あまり知られていないポルトガル留学は魅力がいっぱいだった

ポルトガル 留学

留学に行ってきました。

こう聞くと、多くの方は「アメリカ?」とか、「オーストラリア?」とか、 まずは英語圏を想像されるかと思います。

実際、海外留学をする日本人のおよそ半数が、英語圏を留学先に選んでいます。あるいは、中国や韓国といったアジア諸国へ行く方もいますよね。

ですが私が行ってきたのは、 英語圏でも、アジアでもなく、ヨーロッパの最西端に位置する小国、ポルトガルです。

今回は、ちょっとだけ珍しい、ポルトガル留学についてお話ししていきたいと思います。

ポルトガルに留学した理由

私は、大学でポルトガル語を学んでいます。それもいわゆる「二外」としてではなく、専攻です。受験生の頃にポルトガルの街並みと雰囲気に惹かれたは、大学入学当初から「ポルトガル ・ポルトガル語」を勉強してきました。

そう、実はポルトガル語には、大きく分けて三つの方言が存在します。一つは本国で話される、ポルトガル・ポルトガル語。もう一つはブラジルで話されるブラジル・ポルトガル語。最後の一つは、アフリカ諸国で話されるアフリカ・ポルトガル語。

大航海時代に栄華を極め、多くの土地を植民地化した結果、ポルトガル語には今挙げた三つの方言が生まれることとなりました。

このうち、ポルトガルとブラジルの方言は、 発音も、単語も、更には文法までもが異なります。例えるならば八戸弁と大阪弁くらいの差異。つまり、学習者は区別して扱わないといけないわけです。

ただ、今やブラジルの経済規模はかつての植民国をはるかに超え、もはや国際的にはポルトガル語といえばブラジル・ポルトガル語とも言っていいほど。

そのおかげで、ポルトガル・ポルトガル語を扱うテキストは少なく、なかなか日本での独習は難しいというのが現状です。

つまり、ポルトガル・ポルトガル語を磨きたいなら現地に行くのが一番。それに卒業論文の資料も集めたいし、こんなにポルトガルが好きなんだから、短くても一度くらいはポルトガルに住みたい

いろんな要因が重なり、ある日ふと「あ、やっぱり留学しよ」と思い立った私は、その約3か月後にポルトガルへ出発したのでした 。

ポルトガルでの留学先はどんな町?

コインブラ

私の留学先は、コインブラという町。名前も聞いたことのない方がほとんどかと思います。

リスボンから北東に200kmほど、ポルトガル中部に位置するこの町の観光名所はなんと、大学。つまり、私が留学していたコインブラ大学こそが、ポルトガルの中でも1,2を 争う名門校であると同時に、観光名所なのです。

コインブラ大学は1290年に立てられたポルトガル最古の大学。日本には寺子屋すら影も形も無かった頃、ポ ルトガルにはすでに高等教育機関があったわけですね。

今でもまるで近世にタイムスリップしたような感覚になる建物が現役で授業に使われています。

ポルトガル語だけじゃないポルトガル語コース

コインブラ大学の外国人向けポルトガル語コースでは、レベルごとに違う科目が開講され、私はポルトガル語の授業に加えて、ポルトガルの美術、歴史、地理の授業を受ける必要がありました。

中でも私が一番好きだったのが、地理の授業。各地の写真を見せながら、気候や地質の特徴をポルトガル語学習者にも分かりやすく説明してくれて、本当に勉強になりました。

ポルトガルにいる多国籍なクラスメイト達

授業を一緒に受けていたクラスメイトは、ほとんどがマカオ大学の学生たち。他にはスペイン語圏、韓国、スイス、フィリピン、更にはスロバキアから来た美女もいて、アジア人が大半ながら多国籍なクラスでした。

「ブラジル人の旦那がいるから」とか、「コーヒーを勉強したくて」とか、いろんな理由で一つの教室に集まって勉強するのはとても不思議な気持ちでした。

…といっても、およそ半分は私のように大学でポルトガル語を学んでいる大学生。みんなやる気満々の熱いクラス…というわけにもいかず、休み時間には「スペイン語圏ずるい…」とアジア人同士で愚痴りあう日々でした。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、スペイン語とポルトガル語は兄弟のような言語です。そのおかげでスペイン語圏の人たちは、文法こそ完璧でないものの、初めから流暢に話せるのです。

だから授業初日からフルスロットルで先生を質問攻め。その結果アジア人組はみな置いてけぼりで、数日後にはなんとなく文化圏ごとに分かれて行動し始め、「異文化って…本当に異文化なんだな」と身をもって実感することになりました。

でも、決して居心地が悪いということはなく、むしろ適度に距離を置いて、お互いに違うことを尊重するような空気で…これも異文化の人たちとのあり方の一つなのかもしれないなぁと思いました。

ポルトガル留学を終えて

私が留学していたのはたったの4ヶ月でしたが、最後にはまずまず日常会話をこなすことができるようになりました。

その中で気が付いたのは、学習者同士で会話をすることも本当にいい練習になるんだということ。ずっと母語話者と話すのが一番だと思いこんでいたのですが、本当は質より量の精神で、楽しく話すことがなにより大切なのかもしれませんね。

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