働かざるもの踊るなかれ?ポルトガル伝説の野外フェスティバル、BOOMで働いて来ました!

フェスティバルのドラゴン ポルトガル生活・移住

ヨーロッパ人の夏のはしゃぎようには目を見張るものがあります。童心に返って、とはまさにこの事!各地で行われる音楽の野外フェスティバルは4日連続はあたりまえ、中には2週間ほど続くものさえあります。

民族音楽、ロック、テクノ、ミニマルと音楽のジャンルは様々です。上手に予定を組めば2週間の滞在で4つのフェスティバルに参加する事もできるほど、夏のヨーロッパは大騒ぎ!

しかし、ヨーロッパのフェスティバル内は飲食ともに物価も高く、入場料や移動費と加算すると高額になります。参加してみたいイベントが立て続きに開催されるこの時期ですが、遊んでばかりはいられません。

といってもせっかくの夏を満喫しないと、どんよりとした冬がまた来てしまいます!

この記事では、ポルトガルの小さな町、イダーニャ・ア・ノーヴァ(Idanha-a-Nova)の湖畔にて2年おきに開催されるブームフェスティバル(Boom Festival)での仕事についてリポートします。

ブームフェスティバル(Boom Festival)とは

BOOM FESTIVAL

夏の満月の日をはさんで開催される10日間の野外フェスティバルで、4万人を超える入場者が世界中から集まります。

もともとはサイケデリック・トランスというジャンルの音楽が主流でしたが、参加人数が増えるにつれてフロアの数も増えました。

現在は、

  • ライブミュージックステージの Sacred Fire
  • アンビエントミュージックの Chill out garden
  • ミニマル、テクノなどクラブ音楽をかける Alchemy circle

があり、他にも

  • 数々のワークショップが行われる Liminal Village
  • エコロジー技術を紹介する Eco Tech Hub
  • 充実したキッズエリア
  • ヨガや瞑想、世界各地のヒーリングを施術してもらえる Being Field

などなど、10日間じゃ回りきれないプログラムが用意されています。

レストランやカフェ、洋服、雑貨、キャンプ用品を揃えたお店、そしてATMやスーパーマーケットまであり、10日間の野外フェスティバル生活が快適に送れるようになっています。

それではここから、私が実際に働いた際の仕事について詳しくご紹介します。

  1. どんな仕事なの?
  2. 働いている日本人はどれくらいいるの?
  3. 一日のタイムテーブル。タフなフェスティバル・ワーカー!
  4. 気になる収入は…..
  5. BOOM FESTIVALで働くには
  6. そして縁は続く

ブームフェスティバルはどんな仕事なの?

荒野開拓

野外フェスティバル設営の仕事は荒野開拓です。2012年の私の仕事の役割を一言でまとめるなら「自然を都会の人が楽しめる様に手入れする」ことでした。

開催2ヶ月程前に現地に入り、とりあえず唖然とするところから始まります。

サソリもいるし、50cmくらいのイグアナみたいなのもいるし、食べかけのスイカを地面に置いて振り返るとアリの大群で真っ黒になっているし、どうしよう…え?大丈夫なの?と思いながらも満天の星空を眺め「よし、どうにかしよう」と仲間達と士気を上げていきます。

なにせ野外フェスティバルが大好きな人達が集まっていますから、虫や珍獣遭遇ハプニングも大丈夫!

フェスティバル会場に着いて「自然満喫!」とばかりにサンダルでみんな歩きまわっていますが、刺草を刈ったり通路の石をよけたりというのも大事な仕事です。到着当時の荒野をサンダルで歩き回ったら流血確定でしょう。

他の仕事は?

フェスティバルのお仕事は勿論現場仕事だけではありません。ウェブサイト管理のITチームは開催年以外も働いていますし、各エリアも企画を決定するのは開催日より半年以上前です。

野外フェスティバルに10日間も?と驚く人もいるでしょうが、たった10日間のためにこんなにたくさんの人が年がら年中働いているのかと思うとびっくりです。

アーティストや企画参加者も世界中から集まりますから、質問や業務メールは24時間ひっきりなしに来ます。

芸ができても言語は苦手、というアーティストとのメールのやりとりに疲れ、朝食で一緒だった事務職の子が昼食であり得ない程やつれているなんて事もザラです。室内業務を避けて就いた仕事ですから、私はさっとサソリ側の仕事の話にもどります。

ブームフェスティバルで働いている日本人はどれくらいいるの?

働く女性

2012年では、おおよそ1ヶ月前から現地入りしていた100人あまりのメンバーの中で、日本人は私を含めて2人でした。

ワーカーの多くはポルトガル人ですが、ヨーロッパ各国や北米、ブラジル、南米、オーストラリアと、とにかく世界各国の人達が働いています

アーティストとして招待される日本人DJ、バンドも多くいました!もちろん演奏を見に行きました!ポルトガルの太陽のおかげで真っ黒に日焼けしていたため、日本人と気付いてもらえたかはわかりませんが….

日本からのアーティストに大歓喜!

ステージ

2012年、荒野に手こずり仕事がなかなか進まないながらも事務所に向かいました。いいえ、決して涼みに行ったわけではありません!気温が40度超えでどうにもならなかったからではありません!

日本の和太鼓グループ、GOCOOの出演が決まったと聞いたからです!嬉しい事に、チルアウト・ガーデンには日本を代表するアンビエント・ミュージック・クリエーターHATAKENさんも出演が確定していました。

もう一人の出演確定アーティストは、ヨガやレイキをマスターし、パーティーのオーガナイズもする、世界各国のイベントに呼ばれるチルアウトDJ Yumiiさん。

そしてこのDJ Yumiiちゃん、何足目のわらじでしょうか、荒野開拓も一緒にしてくれました。センスがいい人と一緒に仕事ができると力仕事も楽しくなります。

一日のタイムテーブル。タフなフェスティバル・ワーカー!

飾りの石

私の日程表はだいたい

  • 5時頃起床

→身支度、余裕があれば少し仕事

  • 6時朝食
  • 仕事(好きな時に休憩。なるべく水分を取る)
  • 11時30分昼食からのシエスタ(昼寝)

→洗濯をすませたり、湖で泳いだり

  • 2時頃、日陰でできる細かい作業優先からフェイドインで仕事
  • 6〜8時には夕食に向かう
  • シャワー、歓談、就寝

という感じでした。

日中は40度近くなり、裸でいる方が暑くなるという不思議な現象が起きるくらい、いても立ってもいられなくなってしまいます。濡らした布を被っても20分も立つとからっからに乾いてしまうのを見ると、身の危険を感じる程です。

好んで選んだ外での仕事も、こうなるとお手上げです。石をひとつひとつ並べるのが大変です!フェスティバルの開催日程は一年も前から決まっていますし、せっかく頂いたお仕事ですからこなさなければいけません。

ということで太陽が昇る前から仕事に取りかかります

働くエリアによって上司がいるので、基本その上司の方針に従うことになります。ですが、さすが個人主義のヨーロッパ、結構、それぞれ勝手に自分のペースで仕事をしています。

あの人いっつも寝てるな〜というのは夜型の人だったりします。プロジェクトを見せてもらうと、終わるの?あと2週間で本当に?と疑いたくなるような仕事量を、笑顔で、ときにブチ切れながらこなしていきます。

最初は怒鳴り声が聞こえる度に動揺しましたが、そのうち「自分が怒られてるのでなければ」あんまり気にならなくなっていました。慣れってすごいですね!

ブームフェスティバルでの気になる収入は….

設置作業

3食おやつ、ドリンク付きで仕事終了後に支給されたのは2,200ユーロでした。(1ユーロ=約101円。2012年9月)。これから労働健康保険で120ユーロ引かれたのを覚えています。

2カ月間の仕事で、日曜は休日でした。当然お給料は役職によって違いますが、私の場合は1日40ユーロくらいです。

フェスティバル敷地内から出る事は滅多にないので、仕事期間中の出費はほとんどありません。当時自分のアパートは短期で人に貸していたのでどうにかなりましたが、高収入ではありませんね。

ブームフェスティバルで働くには?

ブームフェスティバル

私が2012年にこのフェスティバルで働く事ができたのは、包み隠さず言えば「コネ」です。友達伝いに話が来て、それに乗っかりました。

また、日本人がヨーロッパで働くには就労許可が必要です。フェスティバル労働者はみんなで労働保険に入るので、お金無い!飛び込みで仕事!お給料!と、とんとん拍子には行きません。

ポルトガルはワーキングホリデー協定国ですので、ワーキングホリデービザで働くのも一つの手ですね。しかし、1年のワーキングホリデービザをとって就労期間が2ヶ月だとなんだかもったいないような….

BOOM FESTIVALに参加しよう!

ワーカーの中にも、本職を2ヶ月間休暇をとって、フェスティバル設営に参加している人が結構います。2ヶ月も休暇は取れない、という人は、フェスティバル期間中に「参加する」ことができます。

例えば

  • ミュージシャンとして
  • アーティストとして
  • ワークショップ開催者として
  • 技術者として

そしてビザも手続きもいらない、簡単参加は「ボランティアとして」です!長期、短期のボランティアがありますが、双方世界各国の参加者がいるので、とても貴重かつ忘れられない経験となるでしょう。

かくいう私も、2006年に初めてBOOM FESTIVALに参加した時から、10日間ただただ豪遊できるほど財力がなかったので、ワークショップ講師を無料で引き受ける代わりにチケット、食事を提供してもらいました。

そして縁は続く

作業

夏の設営作業

2ヶ月という超短期の仕事でしたが、このフェスティバルの後に、嬉しい事に次々と縁が続き、夏いっぱい外業務を堪能することができました。

ドイツで自営業として主に屋内の建設現場やショップ設営をやっていたので、夏のポルトガルでの外仕事はとても楽しくやみつきになるものでした。

基本情報

  • 名称:Boom Festival
  • 住所:Idanha-a-Nova Portugal
  • アクセス:リスボンよりバスで
  • 開催日程:2018年の開催は7月22日〜 29日まで
  • 公式サイト:https://www.boomfestival.org/boom2018/

まとめ

外国語で仕事を全うできるのか?という不安に似た気持ちはぼんやりとありますよね。

英語の語学留学を終えてちょっと自信がついたと思ったのに、仕事仲間の母国語はポルトガル語とドイツ語です。ある同僚はイタリア語とフランス語とスペイン語ならいけるんだけど、と申し訳なさそうにしていました。

そうなると逆に吹っ切れてしまうものです。

語学が苦手だから、と億劫にならず、とりあえず飛び込んでみるのもいいのではないでしょうか!

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