スロベニアってどこ?日本人があまり知らない国、スロベニア移住のメリット

スロベニア ヨーロッパ移住

突然ですが、スロベニアって国ご存知ですか?私もスロベニア人の旦那と出会うまではスロベニアがどこにある国なのか知りませんでした。現在はスロベニアと日本を行き来する生活をしています。スロベニアを知れば知るほど、実は魅力がたくさんあるんです。

短い旅行ではもったいない、スロベニアへ移住することで、その魅力を存分に楽しめるはず。今回は数あるスロベニア移住のメリットをご紹介します。

※1ユーロ=約116円(2020年5月)

スロベニアはヨーロッパの中心、海外旅行のコスパが最高!

飛行機からの景色

日本人にはあまり知られていないスロベニア、魅力のひとつがその立地にあります。ヨーロッパの中心に位置するスロベニアはとても便利なのです。

バス旅で海外を楽しめる

スロベニアはイタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーと国境が接している、日本の四国ほどの小さな国です。

例えば首都リブリャナからイタリアのミラノへバスで5時間半、リブリャナからオーストリアのウィーンへはバスで6時間半です。バスのチケットはどちらも安い時には片道30ユーロ(約3,500円)程度。スロベニアからヨーロッパの有名都市への小旅行も気楽にできます。

ロンドンやパリにも1〜2時間程度のフライトで

少し足を伸ばしてリブリャナからロンドンへは1時間半のフライト、パリへは2時間のフライト、トルコのイスタンブールへは2時間半で行けちゃいますよ。ヨーロッパの格安航空会社が多く運行していますので、お得に短時間で旅行できます。

夏休みのおすすめはクロアチアへの小旅行

スロベニアの首都リブリャナから隣国クロアチアとの国境へは1時間半程度で行けます。国境を越えてさらに1時間程度車を走らせれば、クロアチアの美しい海岸沿いの街並みが広がります。夏の観光シーズンには世界中からの観光客でにぎわい、活気がありますよ。

スロベニアはヨーロッパの中でも物価が安い国

スーパーマーケット

ヨーロッパの国と聞くと、物価が高いとイメージする方がほとんどだと思います。しかしスロベニアはヨーロッパの中でも穴場で、日本と比べても物価が安いんです!

物価が安い、飲料食料編

例えばカフェで飲むコーヒーは1杯1〜3ユーロ(約116〜348円)程度ですし、レストランで飲むビールも3ユーロ(約348円)程度です。

スーパーでビールを買えば1本1ユーロ(約116円)以下で買えますし、ヨーロッパ産のワインも1本2ユーロ(約232円)程度でおいしいワインが見つかります。お酒好きやワイン好きの方にはたまらないですね!

新鮮なチーズやクリームなどの乳製品も日本の半分ほどの値段!

筆者の感覚では食費は日本の3分の2程度で充分まかなえます。

物価が安い、家賃編

家賃も日本に比べて安いんです。首都リブリャナやスロベニア第二の都市マリボルの中心地でも2ベッドルームのアパートメントが家賃6〜8万円です。中心地から車で20分ほど離れれば月4万円から、広々お庭付きのアパートを借りられます。

ヨーロッパ風の素敵な街並みに格安で住めるのはスロベニアの大きな魅力ですね。

スロベニア料理は日本人好みでおいしい

スロベニア料理

お米やお茶、日本人がなじみやすい食文化

スロベニアで一番よく目にする食材はソーセージとポテトです。イタリアが近いこともあり、パスタやピザもよく食べるので日本人にもなじみやすい食文化なのではないでしょうか。

スロベニア人はお米もよく食べますし、お茶も好きで、スーパーにはたくさんの種類のティーバッグが販売されています。

日本食レストランや日本の食材も多い

最近は日本食も現地の人に人気があり、日本食レストランも増えてきてます。また、大きめのスーパーには日本やアジアの食材コーナーもあります。値段もリーズナブルですので、日本の味が恋しくなったら簡単に自炊できます

特に最近、お寿司はスロベニア人に人気があるので、現地でお友達ができたら手巻き寿司など作ってあげるときっと喜んでくれますよ。

スロベニアは自然が多くリラックスできる国

スロベニア

国土の半分以上が森林に恵まれ豊かな自然

スロベニアの国旗にはスロベニア最高峰の山トリグラウ山が描かれているように、スロベニアは山々に囲まれた国です。都心部から30分ほど車を走らせれば緑豊かなヨーロッパの田園風景が広がります。春になると色とりどりの花が咲き、空気もきれいでとてもリラックスできます。

野生の鹿やリスにも遭遇、休日は登山やハイキングがおすすめ

街中から外れると飼育されている羊や牛、馬、野生の鹿やリスなども見かけますし、乗馬を楽しんでいる人を見かけることもあります。

休日には朝早くから登山やハイキングを楽しむ人が多く、山々から見下ろすヨーロッパの街並みはまた一段と美しく見えます。ぜひスロベニア滞在中にはハイキングにチャレンジしてみてくださいね。

スロベニアは過ごしやすい気候

スロベニア

首都リブリャナの年間気温は-3℃〜27℃で推移します。

冬は日本の東京よりも少し寒い程度

スロベニアの住宅には暖炉や温水を使ったヒーターが各部屋にあることが多いので、寒い日も問題なく乗り越えられます。山間部では雪が降り、スキーやスノーボードも人気があります。

夏の30℃超え、ほぼありません

日本と比べ湿度も低めなので、過ごしやすい日が続きます。リブリャナの街中では昼過ぎからカフェの外にあるテーブルで冷たいビールやワイン、ジェラートを楽しんでいる人をよく見かけます。

スロベニアは高校まで学費無料

学校

※スロベニアの初等教育(6歳から15歳まで)の校舎です。

サッカーコート

※初等教育の校舎の横にはサッカーコート3~4面分ほどの広さの運動グラウンドがあります。放課後はサッカーをしている子どもたちをよく見かけます。

幼児教育施設

※就学前の幼児教育施設です。

スロベニアの教育制度

スロベニアは高校まで学費が無料、大学も公立であれば無料だという点です。

スロベニアの教育は以下の期間となります。

  • 幼児教育:保育園、1歳から入学するまでの間
  • 初等教育:6歳から15歳まで
  • 中等教育・一般高等学校:15歳~19歳、1年生~4年生
  • 中等教育・専門学校:15歳~19歳、1年生~4年生
  • 中等教育・職業訓練学校:15歳~18歳、1年生~3年生
  • 大学:19歳~、1年生~3/4年生(一部学科は3年にて修了)

スロベニアでは6歳から15歳までの9年間、初等教育を受けることが義務付けられています。6歳から15歳までというと、日本でいう小学校と中学校の期間ですね。この9年間の授業料はもちろん無料です。

学校では食事も提供され、年収がスロベニアの平均年収の53%以下の場合には学校のランチが無料で提供されます。希望する子どもへの教科書の無料貸し出し制度もあります。

初等教育後の中等教育(日本でいう高校、専門学校)も授業料が無料です。

公立大学は無料で授業を受けられる

スロベニアには3つの公立大学(リブリャナ大学、マリボル大学、プリモルスカ大学)があり、公立の大学では26歳までなんと学費無料で教育が受けられます。

世界中を見ても大学の学費が無料という国は珍しいです。そのためヨーロッパの他国や学費が高い国からの留学生にも人気があります。私立の大学も日本より割安なことがほとんどです。

私の友人は私立のマリボルにあるDoba Faculty applied business and social studies(ドバ 応用ビジネスと社会学部)という大学組織に通っていたのですが、年間の授業料は1,500ユーロ(約18万円)だったと教えてくれました。日本だったらありえない安さですよね!

スロベニアは国民健康保険が充実

病院

※病院建物のエントランスです。

バイクスタイルの救急車

※日本ではあまり見かけない、バイクスタイルの救急車です。

マリボルの公立病院の案内板

※マリボルの公立病院の案内板です。

広い敷地内に15の建物があり診療科目によって分かれています。病院に訪れた際には受ける診療科目の入っている建物を確認し、その建物エントランスにある受付で症状を説明します。

スロベニアの医療費事情

スロベニアの医療制度のメリットはずばり「ほとんどの費用が国民健康保険でカバーされること」です。スロベニアでは国民健康保険の加入が義務付けられています。子どもと学生は基本的な医療費が無料となることも大きなメリットです。

医療施設は公立と私立があり,公立はほとんどの治療が国民健康保険でカバーされています。救急車の費用を含む緊急サービスはすべて無料で提供されています。

例えば交通事故で大怪我をして救急車で公立病院に運ばれた場合は治療費や入院費は全額健康保険でカバーされます。

歯科の費用負担は?

ただし、歯科サービスは通常、自己負担を伴います。緊急の場合を除いて、成人の自己負担割合は10〜60%の範囲です。

歯科サービスであっても子どもや26歳以下の学生は基本的治療を無料で受けられます。例えば日本では全額自己負担の歯列矯正、スロベニアでは子どもであれば歯の表側に器具をつけてする矯正を無料でできます。

ただし、美観を考え、歯の裏側に器具をつけて矯正する場合は、プラス分の差額を自費清算します。

慣れるまでの注意点

一点、注意が必要な点は、緊急ではなく公立病院を利用する場合、公立病院は患者が多く混みあっていますので場合によっては私立病院を利用したほうがいいかもしれません。私立病院の費用は国民健康保険ではカバーされませんが、病院の環境はよく,待ち時間も少ないです。

日本ではあまりなじみがないこの医療制度ですが、スロベニア人は公立病院と私立病院をうまく使い分けていると感じます。スロベニア人は症状と緊急性とお財布事情によってどの病院に行くか判断しています。

例えばこんな話をスロベニア人の義父から聞きました。虫歯になり歯科医院を訪れた際、削った歯に詰め物をすることになり「白い詰め物なら80ユーロ(約9,500円)かかるがグレーの詰め物なら健康保険で全額カバーされますがどちらがいいですか?」と医者に聞かれたそうです。

また、スロベニア人の友人の話では若いころに、歯の治療で麻酔をするなら20ユーロ(約2,400円)かかると言われ、節約のため麻酔をしなかったこともあるそうです。

日本人だと最初はこの医療制度に戸惑うかもしれませんが、迷ったときはまず公立病院に行って確認することをお勧めします。

航空券も安く購入可能

スロベニア

現在日本からの直行便は運航していませんが、リブリャナ市内からバスで4時間の隣国オーストリアのウィーンから羽田空港へはANAの直行便が運航しています。また、リブリャナ国際空港発着のモスクワやイスタンブールでの乗り継ぎ便の本数も多く、航空券も安く購入できます。

訪れるたびに住むにつれ新たな魅力がみつかるスロベニア、旅先そして移住先におすすめです。

スロベニア移住のデメリット3つ

言語

道路標識

スロベニア人の多くが多言語を話せる

もちろん移住にはメリットばかりではありません。ここからは実際にスロベニアに滞在して感じたデメリットについてご紹介します。

日本人からするともちろん言葉の壁が移住の一つ目の難関となります。スロベニアはスロベニア語が公用語です。

ただし、国民のほとんどが英語かドイツ語かイタリア語を話せます。その理由はスロベニアが小さい国であることと隣国にイタリア、オーストリア(ドイツ語)があることです。

生活のなかで自然と目にする外国語

日本は島国なので普段の生活で外国との交流はあまりありませんが、陸続き、EU圏であるスロベニアは日々生活のなかで隣国との関わりを感じます

例えば、スロベニアに住んでいてイタリアやオーストリアの会社で働いている人も多くいますし、スーパーマーケットにはドイツ語やイタリア語で表記されたパッケージがよく並んでいます。

また、NETFLIXで映画を観ようと思ったときにスロベニア語の字幕がある映画はありません。スロベニアが小さな国であるゆえに、スロベニア語の字幕の需要が圧倒的に少ないのです。よっぽど有名な映画でないとスロベニアの字幕は付きません。

私の旦那はネイティブスピーカーレベルの英語と日常会話レベルのドイツ語を話しますが、2か国語、3か国語を話す人はスロベニアでは珍しくないのです。

「どうやって完璧な英語を習得したの?」と聞いたら、「小さいころに観たアニメが英語だったから」「学校で勉強しているときに調べ物をしていて、インターネットや本などの必要な情報は英語でしかなかったから」と言ってました。

日本では当たり前のように日本語翻訳された洋画や本があり不自由なく生活できますが、スロベニアではスロベニア語以外の言葉を覚えないと生活が不便なんです。

今回はデメリットとして言語を挙げましたがもしも英語さえ喋れることができれば、スロベニアで生活していてほとんど困ることはありません。

また、住む地域によって、例えばイタリアが近い沿岸部はイタリア語、オーストリアに近いマリボルだったらドイツ語を喋れるとさらに便利だと思います。

移住するうえで、まずは英語の習得をおすすめします。

車社会

駐車場

スロベニアは車社会

スロベニアは車社会です。埼玉生まれ東京育ちの私がスロベニアで生活しているときに恋しくなるものの一つが「車がなくても大抵のところへ行けること」です。

例えば家から離れた街の中心地で友達とお酒を飲むとき、東京であれば気にするのは終電の時間ですがスロベニアの場合は前もって誰かに迎えに来てくれるように頼んでおかなければなりません。

私の住んでいるマリボルから車で20分の町へは唯一の交通機関、バスがあるのですが、そのバスは日曜日は運行していませんし、平日も22時で終わってしまいます。

平日の通学時間をのぞき基本的には2時間に1本のスケジュールです。日中もバスを使っている人は学生くらいなもので移動手段としては自家用車が必須です。

首都のリブリャナやマリボルではUberの配車サービスとタクシーもありますが台数は多くありません。

主要都市を結ぶ鉄道はありますが、こちらも本数が少なく、基本的に車で移動したほうが早く時間的にも正確なため電車を利用する人はほとんどいません。スロベニアで満員電車を見かけることはないといっても過言ではありません。

日本と違う交通ルール

スロベニアは日本と反対の右車線左ハンドルです。また、オートマチック車よりもマニュアル車のほうが主流です。

交通ルールにも違いがあります。ラウンドアバウトという信号のない円形交差点、ヨーロッパでよく採用されていますが、スロベニアでもこのラウンドアバウト形式をよく見かけます。

ラウンドアバウト

写真左側の矢印が3つの青い標識がラウンドアバウトのサインです。このラウンドアバウト、交通量が多いと、入るタイミングが難しいんです。最初のころはいつもドキドキしていました。

また、私がスロベニアで車に乗っていて驚いたことはどのドライバーも結構スピードを出すことです。高速道路の制限速度は130キロで、実際には時速130キロから150キロ程度で運転している人がほとんどです。

さすがに街中の一般道ではスピードを落として運転していますが、郊外の一般道、住宅地では50キロ、住宅地の外(周辺が森や畑など)では90キロが制限速度です。

日本人の私からするとヒヤッとすることも多々あります。これも慣れるまで時間がかかるでしょう。

規模の小ささ

建物

スロベニアの人付き合い

スロベニアは日本の四国程度の大きさの小国です。スロベニアでは「友達の友達の友達は友達」だと、先日友人が話していました。友達を3人たどっていくと自分の友達に行き当たるという、それだけ生活規模が狭いということを表しています。

例えば最近こんなことがありました。家の近所を散歩していた時、スロベニア人の旦那が「ここは僕の親友の家だよ」と言いました。そこから5分ほど歩いたところでまた一軒の家を指さし、「ここの家はさっきの親友の異母兄弟が住んでいる家だよ」と言うのです!

旦那の親友の立場からするとこんな近い距離で、「自分のお父さんが再婚相手家族と暮らしている」なんて、なんともスロベニアらしいと感じました。日本ではなかなか聞かない話ですよね。

私の家では犬を飼っているので毎日散歩をするのですが、旦那は毎回すれ違う人ほとんどと言葉を交わしています。また、直接の関わりは無くても、大体どこのだれか知っているそうです。

日本人の私からすると、正直毎回面倒くさそうだなと思ってしまいます。

スロベニアの経済規模

ほかにも規模の小ささを感じた点はスロベニアにある会社の規模です。例えばスロベニア全土にある大手スーパーマーケットメルカトル(Mercator)の従業員数は約8,600人です。スロベニアで成功している有名な製薬会社のケルカ(KRKA)の従業員数は約2,500人です。

日本には従業員が1万人を超える大手企業が数多くありますが、私が知り合いに聞いて調べた限り、スロベニアにはそこまで大きな会社はありません

もちろん人口が違いますので必然的ではありますがこのような数字を見ても社会規模の小ささを感じます。

まとめ~良い意味でも悪い意味でも日本と違うスロベニア

移住しようかなと考えたときに知っておいたほうがいいメリットとデメリットを挙げましたが、何事も実際に体験してみないとわかりませんよね。私が初めてスロベニアを訪れたときは、スロベニアについてほとんど何も知らなかったので日々の生活の中で新しい発見がいくつもありました

もちろん移住するのはいいことばかりではないです。私もふとした瞬間に日本に帰りたいな、とぼんやり思います。ただ、スロベニアに滞在しているうえで日本よりいいと思うこともたくさんあるので次の日にはケロッと忘れて、日々の生活を楽しんでます。

スロベニア移住の一番のメリットは言うまでもなく「日本ではできない体験ができる」ことです。ぜひ前向きに移住を検討してみてくださいね。

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記事を書いた人

旅行が趣味で学生時代からお金が貯まれば海外旅行をしてきました。スロベニア人と国際結婚し、東京とスロベニアを行き来する生活をしてます。お気に入りの国はスロベニアとマルタ共和国とタイです。

ヨーロッパ移住
Guanxi Times [海外転職]