国境を越えて結ばれる国際結婚。厚生労働省の調査によると、日本では50年ほど前の1965年には、250組に1組というわずかな割合でしたが、今や30組に一組が国際結婚をする時代になっているのだそうです。
思ったよりもずっと身近な国際結婚。そこには日本人同士の結婚では経験することのない、喜びや苦労があるのものです。
今回は、私が実際にオーストリア人と国際結婚して苦労したこと、良かったな、と思ったことなどをご紹介します。
思ったより食事の習慣に違いがある
みなさんは、三度の食事をどのように食べていますか?私は結婚するまで、朝食と昼食は時間がないこともあって比較的軽く、夜は自宅でゆっくり、温かく栄養のバランスの取れたものを食べることが普通でした。
オーストリア人と結婚して驚いたのが、彼らが夜に「kaltessen」(カルトエッセン)といって、黒パンとチーズとハムのみ、など冷たい夕食をとることがあるということです。
一日忙しく働いて帰ってきて、温かい夕食が食べられないとなると、日本人としてはなんだか悲しい気持ちになってしまいます。もちろん、温かいものを、夕食として食べる日もありますが、オーストリア人は肉とジャガイモが中心の重たい料理を好みます。
夫婦で別々のものを食べるというのも妙な感じ
主人(オーストリア人)が日本食のファンだったらよかったのですが、残念ながら彼は日本食がそんなに好きではありませんでした。
主人の好みに合わせた食事を作っていた私は、結婚して2週間で胃を壊し、今では自分の分と主人の分を分けて料理するようになっています。
2つのメニューを作るのはめんどうですし、なによりレストランでもないのに夫婦で夕食に違うメニューを食べるというのは、少し妙な気持ちです。
思ったよりも言葉の壁がある
国際恋愛、国際結婚で大きな問題になるのが、言葉の壁。オーストリアではドイツ語が話されていますが、私のドイツ語はおそらく中級レベル。日常的な会話は問題なくできますが、政治、文学、経済など少し難しいテーマの話になってくると、言葉に詰まることもしばしばです。
文学の話などはしなくても死にませんが、政治、経済の問題はその国に住んでいれば理解しておき、ある程度自分の意見も言えるくらいになっている必要があります。
また、子供が産まれれば、子育ての方針など、教育の問題についても夫婦間で話しあう機会も生まれてきます。
ささいなことでも言葉にして理解する努力が大切
国際結婚は、文化も習慣も違う国で育った二人が一緒に暮らしていくということ。日本人同士では、何の問題もなくわかりあえることでも、国際結婚のカップルはいちいち言葉にして、理解しあう努力をすることが必要になってくるのです。
そのため、お互いの言葉を理解できるよう、常に勉強し続けていかないと、勘違いなどで夫婦げんかの原因になったりします。
根本的に考え方が違うという前提に立てば理解しあえる
困難が多いと思われる国際結婚ですが、良いことだってあります。もともと分かり合えなくて当たり前、というところからスタートしている関係なので、すれ違いや摩擦が生じれば、
- 文化や習慣が原因で根本的な考えが違うのかもしれない
- 言葉が原因で思い違いがあったかもしれない
という可能性に立ち返って考えることができます。
「なんでわかってくれないのよ!」とただ感情的になっても仕方ないことを理解しているので、冷静に問題を解決できることが多いのです。
また、国際結婚の夫婦の間に産まれる子供は、苦労することなく2か国語を母国語として習得することができるという、大きなメリットがあります。
まとめ
いかがでしたか。
身近になったとはいえ、思わぬ苦労も多い国際結婚。言葉や考え方の違いはもちろんのことですが、愛に国境はありません。
一番大切なのは、なんといっても夫婦間の愛情です。お互いを思いやって、困難を乗り越えて、素敵な家庭を作っていきたいものですね。