旅先で芸術を楽しむと言えば、最初に思い浮かぶのは、たいてい美術館ではないでしょうか。
たしかに、美術館は芸術品の宝庫です。国宝や、場合によっては人類の宝のような品を展示している場所もあるでしょう。
でも、待ってください!美術館に収められているものだけが芸術品ではありません。街の中で輝きを放つ、あるいは、街の片隅にさりげなくたたずむ宝もあるものです。
「芸術の都」リヨンを歩いて、そんな美術館では見られない芸術品を探してみましょう。
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圧倒的な存在感を放つ噴水 「バルトルディの泉」
まずは超有名スポットからいきましょう。
リヨン中心部、市庁舎(Hôtel de ville)前にあるテロー広場で人々の目をくぎ付けにするのが、「バルトルディの泉」と呼ばれる噴水です。噴水と呼んでしまうには美しすぎる、まさに一級の芸術品です。
女神と、彼女が乗る4頭立ての馬車、という構図のこの噴水は、かの有名な「自由の女神」の製作者である、19世紀のフランス人彫刻家、フレデリック・オーギュスト・バルトルディの代表作の一つなのです。
ただでさえ、まるで生きているかのような躍動感を持つ馬の彫刻ですが、噴水が稼働している時には、馬たちの鼻から出る水のミストが、疾走する4頭の荒い鼻息を感じさせてくれる、圧巻の噴水。
壮麗なリヨン市庁舎のデザインと相まって、フランスらしい華やかさがあふれるスポットです。
「これ絵なの?」 リヨンのだまし絵コレクション
リヨンで、もはや有名な観光スポットとなっている街の芸術と言えば、建物の壁いっぱいに広がる「だまし絵」の数々。
リヨン市内には、大小様々なだまし絵が350以上あると言われています。その中から、特に見ごたえのある二つをご紹介しましょう。
Henon(エノン)のだまし絵 “Le murs des canuts”
一つ目は、メトロC線 Henon(エノン)駅すぐそばの、アパルトマンの壁面いっぱいに広がるだまし絵です。
一瞬本物かと思うほど、上から下まで、アパルトマンが本物そっくりに再現されています!
ATMの前に立って操作をしているふりをしたり、犬をなでるポーズを取ったりしたところを、少し引いた位置から撮ってもらいましょう。きっと見事に溶け込んでいるはずですよ。
このだまし絵は、何度も描き換えられてきたもので、作品の変遷を見ることができる展示が、1階部分の左端付近に設けられています。先代の絵には、現在の絵に描かれている青年の少年時代が描かれていたりして、比べて見るのも楽しいです。
この建物の住所は、 14 Rue Pelletier , 69004 Lyon 。Henon(エノン)駅を出たら、すぐに見えます。
リヨンの有名人が大集合! “La Fresque des Lyonnais”
旧市街のはずれ、サン・ポール教会付近からソーヌ川を渡った場所にも、見事なだまし絵があります。
このだまし絵は、リヨン出身の著名人たちが、アパルトマンの各窓から顔を出しているという、とても面白い構図で、1階部分に分かりやすい表示があるので、リヨンの歴史も楽しく学べるスポットになっています。
描かれている人物は、「星の王子様」の作者で、空港の名前にもなっているサン・テグジュペリ、高名な料理人ポール・ボギューズ、「映画の父」リュミエール兄弟などなど。リヨンゆかりの著名人が勢ぞろいです。
住所は、2 Rue de la Martinière, 69001 Lyon 。ソーヌ川沿いの建物ですが、だまし絵は裏側の壁にあるので、見落とさないようにご注意を。
駅の中にも……
最後に、比較的小さいながら見事なアートをご紹介。
リヨン市庁舎最寄りの、メトロA・C線 Hôtel de ville 駅構内に、それはあります。
一見、街を描いたレトロな感じの普通の絵に見えますが、実はこれ、証明写真を集めて作ったモザイク画なんです!お見事!!
1年リヨンにいた筆者ですが、恥ずかしながら、この絵の秘密を知ったのは帰国してからでした。毎日のように見ていたんですけどね…
まとめ
今回は美術館では見られない、リヨンの街の芸術をご紹介しました。
さすがは「芸術の都」、あらゆるところに、数々のアートが散りばめられています。そして、そのレベルの高さにも驚かされますね!
何気なしに歩いている道でも、少し見回してみると何かあるかも…そんな気にさせてくれて、リヨン散策は良い意味で気が抜けません。
「リヨンを歩けば、アートに当たる」
あなたもご堪能あれ。
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