芸術の国、フランス。パリにはルーブル美術館やオルセー美術館など、世界を代表する美術館がたくさんありますよね。フランス全土では美術館が1300館近くあり、日本の約3倍も存在するようです。
南仏にも有名な美術館が数多くあります。ニースのシャガール美術館、マティス美術館、マントンのジャン・コクトー美術館、アンティーブのピカソ美術館、カーニュ=シュル=メールのルノワール美術館などは、日本人にも大変人気があります。
フランスの公立美術館は、入場無料のところが多いです。ニースの公立美術館も以前はすべて入場無料でした。しかし、残念ながら2016年1月より、それまで無料だった入場料が10ユーロ(約1200円)に一気に跳ね上がってしまったのです。
詳しく説明すると、美術館に入場する度に10ユーロ支払うのではなく、24時間以内であれば、1枚のチケットですべての美術館(対象外あり)にアクセスが可能です。
とは言えど、美術館の場所も点々としていますし、観覧時間も考えると、一日にそういくつも回れるわけではないですよね。これでは気軽に美術館巡りはできません。
しかし、とっておきの良い情報があります!
『PassMusées de Nice(パス・ミュゼ・ドニース)』というカードがあります。これはニースとニースメトロポールの住人が所有できる、美術館とギャラリーの無料パスです。
ここでポイントなのが『住人』ということです。要は、観光客にはお金を払ってもらおうというのが目的でしょう。しかし、フランス人でもこのカードの存在を知らない人も多いので、これは耳寄り情報ですよ!
このカードを一度作れば、受付で提示するだけで入場できるのです。作り方も簡単ですし、何より作成料無料ですので、作らない手はないですよね。それでは早速、カードの作り方と使い方をご紹介していきます。
カードの特徴
対象者
カードが申請できるのは、18歳以上のニースまたはニースメトロポールに在住の方です。幼児や18歳以下の方はもともと無料なので、カードを作る必要はありません。
ニースメトロポールがどこまでの範囲かというのは、LaMétropole Nice Côte d’Azurといって49の市が該当します。下記のサイトでこの49の市が確認できるので、ご参考にどうぞ。
参考:http://www.nicecotedazur.org/l
対象施設
下記の美術館とギャラリーが対象となっています。
- MUSÉEMATISSE
- MAMAC(MUSÉED’ART MODERNE ET D’ART CONTEMPORAIN )
- PALAISLASCARIS
- MUSÉEMASSÉNA
- MUSÉEDES BEAUX-ARTS
- MUSÉED’ART NAÏF
- THÉÂTREDE LA PHOTOGRAPHIE ET DE L’IMAGE
- MUSÉED’ARCHÉOLOGIE SITES DE CIMIEZ ET DE TERRA AMATA
- MUSÉUMD’HISTOIRE NATURELLE
- GALERIEDE LA MARINE
- GALERIEDES PONCHETTES
- ESPACEFERRERO
- PRIEUREDU VIEUX-LOGIS
有効期限
有効期限は3年です。カードはその場で発行してくれるので、その日から3年間有効です。
カードはプラスチックで出来ており、クレジットカードと同じサイズなので、常にお財布に忍ばせておくとよいでしょう。
カードの使い方
上記に示した美術館とギャラリーで使用することができます。入場の際、受付でこのカードを提示して下さい。
名前の通り『パス』なので、有効期限の3年以内なら、何度入場しても無料です。
カードの申請方法
申請場所
対象の美術館とギャラリー(上記「対象施設」)で申請ができます。
必要書類
必要書類はたったの2つです。『身分証明書』と『3ヶ月以内の居住証明書』です。前者はパスポートや滞在許可証で、後者はEDF(電気会社)の請求書や家賃請求書など、住所が記載してある何かしらの証明書を持って行けば大丈夫です。
この2つの書類を持って、「PassMusées de Niceを作りたい」と受付に申し出れば、その場で作ってくれます。
書類をチェックして問題がなければ、写真撮影になります。写真撮影と言っても、ごく簡易的なもので、私が作ったときは「ではこのパソコンのカメラを見て下さい。」と、パソコンに付いているカメラでその場でパシャリと撮られました。
しかも「笑って」と言われ、笑顔でいいのか?と思いましたが、無表情の写真より良いかもしれません。
まとめ
文化大国と言われるフランス。素晴らしい美術館がたくさんあるので、色々と訪れてみたいものです。このPassMusées de Niceのように、住人に与えられた特権は、使わないと損ですよね。
このパスで入れる美術館は限られていますが、通常は有料の美術館も、毎月第一日曜日はすべての美術館が入場無料となります。もちろん、これを狙って来る人々で、いつもより混雑していますが。
蛇足ですが、毎年9月の第三週の週末に『Journéeseuropéennes du patrimoine(ジョルネ ウーロペエンヌドゥ パトリモワン)』という、ヨーロッパ世界遺産の日があります。これは普段公開しない歴史的な施設や美術館が、一般の人々に開放される日なのです。
この日は美術館も無料開放になります。ちなみに2017年は9月16日と17日なので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
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