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海外就職するか迷うなら、考えてほしい「青年海外協力隊」という選択肢

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「海外就職したいけど色々不安で、ハードルが高い」と思う方にお勧めなのは「青年海外協力隊」。2年前後を海外で活動・生活できる有償のボランティアです。

私は2014年から2年間をフィリピンで「青年海外協力隊」として過ごし、その後「開発コンサルタント」として日本とフィリピンを往復しつつ仕事するきっかけを得ました。

海外就職を迷う人にとって「青年海外協力隊」のメリットや注意点は何か?という観点から、私や他の協力隊経験者の話を交えてご紹介します。

青年海外協力隊とは?

青年海外協力隊

青年海外協力隊とは、国際協力の一環で、JICA(ジャイカ、独立行政法人国際協力機構)によって開発途上国に派遣される有償のボランティアのことです

20歳から39歳までの日本国籍の男女を対象に毎年2回募集・選考があり、最低70日程度の合宿訓練を経て、年間1,000名規模が世界約70~80ヶ国に派遣されます。

青年海外協力隊をおすすめする4つの理由

海外就職を迷う方に、なぜ青年海外協力隊がお勧めなのでしょうか。それは経済面、スペック面、健康・安全管理面、進路選択面で4つのメリットがあるからです

経済的な負担が少なく、少額だが収入がある

  • 赴任前の講習・語学訓練に手当あり(4万円/月×2ヶ月強)
  • 赴任中は、現地生活費以外にも手当あり(5万円/月×24ヶ月)
  • 2年の任期満了で帰国した時に、さらに手当あり(72万円 ※雇用保険受給選択者の場合は24万円)
  • その他、最低限必要な旅費・宿泊費以外に、移転料・支度料などの支給あり

要するに必要費用は支給され、2年の任期後には152万円~200万円の貯金ができます。日本で会社勤務する場合の給料よりは少ない金額ですが、日本の高い家賃・食費を考えると、社会人2~3年目の一人暮らしの人の貯金と大差がありません。

お金を払って海外留学やスタディツアーに行くよりも、はるかに負担は少ないです。

能力・スキルのハードルが低い

  • 英語が苦手でも、TOEICスコアが330あれば応募できる
  • 社会人経験が少ない/ない場合でも応募できる
  • 派遣後、企業での勤務・派遣ほど「成果」を強く要求されない

青年海外協力隊は120種類以上の「職種」の募集があります。

そのうち、語学力や資格条件付きは全体の半数前後。その条件は「社会経験3年以上」や「企画・調整業務の経験」といったものから、単に「大卒」・「専門学校卒」や「農業に対する興味」のようなゆるい条件まであります。そのゆるい条件すらないものが半数近く。

実際に協力隊には、社会人経験のない新卒者や大学生(大学休学者)もいます。日本での仕事とは全く関係のない職種で受かった人も多いです

 例ⅰ:日本では観光会社に勤務   → フィリピンで理科教師

 例ⅱ:日本では介護福祉施設に勤務 → 東ティモールで環境教育

健康・安全管理面でのケアが手厚い

  • 必要な予防接種や、赴任中の健康診断が無料
  • 赴任国ごとに健康管理スタッフがいて、現地の信頼できる病院や、赴任国の衛生事情などをふまえたアドバイスをもらえる
  • JICA側で天災や治安状況を常にウォッチしており、状況に応じて注意喚起や安全地域への退避など対策がある

海外の企業に自分が単独でアプローチするなら、衛生・治安事情は自分で調べて準備・対策する必要があります。熱で苦しんでいる最中に現地の人から苦労して情報収集、という状況もありえます。

それに比べて協力隊は、海外経験の少ない人でも安心できる体制が整っています。

進路選択に幅をもたせられる

  • 赴任中に培った現地のコネや現地語能力・現地生活力で、海外就職への道がグッと近づく
  • 海外就職を考え直し、日本で就職活動する場合にもプラスに働くことも多い

海外で本格的に就職するか迷う人には、これが一番のメリットかもしれません。

協力隊で赴任する2年は「海外での就職が自分に向いているか?」を検証するのに十分な時間を与えてくれます。協力隊は、日本の会社員に比べて2倍、3倍以上の時間的な余裕ができるので、赴任中に就職活動を並行できます

2年間も海外生活の実績があって現地語が話せる人材は、現地の日系企業では喉から手が出るほど欲しい人材です。

特に公用語が英語でない国では引く手あまたで、半数近くの協力隊経験者が現地で就職した所もありますし、赴任国以外の海外での就職実現者も多々います!

一方、「やっぱり日本で働きたいなぁ」と思い直した場合でも、協力隊の経験は強烈なアピールポイントになります。15年~20年以上前は、協力隊というと「組織不適合者」やヒッピーのようなイメージで、企業から敬遠されていました。

しかし今や「グローバル人材」を求める日本企業は、チャレンジ精神のある若者を欲していますし、地方自治体では協力隊経験者向けの採用枠があるほどです。

応募から赴任までのスケジュールは?

スケジュール

青年海外協力隊の募集は、春と秋の年2回です。1次の書類選考の通過者が、2次の面接選考に進めます。応募書類を提出してから2次の合格通知まで約3ヶ月半。海外赴任までは最短8ヶ月、最長14ヶ月

この期間の長さは、一刻も早く海外に行きたい人にとっては難点です。面接は東京会場。運が良ければ、神戸会場や北九州会場もあります。

面接日は待ち時間が長く、指定された平日9時から最大18時の拘束。日本で会社勤めしながら、こっそり選考を受けたい人には少しネックです。訓練は、福島県二本松もしくは長野県駒ヶ根での合宿が最低70日程度。

さらに職種や応募者の経験値によって、この合宿訓練とは別に「技術補完訓練」が課される場合もあります。1日だけだったり、農家宅に泊り込みで3ヶ月!?なんて場合も。「技術補完訓訓練」の有無は、説明会などで情報を仕入れましょう!

海外への赴任期間は原則2年間です

海外就職を目指す方には少ないでしょうが、勤めている会社の承認を得られれば「現職参加」という制度があります。赴任期間を「合宿訓練を含めて1年間/2年間」のように短縮し、その後に元の会社で仕事復帰するという手段もあります。

赴任国や仕事は選べるの?

フィリピン

仕事は「職種」レベルでは選べるし、赴任国の希望は出せます。しかし、自分では決定できません

第3希望まで提出できる

希望を絞る手順は、

応募する「職種」を選ぶ

「職種」ごとに募集されている「要請」を選ぶ

青年海外協力隊の「職種」は120前後あります。行政サービス、環境教育、野菜栽培、観光、音楽、柔道、看護師、コンピューター技術、自動車整備……などなど。

なかには「陶磁器」・「シンクロ」のようなニッチな職種もあります。「自分にもできそう!」と思える内容が絶対あります!

そして「職種」ごとに、「ネパール国ワリン市での住民グループの組織化」のように仕事の募集(「要請」と呼ぶ)があります。

この「要請」を、1次審査での応募書類に第3希望まで記入できます。

赴任地域の希望の出し方は?

「あれっ、国はどうやって選べるの?」と思いますね。希望は赴任国で提出する様式になっていません。

だからフランス語圏の国に行きたいなら、該当国の「要請」をピックアップして希望として提出します。考えていた「職種」にフランス語圏の国がなければ、別の「職種」への変更も検討しましょう。

さらに念頭に置くべきなのは、行き先は開発途上国だということです

そもそも協力隊は、途上国支援のための派遣なので、派遣先にバリバリの先進国はありません。アフリカやアジアが多く、探せば東ヨーロッパが数ヶ国見つけられる程度です。

また、協力隊の半数程度は都市部ではなく田舎への派遣です。

自分以外に外国人はおらず、スーパーなどの大きな店舗はなく、現地住民の利用する屋外市場しかない町や村です。海外で企業に就職する場合、勤務先の多くは首都か地方都市なので、この差は踏まえておく必要があります。

希望はどの程度考慮されるの?

希望の通る割合は公表されていません。第1希望が通る人もいれば、希望していない国への派遣者もいます。私の知る約200名の中では「第1~第3希望に書いていない国だった」という人は、全体の1割くらいでした。

ある面接官は「国によって応募数の差があるから難しいけど、できるだけ希望は通したい」と言っていました。

「ベトナム国以外は絶対に嫌だ!」という柔軟性のない態度だと選考自体に落ちる可能性がありますが、「勉強したベトナム語を活かしたい」、「本社で支店間の調整業務をしていたので、首都の上位機関のほうが力が発揮できる」のように筋の通った理由を示して適切に希望を伝えるのがよいでしょう。

私の場合は「コミュニティ開発」という住民グループの活性化を行う職種を選択。(分かりやすい資格・技術のない文系の多くは、この「コミュニティ開発」で応募します。)希望は「タンザニアでの住民の所得向上」、「ネパールでの地域活性化」、「フィリピンでの障害者支援」の順で提出しました。

結果的に派遣されたのは第3希望のフィリピン国。第3希望は田舎町役場でしたが、実際の派遣は州都(地方州政府)でした。国と障害者支援という希望が多少考慮されています。

いざ合格通知を開封して、どうしても行きたくない国だった場合は、辞退も可能です。辞退しても別時期に再応募はできますが、再合格の保証はなく辞退記録は残るので、十分検討が必要です。

私が青年海外協力隊で海外に行くことを決めた理由

私は34歳の時に青年海外協力隊に応募しました。青年海外協力隊の7割くらいが20代半ば~30歳の間なので、他の方より遅めの年齢です。協力隊に応募する直前は、日本企業を相手に企業研修の企画営業職としてバリバリ働いていました。

仕事は好きでしたが、これまで勤めた会社は創業数年のベンチャー企業ばかりで、睡眠時間を削るのが常というほど忙しくて負荷も大きかったため、少し休憩したいという気持ちが生じていました。

また、プライベートでは海外旅行が好きで、大学時代や転職の合間にはバックパッカーとして30ヶ国以上を旅した経験があり、海外で長期在住をしたい気持ちも強まっていました。

私の場合は、青年海外協力隊にこだわっていたわけではなく、「旅行者としてではなく、海外のどこか1ヶ所に留まって働こう!」という決意が先にありました。

在職中は海外の仕事探しは全くしておらず、金銭的にも多少余裕があったため、担当プロジェクトの区切りのついた3月末で退職。休養をとりながら、のんびり職探しを始めたところ、青年海外協力隊で先行して合格という流れです。

正直言うと、第3希望に近かったものの「うーん、フィリピンの都市で障害者支援かぁ」という気持ちはありました。でも協力隊には昔から興味もあり、前述のようなメリットも多かったので、「えーい、行っちゃえ!」と決断しました。

まとめ

「青年海外協力隊」は国際協力を目指す人を除くと、日本では知名度がイマイチ。希望が完全には通らない、選考期間が長い、田舎派遣の可能性などのネックもあるけど、安心でオイシイ面も多いです。

現地住民に混ざっての生活・活動は苦労も多い一方で、現地住民や同期の協力隊との絆も生まれます。海外での本格就職に迷うなら、ぜひ選択肢に入れてみてください!

※JICAには他にも、南米派遣の「日系社会青年ボランティア」や40歳以上対象の制度もあります。最新情報や詳細はJICAの公式HPをご覧ください!

ライター情報

ライター名:YK.くらら

岐阜県出身。早稲田大学卒業後、ベンチャー企業の創業期の中枢メンバーとして、アウトソーシング企業の運営部長、人材開発企業の企画営業マネージャー等を務める。

2014年から2年間は「青年海外協力隊」としてフィリピンの地方州政府にて障害者支援分野で活躍。世界30ヶ国以上への訪問経験を活かし、現在はフリーの「開発コンサルタント」として途上国支援に携わるかたわら、ライターとして記事執筆を行う。

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