中央アメリカの北部に位置するグアテマラ。近年、スペイン語留学でも人気の地です。移住を考えるにあたって移住するための方法や初期費用、ビザなど調べなければならないことがたくさんあります。
今回はグアテマラ移住に興味のある方に向けて、グアテマラ移住者が移住に関するあれこれをご紹介します。
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グアテマラは移住人気の理由
グアテマラ移住で何よりも魅力的なのは、気候でしょう。グアテマラは年間を通して20度前後の気持ちの良い気候です。日本のように衣替えをすることなく過ごせ、荷物を少なくして移動しやすいです。日本の都心とはまた違った、穏やかでのんびりとした生活を楽しむこともできます。
さらに、グアテマラはスペイン語を学ぶにあたってとても人気のある国です。観光地には移住してきた外国人のためのスペイン語学校が多くあり、中には日本人対応の学校もあるので安心です。
グアテマラ移住のメリット
物価
物価は日本と比べると安いと言えます。食事の場合、市場にある食堂で15ケツァル(日本円にする215円)ほどで、ランチを食べられます。
ただし、市場の場合は、衛生上のチェックがほとんどされていないので、地元の方や現地に住んでいる日本人にお勧めの場所を聞くのが無難でしょう。
レストランに入る場合、場所にもよりますが、30ケツァル(日本円にすると大体430円)から食べることができます。
スーパーマーケットで食料品や生活必需品を購入できますが、青空市場で野菜やフルーツを購入するなら、さらに安く仕入れることができます。ただし、青空市場では、値段の表示がないため値切りなどの交渉が必要となってきます。
住環境
グアテマラの一般的な家は日本と比べて大きめです。治安上、隣の家との壁は高く外からはほとんど中は見えませんが、庭や中庭がある家が多いため広々とした空間が広がっています。
首都のグアテマラシティや観光地は、たくさんのレストランやファーストフード店があります。またデパートや映画館も幾つかの都市であるため、休日を楽しめるでしょう。
交通機関は、格安のバスで基本的にはどの都市にでも行けますが、首都など治安が良くない場所へ行く際はあまりおすすめできません。個人タクシーがたくさんあるので、信頼できる運転手と行くことをおすすめします。遠出でない場合は、トゥクトゥクと呼ばれる3輪バイクで行動できます。
食べ物
中南米でメキシコのそばの国なので、辛い食べ物が多いイメージがあるかもしれませんが、グアテマラの食事は、基本的に辛くありません。
トウモロコシからできたトルティーヤが主食となります。値段もリーズナブルなため一番好まれているのが鶏肉です。牛肉や豚肉を使った料理も多々あります。
香辛料や風味をだすためにかぼちゃの種や胡麻、オレガノ、パクチーなどが含まれた料理が多いですが、日本人にも馴染みやすい味です。日本の味が恋しくなった場合でも、アンティグアやグアテマラシティーなどは、中華料理店や日本料理店もあるため安心です。
ビザ
グアテマラに滞在するにあたり、まず90日間の観光ビザが必要です。この90日間のビザは入国時に特別な申請なしで貰えます。その後、期間が切れる前にグアテマラシティーにある移民局で申請すると、さらに90日間のビザがもらえるため、合計180日間滞在することができます。
その申請には、パスポートや顔写真などの必要最低限のものと、保障としてクレジットカードのコピーが必要になります。180日間の滞在後に、メキシコやアメリカに一度でることで、グアテマラに入国した際に90日間のビザを再度貰えるようになります。
気候
グアテマラの気候はとても過ごしやすい気候です。常春の国と言われるように、年平均温度が20度ほどの気持ちの良い気候です。
日本のような四季はなく、11月から4月ごろの乾期と5月から10月ごろの雨期の二つに分けられます。雨期といっても、日本の梅雨とまた違い、朝から雨が降り続けるというよりも、基本的には午後からスコールが降るという形です。
首都のグアテマラシティは標高が約1,500メートルと高いため、湿度の少ないさわやかな気候に恵まれています。ただ、特に3月から5月にかけて日差しが強くなるため、紫外線予防は必須かもしれません。
スペイン語習得
グアテマラ滞在中に、仕事をしながらもスペイン語習得ができるようにたくさんのスペイン語学校があるのも、グアテマラの特徴です。多くの場合、学べるスペイン語のレベルは学生から、ビジネスマン、旅行者向けにコースがあるようです。
都市や学校にもよりますが、ひとつの例としてアンティグアにあるアタバルというスペイン語学校をご紹介します。授業は1日2時間コースから6時間コースまで個人で選ぶことができ、先生とのマンツーマンでのレッスンです。(値段は週5日間で56ドル~138ドルです)
アタバルのように日本語が通じて予約ができる学校もいくつかあるので多くの日本人の方がスペイン語習得に利用されています。
地元の人たちの気質
デメリットで「治安」について挙げなければならないのが残念ですが、メリットとして、ここでは現地の人たちの温かさについてお伝えしたいと思います。
確かに、貧富の差のよるスリや犯罪が多いのですが、現地の方はとても人懐っこい方が多いです。また、日本人に対してあまり偏見がありません。
こちらでの挨拶は、知らない人に対しても「やぁ、元気?」というもののため、常に親しみやすく感じます。知らない人なので反応しない、という事はなく多くの人が、誰かが困っていたり、助けが必要な時に駆け寄ってきてくれる国民です。
グアテマラ移住のデメリット
デメリット1 治安
多くの方が、中南米滞在と聞いて足がすくむのは治安が日本と比べると悪いという事かもしれません。実際、グアテマラも穏やかで安全な国とは言えません。
しかし、実際こちらに住んで10年ほどになり分かるのは、危険だと言われる場所に行かず、日本より注意深く行動すれば大半の犯罪から身を守れるということです。
例えば、アンティグアはグアテマラの中でもとても落ち着いた街のため、多くの外国の方が移住されています。ただし、夜遅くに出歩くことや、人気のない場所を一人で歩いたりすることなど避けるべき点はいくつかあります。それを注意していればグアテマラ移住を楽しめるでしょう。
デメリット2 医療
グアテマラでは、国で設立された総合病院が複数あり、格安で医療を受けられるようになっています。決められた額はなく個人が決めた額を寄付したり、病院側に必要なマスクなどを提供することで支払う場合もあるようです。
国立病院は常に混みあっているため緊急でも診てもらえず、状況が悪化してしまうことがあるため、私立病院がすすめられています。しかし、すべて自費になるためかなりの額が請求されることがあります。
私の友人は、交通事故にあい有名な私立病院に運ばれ、検査費、一日の入院費、また数針縫う治療費で80万円近く請求されていました。そのため、海外旅行保険を日本であらかじめ準備しておくといいでしょう。
デメリット3
グアテマラ人と日本人との性格の違いが関係してくるのかもしれませんが、日本での普通がこちらでは普通ではないことが多々あります。バスの時間がものすごい適当であることや、時間通りに物事が進まないこと(仕事であっても)。
また、そのルーズさが普通のため、大半の方がその遅れに反応しないことです。そのため、忍耐力が求められる場面が多いです。
ビザの申請においては、書類をそろえて提出した後にも、2週間に一度、または1ヵ月に一度は移民局に赴き、自分の申請の経過を聞かないといけません。そうしないと、進展がかなり遅くなってしまいます。日本の役所とはかなり違う点です。
グアテマラ移住する方法
長期留学生として移住
グアテマラに学生ビザで移住する場合、グアテマラ教育センター公認の学校でない限り、学生ビザの対象になりません。また、申請の際には留学期間中の生活を維持するための経済的な証明も必要になってきます。
そのため、あらかじめどの学校で留学生として滞在するかを決めておく必要があるでしょう。
実際にはグアテマラにスペイン語を学びに来ている多くの方が、上記にも記載した観光ビザを90日間から180日間に延ばして、半年ごとにメキシコやアメリカに旅行し、あらたに入国しています。
現地人と結婚して移住
グアテマラ人と結婚すると永住権を取得することができますが、ビザの申請は結婚から1年以上たつと始められます。
私自身、グアテマラ人の男性と結婚してこちらに滞在していますが、結婚後180日(約6か月)ごとにメキシコに出国し、グアテマラに再入国して1年過ごしました。その後、永住権の申請をすることができました。
パスポートのコピーや結婚証明書など(弁護士のサインが必ず必要になります)を用意し、永住権の取得をします(永住ビザの料金は500ドルです)。永住権ですが5年ごとに更新が必要です。
移住ビザを取得して移住
一次居住査証(労働ビザや留学ビザなど)により5年以上グアテマラに居住している場合やグアテマラ人と結婚した場合は、永住査証を取得できます。永住査証を取得できると、5年ごとの更新以外ビザについて心配することがないのでとても安心です。
また、グアテマラ身分証明書の取得も可能になるので、パスポートのコピーや外国人としてさまざまな証明書の提示が不要となります。グアテマラでの運転免許証を獲得できたり、市民としての対応になるため生活しやすくなります。
グアテマラ移住の生活費
1ヶ月の生活費、物価など
家賃は、もしアパートを借りる場合、月額大体2万円~の他にガス代、冷蔵庫など家具の出費がでてくるでしょう。
ちなみに、グアテマラでは家具が高いので、家具付きアパートに住む方も多くいます。その場合は、月額3万5千円~と値段は変わってきますが、すべてそろっているアパートに住むのもおすすめです。
ホームスティの場合は、個人のスペースは1部屋だけで、リビングやダイニングは共有になりますが、1週間(3食付き)相場が1万円ほどなので、1か月約4~5万円と考えられます。
グアテマラ移住に必要なビザ
ビザの種類
観光ビザとは別に、一次居住査証によって1年から5年のビザを取ることが可能です。その後、永住査証の申請ができる場合もあります。
グアテマラ日本大使館の情報によると、グアテマラ移住のための一次居住査証には学生ビザ(留学)や就労ビザの他にいくつかのビザがあるようです。宗教ビザや研究者、科学者が取得できるビザ、難民者、投資家、スポーツまたは芸術者が取得できるビザです。
就労ビザを取得する際には、就労証明書が必要になり、学生ビザの場合は就学証明書などが必要になってきます。
取得条件など
日本でグアテマラの観光ビザをあらかじめ取得しておくことはできません。しかし、日本のパスポートであれば入国時に90日の観光ビザが必ず与えられるため心配ありません。
その後の移民局での90日間追加するために必要なものはパスポート、パスポートのコピー、白黒の顔写真、クレジットカード、クレジットカードのコピーなどです。
顔写真は、現地の写真屋さんで撮ることができます。一次居住査証や永住査証の場合は、在グアテマラ日本大使館を通して出生証明書や無犯罪証明書などの提示が必要となります。
グアテマラ移住に必要な英語力
英語力など
グアテマラ滞在において、英語力はあまり求められません。と言いますのは、現地の多くの方に英語が通じないからです。
観光地などでのレストラン、ホテルなどでは、ほとんどの受付で英語が通じます。しかし、買い物や銀行などで必要になってくるのはスペイン語力です。
グアテマラの観光地などでは、英語を勉強されてる方は多いので、仕事をするにあたり英語力があれば助けになる事は間違いないでしょう。しかし、実際に生活してみると、スペイン語力の必要性を大いに感じます。
グアテマラ移住の初期費用
グアテマラ移住において、一番大きい出費は航空券でしょう。格安航空券サイトのスカイスキャナーやエクスペディアで、だいたい日本~グアテマラ往復便が11万円から15万円ほどで出ています。
家賃は上記で述べた通り、アパートを借りるのかホームスティにするのかで違いが出てきます。
海外で生活するにあたってネット環境も重要です。グアテマラはインターネットの速さが日本と比べて遅いですが、値段は日本の値段とあまり変わりません。10メガバイトの速さで一か月、3,500円ほどです。
グアテマラ移住後の就職難易度
グアテマラでの就職は難しい点がいくつかあります。まず、現地で正社員として働くにあたり観光ビザでは働けないので、労働ビザなどの取得が必要になります。
また、日本の転職エージェントなどではグアテマラの情報がかなり少ないのが現状です。こちらに住んでいる日本人の中には、ご自身で開業している方もいます。ペンション、オンラインスペイン語学校、お店などです。
実際、グアテマラでは日本とは違い、食堂を開きたいと思った場合、健康診断書と幾つかの書類、また税金を払うことによって可能になるため、日本に比べて開業しやすいのかもしれません。
グアテマラ移住で住みやすい都市
都市1 アンティグア
グアテマラの中でも特に人気があるのはアンティグアでしょう。中南米で治安が悪いイメージがあるグアテマラの中でも、基本的に治安が落ち着いていて、穏やかな街です。
また、アンティグアは街全体がユネスコの世界遺産に登録されています。レストランや落ち着けるおしゃれなカフェなどがたくさんあり、その多くがWi-Fiをつなぐことができたり、カード払い対応なのもとても魅力的です。
薬屋も含めデリバリーをしているお店もあります。また、スポーツジムやダンスレッスンをしている場所もあり気分転換や健康のために利用されています。
都市2 パナハチェル
パナハチェルはアンティグアから車で2時間半ほどのアティトラン湖のそばにある街です。火山によってできた湖を見渡せるとてもきれいな街です。カフェやレストランもあるため、気晴らしに散歩できます。
また、アティトラン湖周辺にはいくつかの村があり、そちらに滞在することもおすすめです。村に比べてパナハチェルは街が開けています。住みやすさはありますが、観光客も多いので、村(サンペドロ・ラ・グーナ)などの少し静かな穏やかな場所で過ごす方も多くいます。
都市3 シェラ
グアテマラ第二の都市と呼ばれるシェラは、他の都市同様、レストランやカフェなど様々なお店があり住みやすい都市の一つです。
シェラの気候は、他の都市と比べて寒いです。そのためかと思われますが、シェラには湯銭に浸かる文化があり、個室の銭湯や温泉があります。海外にいると湯船に浸かることは諦めなくてはいけない場合が多いですが、シェラでは入れます。
また、スペイン語学校も充実しているため言語を学ぶことにも専念できます。ただ、アンティグアと比べると治安が良くないため、夜の外出や人気のない場所への外出は控えることが必要でしょう。
グアテマラ移住前にすべきこと
手続きなど
日本からグアテマラ行きへの直行便はないため、アメリカやメキシコなどの経由が必要です。もちろん航空券にもよりますが、アメリカ経由の場合、アメリカ旅行の際と同様、ESTA(エスタ)が必要になりますので、そちらの準備を忘れずにしてください。
また、グアテマラの空港についてからホテルやホームステイ先などに移動する際、事前にチャーターバスや個人タクシーを申し込んでおくことが大切です。なぜなら、グアテマラシティは治安がとても悪いため、流しのタクシーに乗ることは全くおすすめできません。
グアテマラ移住で注意すべきこと
現金やカードの取り扱い
グアテマラシティやアンティグア、また多くの都市のスーパーマーケットでカードの使用が可能ですが、現金を使うことも多いです。
新生銀行などを通してグアテマラのATMから引き出すことが可能ですが、一回の引き出し上限が2,000ケツァール(3万円ほど)です。
3万円ほどといっても、こちらでは大金ですので、お金を引き出す際には大金を持ったままあまり歩かないなど、普段より注意深く行動することが求められるでしょう。
食中毒
グアテマラで生活する際の注意点のもうひとつは、食中毒です。日本と比べて、市場での食堂やレストランであっても保健所の検査がとても緩いため、お腹を壊してしまうことがあります。
水を水道水から飲むことはおすすめできません。必ず購入したお水か、飲み水専用の薬で消毒された水を飲んでください。
また、お店で出される生野菜を避ける方が多くみられます。それは、しっかり食毒液につけられていない生野菜の場合、アメーバ症などにかかってしまう可能性があるからです。消毒液はスーパーなどで簡単に購入できますので、自炊の場合はご自身で消毒できます。
病気
蚊や虫が媒介する病気にもご注意ください。アンティグアやグアテマラシティなどは標高が高めのため、基本的には蚊が大量発生している訳ではありません。しかし、近年、雨期の時期などは少なからず蚊が発生するので、デング熱やチクングニア熱などに用心する必要があります。
出来ることとして、虫よけスプレーを使用したり、長袖長ズボンを使用して刺されないようにすること、必要によっては寝るときに蚊帳を使うこともできるでしょう。
その他にも、狂犬病やA型肝炎、破傷風などの予防接種をあらかじめ日本で受けておくこともできます。
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