私は高校生の頃から、海外に出て英語をネイティブ並みに話せるようになることが夢でした。しかしいつかいつかと先延ばしにして、なかなか夢のために踏み出せない自分がいました。
そんな時私の背中を強く押してくれたのはある会社のマニフェストでした。
今回は私の海外生活を始めるきっかけになり、また海外生活を支えてくれたある会社のマニフェストをご紹介します。
HOLSTEE社のマニフェスト
このマニフェストは、私が5年間続けてきた仕事を辞めて海外に出ようか迷っていた時に、たまたまインターネットで見つけました。
これはニューヨークを拠点とするエコデザインベンチャー企業HOLSTEE社のマニフェストで、2009年の起業時に三人の創業者によって作られたものだそうです。
このマニフェストはたくさんの人から共感を得て、世界中の人にシェアされました。
”THIS IS YOUR LIFE.「原文」
DO WHAT YOU LOVE, AND SO IT OFTEN.
IF YOU DON’T LIKE SOMETHING, CHANGE IT.
IF YOU DON’T LIKE YOUR JOB, QUIT.
IF YOU DON’T HAVE ENOUGH TIME, STOP WATCHING TV.
IF YOU ARE LOOKING FOR THE LOVE OF YOUR LIFE, STOP.
THEY WILL BE WAITING FOR YOU WHEN YOU START DOING THINGS YOU LOVE.
STOP OVER ANALYZING, LIFE IS SIMPLE.
ALL EMOTIONS ARE BEAUTIFUL.
WHEN YOU EAT, APPRECIATE EVERY LAST BITE.
OPEN YOUR MIND, ARMS, AND HEART TO NEW THINGS AND PEOPLE,
WE ARE UNITED IN OUR DIFFERENCES.
ASK THE NEXT PERSON YOU SEE WHAT THEIR PASSION IS,
AND SHARE YOUR INSPIRING DREAM WITH THEM.
TRAVEL OFTEN: GETTING LOST WILL HELP YOU FIND YOURSELF.
SOME OPPORTUNITIES ONLY COME ONCE, SEIZE THEM.
LIFE IS ABOUT THE PEOPLE YOU MEET,
AND THE THINGS YOU CREATE WITH THEM
SO GO OUT AND START CREATING.
LIFE IS SHORT.
LIVE YOUR DREAM, AND WEAR YOUR PASSION.”
”これはあなたの人生です。「公式日本語訳」
自分の好きなことをやりなさい。そしてどんどんやりなさい。
何か気に入らないことがあれば、それを変えなさい。
今の仕事が気に入らなければ、やめなさい。
時間が足りないのなら、テレビを見るのをやめなさい。
人生をかけて愛する人を探しているなら、それもやめなさい。
その人は、あなたが好きなことを始めたときにあらわれます。
考えすぎるのをやめなさい、人生はシンプルです。
すべての感情は美しい。
食事を、ひと口ひと口味わいなさい。
新しいことや人々との出会いに、心を、腕を、そしてハートを開きなさい。
私たちは、お互いの違いで結びついているのです。
次に会った人に、何に情熱を傾けているのか聞きなさい。
そして、その人にあなた自身の夢も語りなさい。
たくさん旅をしなさい。
道に迷うことで、新しい自分を発見するでしょう。
ときにチャンスは一度しか訪れません。しっかり掴みなさい。
人生とは、あなたが出会う人々であり、その人たちとあなたが作るもの。
だから、待っていないで作りはじめなさい。
人生は短い。情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう。”
マニフェストがくれた夢を追う勇気
その当時私は、海外買い付けバイヤーとしてアパレル会社で働いていました。
海外買い付けバイヤーと言っても現地ではいつも通訳がいるので、自分が実際に英語を使って現地の人と話す機会はほとんどありませんでした。そのため心のどこかで、何か自分のやりたいこととは違うと思っていました。
それでもその会社で素晴らしい上司達に出会い、この人たちの期待に応えるまではこの仕事を辞めるわけにはいかないと自分に言い聞かせていました。
しかし、そんな時に見つけたHOLSTEE社のマニフェストが私の考え方を前向きに変えてくれました。
この最初の一文の「THIS IS YOUR LIFE」というシンプルでストレートな言葉を見て、私ははっとしました。
それまでの自分は、「ここまで自分を育ててくれた上司と会社に申し訳ない」「せっかく5年間続けたんだから、今辞めたらこの5年間が無駄になる。」と海外に出ることを決断出来ずにいました。
私はそうやって周りの人のことばかり気にしていたけど、これは自分の人生だったんだと気づかされたのです。
自分次第で自分の人生はどんな風にでも変えることができるとわかった瞬間、気持ちがとても楽になりました。
そしてやらずに後悔する人生よりは、やって後悔する人生を私は生きたいと思いました。
このマニフェストが私の背中を強く押してくれたお陰で、自分の本当にやりたかったことに向かって一歩踏み出すことができたのです。
それから私はすぐにワーキングホリデーに出ることを決めて、上司に仕事を辞めることを伝えました。
人手が足りないことを知っていたので上司には反対されることを覚悟していましたが、意外にも返事は予想とは違ったものでした。
「今までこんなに頑張ってきた仕事を辞めてまでやりたいことなら、中途半端な気持ちではないってことだよな。後悔だけはしてほしくないからな、やれるだけやってきなさい。」
実はその上司も若い時に、バックパッカーとして世界中を旅した経験があり、その時の経験は今も役に立っていると話してくれました。
まさかそんな話まで聞けるとは思っていなかったので、勇気を出して自分のやりたいことを話して本当によかったと思いました。
マニフェストの言葉に支えられた海外生活
会社を辞めてからカナダへとワーキングホリデーに出た私は、自分が毎日英語を話せる環境にいることを幸せに感じていました。
たくさんの様々な国籍の友人も出来て、それぞれの国の文化を学びましたし、休みの日になると友人達とスキーやスノボ、アイススケートをしに行ってカナダならではのアクティビティを楽しみました。
しかしもちろん毎日が楽しい事ばかりではありませんでした。
道を歩いていると車の中から「Go back to China!」と叫ばれることが何度かありましたし、あるカフェでは白人には丁寧でフレンドリーな対応をするのに、私や他のアジア人になると180度態度を変えるスタッフもいました。
銀行や郵便局に行けば、自分の低い英語力のせいで全く相手にしてもらえないこともありました。
しかし私にとってそんなことは全く苦ではありませんでした。なぜなら私は辛いことや悔しいことがある度、HOLSTEE社の一文一文を頭に浮かべていたからです。
「私たちは、お互いの違いで結びついているのです。」
そうだ、みんな違いの上に成り立っているのだから考え方が違う人がいて当たり前。日本にいたらこんな経験もできなかっただろうな。
「すべての感情は美しい。」
自分の英語力のなさに苛立つのは、自分が変わりたいと思っているからこそ出てくる感情なんだからひたすら努力し続ければいいんだ。
「人生は短い。情熱を身にまとい、自分の夢に生きよう。」
これは全て私が選んだ道、文句を言うならその道を選んだ自分に言うべき。
それでも自分の夢を諦めたくないなら、夢の為に出来ることは何でもしよう。自分の命は永遠ではないんだから。
マニフェストの一文一文が、自分の考え方や経験を全て前向きに変えてくれたのでした。
このマニフェストがこんな風に、いつも私の海外生活を支えてくれました。
突然訪れた二度とないチャンス
カナダでの生活が半年過ぎた頃、私はワーキングホリデー後どうするかについて考えていました。このままビザを延長してカナダに残るか、日本に帰るのか、それともまた他の国にワーキングホリデーをしに行くのか、私はとても悩みました。
そんな時突然、日本で5年間勤めていた会社でお世話になっていたニューヨーク在住の知り合いから連絡が来ました。
「カナダでの生活はどう?せっかく近くにいるんだからニューヨークに遊びに来ない?」というお誘いでした。
私はカナダにいる間に必ずニューヨークには観光に行こうと思っていたので、これは良い機会だと思いバケーションを使ってニューヨークに旅行に行くことにしました。
ニューヨークに着いてまず感じたのは、さすがは移民の街!ということ。
私がワーキングホリデーをしていた場所は、カナダでも都市からだいぶ離れているアルバータ州でした。そのためたくさんの違う人種の人々ががひとつの街に暮らしているニューヨークにとても魅力を感じました。
特に私は日本にいる間、ニューヨークが舞台の映画をよく見ていたので、まるで自分が映画の中に潜り込んだ気分で終始大興奮でした。
そんな大興奮の覚めやまぬ中ニューヨーク滞在最終日になり、その知り合いの方がご飯に連れていってくれました。私が興味津々にニューヨークでの生活についての質問をしていると、
「もしカナダのワーキングホリデーが終わった後のことが決まってないなら、ニューヨークに来て私のところで働かない?」と思いもよらないニューヨークへの誘い。
正直こんな私の未熟な英語力でこの大都市ニューヨークで働けるのかとても不安でしたが、ここで断ったらこんなチャンスは二度とこないかもしれないと思い、すぐにイエスの返事をしました。
「ときにチャンスは一度しか訪れません。しっかり掴みなさい。」
あの時自分がしっかりとチャンスを掴んだこと、私は今自分自身にとても感謝しています。
私は今カナダでのワーキングホリデーを終えてからニューヨークに来て2年目になりますが、毎日が出会いと学びでいっぱいです。英語を使う機会が多くなり、自分の英語力はカナダにいた時に比べると急激に伸びました。
もしかしたら、あの時チャンスを掴んでいなくても私は何とかしてニューヨークに来ていたかもしれません。ここニューヨークに来て出会えた人達は私の一生の宝物だと思っています。
もし、あの時ノーと言っていたらその人達と出会えていなかったかもしれません。もしかしたら自分の人生はもっと違うものになっていたかもしれないのです。
私はHOLSTEE社のマニフェストが自分を精神的に強くし、しっかりと自分の夢に向かって導いてくれたことに本当に感謝しています。
まとめ
私はいまだにこのマニフェストを携帯のメモに入れて、いつでもどこでも見られるようにしています。
最近はそのメモを開いて読む機会はほとんどなくなりました。わざわざ開いて読まなくても、自分の気持ちに正直でいれば自然と道は開けるということを学んだからです。
今や自分にとってこのマニフェストは、まるでお守りのような役目を果たしてくれています。
何か大きな決断に迫られた時、道に迷った時、ゆっくり立ち止まってこのマニフェストを読んでみてください。今までなかなかできなかった夢への一歩を踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。
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