後半から3月にかけてです。

この間は親も1週間の有給休暇を取得し、家族でスキー旅行に行きます。スウェーデン国内はもとより、お隣の国ノルウェーや他のヨーロッパの国々に行く人も少なくありません。

まとめ~会社員である前に一個人であるという考え方

空港

スウェーデンでは、勤務時間についての決まりはありますが、それをきちんと守ることよりもいかに生産的に仕事をし進めていくかが大事です。

もちろん、勤務時間を完全に無視するのは良いこととは言えません。しかし、それなりに成果を上げていればある程度、事情に合わせて勤務することも可能だという印象を受けました。

また、休暇も個人の都合に合わせて取得するのが一般的です。

スウェーデンは会社員である前に一個人という考えが徹底している国だと、勤務時間や休暇制度を通して理解することができます。

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記事を書いた人
Micco

北欧流のんびり生活を求めて、家族でスウェーデンに移住したMicco(みっこ)です。北欧ライフスタイルのライター、海外育児をするワーママとして活動中。

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