アメリカの現地採用とは?現地採用として働くために

アメリカの職場 アメリカで働く

グローバル化が進んだ現代、日本でも同じ職場に外国人がいることが増えてきました。彼らは日本語を覚えたり、文化・習慣に興味を持ったりすることで一日も早く日本の環境に溶け込もうと頑張っていると思います。

私も異国の地であるアメリカで現地採用社員として働いています。仕事を始めて10年が経過しましたが、当初はなかなか馴染めず苦労したことを覚えています。

私の経験をもとに、日本とは異なるアメリカの働き方や職場環境をご紹介したいと思います。

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アメリカでの現地採用の働き方

職場は定時帰りが基本

日本で働いているときは、定時がきたら事務所内を見渡し、上司が未だ残っているようであれば少し残業して、上司が帰れば同僚と一緒にバタバタと会社を出るという毎日でした。

アメリカでは、そのようなことは一切ありません。定時が午後6時であれば、アメリカ人の同僚は6時になると同時に一斉に立ち上がり、会社を出ます。もちろん、早く帰ったからといって周りから何か言われることはありません。

当初はこの状況に馴染めず、ダラダラと残業していましたが、今ではすっかり定時帰りの生活です。これは、ワーク・ライフ・バランスを大切にする国の働き方ですね。

仕事は決められた範囲のみ

はっきり言う

アメリカでは役職に応じて、役割と責任範囲がはっきりと明文化されています。この明文化された文書をジョブ・ディスクリプションと呼びます。

ジョブ・ディスクリプションに記載のない仕事を同僚に依頼しても、It’s not my job! と、あっさり断られてしまいます。

アメリカの職場ではさまざまな人種の人が働いていて、考え方も多種多様です。この環境をまとめるには、各々の業務内容を文章で明文化しておく必要があるようです。

直属のボスが人事権を掌握している

上司

アメリカでは、部署ごとのマネジャーが人事権を持っています。人を採用したり、人事考課を行ったりするのはマネジャーの仕事であり、マネジャーが部門内の裁量権を持っています。

マネジャーが転職経験者であれば前職のコネを使って人を採用し、自分の部下として迎え入れるというのはよくある事例です。

職場にホウ・レン・ソウはない

日本の職場では、上司に対する報告・連絡・相談が当たり前のように行われています。

しかし、アメリカでは上司に対して頻繁に報告や連絡をすることはありません。上司に報告や連絡をするのは、例えば営業マンが新規顧客を獲得したときなど良い知らせの場合が多いです。また、相談は給料か退職についてが一般的です。

ただ、仕事上でトラブルを抱えてしまい、自分ではどうにもできない場合は上司に相談し、問題解決への方向性を示してもらうことはあります。

セクハラ・パワハラに要注意

これは今や日本でも同じかもしれませんが、職場内でのセクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントは禁じられています。

詳細についてはその会社の Code of conduct(行動規範)にまとめられていますが、相手に不快感を与えたり、威嚇したりといった行為は違反となります。

セクシャル・ハラスメントについては毎年、多くの企業がスーパー・バイザー以上の役職の人に社内講習を受けさせ、理解を深めるための活動を行っています。

セクハラに比べて曖昧なパワハラ

なお、パワー・ハラスメントという言葉は和製英語で、英語では Bullying といいます。直訳すると「いじめ」となりますが、日本の職場のように、上司が部下に対して大声で怒鳴るというようなことは実際ほとんどありません。

ただ、上司が部下に注意を与える際の言い回しが相手を傷つけてしまい、パワハラと受け取られてしまうケースはあります

アメリカ現地採用に求められる人材の特徴

アメリカで採用される人材の特徴として、即戦力として働ける人物が挙げられます。アメリカでは日本のような新卒採用がありません。

基本的には、欠員による人員の追加、事業拡大のための増員に求人の募集が出ます。そのため、未経験からの転職は若干ハードルが高くなります。

アメリカではエリアにより求人にも特徴があり、ハワイ、ニューヨーク、カリフォルニア、シリコンバレーなど地域ごとの特徴があります。

ハワイなら観光系、ニューヨークなら金融系、シリコンバレーならIT系といったイメージです。

語学力

日系企業で日本人向けの仕事をするにか、外資系で英語を使って仕事をするのかで求められる英語力は異なります。

一般的な目安としてTOEIC700点が一つの基準になります。

もちろん、点数だけではなく英語で問題なくコミュニケーションが取れることが前提になりますので、流暢に英語が話せていればTOEICの点数を聞かれることも少なくなるでしょう。

人物像

専門分野での勤務経験や専門資格を持っているスペシャリストが求められる傾向が強いです。アメリカは、仕事に人をつけるジョブ型の働き方が一般的です。

そのため、「この分野のこの仕事なら経験も知識もある」といえる人材の需要が高い傾向にあります。

自己分析

もう一つ大切なことは、自分のこれまでの社会人生活を振り返り、何が一番セールスポイントになるか自己分析をしておくことです。

今までの就職先ではどのような経験を積んできたのか、またどのような資格を取得して、そのおかげでどのようなプロジェクトに携わることができたのか。

自分の強みを自分自身で把握することにより、面接相手にも説得力のあるアピールができるようになります。

アメリカの現地採用の待遇

給料

  • 営業職:40,000〜100,000ドル(約430〜1,100万円)
  • 事務職:35,000〜55,000ドルドル(約380〜600万円)
  • 経理・会計職:40,000~65,000ドル(約430〜710万円)
  • エンジニア/技術者:60,000〜180,000ドル(約430〜1,900万円)
  • マネージャー/管理職:60,000〜180,000ドル(約430〜1,900万円)

ボーナス

*業績、役職により異なる

希望年収の伝え方

希望年収については、現地企業と日系企業では受け取り方が違うので使い分ける必要があると思います。現地企業には率直に金額を伝えて大丈夫ですが、日系企業では伝え方に少し気をつけた方がいいかもしれません。

特に、物価や給与の高いアメリカでは、日系企業の本社勤務者よりアメリカ採用の現地社員の方が所得が高くなる傾向があります。

よって、アメリカでは一般的な希望年収であってもストレートに伝えると、日本人的感覚では採用側が「高いな」と感じるかもしれません。

まずは無難に答えておく

日系企業への答え方としては「与えられた職責に見合った年収」を希望するような表現が無難で好ましいです。

もちろん、その後に具体的な金額を教えてほしいと言われたら伝えても構いませんし、オファーレター(内定通知書)を見てから金額交渉を行ってもいいでしょう。

アメリカで現地採用として働くためのビザの種類

ビザサポートの有無を確認

転職情報で気にすべき点として、転職先の会社にビザサポートがあるかどうかということが挙げられます。アメリカで働くには、アメリカ国民や永住者以外は就労ビザが必須になっています。

基本的には採用が決まった企業でビザ取得のサポートをしてもらうことになります。

H-1B VISA(特殊技能職ビザ)

アメリカで専門職として働くための特殊技能職ビザです。

大学(4年制)以上卒業している、もしくは、短大卒業した上で最低6年間の専門職としての経験が必須となります。

大学卒業以上となっているため、新卒1年目であっても取得することができます。

L-1 VISA(企業内転勤ビザ)

アメリカ以外の会社で働いている社員がアメリカ国内へ転勤するためのビザです。管理職や役員、特殊技能職としてアメリカ以外で1年以上働いていることがビザ発給の条件となります。

E-1 VISA(貿易駐在員ビザ)

日本とアメリカで貿易取引を行なっている会社であり、全体取引の51%以上をアメリカと行なっていることが条件のビザです。

ビザ発給には管理職もしくは役員、特殊技能職者であることが必須です。

E-2 VISA(投資家、駐在員ビザ)

アメリカに投資をすることで発行されるビザです。事業をするための多額の投資が必要となります。

アメリカで現地採用のメリット

使える英語力が身に付く

アメリカで働くことの分かりやすい利点は、英語力の向上です。言語は机上でいくら勉強したとしても、実際に使う機会がないと宝の持ち腐れです。

ですから、その言語を使える環境にいて実際に使ってみる、それが言語取得への近道です。

クレーム対応まで

旅行だと英語を話す機会がとても限られてしまいますが、働くとなるとかなり幅が広がってきます。相手の言ったことを聞き取り、理解して、それに対して答えるといったことは基本です。

仕事の内容によってはしっかり説明をして教える必要があるかもしれません、クレーム対応で相手を納得させなくてはいけないかもしれません。

働いていく中で実際に体験して、言いまわしなどを学んでいくことは多々あると思います。こうやって身に付ける英語力は、日本に戻ってからも即戦力として高く評価されます。

世界のいろんな国の人に出会える

いろんな人種、民族や文化に触れることができます。

知り合った人自身、あるいはアメリカで生まれ育った人であっても、親、祖父母、曾祖父母、いずれかの代でどこかの国からやってきたという人ばかりです。

自身の五感から感じとったものは何にも変えられない経験

地域によって差はありますが、それでも日本と比べると世界の国の人たちと関わり持つ機会が多いことは間違いありません。自分が日本で慣れ親しんだものとは違う宗教・文化・慣習があり、世界にはさまざまな考えがあることを実感します。

本やドキュメンタリーなどからでも、ある程度知識は得られます。しかし、自身の五感から感じとったものは何にも変えられない経験になります。

オン・オフ切り替えが上手くなる

仕事に対する姿勢が、日本とずいぶん異なります。

家族最優先、家族のために転職

何か家族の事情でどこかへ行かなくてはいけない場合、ためらわずそれを仕事先に伝え、休みを取ったり早退や遅刻することができます。

仕事中でも、家族からの電話には当然応答です。事情がある場合、子ども連れで出社することもあります。わたしの職場では毎年、「子どもを仕事場に連れてくる日」というイベントもあります。

家族といる時間が欲しいからという理由で転職する人を今まで数多く見てきました。それくらい、家族を大事にします。

自分で考えて行動するクセが身に付く

もう一つ、アメリカの職場の大きな特徴として、自主性が重んじられているという点があります。

気付きを積極的に提案する

積極的に提案や発言することが歓迎されます。自分の業務で、より効率的・効果的な優れた方法を思いついた時は、積極的に上の人に提案する人が多いです。

このオープンな雰囲気は、社会全体が上下関係や入社歴、年齢などを気にしないことが関係していると思います。そして、自分で考えて提案したものが上に認められ、任せられれば、それは自信になります。

自信があれば、取り組む仕事にも余裕ができ、それがまた良い仕事につながりとプラスに働きます。こういった環境に身を置くと、自ら動いたり発信することが習慣となり行動力はアップすると思います。

誰でも新しいことに挑戦できる

やりたいことが一つに決めれず、いくつか挑戦してみたいことがある。そんな方には、アメリカはピッタリだと思います。

新しい挑戦のための転職は一般的

仕事に満足していない、給与・待遇を上げるために、新しいことに挑戦したいなどが理由で転職する。アメリカでは、ごく一般的なことで、よくあることです。

採用条件に年齢制限などなく、学歴だけでは判断せず、これまでにどんな経験をしてきたか。それが考慮されます。日本のように、もういい年だから転職はしづらいなという部分はあまりありません。

いくつになっても学び続ける

これは学業でも同じです。新しいキャリアを始めるために、仕事をしながら学校に通い始めたという30代はもちろん、40や50代の人を両手で数えても足りないくらい知っています。

いつからでも挑戦できる環境は、日本からやって来てがんばる人にも成功するチャンスがあるということだと思います。

まとめ~現地の習慣や文化を理解する

アメリカに限らず海外で働く際に重要なことは、現地の商習慣や仕事に対する価値観などを十分に理解することです。

せっかく海外就職しても、やはり日本で培った考え方がスタンダードとなっているので、なかなか現地の職場環境に馴染めないということになりがちです。

早く慣れるためには、まず職場の同僚とコミュニケーションを取ることが大切。日々、コミュニケーションの時間を意識的に取り入れるようにしてみてください。

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