私は、スペインで学校に通いながら日本食レストランでアルバイトをしている語学留学生です。
スペインでアルバイトをする学生は、探すと割とたくさんいます。私が住んでいるのはセビリアですが、マドリードやバルセロナなどの大都市だと特に多いのではないかと思います。
語学力や特別なスキル・経験がない日本人が海外で働くことは難しいものの、不可能ではありません。私がスペインでどのように仕事を見つけ、働いているのかお伝えします。
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スペインへ留学生として渡るまで
日本の一般企業に勤務
スペインへ行く前、日本では7年間、一般企業で事務・経理の仕事を主にしていました。
仕事内容は特別なことは何もなく、9時から18時まで働き、土日祝日は休みで、休日には友達とご飯に行ったり旅行に行ったり、ごくごく普通の生活をしていました。
海外に関係のある仕事は全くしたことがなく、学生時代から特に海外に興味があったというわけでもないので、英語、ましてやスペイン語は話せませんでした。
上司の一言がきっかけでヨーロッパへ
しかし、20代前半の時に会社の上司から、「ヨーロッパは若いうちに旅行しておいた方がいいよ」と言われたことをきっかけに、フランスのパリに旅行に行きました。上司曰く、若い感性を持っているうちにヨーロッパに行くことはその後の人生にとても意味があるとのことです。
初めてヨーロッパ旅行をして、直接触れるヨーロッパの建築物や景色、食べ物、人々、文化にとても感動しました。見る景色はどれも新鮮で、私はヨーロッパの魅力にハマってしまったのです。
ヨーロッパはアジアと雰囲気が全く異なるので、「非日常」に触れるという感覚が好きだったのだと思います。
アンダルシア地方が特に気に入る
それから、イタリア、スペイン、ポルトガル、南フランスを旅行し、どこも楽しかったのですが、特にスペインのアンダルシア地方が印象的でした。
マラガ、コルドバ、グラナダ、セビリア、ロンダ、ヘレスとアンダルシア地方の様々な街を旅行しましたが、どの土地にも特色があってその違いが面白いこと、アンダルシア地方独特の明るい人々、美味しい食べ物、きれいな青空、カラッとした空気、すべての魅力が私を虜にしました。
その時まで、日本以外の国に住むということを現実的に考えたことはありませんでしたが、少しずつ外国での生活に憧れを抱くようになりました。海外好きなら、きっと誰もが一度は夢見ることではないでしょうか。
まずは語学留学から
それでも、スペインで実際に働きながら住むということを現実的には考えられず「私にはそんなことはできない」と思っていましたが、その後、自費での1年間のスペイン留学を決意します。
当時は日本・スペイン間のワーキングホリデー制度もなかったので(2017年7月にスタート)、留学という方法を選びました。
そして、日本で働きながら貯金し、27歳の時に語学留学のため単身スペインへ渡りました。
スペインの日本食レストランでの仕事を得て滞在延長
スペインに渡った時は1年間限定の留学と考えており、その後延長しようという気持ちは全くありませんでした。
スペイン語も英語もほとんど話せず、コミュニケーションもまともに取れない状態の私が現地で働くことは、現実的ではありません。
友人からの紹介で働くことに
しかし、留学生活を始めて6ヶ月ほど経ったある日、現地の友人(日本人)から日本食レストランのアルバイトの紹介を受けました。友人はそこで働いていたのですが、日本に帰ることになったので代わりの人を探しているということでした。
自分の語学力に不安はありましたが、やってみることを決意。
最初は週に1〜2日程度、1日4時間、時給は約6ユーロ(約760円)という条件で、お小遣い稼ぎという感覚でした。
※1ユーロ=約127円(2017年6月)
ビザを更新し引き続きスペインで生活
あっという間に1年が経ち、日本に帰る時が迫ってきました。ですが、1年間の留学生活ですっかりスペインでの暮らしが気に入ってしまった私は、どうにか延長することはできないかと考えます。
帰国の3週間前、お金はほとんど尽きていましたが、とりあえず学生ビザを更新することを決めました。急いで更新の手続きをした後、日本に3ヶ月ほど帰り、短期のアルバイトで少しお金稼ぎをしてまたスペインへ。
ちなみに、学生ビザ更新の際には学校に支払う授業料が必要なのですが、私の通っている学校は授業料が安いので、手持ちのお金でなんとか工面することができました。
勤務時間が増え収入も安定
スペインに戻った時、ちょうどアルバイト先の日本食レストランで働いていた人が1人辞めることになり、週に5日(週20時間)働けることになりました。
スペインで暮らしていくための充分なお金が稼げるわけではないものの、最低限の生活は保障されたことになります。
特に就職活動をしたわけでもないのでなんだかラッキーな気もしますが、「スペインで生活したい」「スペインで働きたい」という気持ちが強ければ、日本食レストランでの仕事を見つけることはそんなにハードルの高いものではないでしょう。
スペインでは学生ビザで働くことが可能なのか
そもそも学生ビザで滞在しているのに、スペインで働くことはできるのか?という疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
ここまででお分かりの通り、スペインの学生ビザでアルバイトをすることは可能です。
週20時間までと時間は決まっていますが(2017年6月現在)、きちんとした書類を集め、会社と契約を結び、スペイン政府に申請することによって働くことが可能になります。
また、3年間学生ビザを更新すると4年目には就労ビザに切り替えることができます。もちろん、その時には自分を雇って契約してくれる会社が必要になるわけですが、3年間滞在している間に見つければいいということです。
長期滞在が希望なら挑戦を
個人的には、短期の留学で来ている学生さんには、現地でのアルバイトはあまりおすすめしません。それよりも、学校の行事や旅行などを優先した方が有意義だと思います。
しかし、留学後もスペインに長く住みたいと思っている方はやってみてはいかがでしょうか。
スペインで仕事を探す方法と注意点
スキルのない外国人が働くのは難しい
就職難と言われているスペインで外国人が仕事を見つけるには、語学力や特別なスキル・経験がない限り本当に厳しいです。
私もスペイン語に堪能ではないので、仕事の選択肢は0に等しいです。
本当は接客業よりも事務作業の方が性に合っている私にとって、レストランで働くことは本意ではないのですが、それでもスペインで生活したいという思いがあるため、仕事があるというのは本当にありがたい話です。
ワーキングホリデー協定が結ばれたことがきっかけで、日本人がスペインで働く機会もこれから増えていくのではないかと思いますが、果たして就職難のスペインに、ワーホリで滞在する多くの若者を受け入れられる企業がそんなにたくさんあるのでしょうか。少々疑問に思います。
仕事探しはコネやネット検索が主流
そんなスペインで仕事を得る手段としては、人からの紹介、つながり(コネ)からというパターンが多いようです。先に述べたように、実際に私も友人からの紹介でアルバイトを見つけました。
また、インターネットを使う方法もあります。以下はmil anunciosというサイトです。
- mil anuncios:https://www.milanuncios.es/
不法就労は絶対に避ける
雇用契約を結ぶと、雇用主側はその従業員の社会保険料を支払わなければならないので、それを避けたいがために契約をせず日本人を雇う経営者も少なくはありません。
不法就労のことをネグロ(ブラック)といい、発覚すると罰金やスペインからの追放など、何が起こるかわかりません。当然のことですが、きちんと契約してくれる経営者のもとで働くことをおすすめします。
同じ働くのなら、やはり誠意を持って接してくれる経営者の方が気持ちよく、自分もその誠意に報いる仕事をしたいですよね。
それに、大好きなスペインで嫌な思い出を残してしまうのは悲しいことですから……。
スペインの日本食レストランで働いてよかったこと
語学力のアップ
スペイン語
私の働いているレストランは経営者がスペイン人で、従業員にもスペイン人がいるので、日本人が経営している日本食のレストランよりもスペイン語を話す機会は多いです。
また、お客さんも半数はスペイン人なので、レストランでよく使う単語や表現は覚えます。お客さんと会話をする機会も多いです。「もっと話したい!」という気持ちが強くなるほど勉強しますよね。
仕事をしない場合よりも語学力が向上することは間違いないでしょう。
英語
レストランには観光客のお客さんも来るため、英語も必要になってきます。私は英語がほとんど話せないので、レストランで使える英会話から少しずつ勉強しています。
英語はどんな国に行っても必要なので、これを機にスペイン語だけでなく英語も勉強することは、今後の人生にとても役に立つことだと思います。
ゆくゆくは英語圏のお客さんとも会話を楽しめるようになりたいです。海外で働くことは、外国語を勉強するモチベーションを高める材料でもあります。
スペイン人の働き方が体感できる
スペインで働いていて感じるのは、やはり日本とスペインの文化は180度全く違うということです。
例えば、スペイン人は日本人と比べて就業態度もあまりよくないし、基本的に働き者ではないので、日本人が一緒に仕事をするとちょっともやもやします。
さらに、スペイン人は自分の主張を大事にするという文化を持っているので、1つ注意しようものなら5つくらいしょうもない言い訳が返ってきます(もちろん全てのスペイン人がそうではないと思いますが、日本人に比べると比率はかなり多いはず)。
日本人にはうらやましい国民性?
逆に言えば、多くのスペイン人は日本人と違って落ち込んだり、ストレスをため込んだりすることが少ないです。ちょっと怒られて落ち込んでいたとしても、5分後には鼻歌を歌っています。
本当にうらやましい気質です。
こんな人たちがいる環境で働くことは、日本の一般的な職場ではなかなかないことではないでしょうか。良い面も悪い面もありますが、ひとつひとつが経験として自分の中で息づいているように感じます。
さまざまな出会いがある
従業員もそうですが、お客さんとして来てくれる人たちと話をしているうちに、常連のお客さんと仲良くなるということもあります。普段、学校に通って出会う人たちとはまた違う人たちと出会うきっかけにもなります。
どんな出会いでも、人と出会うということは素敵なことですよね。たくさんの大切な縁をこれからも大事にしていきたいと思います。
まとめ~海外で働き、生活することは誰にでも可能!
海外で仕事を見つけるのはハードルが高いように感じてしまう人も多いと思いますが、実際は仕事を選ばなければ難しいことではありません。
私は今後もスペインで生活したいと思っているので、今の環境で語学力を伸ばし、将来的にはもっと自分の力を生かせるような他の職に就きたいと考えています。
語学力や特別なスキルがなくても、海外に住んでいる日本人はたくさんいます。スペインで暮らしたいという思いが強ければ、誰にでもそれは可能です。
まずは留学生としてスペインへ渡ってみてはいかがでしょうか?
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