海外で人事職に就くことは、世界を見渡す機会や異文化に触れる機会があり、多くの人にとって魅力的な仕事の一つです。しかし、海外での就業には日本国内で働く場合とは異なるルールや文化があります。
今回は、海外で人事職として働くために必要なスキルや、需要が高い国や給与相場などについて詳しく解説します。
さらに、現地採用や駐在員として働く方法や、海外で働く際の注意点についても触れていきます。海外で人事職に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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海外での人事の仕事とは
仕事内容
海外の人事とは、企業の人材採用、雇用条件や労働法令に関するアドバイス、組織文化の構築、トレーニングプログラムの開発など、企業内の人事に関する業務を担当する職種です。また、多文化環境下での人事業務も重要な役割を担っています。
海外の人事に求められるスキルとしては
- ビジネスに関する知識や法律に関する知識
- 交渉力やコミュニケーション能力
- グローバルな視野を持ったマインドセット
が挙げられます。
例えば、グローバル企業での人事担当者は、異なる国や文化背景を持つ人々のニーズを理解し、それに応じた採用プロセスやトレーニングプログラムを開発する必要があります。
また、異なる国の法律や規制について知識を持ち、それらに従って業務を遂行する必要があります。
総じて言えるのは、海外の人事は多岐にわたる業務を担当し、グローバルな視点と専門知識が求められる職種であるということです。
海外で人事職として転職しやすい国
海外で人事職の需要が多い国
- アメリカ
- イギリス
- シンガポール
- インド
- オーストラリア
アメリカ
アメリカは、多国籍企業が多数存在する国であり、大企業からスタートアップまで、様々な規模の企業において人事担当者が必要とされています。また、アメリカでは、労働法や雇用規則が複雑であり、人事に対する法的知識やスキルが求められます。
イギリス
イギリスは、欧州最大のビジネス中心地の一つであり、多数の国際的な企業が拠点を置いています。英国においては、EUとの関係やBrexitなどの政治的な問題により、人事業務に対するニーズが高まっています。
シンガポール
シンガポールは、アジア太平洋地域において、金融やビジネスの中心地として注目されています。人口が少ないため、外国人の労働力が重要な役割を担っています。多国籍企業が多く進出しており、人事の専門家が必要とされます。
インド
インドは、人口が多く、IT産業が盛んな国です。多くの企業がグローバルに展開しており、人事担当者が必要とされています。また、労働法規制の変更や人事政策の最適化に対する需要が高まっています。
オーストラリア
オーストラリアは、アジア太平洋地域に位置するグローバルビジネスの中心地であり、労働市場も拡大しています。人口が多様で、移民が多いため、人事担当者には多文化マネジメントや異文化コミュニケーション能力が求められます。
海外で人事として転職するメリット・デメリット
海外で人事として働くメリット
- メリット1.グローバルな視野が広がる
- メリット2.語学力が向上する
- メリット3.キャリアアップのチャンス
メリット1.グローバルな視野が広がる
海外で人事職として働くことで、多様な文化やビジネス環境に触れ、グローバルな視野を広げることができます。
メリット2.語学力が向上する
海外で働くことで、現地の言語やビジネス英語を磨くことができます。語学力が向上することで、異文化コミュニケーションや国際的なプロジェクトへの参加にも積極的に取り組むことができます。
メリット3.キャリアアップのチャンス
海外で人事職として働くことで、グローバルなキャリアアップのチャンスがあります。海外での経験は、将来的な管理職やグローバル人事職への昇進にも有利です。
海外で人事として働くデメリット
- デメリット1.文化・言語の違いによるストレス
- デメリット2.家族との距離感
- デメリット3.環境の変化による適応力
デメリット1.文化・言語の違いによるストレス
海外で働く場合、現地の言語や文化の違いによってストレスを感じることがあります。特に言語が不自由な場合は、コミュニケーションが円滑に進まず、業務に支障をきたすことがあります。
デメリット2.家族との距離感
海外で働く場合、家族との距離が遠くなることがあります。特に小さい子供がいるの場合は、家族と離れることが大きなストレスとなることがあります。
デメリット3.環境の変化による適応力
海外で働く場合、環境の変化に対する適応力が求められます。現地の法律や文化に合わせた人事政策の立案や実施、業務プロセスの変更など、環境の変化に柔軟に対応することが必要です。
海外で人事職として働くメリットには、グローバルな視野やキャリアアップのチャンス、語学力の向上などがあります。一方、文化・言語の違いによるストレスや家族との距離感、環境の変化に対する適応力の問題もあります。
しかし、多くの人がその経験から得た価値観やスキルは、メリットが大きく自己成長やキャリアアップに繋がることが多いため、「デメリットはあるけど、メリットの方が大きい」と言えます。
現地の人々とのコミュニケーションを大切にし、異文化理解を深めることで、海外での生活や仕事をより充実させることができます。
海外で人事の仕事をするために必要なスキル
海外で人事の仕事をするために必要なスキル
- 資格
- 経験
- 語学力
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
資格
海外で人事職に従事するための資格としては、PHR(Professional in Human Resources)、SPHR(Senior Professional in Human Resources)などがあります。
これらの資格は、人事業務に関する知識やスキルを証明するもので、海外での就職に有利なポイントとなります。
経験
海外で人事職に就くためには、人事経験が必要不可欠です。人事管理、採用、研修、労務管理などの経験があると、海外でも即戦力として活躍できる可能性が高まります。
語学力
英語をはじめとする海外で通用する言語力が求められます。現地の言語を話せると、現地のビジネスマナーや文化を理解することができ、仕事の効率化につながります。
コミュニケーション能力
海外での仕事には、現地の人々とのコミュニケーションが欠かせません。異文化理解や適切なコミュニケーション能力があることで、円滑な業務遂行が可能になります。
マネジメント能力
海外での仕事には、プロジェクトマネジメント能力も必要です。海外の法令や文化、ビジネス環境に適応し、仕事を円滑に進めるためのスキルが求められます。
これらのスキルを身につけることで、海外での人事職で活躍することができます。ただし、スキルだけでなく、チャレンジ精神や適応力、柔軟性も重要な要素となるため、常に自己研鑽を続ける姿勢が必要です。
海外で人事として転職する方法
海外で人事として働く方法としては、現地採用と駐在員の2つがあります。
- 現地採用として働く
- 海外駐在員として働く
現地採用として働く
現地採用とは、現地の企業で直接雇用され、その国で働くことを意味します。この方法は、自分で現地の求人情報を探して応募するか、転職エージェントを利用して求人情報を収集することが必要です。
求人情報を収集したら、書類選考、面接、選考通過後のビザ申請などの手続きを行います。現地採用として働く場合、現地の労働法や文化、言語などに精通していることが求められます。
海外駐在員として働く
駐在員とは、日本の企業が海外に進出し、その現地法人に派遣される従業員のことです。駐在員として働く場合、日本の法律に基づいた雇用契約が締結され、給与や社会保険などの福利厚生も日本と同様に受けられます。
また、現地の言語や文化に対する理解は必要ですが、日本企業のビジネススタイルや文化にも精通していることが求められます。駐在員として働く場合、ビザ申請や手続きは日本企業が担当するため、自分で手続きを行う必要はありません。
海外駐在員という働き方
メリットとしては、
- 裁量ある仕事を任される
- 待遇が良い
- スキルアップに繋がる
- 30代、40代、50代は海外駐在員を狙いやすい
などの特徴があります。
「現役海外駐在員が教える「海外駐在員」として海外で働く方法とは」のページに転職ノウハウがまとまっているので、あわせて読むことでライバルに差をつけることができます。
海外での人事職の給与相場
(日本円換算、2023年3月現在):
- アメリカ合衆国:$70,000〜$150,000(約7,630,000円〜約16,330,000円)
- オーストラリア:AUD 70,000〜AUD 130,000(約5,600,000円〜約10,430,000円)
- イギリス:£35,000〜£70,000(約5,410,000円〜約10,820,000円)
- カナダ:CAD 50,000〜CAD 110,000(約4,590,000円〜約10,070,000円)
- シンガポール:SGD 50,000〜SGD 120,000(約4,110,000円〜約9,890,000円)
海外での人事の仕事を探す方法
転職エージェントを活用する
日本の企業から駐在員として海外へ行く場合は別ですが、現地採用を目指すのであれば転職エージェントを利用する方法があります。
ただ経理や会計の仕事で条件のよいものは競争率が高く、一般公開されている求人はすぐに決まってしまう場合が多いです。転職エージェントを利用する場合は、海外の求人をたくさん扱っていて、なおかつ非公開の求人情報を持っているエージェントがよいです。
またエージェントによって、管理職などの役職の高い求人を多く扱っているところや、未経験者でも応募できる求人を扱っているところなど特徴がありますので、自分の状況に応じたエージェントを利用するのがポイントです。
LHH転職エージェント
公開されている求人では国内での勤務や研修を経てから海外へ赴任するタイプが多く、ベトナム、インドネシアなどへの海外勤務求人に強いです。この他にマネージャークラスなどで公開できない求人の取り扱いがある可能性もあります。
LHH転職エージェントはAdeccoグループに属しており、世界的なネットワークがあることが特徴です。そのため日本人以外のキャリアコンサルタントもおり、その国の文化や仕事をする上で知っておいたほうがよいことをアドバイスしてもらえるという利点があります。
リクルートエージェント
転職といえばリクルートエージェントが定番です。非公開求人などが多数あります。
海外求人数が一般の転職エージェントの数倍あるため、マレーシア就職を考えているならまず登録してみましょう。
他の転職エージェントと併用し、比較しながら仕事探しをするのが上手な使い方です。
JACリクルートメント
海外求人を探すなら外すことができないのがJAC Recruitment。国内だけでなく、海外にも複数の拠点を持つ転職エージェントです。
海外駐在から現地採用までさまざまな案件があり、登録すれば非公開の求人を紹介してもらえます。
特に海外駐在員や外資系企業を目指す方、30代以上で現在の年収が600万円以上の方ならぜひ登録しておきたいエージェントです。
海外で人事への転職経験者の声
海外での人事の仕事には言語や文化の違いによる挑戦がありますが、多文化的な環境で働けることや、自己成長やキャリアアップの機会が豊富であるというメリットもあります。
海外での人事の仕事は、異なる環境での業務が求められますが、それによって得られる経験や成長は大きなものがあります。
海外で転職した人事職の一日のスケジュール
海アメリカで人事として働いた場合の一例
- 8:00-9:00am: 出社、メールチェック、スケジュール確認
- 9:00-10:00am: スタッフミーティング、社員の業務評価、人事関連の報告
- 10:00-11:00am: 新しい求職者の面接
- 11:00am-12:00pm: 社員のトレーニングやキャリア開発の支援、研修やセミナーの企画・運営
- 12:00-1:00pm: ランチ
- 1:00-3:00pm: 雇用契約書や規定の作成、社員の健康保険や退職金制度などの調査・管理、従業員のクレーム対応
- 3:00-4:00pm: 社員の離職面談、トラブル解決、人事部内のプロジェクトの進行管理
- 4:00-5:00pm: 社員の福利厚生プログラムの提供、人事関連の資料作成、社内の人事関連の問い合わせ対応
- 5:00pm以降: 退社
海外で人事職として転職する注意点
海外で人事職として働く注意点
- 文化・法律の違いに注意すること
- 言語やコミュニケーション能力に配慮すること
- 仕事とプライベートのバランスを考慮すること
- 労働条件や福利厚生について確認すること
- ビザや労働許可などの手続きに注意すること
文化・法律の違いに注意すること
海外では、文化や法律の違いが存在するため、その国における労働法規や社会慣習に詳しくなる必要があります。特に、人事業務には法律や社会慣習に関する知識が必要です。
言語やコミュニケーション能力に配慮すること
海外で働く際には、現地の言語を話せるようになることが求められる場合があります。また、現地の人々と円滑なコミュニケーションをとるためには、文化的背景や考え方の違いを理解し、それに合わせたコミュニケーションが必要です。
仕事とプライベートのバランスを考慮すること
海外で働く場合、新しい環境や文化の違い、言葉の壁などがストレスとなることがあります。そのため、仕事とプライベートのバランスをとることが重要です。また、自分自身がストレスに強くなくても、家族やパートナーにとっては大変な場合があります。
労働条件や福利厚生について確認すること
海外での労働条件や福利厚生は、日本と異なる場合があります。たとえば、休暇制度、健康保険、社会保障制度、残業手当の有無など。契約前に細かく確認し、自分にとって納得のいく条件で働くことが大切です。
ビザや労働許可などの手続きに注意すること
海外で働くには、現地のビザや労働許可を取得する必要があります。ビザの種類や取得方法には細かなルールがあり、自分で手続きを行う場合でも、事前にしっかりと調べておくことが必要です。
まとめ
多くの国で人事職に対する需要が高く給与も高水準です。また、現地での人事職に就くには、現地採用や駐在員の方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。必要なスキルとしては、人事関連の資格や経験、語学力が必要不可欠であり、コミュニケーション能力や多文化理解力も求められます。
海外での人事職は、現地の文化や社会に触れながら自身のスキルアップにもつながる魅力的な職種です。
新しい環境に適応するためのストレスや、現地の法律や規則の違いによるトラブルなども考えられますが、現代のグローバル化が進む中で、海外での就職経験は貴重な経験となることとおもいます。
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