マカオで働くには?マカオ在住歴10年の日本人女性の就職体験談

マカオ マカオでの働き方

わたしがマカオで働き始めたのは、日本人相手の仕事に需要があると思ったからです。マカオは在住日本人が香港と比べても桁違いに少ないため、日本語を話せる人材は貴重で重宝されます。

わたしは就職氷河期世代で、大学時代の就職活動は苦労した思い出ばかりです。いざ転職したいと思ったときにも、なかなか良い仕事が見つからず頭を抱える日々でした。

ところが、就職先をマカオに照準を当てた途端トントン拍子に就職が決まり、現在マカオ在住10年です。この記事では、マカオ就職までと就職後の経験を赤裸々にお伝えします。

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マカオへ行く前にしていた仕事と経歴

マカオ

当時わたしは29歳でした。国立大学を卒業して、大手旅行代理店で店頭カウンター業務を経験しました。その後離職して上京し、個人経営の小さな貿易会社でアルバイトをしていました。

30歳が目前に迫っており、恋人はいましたが結婚を真剣に考えるまでには至っていませんでした。

仕事は忙しく深夜まで勤務することもあり、このままの生活でいいのかと疑問を感じて転職したいと思うようになりました。しかし国内での転職活動は一向に進まず、閉塞感だけが募っていました。

学生時代、英語は好きだったのですが、海外旅行経験はありませんでした。しかし、旅行代理店時代に海外旅行に行くお客様を送り出す日々を過ごし、勉強を兼ねて同期や友人と海外旅行に行き始めてから、海外を身近に感じるようになりました

貿易会社に勤めてからは、海外のお客様と直接やり取りするようになり、海外に対する心理的な距離がさらに縮まりました。

マカオでの求人の探し方とは?就職が決まるまで

マカオ

しばらくして、深夜まで続く勤務に限界を感じ、上司とも話し合って貿易会社を辞めました。

その上司は旅行好きで、以前から転職について相談していたのですが「マカオいいよ。中国はこれから伸びるから。中国の中でもマカオか香港が合うんじゃない」とアドバイスをくれたのです。

それを聞いて、これから成長する場所なら日本人相手の仕事も増えるのではないかと思い、マカオや香港を転職先の選択肢として考え始めました。

教えてもらった求人情報に1つ目の偶然が

そして海外で働くことを目指して中国語を勉強し始めた頃、その上司から「こんな求人があるよ」とメールをもらいました。「カモメアジア転職」というサイトの求人情報でした。

それは偶然わたしが新卒で入社した旅行代理店のグループ企業で、香港の旅行会社内勤スタッフとマカオのツアーガイドの2つの求人がありました。

「まだ中国語も始めたばかりだし、スキルが足りないのでは」という思いはありましたが、「せっかく求人情報を教えてもらったのだから」と思い直して、両方の会社に履歴書を送りました。

いざ面接へ!生活が一変した瞬間

書類審査はどちらも通過し、両社の面接を受けることになりました。面接は東京にあるグループ企業で行われます。まずはマカオの会社、その後香港の会社という日程に決まりました。

まずはマカオの会社の代表と面接をして、

  • 英語は話せるか
  • 中国語はどうか
  • マカオを訪れたことはあるか
  • いつから勤務可能か
  • 前職と現職について

などを聞かれました。その後少しお話をして、なんとその場で内定をもらいました。自信はなかったけれど気に入ってもらえた、これが2つ目の偶然です。

最初の応募で合格したことに驚くとともに、とても嬉しかったことを覚えています。それで香港の会社の面接はお断りして、マカオに渡ることを決めました。

マカオでの仕事~ツアーガイド認定前~

マカオ

マカオに到着すると、同期が1人いることを知らされました。同じ日本人女性で、彼女とこれから2年間ルームシェアをすることになります。

まずはツアーガイドになるため観光専門学校に半年間通い、認定試験を受けます。この間はオフィスで、ほかのスタッフと一緒にペーパーワークをしました。

なお、ここ数年はガイド認定試験の日本語コースの開講が不定期となったため、ガイドの募集も減っています。

日系の会社だったので、日本語と英語が少しできれば業務に差し支えはありませんでした。長期的に中国語は業務上必須になりますが、住んでいる間に少しずつ覚えていけばいいという感じだったので、参考書とCDを使って独学しました。

中国語には標準語である北京語(普通話)と、香港マカオの方言である広東語があります。仕事ではどちらを使っても構いません。

有能なほど大変!?それぞれの担当業務

同期は中国語が堪能だったので、

  • 予約手配
  • ガイドの先輩に渡すツアーインフォメーションの準備

などを中心に業務をこなしていました。繁忙期は仕事量も多く、とても忙しそうでした。一方のわたしは、

  • ガイドブックの更新のために情報確認を頼まれたため、カジノやレストランなどの関係箇所に電話をして、掲載情報に変更がないか英語で確認
  • ウェブページのブログ記事更新

などをしていました。同期と違い、実際の業務とは関係ない仕事内容だったので、空いた時間は中国語の勉強や試験勉強などをして過ごしました。

マカオでの仕事~ツアーガイド認定後~

バス

無事、認定試験に合格し、観光局でガイドライセンスの発行を受けました。

そこからブルーカード(労働ビザ)を取得するまでさらに半年ほどかかりましたが、講義がおおむね終わった段階で、ライセンスガイドに補助してもらいつつ実際にお客様を案内しました。

一度先輩ガイドの業務を見学したら、今度は自分自身でツアーの案内をします。同伴してくれる補助ガイドの手も借りながら、日本から来られたお客様の観光案内や、中国語での運転手との連絡に挑戦しました。

まだまだ半人前でも、お客様にとってはプロの現地ガイドです。失敗のないように緊張感を持って仕事をしました。

労働ビザが下りてからは、いよいよ1人きりで業務に当たります。事前準備、出迎え、見送り、観光、セールスが主な業務です。

事前準備

  • 担当するツアーの情報を会社にピックアップしに行き、不明な点がないか確認します。
  • 自己紹介に始まり、出迎え、見送り、観光、セールスなどそれぞれの業務に合わせたトーク原稿を作り、スムーズにご案内できるよう練習して暗記します。
  • 運転手さんに連絡して、中国語で待ち合わせ時間と場所を伝えます。

出迎え

  • 船や飛行機の到着時間を確認して港や空港に行きます。
  • お客様全員を迎えたら運転手に連絡してバスで各ホテルに向かい、チェックインのお手伝いをします。
  • 手書きの日程表のお渡しと、集合場所や朝食会場などの確認をします。
  • レストランやスパ、ショーの予約手配、集金、チケットお渡し、その他クレーム対応やホテルへの連絡などを行います。

見送り

  • 忘れ物がないかチェックしてからバスで港や空港に向かいます。
  • バス車内では出発のご案内をして、到着後チェックインのお手伝いをし、入場まで見送ります。

観光中

  • ホテルロビーまたは港でお客様を出迎え、お名前と人数を確認して出発します。
  • 日本のお客様はあまり不満を口にしないので、帰国後クレームになるのを防ぐため、お会いしたら宿泊ホテルに不便はないか、トラブルはなかったか、体調は良好かなどをお聞きします。
  • 要所要所で人数を確認しながら観光案内をし、最後はホテルや港までお送りします。
  • バス車内でおみやげやオプションのセールスをします。

やることは多いですが、お客様の喜ぶ顔が見られるという、ダイレクトに応接する業務ならではの嬉しさがあります。

メリットがあった!マカオで仕事をして良かったこと

マカオ

海外で仕事をして良かったことは5つあります。

語学が上達した

わたしは広東語と英語で業務を行っています。英語は日本にいるときから得意でしたが、広東語はマイナーな言語なので、現地で実際に使って覚えることで上達しました。

北京語を使っているガイドの同僚も多いです。北京語を覚えれば帰国後中国人観光客の応接をする場合にも非常に役立ちます。

日本的な価値観にとらわれなくなった

わたしはマカオで30歳を迎えました。日本で30歳を迎えた友人達のように、みんなに囲まれて「三十路」を連呼されるという経験を避けられたことは、素直に嬉しかったです。

マカオには、年齢を重ねていても独身でも、はつらつとして魅力的な女性がたくさんいます。

30歳になったからおばさんだとか、結婚しなければいけないとか、そんな日本的なしがらみにとらわれる必要がなくなったことは、まさにストレスフリーな経験でした。

視野が広がった

マカオに来るまで、中国圏は香港に1度旅行で訪れたことがあるだけでした。カルチャーショックを受けることも多かったですが、「外国だから色んな考え方がある、そんなもんだ」と思うようになりました。

異文化圏でそこに暮らす人々と仕事をすることで、何が起きても動じない、清濁併せ呑む度量の大きさが身につきました。自分の常識が世界の常識ではないと知ることで、視野が大きく広がります。

働きに見合った収入が得られる

一人前のガイドになるまでは最低限のお給料で生活しましたが、家賃は会社に負担してもらえたので、時には贅沢もできました。ガイドとして独り立ちしてからは、働いた分だけ収入に反映されます。セールスも努力すれば、その分還元されました。

慣れてくると収入も上がり、日本での仕事と比べると拘束時間は圧倒的に減った上、収入は変わらないか多いくらいでした。旅行代理店の店頭販売員の頃からは収入が3倍以上になり、拘束時間も減りました。

ライフワークバランス

マカオでは残業もなく、オフィス勤務の際も定時に帰宅できていました。マカオの国民性として、がむしゃらに働くというよりは、働きやすさを求める傾向があります。

マカオは景気が良く、仕事もたくさんあるため、嫌な職場だと思えばスタッフはすぐに離職します。そのため日系の会社であっても、日本式の無茶な働き方は求められません。

またツアーガイドとして業務を始めてからは、仕事へは直行直帰します。飛行機の到着時間の関係もあり、深夜まで働くことはほとんどありません。

それ以外の時間は、勉強や趣味などに自由に使うことができます。連休などの繁忙期以外であれば、長期の休みも比較的取りやすいです。

マカオ就職はおすすめ!

マカオ

マカオで働くには、まずチャレンジ精神が大切です。常に今の自分を超えていくつもりで日々を送ることが成功の秘訣です。そして、ゴールを定めたらその過程を楽しむ心掛けが大切です。

例えば登山をするときに、頂上にたどり着くことが目標だとします。頂上からの景色や登り切った達成感はもちろん素晴らしいものでしょう。

しかし、その途中にある野花の美しさや空気の美味しさに気づき、それを楽しむことが登山という経験をより豊かなものにします。

海外で働くことも同じです。目的を達成することは大事ですが、それ以上に、そこに到達するまでの努力や苦労も楽しんで自分の糧にすることが、自分をひと回りもふた回りも大きくします。

まとめ

わたしがマカオで働くことを選んだのは、信頼のおける上司に相談し、アドバイスを受けたことがきっかけです。わたし自身はそれまでマカオに渡航歴がなく、どんなところかもよく知りませんでした。

大切なのは思い切りです。わたしはいいメンター(助言者)にも恵まれました。尊敬する人がいれば、何でも相談して素直に意見を仰ぎましょう。

最初は苦労しましたが、それもじきに笑い話になります。前向きな気持ちで臨むことが、良い結果をもたらします。

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