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東の果てから、西の果てへ。ポルトガルへ留学した理由

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ポルトガル

――Onde a terra se acaba e o mar começa(陸が果て、海が始まる地)

”Os Lusíadas” Luís Vaz de Camões(1524-1580)

これは、ユーラシア大陸最西端とされるポルトガルのロカ岬に刻まれた、有名な叙事詩の一節です。日本から飛行機を乗り継いで十数時間。私は、そんな西の果て、ポルトガルに留学してきました。

かつて鉄砲や数々の南蛮文化を日本に伝えてきたポルトガル。歴史に語られる姿は浮かんでも、「今どのような国であるか」をイメージできる人はそう多くないのではないでしょうか。

なぜポルトガルに留学しようと考えたのか。まずは私がポルトガルに惹かれた理由からお話していこうと思います。

ポルトガルの魅力とは

私は、大学でポルトガル語を学んでいます。それもいわゆる「第二外国語」としてではなく、専攻語としてです。

そう自己紹介をすると、まず投げかけられるのが、「なんでポルトガル語?」という質問。名前は知ってるけど、ちょっとマイナーだよね?どんな国だっけ?といった風な反応をされるわけです。

確かに、フランス語やドイツ語をやるよりも、ちょっとマイナーな言葉を学びたかったのも事実です。でも、私はこの質問にはいつも「街並みが気に入ったから」と答えています。

私は、受験期にポルトガルの写真を見たとき、一目でその雰囲気に心を惹かれました。ただしそれはハッと息をのむほど美しいという意味ではありません。私が思うポルトガルの魅力、それは「完璧すぎないところ」です。

ポルトガル

ひょっとすると「確かにきれいだけど、地味じゃない?」とすら言われそうな街並み……かもしれませんね。でも、独特な雰囲気があるとは思いませんか。

ポルトガルでは、きれいな観光地であっても、構わず洗濯物が干してあったりします。扉の塗装は、ところどころ浮いて剥がれた部分を、素人がちょっと違う色で塗ってしまったようなのをよく見かけます。

……とても整備が行き届いているとは言えません。

しかし、ポルトガルには、イタリアのような美しく作られた街並みよりも、「完璧でないからこそ、肌になじむような空気」があるのです。

日本と違って地震の少ないポルトガルでは、本当に歴史のある建物がたくさん残っています。

でもそれを、観光地としてただ柵で囲うのでなく、まっさらにリフォームするのでなく、少しずつ修理して、本当に生きた人間が住んでいる。

まるで昔の姿を残したままのような街なのに、現代に生きる人の息をありありと感じる。そこが、ポルトガルの不思議な魅力であると思うのです。

ポルトガルのポルトガル語を話したい!

そんな国に惹かれてポルトガル語を学び始めた私は、ほどなくして「ポルトガルのポルトガル語」を習得することが思っていたよりも難しいということを知りました。

少し脇道にそれるようですが、ここでブラジルの話をしておきましょう。かつてポルトガルの植民地であったブラジルでは、今でもほとんどの地域でポルトガル語が話されています。

しかしブラジルでは、発音・語彙・文法がポルトガルとは大きく異なるため、区別して勉強しなければなりません。

そして、現在日本には群馬を始め全国に多くのブラジル人移民が暮らし、両国は深い文化的・経済的関係で結ばれています。それに加えて、リオ五輪が開催されるほどに発展したブラジルの経済的影響力。

今や日本では、いえ、それどころか世界的に、ポルトガル語といえばブラジル・ポルトガル語という認識が広まっています

そう、実は日本でポルトガル語を学ぼうとすると、見つかるのはほとんどがブラジルのポルトガル語のテキストや辞書なのです。でもやっぱり、ポルトガルのポルトガル語を話したい。この歯がゆさが、留学を決めた理由の一つでした。

やっぱり一度はポルトガルに住んでみなきゃ

ただ、そんなジレンマがあったものの、ふんぎりがつかなかった私は、次々と留学へ発っていく友人たちをただ見送っていました。しかしある時、ふと思いました。

「ポルトガルが好きで、ポルトガルを勉強しているのに、一度も住んだ経験がないというのはもったいないんじゃないか……」

それまで2回、自分でポルトガルに旅行に行ったことはありましたが、それはたったの1週間。

それに、外の人間として訪ねることと、その国の中で暮らすことは全然違うはず。ならば、住んだこともないのにポルトガルが好き、と言っていていいのだろうか…そんなことを考えた瞬間、急激に留学への意欲が湧いてきました。

将来、どうしよう

唐突に話が変わるようですが、私は中学・高校と部活でとても忙しい日々を送っていました。だから大学では、もっとじっくり将来のことを考えたいと思い、サークルにも入りませんでした。

そうして得た時間をつかって、私はやりたいと思ったことはなんでもやり、いろんなことを考えました。

しかし、たくさんあったように見えた時間は一瞬で、結局三年の秋の時点では、まだ将来の方向性が見えていませんでした。まだ考える時間が欲しい。それに、考える材料も欲しい。この思いも、留学を後押しする理由の一つでした。

休学して留学をすれば、卒業が先延ばしになり、しいては就活開始までの時間をかせぐことができます。それに、環境を変えることで、新たに見えてくる道もあるかもしれません。

環境の変化に頼り切るのは甘い考えだったかもしれませんが、少しでも多く将来を考えるヒントが欲しかった私は、改めて留学をする気持ちを固めました。

ひとり暮らしをしてみよう

最後にダメ押しとなったのは、一人暮らしをしたいというかねてからの願望でした。ずっと実家暮らしの私は、心配性の両親に対して、ありがたいと思いながらも、二十歳を過ぎるとさすがに息苦しさを感じていました。

だから、留学は好機だと思いました。親元を離れる経験というのは、私にとっても両親にとってもきっと少なからず変化を与えてくれると考えたのです。

それに、短期間とはいえ、家事を毎日自分でやる経験も、自分が一人暮らしに向いているか向いていないのかを知るちょうどいい機会。

やっぱり、今留学に行くしかない!

そう思い立った日は、ビザの取得もギリギリのスケジュールでした。ですが、むしろそのおかげで、優柔不断なはずの自分を忘れ、決断することができたのかもしれません。

番外編:なんでリスボンじゃない町に?

こうして、留学することを決意するのに3年近くの時間をかけた私でしたが、留学先の町を決めるのは一瞬でした。なぜかというと、「もし仮に留学するとしたらこの町かな」と憧れていた町が入学当初からあったからです。

それは、コインブラという町でした。

コインブラ

720年もの歴史を持つ、ポルトガル最古のコインブラ大学がある街で、ハリーポッターのような制服と、美女と野獣のワンシーンにも使われた図書館が有名です。

大学といえばコインブラ、そしてコインブラといえば大学というほどの、学生の町。小さいものの、留学生も住みやすく、治安のいい町という話でした。

それに何より、都会よりも小さな町のほうが、その国の雰囲気をよく味わえると思うのです。

リスボンから電車で2時間ほど内陸にあるコインブラは、1時間も歩けば中心地を一周できてしまうほどの大きさ。町中の至る所で、知り合いとあいさつをかわす人たちを目にします。

授業などで、コインブラのそういった雰囲気を聞いていた私は、ずっとコインブラに行きたいと考えていました。

そういうわけで、留学をするとなってからはあっという間に話が進んだのでした。

さいごに:留学して正解だった?

留学、どうだった?と帰国してから何回聞かれたか……もう覚えていないほどです。結論から言うと、正解でした。

なんとなくですが「留学して得たもの」の多くにまだ自分でも気づくことができていないような気がします。

理由として挙げた4つの目的はもちろん達成できて、それは一番分かりやすい留学の成果だったわけですが、きっとそれ以外にもたくさんの影響を受けていると思うのです。

その中で、最近気が付いたのは、決断力の変化。留学を経て、それまでよりも決断力が増したことを感じます。

とっても大きなことだと思っていた留学が、思っていたよりも大変なことではなくて……確かに大学に入ってからは意識的にやりたいことをやると心がけていましたが、留学後はそれまで以上に、やるかやらないかで悩むことがなくなったようなのです。

もしかすると、「案ずるより産むがやすし」を、身をもって体感したからなのかもしれません。

きっとこれからまた、知らず知らずのうちに受けていた留学の影響に、少しずつ気付くことができるのではないかと思っています。

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