トルコの都市イスタンブールは世界的に有名な観光地であり、日本人にも人気があります。
私はイスタンブールで1才の子供と生活していましたが、子連れで観光地を歩けば日本語で挨拶されたり、片言の日本語で話しかけられたりします。トルコ人は子供好きな人が多く、また親日家も多いからでしょう。
では、そんな親日国トルコで人々はどんな家に住んでいるのでしょうか。イスタンブールの住宅についてご紹介します。
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トルコに親日家が多いのはなぜ?
日本人にとって過ごしやすいトルコ。まずはその背景を少しご紹介しておきましょう。多くのトルコ人が親日家である理由はその歴史にあります。
1890年、トルコの軍艦エルトゥールル号が和歌山県沖で遭難した際に日本人が救助し、その後、日本の巡洋艦でトルコ人の乗組員をトルコまで送り届けたという出来事です。
この歴史は日本の小学校ではほんの少ししか習いませんが、トルコの子どもたちはかなり詳しく習うようで、この出来事をきっかけに日本に親近感を持つようになったのだという話をトルコ人から聞き、納得しました。
観光で訪れても、親しく接してくれるトルコ人にきっと出会うことができます。
イスタンブールの家賃相場
ヨーロッパ側とアジア側
イスタンブールの街はボスポラス海峡をはさんでヨーロッパ側とアジア側に分かれています。
このうち、ヨーロッパ側には新市街と旧市街があります。
新市街には企業などが入っている高層ビルが立ち並び、高級モールなどもあります。また、高級住宅街もこの辺りに集まっています。
観光地でぼったくりに遭いたくなければ、自分は観光客ではなく高級住宅街であるベベック(bebek)、シシリ(sisli)、エティレル(etiler)に住んでいるなどと言えば大丈夫だと言われるほど有名な場所です。
一方、旧市街には遺跡や観光名所などがあり、トルコの庶民の住宅街が広がります。地元民相手のパサール(市場)などは旧市街でよく見られ、安く物を買うことができる活気のある場所です。
エリアによって異なる家賃
賃貸マンションの家賃は場所によってかなり幅があります。最寄り駅までの距離、近隣の商業施設などによっても当然違ってきます。
全体的に、ヨーロッパ側はアジア側より少し高く感じます。
アジア側であれば、最寄り地下鉄駅まで徒歩15分程度、近くにモールありという条件で、日本円にして月80,000円弱で100平方メートル超の物件が借りられることもあります。
一方のヨーロッパ側は、高級住宅街であれば販売価格かと思うほど家賃が高い高級物件もあります。賃貸料が高いマンションは敷地内に小さなスーパー、ジム、カフェなどが入っていることが多く、施設が整っています。
入り口にはガードマンがおり、セキュリティ万全であったりタクシースタンドが併設されていたりと、とても便利です。
イスタンブールで日本人が多く住むエリア
日本人が多く住む地域は、ヨーロッパ側の新市街にあるエティレルという場所です。
日本企業が入るオフィスビルはたいていエティレルからよく見えるシシリという場所にあり、エティレルなら治安もよく通勤にも便利ということで、この地域のシテ(アパートメント)に住んでいる人が多いです。
部屋探しに役立つサイト
上記のサイト(トルコ語)でトルコの物件の一端が見えてくるのではないでしょうか。
こちらは日本語で探せる不動産サイト。参考価格を知るのに役立ちます。
トルコと日本のマンションの違い:うれしい点
部屋が広い
高級住宅街にあるマンションでは一般的な広さが100平方メートル超、3ベッドルームがスタンダードです。
日本に比べて一部屋がとても広くリビングは2倍以上あります。また、トイレやバスルームはプライベート用とゲスト用に分かれているため、複数ある場合が多いです。
キッチンにはブレックファーストルームという、朝食を食べられるようなスペースが付いていることが多く、リビングルームとは別にテーブルと椅子が置いてあります。
便利な家具付き
家具付き物件も多いです。
日本から家具を持ち込まなくてもテレビ、洗濯機、机、椅子、ベッド、照明器具、ソファ、カーテンなど必要最低限の家具は設置されているため、すぐに生活できてとても便利です。
タオルや寝具、食器などまで揃っているホテルに準じたアパートメントもあるので、滞在期間に応じて探すことができます。
なお、自分で好きな家具を持ち込みたいという人のために家具なし物件もあります。
買い出しサービス
イスタンブールのマンションでは、管理人が日用品を買い出ししてくれるというサービスもあります。
近くにスーパーなどがない物件や、共働き・小さな赤ちゃんがいるというような家庭では朝、管理人さんに買ってほしいものをメモして渡すのだそうです。たいていは肉、牛乳、卵、パンなど毎日必要なものを購入してくれます。
もちろん、これらのやりとりはトルコ語で行われます。
トルコと日本のマンションの違い:注意が必要な点
内ドアのないエレベーター
古い物件はエレベーターの内ドアがなかったり、自分で閉めるタイプの扉だったりする場合があります。
内ドアがないタイプのエレベーターは壁に直接手を触れられる構造になっているため、小さな子供がいる場合は手を出さないように扉側に背を向けて乗らなければなりません。
目の前で壁が動いていく光景には、私も当分慣れませんでした。
また、扉が開いても箱が来ていないことがあり、それが原因で起こる事故もあるそうです。
網戸のない窓
窓には網戸はありません。
かなり高層階の部屋の窓でも、腰より低い位置から開く窓があります。さらに、網戸がない上に外開きの窓もあるので、これらも子供には危険です。
我が家では窓が開いていることに気が付かず、ペットの猫が窓から落ちてしまったことがありました。幸い下が芝生だったため助かりましたが、ひやっとした事故でした。それ以降は大家さんにお願いして補助の鍵を付けさせてもらい、簡単に窓が開かないようにしました。
現地の人はこの窓に慣れているようで、窓枠に立って窓ガラスを拭いていたり雨戸を直したりしている光景をよく目にします。
飲めない水道水
水質はかなり悪く水道水は飲めません。飲料水は必ずミネラルウォーターを購入する必要があります。
また、洗濯していると白い物はだんだんグレーに染まってきます。
水道点検の後は必ずサビ水が当分出ますし、水道設備はあまりよくない感じがします。たびたび断水になります。
危険がいっぱいの暖炉
リビングに暖炉がある物件も多く見られます。
部屋全体にはセントラルヒーティングが完備されているので暖炉を使っている人はあまり多くないとのことですが、プラスアルファで使用することは可能なようです。
暖炉は低い位置にあるため、小さな子供がいたり猫や犬などのペットを飼っていたりする家庭には大変危険です。
煙突を登る猫には特に注意
リビングはたいていキッチンと隣り合わせになっており、リビングの暖炉とキッチンのオーブンの煙突がつながっています。キッチンのオーブンを使っている家庭は多く、煙突から煙が出ているのをよく見ます。
猫は狭い場所が好きなので、暖炉をふさいでおかないと煙突の中を登っていくという大胆な冒険をするかもしれません。煙突はさらに上下階の部屋でつながっているため、自分の家で使っていなくても他の家で使っていると大変なことになります。
このため、特に猫がいる家庭では注意が必要になります。我が家にも猫がいたので、暖炉は厳重に段ボールなどでふさいで生活していました。
ペットは基本的にOK
ちなみに、日本で見つけるのに苦労するペット可の物件というものは頑張って探さなくて大丈夫です。我が家も入居する際、特に許可を請うこともなくペットはOKでした。
室内を土足の人も
地域によって違いがあるかもしれませんが、トルコには室内で靴を脱がない人もいるようです。我が家の上階の人は土足生活だったようで、夕方から夜10時過ぎまでカツカツと女性のヒールのような足音がよく聞こえていました。
都市部に住んでいる20代、30代の若い人たちは生活が欧米化しているためか、土足生活の人が多いように感じますが、高齢の人や郊外に住んでいる人は絨毯敷きの部屋などがある家が多いため、靴を脱ぐ生活をしているご家庭もあるようです。
若い人でも日本が好きな人は日本風に靴を脱いでいます。それを私たち日本人に見てもらいたいと考えているようです。
トルコに住むならトルコ語が必須
トルコは意外にも、中心部の観光地やお土産屋さん以外はトルコ語しか通じない場所が多いです。外国人が多く住むマンションでも会話はトルコ語のみ。
水道工事やガス点検などマンション内に案内が貼られているのですがトルコ語なので全くわからず、作業員はもちろんトルコ語しか話せないので、私たちはトルコ人の知り合いに電話して作業内容を聞いてもらうなどしていました。
ツアー旅行で1週間ほど過ごすだけであれば問題ありませんが、実際に住むとなるとやはりトルコ語は必須になってきます。
ただ、トルコ語の語順は日本語と同じ並びなので、比較的習得しやすいです。簡単な会話でも日々の生活には欠かせないため、私たちも習っていました。
トルコの住宅事情プチ情報
一軒家を探すのは困難
イスタンブールで一軒家を探すのはなかなか難しいところでしょう。一軒家はオーナーがトルコ人であることが多いため、言葉の問題が大きいです。
不動産購入が可能
2012年に法律が改定され、外国人がトルコの不動産を購入できるようになりました。
トルコリラはこの10年で1リラ約100円から30円と3分の1に下がっており、投資物件としても魅力があります。
まとめ~過ごしやすい環境
イスタンブールの住宅地は小高い場所にあり、高層階のマンションではボスポラス海峡が見える部屋もあって、風も通りやすくとても過ごしやすいです。
日本の青森県と同じくらいの緯度にある街なので、夏はあまり暑い日が続かず快適、冬は寒いですが雪は多くなく、室内はセントラルヒーティングが完備されているため夏より薄着で過ごせます。
アパートメントホテルも多数あるので、ホテルではなくアパートメントホテルに泊まり、地元民に近い生活を体験することもできますよ。
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