一度は外資系企業で働いてみたいという方も多いと思いますが、外資系企業は国内企業とは違うところがけっこうあります。
国内企業であれば同じ日本人同士、なんとなくわかりあえる部分もあるのですが、ボスが外国人だったりすると日本人同士のあうんの呼吸というものは伝わりません。
また、外資系企業は本国の方法論を日本で体現しようとするため、日本の商習慣とかなり違った部分も出てきます。ですから、日本人的発想にこだわる人にはなじめないところもあります。
今回は外資系企業に向いてない人はどんな人なのかを解説していきます。
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年令、性別、年功序列にこだわる人
まず、年齢の上下や年功序列にこだわる人は外資系に向いていません。外資系企業は中途採用が多く、日本のように年功序列ということがありません。
また、入社した年度も関係ありません。早く入社したから偉いということはないのです。社歴ではなく、どのポジションで採用されたかが基準になります。
また、年下の上司がいたりすることも当たり前ですし、本国から来た社長や部長が30代などということもめずらしくありません。また、外資系では女性のマネージャーも大勢活躍しています。
年下に指図されたり、タメ口をきかれたりするのに抵抗がある人、また女性上司はどうも苦手という男性は外資系企業を避けた方が無難です。
終身雇用や安定を求める人
「定年まで同じ会社で働きたい」「安定した企業で長く勤めたい」というのは会社員なら誰でも思うことですが、その願望が強い方には外資系はおすすめできません。
はっきり言ってしまうと「俺たちに明日はない」くらいの覚悟が外資系には必要です。知名度のある大手外資系であってもリスクはあります。
例えばいろいろな事業をやっている企業であっても、その事業が不振になれば事業撤退、事業部閉鎖というのは当たり前のことですし、企業ごと日本撤退してしまう、あるいは買収、合併されてしまうということもあります。業績不振になった場合はリストラも当然のように行われます。
また、外資系では会社にぶら下がっていたり、こっそりと目立たないように生きていくということが難しいです。あまり実績が出ない場合は指名でのリストラもあります。
外資系企業は比較的給料が高いと言われることがありますが、明日の保証がない分、日銭を多くもらっているという考え方をした方がいいでしょう。
なるべく目立たず穏便にサラリーマンをしたい方は、外資系ではなくのんびりした国内企業をおすすめします。
自己主張の弱い人、はっきりモノが言えない人
生まれついての性格ももちろんありますが、引っ込み思案で自己主張をするのはちょっと苦手という人には外資系は向いていません。
「私が」、「この仕事を」、「成功させました」というように、外資系企業では自分がやった仕事をきちんとアピールしなければやっていけません。
これ見よがしに「俺が俺が」という姿勢でいなければならないというではありませんが、自己アピールができる人の方が外資系には向いています。
また、基本的に外資系には「No」という回答はありませんが、「この状況ではできません。がこうすればできます」というようにきちんと状況を説明することが大切になります。はっきりとモノが言えない人は外資系に転職しても苦労するでしょう。
基本的に日本人以外は「察する」ということがありません。生まれも国籍も母国語も違った環境ではなんとなく通じるということはないのです。遠回しな表現や婉曲表現も理解されにくいです。
外国人ボスの前でしどろもどろになっていたら「何を言っているのかわからない使えない奴」という烙印を押されるだけです。
結果よりも努力を評価されたい人
「一所懸命に働いている」「サービス残業も厭わない」のは会社員としては評価されるべきなのですが、それだけが売りの人は外資系企業では厳しいでしょう。
外資系で評価されるのは真面目な姿勢でも労働時間の長さでもなく、「結果」です。人知れず地道に努力しても結果が出なければ評価の対象になりません。
明確なジョブディスクリプション(職務内容や目標)があって、それに対してどのくらい達成したかが評価になるのです。そしてジョブディスクリプションの中に「真面目」とか「努力した」「長時間働いた」という項目はないのです。
臨機応変に対応するのが苦手な人
外資系の方針は「朝令暮改」という言葉がぴったりです。よく言うと臨機応変なのですが、とにかくコロコロと方針が変わります。結果を出すために試行錯誤を重ね、ある戦略で結果が出ないとわかればすぐに別の戦略に転換して結果を求めていきます。
特にボスが替わった時などは180度方向転換したりします。例えばそれまで「取扱店を20,000店まで増やす」という拡大戦略を取っていたのに、ボスが替わったとたんに「取扱店を2,000店に減らして少数精鋭にする」という全く逆の戦略になったりします。
そして「以前のボスの時にはこうだった」などということは許されません。ボスの命令は絶対なのです。それに従うしかありません。
ですから、前のやり方にこだわってしまったり、柔軟に対応するのが苦手な方には外資系は向いていません。昨日までと180度違う方針を当たり前のように実行し、クライアントにも今までと全く違った説明をしなければならないのです。
メンタルもけっこうタフでないと生き残っていけないことが多いです。
外資ではタフでなければ生きていけない 結果を出せなければ生きていく資格がないといったところでしょうか。
ジェネラリストを目指している人
いろんな職種の仕事を経験して、総合的になんでもできるジェネラリストになりたい、という方は外資系は避けた方がいいでしょう。
大手国内企業であれば、営業部→マーケティング部→転勤して管理職→人事部など、職種や部署をいろいろ経験してジェネラリストとして出世していくというパターンがありますが、外資の場合はジェネラリストよりもスペシャリストが求められます。
外資系企業の場合は、どんな仕事をするかが明確に決められており、部署の境界線も比較的はっきりしています。ですから「何でもできます」というタイプよりも「私はこの仕事のスペシャリストです」と明確に言える人や専門性の高い仕事を突きつめたい人に向いています。
家庭的な仲のいい会社の雰囲気を求める人
外資系企業の社員はみんな仲が悪くてギスギスしているというわけではありません。ですが国内企業に比べて社員同士の関係性は希薄です。
社員を家族に見立てて仲良くしようというようなドメスティックな考え方はまずありませんので、社内運動会や社員旅行などはないことが普通です。もちろん個人的に仲が良くなるのは自由ですが、組織としてコミュニケーションをとるために何かをするということは少ないです。
日本特有の家庭的な仲の良さを強いられることが苦手という人には、逆に向いているかもしれません。
まとめ
ちょっと厳しいことを書いてきましたが、「終身雇用は期待できない」「リストラは日常茶飯事」「日本撤退の可能性は常にある」「戦略は朝令暮改」というのは事実なんです。中には安定した外資系もあるかもしれませんが、多かれ少なかれこの要素を含んでいます。
かといって外資系企業の社員が常にリスクを背負って毎日ピリピリしているかというと、そんなことはないのです。外資系は比較的少数精鋭の人数で回していることもあり、仕事は忙しいですが、自分でグイグイと仕事をドライブしていきたい人には向いています。
ハマる人には外資系企業はやりがいがあり、実力で上がっていける職場だと思います。
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