内戦、地雷、虐殺。それらは言い尽くされたカンボジアの歴史です。
しかし、カンボジアにはアンコール帝国以来の優れた文化もあり、アンコールワットやアンコールトムなどは世界遺産に登録されており、今や観光のメッカとして世界中から観光客が訪れています。
カンボジアに到着して最初に目に付くのは首都プノンペンを始め全国どこに行っても必ずある、市民の生活に密着したお寺です。プノンペン市内を歩くとその特徴的な屋根をあちこちに見ることが出来ます。
その数は全国に4.000とも言われ、カンボジアの街中で記念写真を撮れば必ずと言っていいほどお寺が写り込みます。
カンボジアのお寺の役割
※ランカー寺の写真
内戦中、特にポルポト政権の3年8か月の間はお坊さんも虐待を受けましたが、政権を追われポルポトがプノンペンを撤退すると同時に全国のお寺はその活動を再開しました。
農村部の貧乏な家庭では子供たちがお寺で暮らすことも珍しくはありません。二年程度お寺で修行すると、お坊さんの資格を取ることが出来ます。街で働く若者の中には、お寺で修行しながら大学に通う人もいます。
日本人が考える「出家」というものではなく、大学を卒業すると「還俗」して普通にサラリーマンをすることは珍しくありません。更に特徴的なのは、地方から出てきた若者がお寺に住んでいることです。
※宿舎(10軒くらい並んでいます)
プノンペン市内の大きなお寺には各州ごとの宿舎があり、たくさんの若者がそこで寝泊まりし仕事に通っています。
これは彼らの給料が安く生活できないので、出身地の方々の寄付などによりお寺の敷地内に家を建て、下宿のような機能を持たせているのです。だいたい30歳くらいでお寺を出てアパートに移るそうです。
お寺の施設に住むこともありますが、大きなお寺の中には宿泊所として出身州の方の寄付で建物を建てる場合があります。
生活の一部であるお寺
※食事風景
カンボジア人にとってお寺は、信仰の場であると同時に、生活の一部なのです。カンボジアお盆の前などにはそれぞれの地方出身者がお寺に集まり、みんなで食事をすることもあります。
この時には住んでいる人はもちろん元住んでいた人や、外国人の友人なども参加できます。言葉は通じなくても、カンボジアの家庭料理を囲んで楽しいひと時を過ごせます。
機会があればカンボジア人の若者に聞いてみましょう。お寺は誰でも気軽に入れて、カンボジアの日常や生活に触れることのできる場所でもあります。
もちろんお寺に行くのですから、お参りもお忘れなく。日本でいう本堂のようなところがあり、誰でもお参りできるようになっています。たいていは線香が置いてあるので5本手に取りロウソクで火をつけます。
観光客の多いお寺ではこの線香を売っている場合がありますので、お布施だと思って買いましょう。火をつけたら祭壇の前に座ってお参りします。
お参りの仕方はカンボジアなりの流儀はあるのですが、お坊さんの話によると日本人は日本的なお参りでいいそうです。
お参りが終わったら、祭壇周辺のどこかに線香立があるので、線香をそこに刺します。最後にお布施を置いてくることもお忘れなく。日本円で50円から100円程度で構いません。
お寺でのマナー
ひとつ気を付けたいことは服装です、決まりはありませんが肌の露出が多いものは避けましょう。何か一枚羽織るだけで十分です。
クロマーという、ストールのような伝統的な衣装がどこにでも売っているので、一枚買っておくと色んな場面で活用できます。
クロマーは首に巻いたり、頭に撒いて帽子のように使ったり、実用とオシャレを兼ね備えたカンボジア衣料です。お寺の内部で写真は撮れますが、お寺によっては撮影禁止の場所もあるので、ご確認ください。
またお坊さんに話を聞くことはできますが、触れてはいけません。特に女性は絶対に触れてはいけません。今までの修行が無駄になるのだそうです。
挨拶するときはおでこの辺りに手を合わせます。位の高い方の時は手を高い位置にして頭を下げます。挨拶するときにはサングラスなどは外しましょう。
大学に通うお坊さんなどはスマホのイヤホンで何やら聞きながら歩いていますが、お坊さんには違いないので、礼儀だけはつくしましょう。
ランカー寺
- 名称:Langka寺(Wat Langka)
- 住所:シハヌーク通りとノロドム通りの交差点(Samdech preach Sihanouk)
- アクセス:トクトク又はタクシー。
- 市内中心部です。
- 営業時間:昼間
キリ・ワンナ・ラン寺
- 名称:キリ・ワンナ・ラン寺 (Kiri-vanna-ram pagoda)
- 住所:国道3号線沿い、キロストーンで37㎞付近右側1.5㎞
- アクセス:タクシーまたはレンタカー
- 営業時間:昼間
小さなお寺も風情があります。地方には小さなお寺もたくさんあります。もし、車で移動することがあればぜひ立ち寄ってみましょう。
ここで紹介するお寺は、国道3号線を南に37kmほど行ったところの右側にあります。
真平らな田んぼの中に、標高50mほどの山があります。
車で上まで行けて便利なので、私は初詣にも行きました。360度に広がる田んぼと遠くに見える山、まさに絶景です。
真ん中に本堂、周りにはお坊さんの宿舎とお世話をする方々の家があるだけ。カンボジアの伝統楽器の練習場もあり、運がよければ練習風景も見学できます。英語のできるお坊さんが一人いるので、お話を聞くことも出来ます。
展望台のようなところや、山頂の東屋にも自由に行けるのでお茶を持ち込んで寛ぐこともできます。東屋は2017年5月現在改装中です、ほぼ完成しているようなので本格的な雨季の前には完成するのではないでしょうか。
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