外務省の統計※によると、海外に在留する日本人は2016年10月1日時点で133万8477人で、前年より約2万人増加したそうです。そして年々、増加傾向にあります。
この中には就職者だけでなく、学生やリタイヤ組なども含まれますが、海外に拠点を置く日本人が増えていることは事実です。
未知の土地での就職なんて想像がつかないという人や、海外は旅行で十分という人も多い中、なぜわざわざ日本を出て行く人が増えているのでしょうか?
海外移住6年目、現在は夫とともにマレーシアに住む私が考える「外国で働く日本人が増える理由」をシェアしたいと思います。
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外国で働く日本人が増える理由1. 日本では出会えない人と出会える「楽しさ」
人とのつながりは海外生活の不安を減らしてくれると同時に、日々の楽しみも増やしてくれる重要なものです。
共に働くうちに親密に
社会人が一日の中で最も長い時間を費やしているのは仕事です。1日7〜8時間、週に5日の長い時間を同僚や上司と過ごすことになります。
共に仕事をする中で、トラブルを解決したり、仕事を手伝い合ったり、プロジェクトを成功させたりと時間と経験をシェアしていると、国籍やバックボーンは違っても同士のような間柄になれる友人ができると思います。
自分の人生が彼らによって彩られ、自分も彼らの人生に何かしらの影響をもたらす、そんな関係です。
異国の地での出会いは奇跡
当然のことながら、海外で働くのならその仲間は日本で働いていたら絶対に出会えなかった人たちです。
この広い世界で同じ時代を生き、同じ時期に同じ場所で働いている同僚や先輩、しかもそれが外国人となれば、その出会いはまさに奇跡と言えるでしょう。
今の時代、友人になってしまえば、たとえ他国へ移動したり日本へ帰国したりしても、メールやSNSでいくらでもつながっていることができます。あなたの交友関係はいまやワールドワイドなのです。
外国に友人・知人がいたら、この先の未来もワクワクしませんか?友人に会いに海外旅行へ行ったり、知人を頼って新しい国で仕事を始めたり。あなたの世界は一気に広がるのです。
一緒に食べれば仲良くなれる
「私は人見知りだからな……」と不安に思っている方。同僚との距離を縮めるために私がおすすめするのは一緒にランチへ行くことです。
「同じ釜の飯を食う」のは本当に大切な行為で、人間関係を築くのに最適な方法だと思います。
外国で働く日本人が増える理由2. 語学力が上達する「喜び」
海外に友人・知人ができると世界が広がる!と述べましたが、コミュニケーションを取るには少なからず、相手と共有できる言語が必要ですよね。
世界的な共通語の代表といえば英語なので、英語を例にして話を進めていきます。
勉強しても話せない日本人
多くの日本人は中学校・高等学校の6年間、英語を勉強します。今は小学校から英語の授業があるのに加え、人によっては大学でも英語を学んでいるでしょう。
それだけの英語教育を受けている日本人ですが、みなさん、英語は話せますか?
マレーシアに住む私は、よくGrab(配車サービス)の運転手に「日本人だと思わなかった。だって日本人は英語を話せない人が多いけど、あなたは話せるから」と言われます。ちなみに私の英語力は日常会話程度です。
つまり、「日本人=英語が得意ではない」というイメージなのです。
上達しない原因は環境と国民性
実際、日本人は英語に抵抗がある人が多いと思います。というより、どれだけ英語を勉強しても日本に住んでいる以上、日常で使うことがほとんどないので上達するわけがありません。
日本人が英語ができないのは、努力が足りないのではなくて、環境のせいだと私は思うのです。その上、シャイな国民性が手伝って、どうしても英会話に対して消極的になってしまう傾向にあります。
海外で生活してみて、日本人は不利だな、もったいないな、と強く思うようになりました。
海外で生活するのがベスト
英語に限らず語学を上達させたいのなら、一番はその言葉が話されている国に行くことではないでしょうか。つまり、その言語を使わざるを得ない環境に身を置くということです。
最初は大変かもしれません。しかし、あきらめなければ、日本で勉強するよりずっとずっと早く上達する!と言い切ることができます。
聞き取れなかった会話が聞き取れるようになった、気付いたら詰まることなくスムーズに主張ができていたなど、上達の喜びを感じることができたらこっちのものです。喜びはさらなる努力の糧になりますから。
外国で働く日本人が増える理由3. 異文化に触れ、分かち合う「豊かさ」
海外生活の醍醐味のひとつが、異文化に触れることでしょう。カルチャーショックなんて言葉がありますが、日本では体験できない文化が海外にはあります。
マレーシアで働いて体験する異文化
有給の病気休暇
マレーシアの一般的な職場環境で見られる文化のひとつは、病気休暇というもの。
具合が悪い時に、MC(Medical Certificate)という医療機関発行の診断書をもらってくれば、有給でお休みを取ることができます(年次有給休暇とは別にです)。
会社にもよりますが、年間12〜18日程度ある場合が多いようです。
ムスリムに配慮した休憩時間
マレーシアはイスラム教徒の国ですが、毎週金曜の午後は特別なお祈りがあるので、会社によってはランチタイムが長く設けてあったり、礼拝に行く人は長い休憩時間をもらえたりする場合もあります。
有休は当然の権利
また、有給休暇はしっかり消化する傾向にあります。
日本では、権利はあるものの、職場の環境によって取りにくいなんて人も多いと思いますが、ここマレーシアでは有給休暇は当然の権利として消化し、国内や近隣諸国への旅行を楽しんでいる人がたくさんいます。
お互いに尊重し合う関係
マレーシアにいて最も興味深く、また素晴らしいなと思うのは、文化の共存です。
マレーシアには大きく分けて、マレー系(イスラム教)、中華系(仏教)、インド系(ヒンドゥー教)の国民がいます。
国教はイスラム教ですが、中華系のお正月である旧正月も国民の祝日となっている上、インド系のお正月ディパバリもお休みです。もちろん、イスラム教徒にとってのビッグイベントである断食後のお祝いハリラヤも祝日となります。
それぞれの宗教と文化が尊重され、共存しているので、ひとつの国にいながら多文化に触れられることにとても豊かさを感じます。
異文化体験は将来の日本でも役に立つ
日本は少子高齢化が進み、一部の予想では2025年には65歳以上の高齢者が全人口の30%を超えるとされています。およそ3人に1人が65歳以上ということです。
そんな日本の経済を支えていくには、外国人労働者の受け入れを増やす必要があるでしょう。現に今年2018年2月、安倍政権は外国人労働者受け入れ拡大の検討を始めました。
日本で生活するにしろ、今後、外国人との共存は必須になってくると予想できます。
実際、ここ数年で外国人労働者が増え、農業現場や工場だけでなくコンビニや居酒屋などで働く外国人をたくさん見かけるようになりました。
日本人と外国人、両方を支える存在に
今後も増え続ける外国人労働者との共存に、海外就職の経験が必ず役に立つと私は考えます。
外国人に慣れていない日本人に対して何かしら新しい提案もできるでしょうし、異国で働く大変さを知る存在として外国人労働者の助けにもなれるでしょう。
人によっては、未来の日本を危惧し、拠点を海外に移すことを考える方も増えると思います。選択は人それぞれですが、どんな選択をしてもこれからの時代、海外での経験はプラスでしかないと思うのです。
外国で働く日本人が増える理由4. 日本の素晴らしさを再認識して得る「誇り」
私が海外移住を決めた理由は色々あるのですが、ひとつのきっかけは2011年3月に起きた東日本大震災でした。安心した日常生活が送れない日々が続き、余震や原発の問題、政府の対応……様々な面で不安を感じました。
と同時に、「人生いつ何が起きるか分からない。やりたいことをやらなきゃ」と自分の人生を見つめ直すことになったのです。
夫とともに日本を飛び出し、海外暮らしを始めるまでは、生活の不安や閉塞感、疑心など、日本のマイナス面ばかりが目につきました。しかし、実際に海外での生活を始めると、日本の素晴らしさを再認識することになります。
日本の常識は海外では非常識
サービスの素晴らしさ、真面目で勤勉な国民性、察しようとする心、街の綺麗さ、清潔さ、正確さなどにおいては、世界のどこよりも日本が優れています。
日本で当たり前のことは、海外では当たり前ではないのです。
良いイメージをつくってきた先代の日本人
マレーシアに来て、日本人であること、また先代の日本人を誇りに思うことがあります。例えば部屋を借りる時です。
日本人は部屋を綺麗に使う、遅れずに家賃の支払いをする、退去時も綺麗に片付けるなど、オーナーからすると優良借り主なのだそうです。
あくまでも一般的な話ではありますが、これまでマレーシアで生活してきた日本人がそのようにしてきたという実績があるが故です。
遅れても連絡しないマレーシアスタイル
また、「マレーシアあるある」ですが、業者に修理などを頼んでも、時間通りに来ない、連絡もないということがあります。きっと日本だったら時間通りに来るか、遅れるにしても連絡があるでしょう。
「遅れるなら連絡の1本くらいよこせ!」とイライラします。予定が詰まっていたら尚更です。
でも、「ここはマレーシア。マレーシアタイムで動いているんだ」と自分に言い聞かせて、期待せずに気長に待つしかありません。
自分が育ってきた文化を実感
これらはほんの一例ですが、日本の素晴らしさ、日本人への感謝、日本人であることへの誇りを再確認できるのも海外生活ならではだと思います。それは自分自身のアイデンティティ形成に大きく関係するものです。
外国で働く日本人が増える理由5. 挑戦した自分への「自信と期待感」
海外就職、海外移住というと聞こえは良いですが、現実には「海外生活を続けること」はそう簡単ではありません。
実際に海外で働き暮らし始めると、色々な困難に出会います。言葉や仕事はもちろん、人間関係、住居、ビザ、食事、医療、治安など挙げればキリがありません。
想像と違った!なんてことは日常茶飯事だったりもします。
苦しい期間を過ごした私の経験
私もマレーシアに来た当初は、東南アジアの別の国からの突然の引越しで友人もおらず、金銭的にも余裕がなく、夫とともに精神的にとても参っていました。
日本に完全帰国するにもお金がかかる、友人を作るために習い事をするにもお金がかかる……。 選択肢がありませんでした。ただただ、当分はこの土地で節約しながら生活する、その一択です。
生活に慣れ、土地勘もでき、貯蓄も少しできてくると、精神的にも余裕が生まれ、この国を楽しめるようになってきました。そうこうしているうちに、もうマレーシアに来て丸3年が経ちます。
心持ち次第で状況は変えられる
海外就職、海外移住の中で、人それぞれ様々な壁にぶち当たると思います。
が、私の経験では、
「順応していくこと」「不便さすら楽しむこと」「解決しようと努力すること」「人に頼ること」「勉強すること」「思い切ってあきらめること」「頑張りすぎないこと」
で、何とかなるものだと思います。
チャレンジすることに意味がある
海外就職したものの、1年程度で日本へ帰国する人もたくさんいます。でも、それでも良いのだと私は思います。
他の国だったら上手くいったかもしれません。「気付き」もたくさんあったはずです。
何より、挑戦したことに大きな意味がありますよね。その経験が血となり肉となり、自信となっていくのだと思います。その自信は自分への、そして将来への期待につながります。
事実、今の私は、あの辛かった時期を一緒に乗り越えた夫との絆をより強く感じていて、2人でならどこでもやっていける!という自負と将来への期待があります。
まとめ~楽しい方を選ぼう!
日本にいればしなくていい苦労があるのに、なぜ私たちは海外生活を続けるのでしょうか。それはズバリ、楽しいから!移住すればその環境が日常です。毎日何かしらの発見があって刺激的だからです。
私は現在アラフォーですが、日本人の平均寿命から考えればまだ折り返し地点にも立っていません。まだまだやりたいことをできる時間が十分にあります。
人生は一度きり。もし、海外就職・海外移住に興味があるのなら、やらないで悶々とするよりやってダメならやめたら良い!と思いませんか?後悔しない人生を選択して生きましょう!
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