ブラジルで働くには?ブラジルで就職・転職したい日本人向けの仕事と求人の探し方

ブラジル 南米就職・転職

南米最大の国ブラジル。ヤクルトやダイソー、トヨタなど馴染みのある日系企業も多数進出しており、注目されている国です。

ブラジルで暮らしてみたい!ブラジルで就職してみたい!今回はそんな方のためにブラジルで働く方法をご案内。

ブラジルで働くために「ポルトガルは必要?」「求人はあるの?」などブラジルで働く日本人がまとめて紹介します。

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ブラジルで働く3つのメリットとは

ブラジル

ブラジルで働くメリット

  • まとめて取れる有給休暇
  • 給与の8%が別途支給
  • コミュニケーションの幅がぐんと広がる

まとめて取れる有給休暇

1年以上就業した労働者は、最大30日間の有給休暇をまとめて取得できます。大半の人たちは毎年30日まとめて有給を取りますが、業種や役職によっては15日間ずつなど分けて有給を取る方もいます。

2017年の労働法改正により、30日間の有給休暇を3回まで分けて取れるようになりました。有給休暇についてはブラジルの労働法で定められているため当前の権利です。

そのため、周囲に申し訳なく思ったりする必要もなく、日本ではなかなかまとめて取れないような長期休暇を思いきり楽しむことができます。

長期休暇を利用して日本へ一時帰国や近隣の南米諸国へ放浪するもよし、ヨーロッパなど周遊するも楽しめます。

給与の8%が別途支給

ブラジルでは毎月受け取る給与とは別に給与の8%を会社が積み立てます。

FGTS(Fundo de Garantia do Tempo e Serviço)という勤続年数補償基金です。

これは勤めている会社から支給されるもので、条件によっては退職時に、または退職時から2年後に勤続中に積み立てられていた全額を受理することができます。

日本円で年収が500万円とした場合、8%の40万円が毎年積み立てされ、年利3%で政府指定の口座に積み立てられます。

勤続5年だとしたら、個人で貯金する額とは別に約218万円が貯まっていることになります。個人的に貯金できる人もそうでない人も、これはとてもありがたい補償だと言えるでしょう。

コミュニケーションの幅がぐんと広がる

ブラジルの公用語はポルトガル語であるため、日本語と英語のバイリンガルからトリリンガルのへとステップアップできます。

職場で英語が使用できたとしても、全員が英語ができるわけではありません。また、普段の生活ではグローバル企業が集まるサンパウロでさえも英語は使用できません。

そのため多かれ少なかれポルトガル語を習得する必要があり、言い換えれば、トリリンガルになれるチャンスです。

加えて、ブラジルは中南米の経済の中心地であり、隣国がスペイン語圏であるためスペイン語に触れる機会が多々出てきます。ポルトガル語とスペイン語はロマン語で親戚のようなものなので3か国語だけでなく4か国語習得も目指すことが出来ます。

ブラジルで働く3つのデメリットとは

ブラジル

ブラジルで働くデメリット

  • 日本から遠い
  • ブラジルは日本のように安全な国ではない
  • ポルトガル語が必要!

日本から遠い

皆さんご存じの通り、ブラジルは地球の裏側にあり、日本から一番遠い国のひとつです。

言い換えると、経済的・時間的余裕がないと頻繁に日本に帰れないということです。

ご家族や友人に会うために帰国する場合、日本とブラジル間で直行便は現在運航されていないため、北米やヨーロッパ、または中東で乗り継ぐ必要があります。

1回のフライトで10~12時間はかかり、最低2回のフライトになるため、少なくとも24時間は移動に時間を使います。

どうしても急で帰国したい際などはドラえもんのどこでもドアが欲しくなります。

長時間のフライトやトランジット中に有意義な時間を過ごせる術を身に着けた方がよいかもしれません。

ブラジルは日本のように安全な国ではない

富裕層と貧困層の格差が激しく、各都市にファベーラと呼ばれるスラム街が点在していて、日本より犯罪率が高いのです。

TheGlobalEconomy.Comの統計では2017年の殺人率はブラジルは世界7位となっています。

人口10万人当たりのブラジルの殺人件数は30.5件、日本は0.2件、ブラジルでは日本の約152.5倍の殺人が毎年発生しています。

恐ろしい数字ですが、住む街や行く地域によって大きく治安が変わることを忘れないでください。

筆者は幸い大きな犯罪には巻き込まれたことはありませんが、盗難には3回ほど遭いました。ただ、住んでいる地域は安全なので夜中0時に駅から自宅へ歩いても何も起こったことはありません。

海外は全てにおいて日本レベルではないことを忘れてはいけません。郷に入れば郷に従え、最低限の現地ルールさえ守っていたら危険な目も回避できるかと思います。

ポルトガル語が必要!

英語と日本語が使えても満足してはいけません。ブラジルで働くということは、公用語であるポルトガル語を多かれ少なかれ習得する必要があります。

英語で苦戦している日本人にとってはポルトガル語は未知の世界かもしれませんが、仕事関連やそれ以外でも必ずポルトガル語が必要になる場面に遭遇します。

仕事関連では同僚やクライアント、秘書、運転手と関わる際など、私生活では政府機関、金融機関、商業施設全般などでありとあらゆる場面でポルトガル語ではないと通じません。

常に通訳または英語・日本語ができる友人を同行させるのであれば話は別ですが、自分の力で現地の生活を円滑に不自由なく進めるのであれば語学勉強も大事だということは忘れてはいけません。

ブラジルで就職する方法

ブラジル

現地採用になる

ブラジルで現地採用になるためには、あらかじめ就労できるビザを保有しているか、または就労ビザのスポンサーをしてくれる企業を探す必要があります。

就労しても問題ないビザを保有していない場合、観光ビザまたは学生ビザでブラジルに現地入りし、現地で生活しながら就職活動をする必要があります。

または、現地入りせずに日本からネット上の仲介業者を介して遠隔で就職活動をする方法もあります。

ビザまでサポートしてくれる企業に採用してもらい、ビザ発給やその他諸手続きを終えて、Carteira de Trabalho e Previdência Socialと呼ばれる労働手帳をもらって勤務開始となります。

日系企業駐在員になる

ブラジルには世界各国から駐在員が来ています。特にサンパウロやリオデジャネイロに集中しています。日本人の駐在員は基本的に日本の企業に所属して、日本の企業から派遣されていることがほとんどです。

まずは日本の本社で採用されて1年または数年日本で研修や経験を積み、その後日本から直接ブラジル入りされる方が一番多いです。

駐在員として他の国で経験を積んでいる方は日本採用であっても、他の国からブラジルに移動となる方もいらっしゃいます。

その場合、アメリカ・メキシコやその他中南米の国からブラジルに移動されてくる方が多いです。ちなみに日系企業の駐在員は、駐在期間が2~3年かそれ以上に分かれる傾向があります。

海外駐在に興味のある方は「海外駐在に強い転職エージェント・おすすめサイト!転職を成功させるコツも解説」もあわせてチェックしてみましょう。

インターンシップをする

ブラジルでインターンシップをしたい場合、最低でも英語ができないとインターン先を見つけられません。

そもそも日本のサイトではブラジル(中南米)のインターン募集がほとんどありません。

英語で書かれたインターナショナルのインターンシップサイトで募集情報を収集する必要があります。

希望に合うようなインターン先があれば、英語またはポルトガル語で応募します。職種によってはポルトガル語の能力も求められますので、ハードルは少し高くなるかもしれません。

募集している業種は様々で、観光、農場、環境保護、テクノロジーなどが見つけやすいかと思います。

日本とは全く違う環境の中で新しい経験をしたい、他の人とは違う経験をしたいという方にはもってこいのインターンシップ先かもしれません。

興味のある方は下記のようなサイトを参考までに覗いてみてください。

ワーキングホリデーをする

残念ながらブラジルと日本の間でワーキングホリデーの協定は締結されていません。

ブラジルにいる日系人4世までであれば日本で働くためのビザの申請はできるようですが、日本から来るためのワーキングホリデーのビザは発給されていません。

よってブラジルで一定期間滞在するためには、観光ビザで入国するか、学生ビザ、ボランティアビザ、就労ビザ、投資家ビザなどの一般的なビザを取得する必要があります。

仕事をするためには就労可能なビザを必ず取得する必要がありますのでご注意ください。

ブラジルの産業や企業

ブラジル

主要産業

日本の約22.5倍の面積があるブラジルは資源が豊富に溢れています。ブラジルの主産業は農業、工業、原油と資源です。

ブラジルの主な貿易品目はコーヒー豆、オレンジ、大豆、牛肉、鉱山石、ボーキサイト、ニッケル鉱や原油などです。なお、これらの品目は2017年~2018年の世界市場占有率ですべてTOP10入りしました。

また、ブラジルではIT産業も著しく成長していて、今後の成長が期待されています。

YoutubeやNetflixなどの動画配信サービスの利用者は世界で第2位となっていたりFacebookやGoogleの利用者数は世界第3位となっているほどです。日本よりもIT産業が普及している部分も非常に多いのです。

現地の大手企業、有名企業

ペトロブラス

国内外問わず有名で、ブラジルの最大手は石油会社のペトロブラスです。

2015年の汚職事件で日本のニュースでも耳にしたことがあるかもしれません。

半官半民企業で、97年頃まではブラジル国内で石油産業の独占が許されていました。現在は南アメリカ最大の石油発掘会社です。過去には日本の石油精製企業も買収しています。

JBS S.A.

国内第2位はJBS S.A.という食品メーカーです。

肉の精製・加工や肉の冷凍食品を製造しているブラジルの会社です。国内に限らず世界中の企業を買収していて、国際的にも規模の大きい企業になっています。

ヴァーレ

国内第3位はヴァーレという総合資源開発企業です。

ブラジルは天然資源が豊富にあり、多くの項目で世界シェアも上位を占めています。こちらの企業は鉄鉱石が主力商品で世界シェア1位になっています。日本でも2019年のダム決壊のニュースで企業名を耳にしているかもしれません。

進出している日系企業

JETROの発表では日本からブラジルに進出している企業は2018年10月時点で699社。さまざまな業種が参入しています。

KUMON(公文)やヤクルトは長年ブラジルで愛され続けています。街を歩けばKUMONの文字を見かけますし、スーパーに行くとヤクルトがどこでも手に入ります。

また、サンパウロではダイソーやすき屋を目にする機会が増えました。急速に店舗数を増やしています。

自動車業界も大手トヨタ、ホンダ、日産、三菱や関連会社が進出し工場をブラジルで構えています。

総合商社やその他グローバル企業など様々な企業がブラジルに存在しますが、書ききれないほどの企業が進出しています。

ブラジルの就職採用情報

ブラジル

採用されやすい職種

ブラジルは日本に比べると離職率が高いので、1年を通して様々な職種の求人が均等に出回っている印象です。

ただどの国でも同じかと思いますが、人気が一番高いのは比較的お給料がよく、かつ、よい労働条件の職種です。

大手の銀行や投資ファンドなどのポジションは常に人気が高く、競争率が高いです。また、IT系、マーケティング系、経理・会計系の職種も男女問わず人気があります。

現地採用を狙う場合、やはり日系企業の日本語を必要とするポジション(経理、秘書、法務、運転手など)や日系幼稚園や学校のポジションが有利かと思います。

現地の一般的な企業はやはりブラジル人の採用を優先しますので、どうしても普通の求人でも競争率が高くなります。

日本の本土以外で日本人・日系人の人口が世界で一番多いブラジルでは日本人という繋がりを使ったほうが有効に採用へとつなげることができるでしょう。

日本人に人気の業種

現地で日本人に人気の業種といえば、やはり日本のもの、ことば、文化に関連するものになります。

日本の自動車関連会社、日本食品関連の会社であったり、旅行業界や学校関連であったりと幅広い業種になります。

中でもハードルが比較的高くなくアプローチをかけやすいので、レストラン業界、その次に旅行系や通訳・翻訳系が人気かと思います。

活発な方が多い傾向にあったり、語学が堪能な方が多いので、接客、旅行や通訳系から試す方が多いように思えます。正社員からでなくても、フリーランスで依頼ベースで働いている方も多くいる印象です。

また、オンライン上で生徒募集をかけて日本語を教えたり、語学学校に所属して日本語を教えたりしている方もいます。語学を教えながら翻訳に携わっているという方もいらっしゃいます。

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日本人の平均年収や目安給料

現地採用でなく駐在員という形で来ている日本人の年収は、最低でも450万円以上です。

そこに現地の福利厚生(交通費、食料品、食事代補償など)が支給され、住宅手当があったりします。

もし帯同家族がいる場合、帯同家族の人数によってさらなる補償が追加されることもあります。

また、現地で就職している場合、お給料はブラジル基準になります。なお、ブラジルでは年収ではなく、月収で考えます。

職種によってお給料のレンジは異なります。

ご参考までに私的見解ですが、ブラジルの月収は日本でもらう平均値の半分から75%くらいになるような感覚だと思っていただいてよいと思います。

外国人の平均年収や目安給料

ブラジルに住む外国人は3タイプあります。まず1つ目は難民として亡命してきた外国人です。

現在のブラジルの最低賃金は月1,045レアル(≒約23,000円)ですが、彼らの場合は正規雇用されていな可能性も高く最低額をもらえてない人も多いと思います。

次に就労許可があり現地就職している外国人です。現地就職している場合は職種によって平均収入は大きく異なります。ソーシャルクラスがミドルなら月1,892.65~8,159.37レアル(≒約42,000~180,000円)程になります。

最後に駐在で来ている外国人です。一般社員から現地法人トップ、また各国の領事館職員などになります。現地と派遣元の国でお給料を受理していたり、住宅手当があったりしますので、一概に収入について言及するのは難しいですが、最低でも平均500万円以上(手当除く)となっているかと思います。

ビザの取得要件

パスポート

ブラジルで就労するには必ず適切なビザの取得が必要になります。

駐在員として現地終了するのか、現地企業に直接採用されて終了するのか、技術支援や移転のために就労するのか、またはそれ以外の条件で就労するのかによりビザの種類は異なります。

ただ、どの場合でもブラジルの法務省から事前許可を取得する必要があります。この就労許可は個人から申請することはできず、所属する企業から申請する必要があります。

なお、ブラジルはフリーランスビザというものがありません。

よって、就労ビザまたは永住ビザのような正規のビザがなければフリーランスとしてブラジル国内で収入を得ることができません。オプションとしてフリーランスをお考えの場合は注意が必要です。

ブラジル求人の特徴

パソコン

求人の特徴

ブラジルではジェネラリストよりスペシャリストが必要とされています。日本では「総合職」「事務職」というくくりはありますが、ブラジルではそのようなものはありません。

○○アナリスト、○○エンジニア、プログラマー、秘書など求人は細かく専門が分かれています。

求人情報は基本的に専門分野の募集ポジションごとになっています。

なお、ブラジルでは日本のように「新卒入社」「途中入社」「4月入社」「9月入社」のような概念はありません。

就職や転職によい時期というものがないため、求人数が増えるという時期は特にないように思えます。

就職や転職を考える方は希望の企業の求人情報を常にチェックするか、斡旋会社に登録して常に情報を流してもらうかのどちらかがよいかと思います。

必要な語学力

駐在員を目指すか、現地採用を目指すのかで必要な語学力は相当変わります。

駐在員の場合

まず日本企業から駐在の場合、基本的に最初は英語が出来ればよいと思います。英語もネイティブレベルではなく、ビジネス英語中級以上あれば駐在できている印象を受けます。

普通のスピードの英語が理解でき、ゆっくりでもいいので無理なく自分の言いたいことが発言できるくらいならよいのではないかと思います。

ポルトガル語ですが、駐在前から駐在期間初期はレッスンを会社補償で受けられたりするので焦る必要はないかと思います。また、企業によってはげ現地に日本語や英語ができる秘書がいるので100%ポルトガル語が使えないとというわけではないかと思います。

現地採用の場合

次に現地採用を目指す場合、高いポルトガル語が必須です。

どんなグローバル企業であっても履歴書送付から面接、入社手続きなどすべてポルトガル語になると思っていただいた方がよいです。職種的には英語を使用する場合でもその企業の人事の担当者がポルトガル語しかできないことが多いのです。

必要スキル/経験

ブラジルでは、経験が求められ、即戦力であることが必要とされています。

日本でいう「総合職」や「事務職」というくくりがありません。自分の専門を明確にしてどんどん経験を積んでいくとよいと思います。

ブラジルで働くにあたり、語学力もビジネスレベルまで上げているとよりよいでしょう。どのようなビジネスの場面でも困らないくらいの語学力があれば、遠慮したり遠慮されたりすることもなく現地で仕事ができます。

また、ブラジル人の中でも屈しないコミュニケーション力や押しの強さなども必要な要素かと思います。受け身だと何も進まないことが多いのです。自ら動き押し進めるということが出来れば尚よいと思います。

ブラジルの求人の探し方

ビジネス

日本の転職エージェントを利用する

日本で転職活動をされる方は日本の有名どころの転職サイトを活用していただけます。

検索時に「中南米」「ブラジル」とキーワードを入力すると、どのサイトでも該当する求人が見つかります。

一見すると技術系の求人が多い印象です。

検索をかけるサイトやタイミングによっては技術系以外の業種も掲載がありますので、転職活動をされる方は定期的に複数のサイトを確認するとよいと思います。

また、転職サイトによってはサポートしてくれる担当者が割り振られるので、担当者に自分の希望を明確に伝えるとよいでしょう。

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現地のサイトを利用する

ブラジルで有名な求人サイトは下記の通りです。

CATHO

ブラジルで大手の求人サイトです。30日間のみ無料ですが、22万ポジション以上を掲載しています。

INDEED

日本でも有名になってきたINDEEDのブラジル版です。こちらのサイトもよく使われています。

VAGAS

ブラジル国内大手の求人も掲載されている。英語とスペイン語表示も可能なサイトです。

SOL NASCENTE

日系求人サイトです。現在は履歴書の提出しかできません。

JINZAIGINKO Sol Nascente Consultoria de Recursos Humanos

フリーペーパーで探す

ブラジル、サンパウロにはPINDORAMA(ピンドラーマ)という月刊フリーペーパーがあります。ブラジルの歴史・文化、ポルトガル語、ローカルビジネスについて書かれた日本語のペーパーです。

その中に日本語ができる方の求人情報が簡単に記載されていることがあります。正社員の募集ではないかと思われますが、仕事情報がほんの少しだけあります。

興味のある方は日系施設やレストラン等でもらってみてはいかがでしょうか。

または、PINDORAMAのweb版を覗いてみてください。

知り合いのコネで探す

ブラジルはアミーゴ社会と呼ばれるほどコネクションで成り立っている世界です。元上司が元部下を新しい会社に引き連れていくということも普通にあります。

日系コミュニティに入って横の繋がりを作るとよいと思います。

サンパウロには各県の県人会もあるので、自分の出身地の県人会のイベントなどに参加して知り合いを増やしていくのはひとつの手かと思います。

また、インターナショナルのコミュニティーに入って他国からの駐在員とコネクションを作ることもできますし、専門的分野のイベントなどに行ってネットワーキングをすることもできます。

ブラジルのおすすめ転職エージェント

LHH転職エージェント

LHH転職エージェント

スイスに本社を置くLHH転職エージェント(アデコ)は海外求人に強い会社の1つです。

世界の5,000の地域に拠点を置いていて、日本国内の求人から海外求人まで幅広く取り扱っています。

海外転職を考える際は、こちらの会社へ登録をしてみる価値はあります。専門分野に精通した担当コンサルタントが希望の転職の手助けをしてくれたり、英語のレジュメ指導やWEB面接も柔軟対応しているみたいです。

登録は無料なので、希望の転職をかなえる一歩を踏み出してみるとよいでしょう。

JAC Recruitment

JACリクルートメント

JAC Recruitmentは海外転職にも強いと言われている転職エージェントです。アジア圏に9つ、イギリスとドイツに1つずつ海外拠点も持っている会社です。

それゆえ、地域を問わず海外勤務を希望される人には登録しておくことをおすすめします

ただし、転職市場価値が高くないと担当者からの扱いが荒いというネガティブなレビューも報告されています。ご自身にあった転職エージェントに出会えるかはアプローチをしてみないとわかりません。

海外求人に強いので1度はご相談してみたもよいか会社のひとつでしょう。

doda

doda

転職サイト大手の一つであるDODA、基本的に国内の求人に強いサイトです。「海外出張」「将来の駐在候補」で検索すると色々な求人が出てきます。

時期によっては求人内容は異なるので、定期的にサイトをチェックする必要があります。

また、サイトに登録をして、履歴書を登録しておき、求人情報を定期的に受け取ると見落としがないようにしておきましょう。

ブラジルの労働時間と休暇

カレンダー

勤務時間/残業

ブラジルの労働法では1日最大8時間、月曜日~土曜日の6日間で週44時間までと勤務時間が定められています。言い換えると、月にして勤務時間は最大220時間までとされています。

また、ブラジルの労働法では、残業が必要な場合は1日2時間までとも定められています。

月曜日~土曜日の間に残業をした場合、時給または給与を時給換算した額プラス50%が労働者に支払われるよう労働法で規定されています。

もし例外的に日曜日や祝日、または有給中に残業した場合は、時給または給与を時給換算した額プラス100%が支払われることになっています。

祝日/休日

ブラジルで正規雇用の場合、基本的に週休1~2日です。1日6時間以上の勤務ができない職種は週休1日となります。

加えて、年間12種類ほど祝日がありますので、オフィス勤務のような会社員は通常の休日と祝日が基本的にお休みになります。

有給休暇

また、同じ会社で12か月以上働けば、採用された日から12か月後から最大30日間の有給休暇を取得することが可能となります。

言い換えると、12か月経たないと通常の休日と祝日しかもらえないということです。

なお、労働法で有給期間は欠勤日数によって異なると定められています。

もし年間の欠勤数が5日以内であれば30日の有給取得が可能です。

もし欠勤日数が6日以上14日以内の場合は有給24日、15日以上23日以内の場合は18日の有給、24日以上32日以内の場合は有給が12日間となってしまいます。法律で定められているので働く側としてはわかりやすくてよいですね。

産休

ブラジルの労働法で妊娠している社員は120日の産休を取得する権利があると定められています。

産休中は雇用契約や給与の変更はできないことも法で定められています。雇用主に適切な妊娠証明を提出すれば、出産予定日の28日前から産休を取れます。

また、所属の企業がPrograma Empresa Cidadãという政府のプログラムに登録すると、産休期間を60日延長することが可能となります。

育休

また育休についてですが、残念ながら日本のように産休後に育休に入るという概念はブラジルにはありません。よって育休制度というものは存在していないため、育児のために仕事から離れるには退職するか自主的に休職するしかないというのが現状です。

ブラジルの福利厚生

ブラジル

実は充実しているブラジルの福利厚生

労働法により規定されているため、ブラジルで正規就労すると下記のような福利厚生を受給出来ます。

  • 毎月の交通費(公共交通機関またはガソリン代)
  • 毎月の食事代(パン屋やレストランで使用できるカード ※支給の有無は企業との雇用契約による)
  • 毎月の食糧品代(スーパーなどで使用できるカード)
  • 年間30日の有給休暇(祝日とは別)
  • 有給手当(給与の3分の1割が有給時に支給)
  • 給与の約20%の社会保障
  • 有給休暇にかかる社会保障負担
  • 給与の8%の勤続年数保証基金(FGTS)
  • その他勤務時間や産休について等々

全ては書ききれませんが、上記の中には日本で目にしないものが多いかと思います。これらは外国人であっても労働法で守られているためブラジルで働く場合は受給できます。有難い限りですよね……。

ブラジルと日本の働き方の違い

仕事

日本のような上下関係は存在しない

アミーゴ社会といわれるブラジルの社内では日本のような上下関係はほぼ存在しません。

純粋な日本人の筆者の観点から、一般的なブラジルにある会社では直属の上司や役員クラスであっても、緊張したり常に敬意を払って接する必要はないように思えます。

筆者はアメリカでも職務経験がありますが、ブラジル社内は想像以上にフレンドリーであり、社内で個々人の距離が近いのです。お互いをファーストネームで呼び合い、キスとハグで挨拶をする仲です。

また、言葉遣いも全く厳しくありません。現地で働くと普段から良くない言葉(英語でSwear的な言葉たち)も耳にします。

クライアントと会ったりする時以外は、年齢は関係なく多少の良くない表現でも社内で嫌悪感を示されたり、人事から呼び出されたりすることはありません。

ブラジルではサービス残業はしません。

定時にきっちり帰宅する人がほとんどです。出社時間が決まっていない人でも、その日出社した時間で退社時間が決まりますが、時間通りに必ず退社します。

仕事が遅れているように思えても気にしません。

本当にプロジェクト期限が迫っているなどある場合は、残って仕事をすることもありますが、次の日や別日に少なく働いて調整します。

筆者の経験では、筆者の方が早く出社してるのに他の人は全員先に帰宅しているということが多かったです。プライベートは時間に正確ではないのに、職場では退社時間はきっちりしているというのが印象的かと思います。

ブラジルでは納期/期日という概念があまりありません。

基本的に時間にルーズな人が多いのですが、職場でも時間に対してあまり重きを置いてない人が多い印象です。

日本では上司や同僚から期日までに資料の作成やその他業務の依頼されると時間厳守が普通と思います。

こちらでは「○○までにこの作業を終わらせて」と依頼し相手が引き受けたとしても、依頼した期日までには終わりません。

そして、焦る素振りもなかったりします。こちらが催促をしたとしても態度は変わらないことがほとんどで、こちらが四苦八苦するということが多いのです。もちろん中にはしっかり対応できる人もいますが、基本的には自分のペースは崩しません。

ブラジルで会社員以外として働く方法

仕事

フリーランス通訳として働く

正式なビザがあれば、現地でフリーランスとして仕事をすることが出来ます。ポルトガル語が堪能であるのであれば、日本語とポルトガル語の通訳をすることができます。

日系の方でも全員が日本語ができる訳ではないため、バイリンガルであることは需要はあります。

日系旅行会社や通訳会社にコネクションを作り、仕事を回してもらうということは可能です。

また、日本人も5万人以上住んでいるので、ポルトガル語が堪能であれば通訳が必要な日本人の方に同行するお仕事などを取ることが可能かと思います。

日本食レストランで働く

ブラジルには皆さんが予想している以上にたくさんの日本食レストランがあります。

また、サンパウロでは空前のラーメンブームが来て、ラーメン戦争が起きていたくらい日本食が広く親しまれています。

中には日本人・日系人が経営するレストランもたくさんあり、駐在員さんやそのご家族が多く利用するレストランもあります。

そのようなところではポルトガル語より日本語ができる人の募集をしています。

お給料は会社員のようにはいかないかと思いますが、日本語も使いつつ現地の人たちと交流しながら日本食の良さを広めたいという方にはレストランでの仕事も良いかと思います。

日本式サービスの提供をポルトガル語で楽しむということも面白いと思います。

青年海外協力隊として働く

JICA青年海外協力隊はブラジルの様々な地域に隊員を派遣していますので、隊員になってブラジルで働くという方法もあります。

短期派遣と長期派遣の2種類があり、短期の場合は1か月から1年未満、長期の場合は1年から2年程に派遣可能のようです。

ブラジル派遣の案件は日本語教育やスポーツ指導が多く、応募するには指導経験や競技経験が必要になります。

ブラジルという国が好きで地域貢献にも興味があるという方には海外青年隊も魅力的の選択肢のひとつかと思います。

ブラジルの税金

消費税

ブラジルは世界で1番税金が高いと言われています。政府、州や市から様々な税が課せられています。

ブラジルの消費税は17~25%で、商品やどの地域で購入するかで税率は変わります。

ただ、店頭などでみる価格は税込みなので領収書で確認しないとどのくらい支払っているかはわかりません。

また、シンプルに「消費税〇%」という訳ではなく、商品や地域によってICMSという商品流通サービス税、ISSというサービス税やその他たくさんの税が組み込まれています。素人では恐らく全ては把握できないと思います。

所得税

所得税ですが、こちらは世界的に見ても高額ではないと筆者は思います。

所得によって税率は7.5%、15%、22.5%、27.5%と変わります。最大でも27.5%なので、所得税が50%を超えるような国もあることを考えると、まだよいかなと思えるレベルです。

ブラジル就職後の可能性

ビジネス

管理職ポジションを狙う

管理職に必要な資質はコミュニケーション能力、強い意志と行動力、論理的思考力などがあります。ブラジルではそれらを自然と養っていけるため管理職への道もそう遠くはないでしょう。

バックグラウンドの全く違うブラジル人の中に身を置き、英語とポルトガル語を駆使して任務をこなしていく中でコミュニケーション能力が自然と鍛えられます。

考え方が違う人たちを理解し会社発展のために同じ方向を向いて進んでいくことは容易ではありません。

強い意志をもって海外勤務を希望し、切磋琢磨しながらブラジルでの任務に従事することは行動力が伴わないとできることではありません。

また、自分の意見をとにかく発言する傾向にあるブラジル人の中で、論理的思考で率先してリーダーシップを取っていく必要がある場面に多く遭遇します。

なお、日系企業の上層部はそれぞれの会社のカルチャーや伝統を維持するために日本人か日系人を好む傾向があったりしますので、現地で管理職のポジションを狙ることも十分可能でしょう。

ビジネススキルをみがく

ブラジルで勤務経験をすると下記のようなスキルセットを育てることができます。

  • コミュニケーション能力
  • 時間管理能力
  • 臨機応変力
  • 聞く力
  • 論理的な思考力
  • 忍耐力
  • 積極的発言能力など

自分が外国人という立場で働くというのは、当たり前と思っていることが当たり前ではない世界なのです。

ブラジル人の性格、仕事への考え方や進め方を理解しないと、業務をこなしてくことは決して容易ではありません。

これらを理解して自分をアジャストすることで上記のようなスキルを磨くことができるでしょう。

日本でグローバル人材になる

ブラジルはビジネスに関わるにあたりとても特殊な国です。ブラジルでは様々な衝撃を受けると思いますが、ブラジルで経験を積むと、他国に移って仕事をするハードルは下がっていると思います。

また、ポルトガル語からスペイン語も習得して、スペイン語圏のチリやメキシコなどに転勤するケースも見受けられます。ラテン系の国は全部同じではないですが、習慣や考え方などが似ています。

ブラジルでの経験を生かしつつ、新しい国のカルチャーを少し学べば、自分自身を現地に馴染ませることは難しいことではないかと言えるでしょう。

1度挑戦したハードルは、次の国ではハードルではなくなっている、むしろ興味深い人だなという印象で受け入れてよい方向に進むことでしょう。

転職してキャリアアップを狙う

ブラジルで専門的な経験をしたうえでポルトガル語能力を高めると、現地での転職も不可能ではないでしょう。

ただし、現地転職というのは現地の給与体制になるということなので、駐在員から現地転職は大幅な給与減が見込まれるかと思われます。

もし転職を考える場合は、再度日本の転職サイトを利用するほうがよいかもしれません。ハイクラスの海外転職に特化したサイトもあることから、そちらを利用した方がキャリアアップ、収入アップを狙える可能性が高いです。

なお、現地で築いたコネクションを駆使して転職しキャリアアップを狙うということはもちろん可能です。ただ、より好条件を狙うのであればベストな方法ではないかもしれません。

ブラジルで働くための転職エージェント2選

ブラジルで理想の仕事を見つけるには、転職サイトを使い、気になる求人をストックしておくことが大事です。

ブラジルを目指す方におすすめの転職エージェントをご紹介します。ブラジル求人は数が少ないので、日頃から登録し求人を確認する必要があります。登録は3分程度、利用はすべて無料です。

転職エージェント利用のポイント

ブラジルの求人状況は絶えず変化しているため、時期により求人数や条件が異なります。

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