マカオでの働き方は、日本でのそれとはずいぶん違います。
ローカルスタッフや中国人の同僚はもとより、日本人でも現地で長く暮らしているうちに、マカオ式の働き方を身につけていることがあります。不思議さを感じるとともに、理由がわかれば面白い部分でもあります。
文化や生活習慣の違いから、社会情勢やマカオの好景気に由来するものまで、日本との働き方の違いがいくつもあります。マカオでツアーガイドとして働いてわかった、日本とマカオの働き方の違いを紹介します。
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嫌になったらすぐ辞めるマカオ人
3か月ごとにスタッフが入れ替わることも
マカオ人スタッフは、現地で働く外国人とは違ってあふれるほど求人がたくさんあるので、働きにくいと思えばすぐに転職します。働いている人が居心地の悪い会社だと思えば、3か月ごとに次々とスタッフが入れ替わることもあります。
日本のように「まずは3年頑張って、耐えて仕事を覚えよう」という考え方は、基本的にありません。
好景気で売り手市場
現在のマカオは、日本のような頭打ちの閉そく感はありません。経済がぐんぐん伸びて発展しているので、将来に不安を抱えているマカオ人は少ないと感じます。カジノで政府が潤っているので、社会保障制度も手厚いです。
日本人は同じように転職できるのか
日本人の場合は、会社から発行された労働ビザがある限り、1年ごとの更新で働くことができます。ただし、離職した場合は半年間は再就職ができないなどの制限があるので、簡単に転職できるわけではありません。
マカオのIDがあればビザは不要で、多くの権利が保障されます。気に入らなければ働かない、というマカオ人と同じ立場で仕事ができます。
国民性による違い
同僚それぞれの国民性
私の同僚は、マカオ人のほか、中国人、日本人がいます。なかには、不動産業や飲食店などの副業を持っている人もいます。マカオ人や中国人の同僚は、お金持ちで時間つぶしや趣味、副業として仕事をしているような人も少なくありません。
- 基本的に、マカオ人はのんびりした人が多いです。社会情勢や生活に余裕があることから、あまりガツガツしていない印象です。
- 中国人は上昇志向の強い人が多く、お金持ちも多いです。かといって、それを自慢することはなく、分け合いの精神を持つ優しい人が多いです。
- 日本人はまじめできっちりした人か、おおらかで動じない人が多いです。
風水を重視
風水は、マカオに住む人々の暮らしに浸透しています。オフィスに風水師を呼んで、商売がうまくいくように模様替えをすることもあります。
多くの有名風水師たちが、毎年10月頃出版する翌年の風水の本には「仕事始めは何日の何時頃が良い」などと、明記されています。
マカオの主要なランドマークも、風水を駆使して建てられたものがいくつもあります。その由来や成り立ちなどを知るのも、マカオならではの楽しみです。マカオで働くうえで知っておいて損はない話題です。
日本人として働くということ
求められる日本流サービス
香港には日本人ガイドがあまりいないこともあり、日本人ガイドはお客さまや添乗員からとても喜ばれます。
一方で、日本人ガイドは外国人ガイドと違って、日本人ならではの気遣いやきめ細やかな高い水準のサービスを求められることがあります。日本人同士だからここまでやってくれるだろう、という期待値が高いです。
どのように働くかは自分次第
期待に応えられるしっかりした人は評判が良く、現地旅行会社からも求められます。しかし、真面目にきちんと仕事に取り組むゆえ、ストレスがかかり体調を崩す人もいます。
一方で、あまりストレスがかからない働き方をする人もいます。そういう人は、バケーションを取って長期の旅行に出かけたりと、ストレス解消も上手です。
期待に100%応えられるわけではないけれど、お給料の分はしっかり働くというスタイルです。稼ぎ方を熟知しており、同じ仕事を与えられたはずなのに驚くほど稼いでいる人もいます。
生存競争はパイの奪い合い
仕事を奪い合うという考え方
私が1番驚いたのは、先輩ガイドが自然に「稼げる金額は限られていて、それをガイド同士で奪い合うもの」だと考えていたことです。これは、マカオならではの考え方で、同僚同士で足を引っ張りあうこともあるようです。
おまじないで相手を不幸にするグッズなどを売っているお店も、街中で見かけます。
良い仕事を継続すればパイは大きくなる
私は「良い仕事をしてリピーターが増えれば、仕事も増えてより大きな市場ができる」という考え方なので驚きました。「マカオ旅行が楽しかった、また来たい」という人が増え、家族や友人と何度も足を運んでくれれば、仕事はどんどん増えます。
今、マカオを訪れる観光客の半分ほどは、マカオに初めて来たという人です。ガイドの質は、旅行経験の満足度の高さを左右します。
将来、仕事がなくなって困ることがないよう、毎回できる限り最高のサービスを提供して、今から種をまいておけば、いつか努力の結果として花が咲き実をつけると私は考えています。
外食と主夫、男女は同権
食事は外食が基本
マカオは共働きの家庭が多く、外食が基本です。女性は食事の準備に追われる必要はありません。
私は夫婦2人とも時間があるときでも、自炊せずに一緒に外で食事することがあります。朝昼晩を通して、手頃な値段で気軽に外食できるお店がたくさんありますので、年間300日以上3食外で食べる人も少なくありません。
主夫にも市民権がある
女性でもバリバリ働く人が多いので、専業主婦と同じ数だけ専業主夫がいます。
奥さん1人の収入で十分なら奥さんが大黒柱になり、旦那さんは仕事をせずに子どもの世話や家事をする家庭もあります。男性が働いていなくてもおかしなことではありません。
託児所がたくさんあり安心
共働きが多いので、乳児から預かってくれる託児所もたくさんあります。マカオでは、待機児童という言葉を聞いたことがありません。
マカオの働くお母さんの中には、産後3か月で仕事に復帰するという人もいます。ガイドの仕事は立ちっぱなしで歩き回るので、私は子どもが1歳8か月になってから仕事に復帰しました。
好景気に沸くマカオでいかに働くか
マカオは中国の経済成長に乗り、新しい大型カジノリゾートがどんどん建設される好景気です。国際通貨基金は、2020年にはマカオの1人当たりのGDPが世界1位になるだろうと予想しています。
マカオで日本人が企業に勤める場合、まずは労働ビザが必要です。労働ビザで働く場合は、会社の都合次第で繁忙期は多少きつかろうがタイトなスケジュールをこなさねばなりません。
一方、マカオのIDがあれば、会社に縛られることはありません。しっかり働いて稼ぐこともできますし、日本人でも強気で気楽な働き方もできます。
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