メキシコで銀行口座を作るのは簡単です。
旅行ではなく長期滞在をするなら、やはり現地の口座があると何かと便利ですよね。しかし、ただ口座を開設してお金を出し入れするだけでも、メキシコと日本では銀行のシステムがかなり違います。
そこを理解していないと余分なお金を取られることにもなりかねません。
今回は、メキシコで口座を開設するときに気をつけなけれないけない注意点をご紹介します。
治安が悪いメキシコでは銀行の立地に気をつけよう
あなたがすでにメキシコで職を持っているのなら、会社指定の銀行があることも多いのでまず確認しましょう。
口座を作る手続きも会社が手伝ってくれるかもしれません。
しかし、メキシコで自分で口座を作らなければいけない場合(留学や移住など)、一体どこの銀行を選べば良いか悩みますよね。
メキシコ人に聞いても、自分が使っている銀行を勧めるかその銀行の悪口を言うかなのであまり参考にはなりません。
日本のように手数料や知名度、ATMの多さで選ぶのも大切ですが、さらに次の2点にも気をつけてください。
生活圏内にある銀行を選ぶこと
銀行へは口座を開設する時だけでなく、各種支払いやクレジットカードを作りたいときなど、始めは足を運ばなければいけない用事がいろいろとあります。
しかし、メキシコの銀行は基本混んでいます。
ATMはまだマシですが、窓口の支払いカウンターは常に行列、給料日後は1時間以上待たされることも普通です。
しかも、メキシコの給料日は月に2回、15日と月末にあることが多いです。
もしあなたの選んだ銀行が家からも職場からも遠い場合、何か手続きをしに行くだけで1日が終わってしまうでしょう。
銀行の窓口は基本的に午前9時から午後4時までです。
その間に用事が済ませられるよう余裕を持って行くためには、普段の生活圏内にある銀行を選ぶのが一番です。
昼間にスタッフがいるATMが家の近くにあるか
ATMでお金を引き出すときは、なるべくATMの近くにスタッフがいるところを選びましょう。
スーパーにも銀行のATMはあるのですが、何らかのエラーでカードが吸い込まれたり、お金が出てこなかったりしたときに、迅速な対応が望めません。
また安全面でもスーパーのATMは周りから丸見えで、特に外国人がお金を下ろしている姿は目立ちます。
銀行設置のATMでも早朝や深夜といった、スタッフがおらず人通りもない時間帯に行くと、強盗に遭いやすいです。
まとまったお金を下ろすときは昼間に行きましょう。職場よりも家の近くにATMがある方が、週末や休暇期間にも行けて便利です。
銀行のお金はこんなところでも下ろせる
メキシコのコンビニにはATMがありません。
不便なようですが、逆にメキシコ人が日本に来るとATMのような「お金のつまった箱」が全国のコンビニに設置してあることに驚かれます。
お金を下ろすためにいちいち銀行やスーパーへ行くのが面倒に感じますが、安全面を考えると仕方がありません。
しかし日本にはない、意外なところでお金をおろせるサービスもあります。
それはスーパーのレジです。
メキシコでは銀行のキャッシュカードにデビット機能がついていて、スーパーやレストランの支払いに気軽に使えます。
デビット機能とは、カードで支払ったお金が即座に銀行口座から引き落とされるシステムです。
スーパーで銀行のキャッシュカードを使い支払いをすると、
「お金をおろしますか?」(Quere retirar?キエレ レティラール?)
と聞かれます。
そこで金額を言うと、レジのお金からおろしたい金額を渡してくれるのです。
ATMに並ばなくても買い物ついでにお金がおろせるので便利な方法ですが、気をつけたいことがあります。
- レジにまとまったお金がない場合が多く、両替に時間がかかる
- 大きい金額をおろすとその場にいる人(並んでいる人、店員、レジの袋詰め係の人など)全員に知られる
メキシコでは給料日後に強盗が増加します。
あなたがお金を持っていることを安易にまわりに悟られないようにしましょう。
メキシコの銀行口座にある最低預入金額に注意
メキシコで口座を作る際に確認しておきたいのが各種手数料、特に「最低預入金額」(口座開設時に預けなければいけない最低金額) です。
これは銀行や作る口座の内容(給与振込があるかなど)によっても異なりますが、口座開設時に約1000~3000ペソ(約5445円〜1万6337円)ほど預けなければいけない場合が多く、それを下回ると毎月手数料が引かれます。
日本にはないシステムですが、月100ペソ以上(約544円)の支払いが必要な銀行もあります。
メキシコで100ペソ(約544円)といえばカジュアルなレストランで晩ご飯が食べられる値段です。また、ネット銀行を使う際にも毎月手数料がかかります。
詳しい金額や条件などは銀行によっても変わり、さらにキャンペーンや料金改正が頻繁に行われます。こればっかりは、口座開設の時にネイティブのメキシコ人に頼んで一緒に話を聞いてもらうのが確実です。
メキシコの銀行内では携帯電話の使用が禁止されていますので、知人にお願いして付いてきてもらいましょう。
ネットでも調べられますが、支店や担当者によっても言うことが変わるメキシコ。
最初にきちんと内容を確認しておかないと、あとで知らない間に手数料が引き落とされていた、なんてこともありえます。
外国人がメキシコで銀行口座を作るときに必要なもの
口座を開設するために、外国人だからといってややこしい書類を求められることはありません。
基本的にはパスポートと滞在ビザ、住所が記載された公共料金の明細書が必要です。
公共料金の明細書は、シェアハウスやアパートの1室を間借りしている場合、自分名義のものでなくても構いません。また印鑑も必要ありません。
他に携帯電話の番号やメールアドレスを聞かれる場合もありますので、可能なら口座を作る前に一度窓口で必要書類を確認しておくと良いでしょう。
最初に聞いた人と実際に手続きする人の間で言っていることが違ったときのために、紙に書いてもらうことをオススメします。
銀行口座を作ってから気をつけること
口座を作る手続き自体は、書類に不備がなければ1日で終わります。
通帳はないのでカードをもらい、ATMでそのカードが使えるように暗証番号を登録して、有効化すれば完了です。操作方法がわからないときは、ATMコーナーにいる銀行スタッフに聞きましょう。
ただし暗証番号は決して見られないように。
ATMでカードを取り忘れて現金が引き出され、防犯カメラを確認したら犯人は銀行職員だった、ということも珍しくありません。
銀行口座から大金が勝手に引き出されるケース
メキシコでは、入ったつもりのないキャンペーンに勝手に登録され、銀行から勝手に大金が引き落とされるということがよくあります。
日本では考えられないミスですが、明らかに銀行のミスなのにも関わらず、こちらから何度も抗議しないとお金を返してくれません。
ですから、常に残高には注意してください。
メキシコでATMを使うときの注意
メキシコではATMのカード吸い込み口にカメラを仕掛けて暗証番号を読み取ったり、操作を手伝うフリをしてカードを入れ替え、お金を勝手に引き出されるといった手口も多発しています。
ATMを使っている最中に知らない人に話しかけられても、決してカードを渡したり手元を見せたりしないでください。
そんなことしないよ、と思うかもしれませんが
「ATMをチェックしている職員です。カードを確認させてください」
と話しかけられ、一瞬手渡した間にもうすり替えられていた、という人が知人にいました。メキシコに何年も住んでいる人でもそのような被害に遭っています。
お金を盗る方も、日々新しい手口を考えてくるのです。
ATMについて何か知りたい時は必ず昼間に、いつもいる銀行スタッフに尋ねましょう。ふだん使わないATMや、休日で無人のATMを使う際はまわりに注意してください。
夜間の利用は緊急でない限り避けた方が無難です。人通りのあるATMから、暗い道までずっと後をつけられて強盗に合うケースもあります。
まとめ
メキシコで銀行口座があると便利ですが、最低預入金額や維持費を考えると、短期滞在にはあまり向いていません。反対に長期滞在でまとまったお金を預ける予定があるならメリットはあります。
しかし、メキシコ生活に慣れきても油断せず、お金をおろすときは気をつけてください。
ATMが行列だからといって、日本のようにお金を手に持ったままATMを離れたり、急いでいて明細を取り忘れたりすると危険です。
お金は財布にしっかり入れて、さらに財布をカバンの奥に隠してから、ATMを離れるようにしましょう。私はまとまったお金をおろしたときは、小さいポーチに現金を入れて、財布に大金を入れないようにしています。
盗まれたお金は残念ながらほぼ戻ってきませんから、常に警戒するようにしてくださいね。
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