誰もが一度は憧れる海外暮らし。特に海外旅行の後には、いつか自分も……と思う方も多いのではないでしょうか?
しかし現実的なことに目を向けると、移住に不可欠なものは移住先での仕事です。日系企業、現地企業、自営業など方法はいくつかあるものの、「海外で外国人と働く」という要素はどれも同じです。
今の自分にできるだろうか?失敗して仕事を失ったりしないだろうか?たくさんの不安はつきものですが、出発前になるべくリスクは減らしておきたいもの。
今日は私のベルギーでの経験を参考に、海外転職に必要な4つのポイントを紹介します。この4つをクリアできていれば、海外転職にベストなタイミングといえるでしょう。
海外転職で活用できる自分の専門性ははっきりしているか?
日本では新卒一括採用、そして転勤や社内ローテーションも含めた「総合職」が一般的ですが、海外は真逆です。誰もが学校で学んだスキルを活かし、専門性を持って働きます。
入社後も採用された部署のスペシャリストとして、日々専門性を磨いていきます。海外で働くということは、その道のスペシャリスト(即戦力)として採用されるということです。
海外転職を決意する前に、自分は現職について、専門性を持っていると言えるかどうか?を一度考えてみましょう。
ポイント:「言葉が多少伝わらなくても、相手の話が理解できるかどうか?」
しっかりと専門性を持っていれば、現地人の同僚が話す英語が多少分からなくとも、グラフや相手との身振り手振りで一般的な背景や理論をくみ取ることができ、職場の戦力になれるはずです。
例えば、経理部であれば、損益計算書の作成・解読をまずは日本語で行えるかどうか?
もし日本で会計学を専攻し、日本語で問題なく業務を行える場合、海外に渡っても恐らく同様の業務を任されたとしても、問題なく遂行できるはずです。
なぜなら会計の専門用語を英語で覚えられれば、あとは会計理論や損益計算書の仕組みは日本と同じだからです。加えて、基礎知識を応用させた発展的な業務でも職場に貢献できるでしょう。
しかし日本語での会計学も知らない場合、いくら英語ができても会計構造の理解に時間が掛かります。先述の通り海外では即戦力採用なので、採用後に基本的なことを教えるという文化がありません。
そのような場合はそもそも採用されにくい上、採用されたとしても、職場の戦力にもなれず、入社後大変な苦労をします。
海外での就職には、自分の核となるスキルが必要になるのです。
海外転職で役立つ実務経験は持っているか?
上記のトピックとかなり関連しますが、専門知識に加えて実務経験は必須になります。
理論を学んでいるだけでなく、
- それを活かして働いた経験があるか?
- どんな実績を残してきたのか?
というところは非常に重視されます。これは日本の転職と同じではないでしょうか?
前職ではこんな経験と貢献をした。そのスキルを活かして、貴社にも貢献したいといった形です。
私の暮らすベルギーでは、大学のレベルはそこまで重視されないものの、実際の経験やスキルは転職時に非常に重視されます。
ポイント:次の職場の問題を解決できるようなスキル・経験を持っているか?
採用されるということは役割を与えられ、職場に貢献する必要があります。つまり、「職場の抱える課題の解決に貢献できるだけの経験があるか」が採用までのキーになります。
「日本でも同様の案件を抱えたが、前回はこうやって乗り切った」といったノウハウがあれば、あとは英語でそれを実行できるかどうかの問題。
日本での実務経験を活かして、職場の問題や任務を遂行できる自信が付けば、海外転職の準備も万端といえるでしょう。
海外転職でビジネス英語が使えるか?
皆さんのイメージ通りかと思いますが、海外を目指す日本人にとっての大きな課題は語学です。
厳しい現実ですが、きちんとした英語が話せなければ、職場や取引先から信用されません。スペルミスがあまりにも多い、そもそも会話が成立しないとなれば、まず採用されることはないでしょう。
ポイント:日常会話はもちろん、専門分野を英語で話せるか?
日本人にとっての大きな落とし穴は、「日常会話ができたら海外で働ける」という誤解です。
留学経験を活かして、海外で働きたい学生さんもよく見かけますが、実際に働けば、日常会話とは程遠い専門的な英語が待っています。
辞書を引かなければ分からない単語、語学学校では聞いたこともないような単語と日々戦うことになります。
例えば、マーケティング用語や会計金融用語が頻繁に出てくる会議で意見を求められた場合、しっかりと自分の意見を伝えられるでしょうか?
海外転職では自分のスキルを確立した上で、それを英語で理解できることが必須です。転職の前に、今のスキルを英語で表現する練習をしましょう。
「この用語って英語ではなんて表現するのだろう?」とgoogleで検索するだけでも、毎日少しずつ海外転職への準備が進められます。
電話やメールの作法について
日本ではよく「ビジネス英語」といえば、メールや電話での表現が出てきますが、これらは最低限でOKです。
私達が英語のネイティブではないことは向こうも重々承知なので、多少違和感のある表現や、多少の失礼があっても理解してもらえるでしょう。
ただ上記の通り、専門英語が全く分からない場合、職場の役には立てません。電話の取り方やメールも大切ですが、自分のスキルを英語で表現する方が先決です。
海外転職で家族・親戚・パートナーのケアができるか
上記では仕事のことを中心にお話しましたが、海外で働くと長期休暇以外では日本に帰れなくなります。
アジア圏内だと年に数回の帰国が叶う場合もありますが、ベルギーで私の周りのにいる日本人は基本的には年に1回の帰国。少ない人だと3年に1回程度の帰国となります。
日本にいる両親を始めとした家族のケアなどは、姉妹兄弟に任せる形となることも多いです。
転勤なら仕方がありませんが、自発的な海外への転職の場合は、家族親戚に相談の上進めましょう。旅行で行くのとは事情が違い、仕事優先の生活です。
想像以上に帰国のハードルが高いことを理解しておきましょう。
まとめ~専門性と英語力があれば~
海外で働くには何かのスペシャリストになる必要があります。そしてこれらは日本の総合職文化の中では、勝手に身に付くものではありません。
海外で働くというゴールを自ら設定し、そこに向かって自己研鑽していく必要があります。OJT(業務を通じたスキルアップ)だけでなく、自発的に英語と専門の勉強をしていき、実務経験は現職で身に付けるのが最短ルートだと思います。
焦って海外に飛び出しても、待っているのは厳しい現実です。国内でスキルをしっかり磨いてから、海外へはばたきましょう。
専門スキルは、海外で働く際に何よりも役立つ強い味方となるはずです。
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