チリは世界でも有数の格差社会と言われていて、政府による様々な対策で超貧困層は減少したものの、まだまだ所得に大きな差があります。
ピノチェト独裁政権から民主主義に変わり27年が経ちましたが、チリで働く人々の現在の給与所得は一体いくらぐらいなのでしょうか?
今回は、チリのお給料事情についてご紹介したいと思います。
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チリの最低賃金はいくら?
日本の最低賃金は、2016年度の発表によると全国平均時給823円です。時給が最も高い東京では932円、最も低い宮崎県や沖縄県では714円となっています。
2015年度は青森県や徳島県、沖縄県など16県で700円を下回っていましたが、深刻な人手不足を解消する為、賃金を上げて労働力を確保する動きが目立っており、21円から25円ほど引き上げられました。
さて、チリの最低賃金はいくらでしょうか?2016年(推定)は以下のようになっています。
- 時給 1,375ペソ(約232円)
- 日給 11,000ペソ(約1855円)
- 月給 264,000ペソ(約44,537円)
なんと、日本の時給に比べると約四分の一ほどです。時給でみると2015年度の1,255ペソ(212円)より120ペソ(約20円)上がっており、最低賃金の上げ幅は日本と同じくらいですが物価も2.7%上昇しています。
またチリは南米の中でも生活費が高い国。最低賃金が日本の四分の一だからといって、物価も四分の一な訳ではありません。
2016年度に決行されたストは前年度の306件から382件に増加しており、昨今の労働者の厳しい生活状況や労働環境への強い不満を感じさせます。
現役労働者の半数が手取り約5万円以下?! チリの厳しい現実
チリの物価は上昇中で、南米の中でも生活費が高い国の一つです。チリのカフェでコーヒーを頼むと1200ペソ(約200円)から1500ペソ(約250円)、お昼の定食は3500ペソ(約590円)ほどかかります。
しかしながら労働者の50%が手取り月給305,000ペソ(約51,400円)以下、80%が60,000ペソ(101,200円)に届きません。
仕事があっても元々の収入が低過ぎる為に貧困ライン以下の生活を送っている人々も多く、チリの低所得者の厳しい現状が垣間見えます。
男女別で見るチリの平均給料
チリの人口は1700万人、就業者数は約800万人です。男性の就業率は68%、女性は44.2%となっており、男性に比べて女性の就業率は23%も低くなっています。
また、全国平均の給料は505,477ペソ(約85,700円)で、男性の平均給料は587,807ペソ(約99,600円)、女性の平均給料は402,212ペソ(68,000円)です。
チリの現在の大統領は女性、また街中では多くの女性警官を見かけることもあり沢山の女性が活躍しているイメージがありましたが、数字で見てみると就業率も平均給料も男女で大きな差があることが分かりますね。
地域別で見るチリの平均給料
続いて地域別の平均給料を見てみましょう。チリの中で一番平均給料が高いのが、第十二州のMagallanes(マガージャネス)で平均給料は740,561ペソ(約125,500円)です。
チリの中で最も南極に近い州で、公務員や企業関係者に僻地手当が支給されているために平均給料が他の地域に比べて高くなっています。チリの公務員は地域によって僻地手当が支給され、支給額の多い地域では200%にもなります。
次に高いのが鉱山で有名な第二州Antofagasta(アントファガスタ)で平均給料は679,830ペソ(約115,000円)、第三位は第十一州のAysen(アイセン)で平均給料590,408ペソ(約100,000円)と続きます。
一番平均給料の低い地域は、第九州のla Araucania(アラウカニア)で370,924ペソ(約62,900円)です。
アラウカニア州はチリの先住民族であるマプチェ族が人口の約80%を占める地域ですが、チリ政府によって土地を圧迫され宝石類や不動産などの財産を没収された過去があり、このことによって43.2%が極貧および貧困層に属しています。
高給取りの給料はいくら?チリの驚きの給与格差
では、チリで高級取りと言われている人々の給与はいくらぐらいでしょうか?なんと、チリで月給100,000ペソ(約17万円)以上稼ぐ人は全体の約5%ほどしかいません。
チリで高給取りと言われている人々は医者や弁護士、大学教授などですが、中でも賃金が高いと言われているのが鉱山で働く技術者達です。月給60万円から80万円ほど稼ぐ人も多く、全国平均額と比べると驚くべき差があります。
筆者の周りにいる富裕層と呼ばれるチリ人達の生活を見てみると、プールの付いた庭付きの大きな家に住み、高級車を何台も所有し、毎年家族で海外旅行を楽しんだりしています。
学歴社会のチリでは、裕福な家庭の子供達は初等教育からドイツ系やフランス系の私学に通い、海外の大学でディプロムを取得。そしてまた良い仕事に就くというスパイラルが出来上がっているようです。
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まとめ
日本でも格差社会が問題となっていますが、チリでは想像を超える格差があることに驚かされますね。その背景には、もともと低すぎる賃金や民族の問題があります。
サンチアゴに行くと高層ビルが立ち並び、お洒落なレストランやバーにはいつも多くの人で賑わっていますが、少し外に目を向けると貧しい暮らしを送っている人も多いことに気が付きます。
輝かしい経済発展を遂げた光の陰に、もっと深いチリが見えてくるかもしれません。