経済的に急成長しているカンボジア。ここ数年、カンボジアで働く日本人は増えています。外務省によると、2016年10月時点で在留日本人は3,000人を超え※、実際にはもっといると言われています。
日系企業の進出による駐在者が多いのですが、最近では新卒でいきなり仕事を探す方や、一念発起、起業する方も多いです。
ここでは、カンボジアで働くことにどんな魅力があるのか、またどんな仕事があり、どうやって探すのかなどを中心に、カンボジア就職についての情報をまとめてお伝えします。
※外務省「海外在留邦人数調査統計」より
- カンボジア就職の状況・特徴を知る
- 英語を勉強し幅を広げる
- カンボジアで働く自分をイメージする
- プノンペン、シェムリアップなどの生活状況を知る
- 転職エージェントを利用する
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カンボジアで働くメリット・デメリット
メリット・魅力
日本人がカンボジアに惹かれる理由や、カンボジアで働くことを決意させる魅力とはどのようなものなのでしょうか。
- 衣食住に特に困らない
- 安い物価
- 温暖な気候
- 日本から距離が近い
- アジア各国へのアクセスが良い
- 独特のゆるさ
特に首都プノンペンは発展が著しい都市のひとつで、ひと昔前に比べると住みやすくなっています。イオンがあり買い物も便利、なくてはならない日本食レストランの数も増えてきました。
日本語の通じるクリニックや歯科があり、医療面でも安心できます。
そして、何かあったときに数時間で日本へ帰れるのは安心ですよね。日本から近いということは時差が小さいということでもあります。
デメリット
インフラレベルの低さや治安、お給料の低さなどが挙げられますが、メリットや魅力を上回るほど大きなものかどうかは人によって異なるのではないでしょうか。
以下の記事を読んでメリットとデメリットをしっかり比べてみてください。
カンボジアで働くために持っていると有利な能力
英語力があればすぐにでも働ける
もし、まだ明確にカンボジアでやりたい仕事があるわけではなくても、英語がある程度問題なく話せるなら話は早いです。英語ができるというだけで仕事は見つかりやすいため、移住して働くプランも難関ではないと言えます。
カンボジアでは英語が話せる人が多く、英語を意欲的に学んでバイリンガルを目指している子供や若者も多い環境です。
一緒に働くカンボジア人とも英語でコミュニケーションが取れ、お客さんがカンボジア人だったとしても英語で接客できます。また、病院では日本人患者に、銀行窓口では日本人客に応対する通訳の役割も担えます。
日常会話レベルでできる仕事も
日本人向けの求人サイトでカンボジアでの募集を見てみると、求められている資格としてよく書かれているのは「ビジネスレベルの英会話ができること」です。
ビジネスレベルというとハードルが高く感じますが、実際には日常会話が自由にできてスムーズにコミュニケーションが取れるなら問題がない仕事も多いです。
職務経験や専門スキルも重要
仕事によっては、英語力よりも重視されるスキルがあります。
店長候補や幹部候補、マネージャーなどいきなり高いポジションを与える求人も多く見られますが、そのような仕事には全体の管理能力やリーダーシップが必要です。
さらに、売り上げにも責任が生じるとなると、日本でのこれまでの経験やメンタル的な強さも求められるでしょう。
カンボジアで見つけやすい仕事(業種・職種)
求人サイトでカンボジアでの募集を見てみると、
などの業種や職種があります。
また、美容師や医療関係、リラクゼーションマッサージ、整体など、専門的な知識・資格や経験を持っている人を求めるものもあります。
さらに、たくさんの日本人がカンボジアに移住しているので、通訳の募集も見られます。現地スタッフと英語やクメール語(カンボジアの公用語)でやり取りし、それを日本人客に日本語で説明するといった内容です。
では、いくつかピックアップしてそれぞれの募集・採用傾向をご説明しましょう。
日系企業の現地採用スタッフ
近年、カンボジアは日系企業の進出ブームです。日本から駐在員を派遣するのは難しいものの、日本人を雇いたいと考えている企業は多いです。
そうした背景から、現地採用ベースで事務や営業などができる日本人を探している企業はたくさんあるため、英語やクメール語が話せたり、海外での仕事の経験があったりすると採用の可能性は高くなります。
今は様々な日系企業が進出しているので、経験のある職種と似たような職種を探して応募すると有利です。
日本料理店スタッフ
この数年、プノンペンでは日本料理店の進出が多いです。こちらも、パートタイムでもいいので日本人を現地採用で雇いたいと考えている店は多いです。
ホールのマネージャーなど、いきなり責任者クラスになってしまう可能性も高いですが、英語が話せてカンボジア人スタッフに指示が出せる人材であれば、すぐにでも採用したいと考える店もあります。
旅行会社スタッフ
以前よりは採用が減ってしまっていますが、旅行会社のスタッフも日本人が就ける可能性が高い仕事です。
カンボジアへの日本人の旅行客自体は減っているのですが、出張で訪れる日本人は多く、日本の旅行会社による支店の立ち上げも増えています。
日系のホテルなどもオープンしているので、旅行業の経験がある人は採用の可能性が高いです。
技術研修生向けの日本語教師
最近増えているのが、技術研修生に日本語を教える教師の募集です。日本に行って農家や工場で働く技術研修生のために、その準備としてカンボジアで日本語を教えるのが主な仕事です。
これまでは中国やベトナムからの技術研修生が多かったのですが、最近はカンボジアから日本を目指す人が増加傾向にあります。それに伴い、送り出し機関も複数開かれていて、プノンペンでは日本語教師の募集が増えているのです。
採用は、日本語教師の資格を持っていないと難しいです。しかし、本当に日本語を教えるだけの仕事もあれば、日本語教師の募集としながらも事務作業が中心の仕事もあり、資格は要相談と言ってもいいかもしれません。
NGOの現地スタッフ
日本のNGO(非政府組織)が現地スタッフを募集していることもあります。採用されてすぐに現地の責任者になることがほとんどで、日本人が1人ということも多いです。
カンボジアに行って探すというよりは、インターネットに出ている募集に応募し、日本で面接を受けて採用になることがほとんどです。
カンボジアで起業
数は少ないですが、現地で起業している人もいます。特に、美容師、エステティシャンなど手に職がある人にとっては有力な選択肢になり得ます。
カンボジアの求人を探すなら転職エージェントを利用しよう
日本にいながらカンボジアの仕事を探すには、人材紹介会社やエージェントを通すのが一般的です。
現地のエージェントでもいいですが、日本の大手転職エージェントなら「福利厚生を含めた求人内容」「転職サポート」がしっかりしているので安心して利用できます。
今後のキャリアを考えると、就職・転職先は信頼できる企業が望ましいです。日系大手の転職サービスは経験豊富で、ローカルな求人サイトを使う場合に比べて就職トラブルなどのリスクを避けることができるというメリットがあります。
カンボジアを目指すなら以下のエージェントがおすすめです。日本語で相談できるエージェントの存在は心強いものになるでしょう。
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登録・利用は無料です。職種やお給料の傾向について調べるだけでもカンボジアで働くイメージが具体的になりますよ。
カンボジアの大手企業・外資系企業で働くには
日系企業よりもハードルは高くなりますが、経験や能力を活かした仕事をしたいのなら現地企業や外資系企業を狙いましょう。
カンボジアで有名な企業には以下のものがあります。
- 金融のACLEDA Bank、ANZ Royal Bank、Cambodia Asia Bank、Canadia Bank、Hattha Kaksekar、IPR Microfinance Institution
- 保険のCambodian National Insurance Company
- 航空のCambodia Angkor Air、Sky Angkor Airlines
- 食品のCambrew Brewery、Kingdom Breweries
- 通信のCamGSM、Camnet Internet Service
- 水道のPhnom Penh Water Supply Authority
- セメントのKampot Cement
この他、The Royal Groupは通信、メディア、金融、旅行、農業など多岐にわたる事業を行うカンボジア最大のグループです。Sokimexも石油、輸出・輸入業などを行うコングロマリットとして有名です。
現地企業や外資系企業を狙うには、専門知識+英語力があると有利です。
また、日本の転職サービスの利用がおすすめです。各社で扱っている求人も異なるので、複数登録し比較してみましょう。
- JAC Recruitmentで求人を探してみる(30代以上におすすめ)
- LHH転職エージェント(アデコ)で求人を探してみる(外資系案件豊富)
- ビズリーチ(職務経歴書まで入力してオファーを待つ)
- ランスタッドで求人を探してみる(20代〜30代におすすめ)
カンボジア現地採用者の給料相場
実際にプノンペンで働く日本人現地採用社員によると、給料相場は20代、男性・女性ともに月800~1,300USD(約9万~14万7千円)とのこと。
この社員の場合は、家賃全額にあたる月300USドル(約3万4千円)が家賃手当として支給されていましたが、現地採用だと貯金は難しいかもしれません。
もちろん、給料は業種や職種、能力、それに都市などによって違いますが、店長候補レベルで月2,000USドル(約22万6千円)からといったところです。
なお、カンボジア現地で主に流通している通貨はアメリカドルUSDです。
カンボジアの勤務時間と休暇事情
シェムリアップのホテルで働いていた日本人の例をご紹介します。
勤務時間
オフィスワークだったため勤務は午前9時〜午後6時。カンボジアでは基本的に、日が昇ったら仕事をして日没になったら帰るというリズムです。
午後7時には一面の暗闇。街灯が少なく野犬も多い上、時間が遅くなるにつれて酔っ払いのバイク乗りがどんどん増えるため、早めの帰宅が賢明です。
休日・休暇
日本と同じように土曜日、日曜日はお休みです。ただし、現地で働いている日本人は観光業に属していることが多くシフト制のため、土日の固定休みというのはあまりないようです。
また、カンボジアの2017年度の祝日は27日です。
観光業界では、日本とカンボジアの休暇時期は繁忙期に当たるため、消去法で考えると3月、4月、雨期に当たる6月、7月は比較的お休みが取りやすいと言えます。
詳しくは以下の記事をどうぞ。
カンボジアでの生活費はどれくらい?
カンボジアで働くとなったら、給料だけでなく生活費がどれくらいかかるのかも気になるところ。
プノンペンでは節約すれば月に500USドル(約5万7千円)以下でも生活できますが、余裕を見て600〜1,200USドル(約6万8千~13万6千円)の出費を想定しておくようにしましょう。
もちろん、生活スタイルや都市によって費用が異なるのは言うまでもありません。
カンボジアで日本人が多い場所はプノンペン
日本人が多く住むのはやはり首都プノンペンです。では、プノンペンをさらにエリアに分けてご紹介します。
ボンケンコン
プノンペンの中でも、日本人を含む外国人が多く住んでいるのがボンケンコンと呼ばれるエリアです。
オフィス街に近く、外国人向けアパートメントやスーパー、レストランもたくさんあって暮らしやすい地域です。2014年にはイオンモールもオープンし、ますます便利になりました。
トウールコック
プノンペンにおける第二のボンケンコンとして人気沸騰中のエリア。ショッピングモールがあり、スーパー、レストラン、ブティック、映画館などが揃っています。
ドーンペン、7Makara
カンボジア人が多く住んでいて、ローカルなお手頃物件がたくさんあります。
カンボジア就職体験談
海外で働いてみたいと思っていても、なかなか動き出せない方もいると思います。私もまさか自分が本当に海外で働くなんて思ってもいなかったし、最初はとても不安でした。
でも、実際に来てみて思うことは、想像していたよりもずっとハードルは低かったということです。あのとき、思い切って海外転職を決めて本当によかったと思っています。
海外で働くという、何となく抱いていた夢を叶えることができ、それ自体が夢だったように思うこともあります。それだけカンボジアでの日々は通常では経験できないことばかりだったと言えます。
カンボジア人はとにかく温かく、学ぶことは本当にたくさんありました。挑戦したことに後悔はありません。
カンボジアはプロサッカー選手になるためのハードルが日本より低く、挑戦しやすい国です。生活面でも日本人にはとても過ごしやすく、毎日の暮らしも充実します。
サッカーができる場所は日本だけではありません。プロサッカー選手にはなれないとあきらめてしまう前に、ぜひ海外に目を向け、カンボジアに興味を持ち、可能性を探ってほしいなと思います。
まとめ~一歩踏み出せば可能性が大きく広がる
カンボジアで働けば、いいこともあれば悪いこともあります。日本とは異なる考え方や価値観に出会うことで、驚いたり、喜びを感じたり、イライラしたり……。でも、様々な経験をする中で人生が豊かになるはずです。
どんな夢や目的を持ってカンボジアに渡るかは人それぞれで、どんな生活をしたいかによっても仕事選びは異なります。試しにカンボジアで働いてみて初めて本当にしたいことが見つかることもあるでしょう。
失敗は成功の元、今の気持ちを大切にカンボジアに向かってください。
上手にカンボジア就職・カンボジア転職する方法
効率よくカンボジアの仕事探しを進めるには、転職エージェントの利用がおすすめです。
カンボジア就職で大事なことは「情報収集」と「行動力」です。転職エージェントを使い、気になる求人情報をストックしておきましょう。情報収集が進めば、より具体的にカンボジアで働く自分をイメージできるはずです。
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