ヨーロッパの中心に位置し、自然豊かな国スロベニア。そんなスロベニアに実際に住みたいと思ったらどのような滞在ビザや許可が必要なのでしょうか。
スロベニアはシェンゲン協定域内。この協定域内の査証を必要としない短期滞在は「あらゆる180日の期間内で最大で90日間」とされています。
「3カ月だけではなく、もっと長く滞在したい!」「仕事や勉強をするために長く滞在したい!」。そう思ったときに必要なビザについてまとめてみたいと思います。
※1ユーロ=約118円
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スロベニアで長期滞在できるビザ
長期滞在ビザ(Dタイプ)とは?
「スロベニアに90日以上滞在したい!」と思ったら、「長期滞在ビザ(Dタイプ)」を取得する必要があります。
長期滞在ビザ(Dタイプ)は、90日から最長1年までの期間の入国および滞在の許可証です。このビザは延長できませんので、1年の期限が切れる前に再取得する必要があります。
長期滞在資格は以下の条件に当てはまる人が申し込みできます。
長期滞在資格
- a. Family reunification/スロベニア人の家族(配偶者など)
- b. Work at diplomatic representation/外交官とその家族
- c. Training courses/教育またはトレーニングへの参加者(学校へ通う場合)
- d. Economic interest/スロベニアに経済利益をもたらす方
- e. Interest of the RS in field of high education and science/研究者、高度知的労働者(大学教授など)
- f. Sport engagement – contract with legal entity in RS/スポーツ活動者(スポーツコーチ、プロのアスリートなど)
- g. Reporter or journalist accreditation/リポーターやジャーナリスト
- h. Religious or charity work/宗教活動家、慈善活動を行う人
- i. Humanitarian or serious professional or personal reasons justifying a stay in Slovenia longer than three months/人道支援を行う人やそのほかの個人的理由がある人
- j. Students’ employment – on the basis of international agreement/国際協定に基づく学生雇用者(インターンシップなど)
※参考:スロベニア外務省発行(長期滞在ビザ申請書)
スロベニアの長期滞在ビザの申請方法
長期滞在ビザ(Dタイプ)の申請場所と料金
長期滞在ビザ(Dタイプ)の申請は基本的に日本にあるスロベニア大使館で行います。申請手数料は8,910円です。海外からも申請できますが、その際には別途郵送料金がかかりますので、事前に大使館に確認しましょう。
必要書類
必要書類は以下の通りです。
- ビザD申請用紙
- パスポートのコピーと原本(入国時に残存有効期間が3カ月以上あるもの)
- 証明写真1枚(縦45ミリメートル×横35ミリメートル、6カ月以内に撮影したもの)
- 海外旅行保険加入証明書(補償金額30,000ユーロ=約354万円以上)
- 長期滞在の目的が確認できる書類(入学証明書、雇用証明書など)
- アポスティーユを使用した母国の犯罪歴のない証明書(3カ月以内のもの)
アポスティーユとは
日本の官公署、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。
今回の場合はまず、「犯罪歴のない証明書」を警視庁もしくは都道府県警察で発行してもらいます。申請の際には指紋を採取しますので、必ず本人が必要書類を持参する必要があります。
その後、「犯罪歴のない証明書」を必要書類と一緒に外務省もしくは外務省大阪分室へ郵送もしくは持参しアポスティーユを取得します。
「犯罪歴のない証明書」の発行ならびにアポスティーユの取得は無料でできますが郵送で行う場合は送料がかかります。
詳しくは以下のHPを参考にしてください。
- 警視庁:渡航証明(犯罪経歴証明書)の申請について:
- 外務省:アポスティーユ申請手続きガイド
婚姻での滞在申請には別途提出書類あり
スロベニア人と結婚し、日本とスロベニアを行き来している私もそろそろビザの申請に着手しようかなと考えています。
「Family reunification/スロベニア人の家族(配偶者)」の枠で長期滞在ビザを申請する場合、以下の書類が追加で必要です。
- 結婚を証明する書類(スロベニアの自治体発行のもの、日本の自治体のもの)
- 生活能力を示すための収入を証明するもの(少なくとも1人当たり約270ユーロ=約31,860 円)
スロベニア人と結婚した人がビザを取得する場合、申請者(日本人)とスロベニア人の配偶者が大使館にて面接を行い、婚姻関係を確認されます。
- 名称:駐日スロベニア共和国大使館
- 住所:〒107-0062 東京都港区南青山7-14-12
- アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅4番出口から徒歩12分、日赤医療センターバス停よりすぐ
- 開館時間:月曜日~木曜日10時~12時、14時~16時、金曜日10時~12時 要電話予約。日本、スロベニアの祝日に注意。
- 電話番号:03-5468-6275
- 公式サイト:http://www.tokyo.embassy.si/index.php?id=48&L=11
スロベニアで学校に通うビザの取得方法
長期滞在ビザ(Dタイプ)学生用を取得する方法
スロベニアはヨーロッパの中でも物価が安く生活費が抑えられる留学先としても人気です。おそらくスロベニアの学校に留学する方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
長期滞在ビザDタイプの「Training courses/教育またはトレーニングへの参加者」の場合、スロベニアの外国人法第20条に要件が示されています。
ビザ取得には「コースまたは他の同様の形式の教育またはトレーニングへ1カ月に少なくとも20時間の参加」が必要です。他国のビザ取得条件と比べると、必須の授業時間が「月に20時間」というハードルは低いですよね。
「手っ取り早くスロベニアに長期滞在したい!」という方は、現地の語学学校で月20時間以上勉強するコースを受けるのがお勧めです。
大学や語学学校へ通う際の必要書類は?
スロベニアの大学などの高等教育機関や語学学校に通う人は、以下の書類をそろえて出発前に日本にあるスロベニア大使館でビザを申請します。ただし滞在期間が3カ月未満の場合は、長期滞在ビザは必要ありません。
- ビザD申請用紙
- パスポート(入国時に残存有効期間が3カ月以上あるもの)
- 証明写真1枚(縦45ミリメートル×横35ミリメートル、6カ月以内に撮影したもの)
- スロべニアの教育機関からの招待状もしくは入学許可証
- 学費が支払われていることの証明書
- 奨学金または援助金があることが証明できるもの、もしくは銀行残高証明書
- 海外旅行保険加入証明書(補償金額30,000ユーロ=約354万円以上)
- スロべニア滞在時のスケジュール表(出国から帰国まで、フライトや滞在先ホテルなど)
- アポスティーユを使用した母国の犯罪歴のない証明書(3カ月以内のもの)
スロベニア到着後にすることは?
個人で訪れ、3カ月以上滞在する人はスロベニアに着いて3日以内に管轄する地方行政局(Upravna Enota)に行き居住許可(Residence Permit)を申請します。このとき大学の寮に滞在する場合は必要ありません。
申請に必要なものは以下の通りです。
- パスポートとビザのコピー(パスポートの原本も確認のために必要なので持っていくこと)
- 滞在先を確認できるもの(大家さんの署名をもらった申請用紙や賃貸借契約書のコピー)
- 入学が確認できる書類(入学許可書など)
- 海外旅行保険加入証明書(補償金額30,000ユーロ=約354万円以上)
- 証明写真1枚(縦45ミリメートル×横35ミリメートル、6カ月以内に撮影したもの)
- アポスティーユを使用した母国の犯罪歴のない証明書(3カ月以内のもの)
証明書類はスロベニア語に翻訳され、公証人によって翻訳が認定されている必要がありますので注意しましょう。申請が通ると、カード形式の滞在許可証を受け取ることができます。
また、到着後3カ月を経過する前に在留届を首都リブリャナにある日本大使館へ提出しましょう。
- 名称:在スロベニア日本国大使館
- 住所:Trg republike 3/XI, 1000, Ljubljana (ビルの11階)
- 開館時間:月曜日~金曜日 9時~12時30分、13時30分~16時30分。日本、スロベニアの祝日に注意。
- 電話番号:+386-1-200 8281または8282
- 公式サイト: https://www.si.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
スロベニアで働くためには?
スロベニアの労働許可
スロベニアで働きたい場合、労働許可(Work Permit)を取得する必要があります。
労働許可はご自身が日本にあるスロベニア大使館で申請するか、スロベニアの企業がスロベニアの行政に申請します。どちらも本人が大使館へ行き、指紋を提出します。申請が通ったら大使館でカードタイプの労働許可書と居住許可証を受け取ります。
労働許可を申請するための条件
外国人の雇用を希望する会社は、外国人の労働許可(Work Permit)を申請するために、次のいずれかの条件を満たす必要があります。
- A. 受け入れる会社が会社登録をしてから6カ月以内に、50,000ユーロ(約590万円)以上を固定資産に投資していること
- B. 許可を申請する前の過去6カ月間に、少なくとも1人が会社で雇用されていること
- C. 許可を申請する前の過去6カ月間、毎月少なくとも10,000ユーロ(約118万円)の売上高があること
- D. 受け入れる人材が大学の学位を取得していれば、上記の条件を満たさなくても就労許可を取得できる
必要な書類と申し込み方法
スロベニアでの労働許可(Work Permit)の申請に必要な書類は以下の通りです。
- 有効なパスポート(3カ月の予定滞在期間を超える有効期限)
- 本人の写真と指紋(申請時に撮影)
- 海外旅行保険加入証明書(補償金額30,000ユーロ=約354万円以上)
- アポスティーユを使用した母国の犯罪歴のない証明書(3カ月以内のもの)
- 自身の生活能力を示すための銀行の残高証明書等
日本にあるスロベニア大使館に提出すると申請書類はスロベニア本国に送られ、検討されます。すべての条件が満たされると、スロベニア政府が労働許可証と居住許可証を発行します。それらを日本にあるスロベニア大使館に送り返し、日本出発前に大使館で本人が受け取ります。
申請時に本人ではなく雇用主が直接スロベニア政府に書類を送ることもできます。が、どちらにしても本人が大使館へ行き、指紋を提出する必要があります。申請には1~3カ月かかります。
スロベニア長期滞在ビザ、滞在許可取得のその後は?
滞在ビザ、居住許可の延長
滞在許可延長手続きは延長期限前日までに申請する必要があります。申請してから許可まで時間がかかりますので、期限の2カ月前までには申請を始めることをお勧めします。
許可の延長は、滞在地の地方行政局(Upravna Enota)にて申請します。必要書類は基本的に最初に提出したものと同じです。期限が切れているものは最新の書類をそろえましょう。
必要書類のうち、アポスティーユを使用した母国の犯罪歴のない証明書(3カ月以内のもの)はリブリャナにある日本大使館を通じて取得が可能です。取得まで時間がかかりますので、注意が必要です。
永住許可
スロベニアでの5年間の継続的な法的居住後、無期限に有効な永住許可を取得できます。これは居住許可の発行または更新の申請で提出した書類やパスポートなどに基づいて評価されます。
申請の検討および永住許可の発行は、個人が居住する地域の行政が権限を持っています。永住許可証が発行された個人は、許可を受けた後8日以内に居住地域の行政に住所を登録する必要があります。
まとめ~スロベニアで長期滞在ビザ取得は難しくない!
長期滞在ビザを取得するのに、スロベニア語の能力や歴史、文化の理解は問われません。これは長期滞在を目指す人にとっては利点ではないでしょうか?
私はスロベニア人と結婚したので、外国人が日本政府発行の配偶者ビザや永住権を取得する方法も調べました。が、それに比べて日本人がスロベニア政府発行のビザを取得するほうが手続きや書類の準備が簡単でした。
美しいスロベニアでの心躍る新生活をスタートするために、最新情報をチェックしながら余裕をもって申請してくださいね。
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