「海外で働いてみたい。」と、思ったことはありますか?
わたしは日本で看護師として働いていた6年前、「海外で生活して働いてみたい。」と思いオーストラリアへワーキングホリデーに来ました。10か月だけのつもりが、気が付けばオーストラリアで介護士の資格を取得して、現地就職までしてしまいました。
そこで今回は、わたしの体験談をもとに、オーストラリアで介護士の資格を取得する方法をご紹介します。
【海外求人をチェックしたい方はこちら】
- LHH転職エージェント(未経験から幅広く求人を探す)
- JAC Recruitment(海外勤務・外資系を狙う年収600万円以上の方向け)
オーストラリアの介護士資格とは
オーストラリアの介護士資格は、日本のように国家試験を受けて国家資格を取得する、というものではありません。
オーストラリア政府が認定した専門学校へ通い、Certificate(サティフィケート)やDiploma(ディプロマ)とよばれる証明書を取得します。
オーストラリアでは、資格がなくても介護の現場で働くことは可能です。しかし、どの会社も即戦力を求めているので、資格なしでの就職活動は無謀といってもいいでしょう。
介護現場で使われている専門英語(医療英語)、介護技術の習得などが必要になるので、実際に介護現場で働きたいのであれば、資格取得は必須条件です。
介護士資格取得コースの種類
介護士資格取得コースには、エイジドケアコースとコミュニティサービスコースがあります。資格取得後に働きたい職場や自分のビザ状況によって、選択するコース、学習期間などが変わってきます。両方のコースを組み合わせることももちろん可能。
わたしの場合は、1年半でエイジドケア、1年でコミュニティサービス、計2年半で両方の資格を取得することができるパッケージのコースを選択しました。このコースを選択した理由は、なるべく長期で滞在できるビザが欲しかったからです。
長すぎるかなと思いましたが、結果として数か月で学べるコースよりも深い学習ができたので良かったです。
エイジドケアコース
エイジドケアコースは、資格取得後に老人介護施設で施設介護士や、訪問介護士として働くことが可能です。サティフィケート3とサティフィケート4が取得可能。
コミュニティサービスコース
コミュニティサービスコースでの資格取得後には、施設介護士や訪問介護士に加えて、障害者施設、アルコール依存支援施設など、さまざまな社会福祉施設で働くことが可能です。サティフィケート4とディプロマが取得可能。
ディプロマは、社会福祉施設の管理者としてのスキルも学びます。将来、卒業生ビザや永住権の申請を考えている人は取得しておくといい資格です。
介護士資格取得コースの入学条件
介護士資格取得コースに入るための入学条件として、最も重要なのが英語力です。サティフィケート3から始める場合、IELTS 5.5相当の英語力が必要になります。しかしこれは、必ずしもIELTSを取得しなければいけないわけではないのでご安心を。
学校によっては、無料で英語力診断をしてくれるところもあります。スピーキング、リーディング、リスニング、ライティング4つの項目で、それぞれ合格基準を満たす必要があります。
もし、語学学校に通ったことがありIntermediate以上の卒業証書を持っていれば、IELTSの代わりとして認めてくれる場合もあるので学校に相談してみましょう。
介護士資格取得コースの内容(わたしの場合)
水曜日と木曜日の週2回、朝8時半から夕方5時までみっちり授業があります。休憩時間は30分から1時間(その日によって変わります)。
語学学校とは違い専門学校は厳しいので、始業開始から5分でも遅れると授業を受けさせてもらえない、欠席扱いになる、ということもあります。わたしの通っていた学校では、80%以上の出席率が必須でした。
授業は先生によりますが、ほとんどの先生はパワーポイントを使っての授業を行います。授業では、毎回ロールプレイングやグループワークが組み込まれ、課題も毎週提出しなければいけません。課題はすべてパソコンで行い、授業でも使用するので毎回ノートパソコンを持参しました。
実技練習
エイジドケアコースでは、実技練習室で実技練習と実技テストがあります。電動車椅子やホイストとよばれる移動、移乗用の介護リフトの使い方など、主に医療現場で使われている介護器具などの使い方、ベッドの取り扱い方などを学び、テストに合格すれば職場実習に行くことができます。
ホイストは本当に便利な介護器具で、介護者を持ち上げるなどの行為がないため介助者にかかる体の負担などが一切ありません。ぜひ、日本の医療現場でも導入してほしいですね。
コミュニティサービスコースでは、シナリオを用いてのロールプレイングがメインになります。
職場実習
エイジドケア、コミュニティサービス、すべてのコースでそれぞれ120時間の職場実習があります。
自分で、自宅の近くの介護施設を探して電話をかけ、職場実習の許可をもらいます。実習先を手配してくれる学校もありますが、わたしの通っていた学校は一切の手助けなしで、すべて自分でというルールでした。
すべての施設が学生を受け入れるのに好意的なわけではなく、連絡もすぐにはくれないので、受け入れ先が決まるまでの数週間から数か月は本当にストレスです。
基本、職場実習は月曜日から金曜日で、朝シフトと夜シフトを経験しなければいけません。そのため、職場実習に行っている間は学校の授業は免除になります。
ファストエイド(応急処置)
職場実習の前に必ず取っておかなければいけないのがファストエイドの資格です。
わたしの場合は、当時の学校の先生がファストエイドの講師の資格を持っていたので、学校で無料で受けられました。先生の講義と実技練習を行い、筆記テストと実技テストに合格すると、後日証明書が発行されます。
オーストラリアでは、毎月ファストエイドの一般講習が開催されているので、学校で取得できない場合は各自で予約して講習を受けに行く必要があります。
まとめ~オーストラリアで介護士資格に挑戦しよう~
介護はオーストラリアでとても人気の資格です。サティフィケート3の資格があれば介護士として働くことが可能ですが、近年では介護士の質の低下が問題になっています。
そのため、サティフィケート3だけでは、筆記も実技も不十分であるとの考え方が強まり、廃止の方向に動いているとのこと。オーストラリアで介護士を目指すのであれば、最低サティフィケート4まで取得することをおすすめします。
ぜひ、英語力をあげてオーストラリアの介護士資格に挑戦しましょう。
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
オーストラリアで働くには?日本人がオーストラリアで日系・外資系企業に就職する方法