「南の島でのんびりと暮らしたいなぁ」と思っていた日本人男性が、フィリピン女性と出会い結婚。そのまま現地に移住してしまったお話です。
「少子高齢化」が進み「限界国家説」も飛び出す日本とは違って、未熟ではあるが若くまだまだ「伸びしろ」がいっぱいの希望にあふれたフィリピンという国。太陽がいっぱいの温暖な気候、美しい海、明るい笑顔がいっぱいのラテン的な人々。
その実態を描くとともに、結婚手続き、ビザの取得、税金…..といった現地生活に欠かせないフィリピンでの基本手続きに関しても実体験を通じてお伝えします。
フィリピン女性との結婚
日本から約4時間のフライトで行ける常夏の国、フィリピン。休暇を利用して何度もバカンスでこの地を訪れていましたが、縁あって現地の女性と結婚することになりました。
そして、以前から「南の島でのんびりと暮らしたいなぁ」なんて願望もあり、結局日本を離れ妻の母国フィリピンで暮らすことになりました。
結婚式はマニラの教会で簡単にすませ、パーティーもごく少人数でレストランで開催しました。ハネムーンは3泊4日のボラカイ島でした。
フィリピンでの結婚手続き
国際結婚の手続きは、どの国のペアでもいろいろと大変で苦労も多いでしょうが、フィリピン女性と日本人の結婚に関してもさまざまなプロセスが多く、しかも二国間で手続きが必要なため、時間も手間もお金もかかります。
以下が、わたしが実際に行った結婚手続きのプロセスです。
- 日本人男性が必要書類(戸籍謄本、パスポートなど)を揃えて、フィリピンに入国する
- 在フィリピン日本領事館で日本人男性の婚姻要件具備証明書を発行してもらう
- 役場に婚姻告知を申し込み、フィリピンの婚姻許可書(Marriage Licence)を取得する。
- フィリピン国内で結婚式を行う。(立会人が2人必要)
- 婚姻証明書(Marriage Contract)の申請及び取得
- ↓(結婚式から3ヶ月以内)
- 日本の役所に婚姻届を提出
【必要書類】
- 婚姻証明書と日本語訳文(各2通)
- 婚姻要件具備証明書写し(1通)
- 婚姻許可証写し(1通)
- 戸籍謄本(2通)
- フィリピン女性の出生証明書と日本語訳文(各2通)
以上でフィリピンと日本の両方での手続きが完了です。
結婚手続きの斡旋業者もありますが、自分で手続きを行う方が良いでしょう。すべて簡単な英語での手続きとなりますので、問題ないはずです。
フィリピンへの引越し
モノに関する日本のレベルはフィリピンとは比べ物にならないぐらい高いですが、残念なことに電気製品は電圧の関係で、フィリピンで使用できないものが多いです。
したがって、わたしも結局は大きな段ボール箱で3つぐらいの荷物しか日本からは送りませんでした。
国際配送業者はいっぱいありますが、わたしは「door to door」で便利な「Transtech」を利用しました。フィリピン在住の日本人の多くもこの会社を利用しているようです。
フィリピンで永住ビザの取得手続き
フィリピン人と結婚すると、外国人は結婚永住ビザを取得する権利を持つことになります。
まずは仮永住ビザ(13a)を取得し、1年後に結婚永住ビザ(PERMANENT)に変更することができます。
ビザの申請は、フィリピン入国管理局(BUREAU OF IMMIGRATION)で行います。マニラだとLRT CENTRAL STATION駅から徒歩10分ぐらいのところにあります。
【仮永住ビザ(13a)申請時の必要書類】
- 申請書とパスポート
- 公証人に承認された申請用紙
- 写真 6枚
- フィリピン妻の出生証明書
- 結婚証明書の謄本
- フィリピン入国管理局情報部発行の証明書
- 日本国警察発行の無犯罪証明書(フィリピン外務省で認証済みのもの)
- NBIクリアランス(フィリピン国家捜査局発行)
- パスポートの必要ページコピー(フィリピンへの出入国スタンプのあるページ)
- フィリピン妻のパスポートコピー (写真のあるページ)
- 共同宣誓供述書
- フィリピンで暮らしていくための生活基盤になる経済的証明(残高証明書など)
申請後、約1週間後にイミグレーションより、「面接のお知らせ」の通知がきます。その通知の約束の日時にフィリピン妻と同行して、担当弁護士の面接を受けます。
主に、フィリピンでの生活における経済的な基盤に関しての質問が多いとの事ですが、私の時は弁護士との何気ない雑談で終わってしまいました。
その後、1ヶ月後ぐらいに、イミグレーションのホームページでビザの発給が告知され、パスポートにスタンプを押してもらいにイミグレーションに行きます。
この仮永住ビザ申請・取得と並行して、「ACR-I CARD (外国人登録証)」も同時に、申請、取得することができます。フィリピン国内でのID(身分証明書)となるので、絶対に必要です。
そして、仮永住ビザから永住ビザへの切り替えを約1年後に行います。
【仮永住ビザ(13a)から結婚永住ビザ(13E)への変更手続き申請時に必要な書類】
- フィリピン妻からの申請嘆願書とわたしのパスポート
- 公証人に承認された申請用紙 2通
- 写真 6枚
- フィリピン入国管理局発行の証明書
- パスポートの必要ページコピー(フィリピンへの出入国スタンプのあるページ)
- 仮永住ビザのフィリピン入国管理局からのORDERコピー
- 共同宣誓供述書
以上、約1年にわたりますが、これでフィリピンの永住ビザ(PERMANENT)を取得することができました。
フィリピンで住民登録
特に日本の住民票にあたるものはなく、住民登録と言うものもありませんが、居住している役所に居住登録をすれば「居住証明書」を発行してもらえます。
それよりも、外国人にとって必要なのは「ANNUAL REPORT(年次報告)」です。年に1回イミグレーションに行って手続きをしなければいけません。毎年その年の初めから60日以内に行わないと延滞料金が課されます。
子供の出生届
フィリピンよりも日本サイドへの出生届が大事で、海外で生まれた場合は3ヶ月以内に日本の役所に届出を提出しなければなりません。
この手続きを怠ると、後に子供が日本へ行くこと、及び将来日本国籍を取得する時など、いろいろ問題になることがありますので絶対に忘れないでください。
税金について
日本の消費税にあたるフィリピンの「付加価値税」は12%で、基本的にあらゆる物品に課されます。
個人所得税に関しては、フィリピンも累進課税制になっており、所得が1万ペソ未満の場合は、一律で5%の所得税となっています。それ以上になると、所得が多くなるにつれて税率も高くなり、最高で32%の所得税が課されます。
所得税の申告、納付に関しては、フィリピンの申告納税制度を基に、自分自身が所得金額と税額を計算して税務署へ申告、そして指定の金融機関及び役所で税金を支払います。事前に納税登録をしておく必要はありません。
近年は、日本と同様にかなりコンピューター化されていますので、ネットでの申告が便利です。
フィリピンで健康保険の加入
フィリピンの健康保険にもいろいろな種類がありますが、わたしの家族は最もポピュラーな「Philhealth」に加入しています。年間の保険料は、1800ペソと3600ペソの2種類に大別されています。
受給できる金額も違うようですが、今のところ保険を使うほどの大病や事故にあったことがありませんので、「掛け捨て」状態になっています。
フィリピンでは、日本のような皆保険制度というものはありません。個人の自由で健康保険に加入します。
フィリピンで運転免許証の取得
フィリピンでは日本の運転免許証を書き換えて使うことができます。有効期限は3年間。
まずマニラの日本大使館で日本の運転免許証の翻訳証明書を取得します。その後、フィリピンの陸運局(LTO)に行き、フィリピンの運転免許証を申請し取得します。
必要書類は、以下の通りです。
- 申請書(LTOの窓口で入手できます)
- 日本の運転免許証の翻訳証明書 (日本大使館で取得済みのもの)
- パスポート顔写真ページのコピー
- パスポートのフィリピン入国スタンプが押してあるページのコピー
- 健康診断書
ちなみに1年以内のフィリピン滞在であれば、日本国内で取得できる「国際運転免許証」でもよいですが、1年以上の長期滞在者は、上記のように日本の運転免許証を書き換えた方が良いでしょう。
フィリピンで銀行口座開設
各銀行の本店または支店で口座開設できますが、外国人は2つ以上の身分証明書の提示を求められます。わたしの場合は、パスポートとACR(外国人登録証)を使いました。普通預金口座開設時には最低預け入れ金額5,000ペソが必要でした。
日本人にポピュラーなフィリピン国内の銀行は、「PNB(Philippine National Bank)」、「Metro Bank」、「BDO(Banco De Oro)」などがあります。
まとめ
「常夏の南の島でのんびりと暮らしてみたい」と考えたことがある人は多いと思います。でもその実態は?となると、人それぞれ。
予想通り素晴らしい生活になるのか、思っていたのと全然違うものになるのかは、やっぱり本人次第だと思います。
ただひとつ言える事は、考えてばかりいても仕方がない、今すぐに実行してみることです。わたしの場合は、フィリピン人妻というパートナーがあっての決断、そして実行でしたが、やってみれば特に難しいことはありません。
温暖な気候、そして英語ができれば大丈夫であるフィリピンは、日本人にとって移住しやすい国だと感じています。
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