立春も過ぎ、いよいよ春の到来を待つばかりですね。春になれば卒業と入学。春は別れと出会いの季節でもあります。私事で恐縮ですがうちの長女は、実は今まさに韓国で幼稚園卒園及び小学校入学の時期。
私としても初めてのことで、何かと緊張しています。
今回はそんな私の実体験を交えながら、韓国の幼稚園卒園式を中心に韓国の子育て事情あれこれをレポートしていきたいと思います。
韓国の幼稚園卒園及び小学校入学の時期は春ではない!?
日本では卒業と言えば3月、入学と言えば4月ですね。いずれも桜のイメージがあります。では韓国は?というと……、実は時期が少し異なります。 全てが日本より1ヶ月早く行われます。
韓国では卒業式は2月
卒業式は2月、入学式が3月となります。何故かと言うと、韓国では学校は3月始まりだからです。私は大学時代、韓国人留学生の方から「韓国の学校は3月始まりだ」と聞き、その時初めて知りました。
当時はあまりピンと来ませんでしたが、さすがに子どもが3人となった今は、十分にそのスケジュールを理解し、それに合わせて動くようになっています。これは実は卒業・入学のみだけではなく受験もそうです。
日本では1月に行われる大学入試センター試験ですが、韓国でこれにあたる大学修学能力試験はやはり1〜2ヶ月早く、大抵は11月に行われます。
(最近は日本でも韓国についての報道が多く、特にこの修能試験の日は「パトカーが出動する」など日本でもテレビで扱われているようなので、ご存知の方も多いかもしれませんね)
なお、日本では卒園式の後、小学校の入学式まで少し時間がありますが、韓国の場合は大抵2月末に卒業式、3月初旬に入学式が行われる為、殆ど休みはありません。
卒園式・入学式での服装
日本の場合
卒園式・入学式、「子どもたちにどのような恰好をさせるか」は勿論ですが、ママたちもどうするか、コーディネートにも割と気を遣いますよね。
日本の場合、以下のような雰囲気が強いと思います。
- フォーマル
- スーツ(卒業式)黒や紺(入学式)白やベージュ
- 中には着物の方も
- アクセサリー/パールの印象が強い?
- コサージュ
- 髪型も綺麗に
日本でも地域により多少傾向に差があると思います。私の出身県では、特に他の県よりも、学校行事などママたちは割と派手な格好の方でした。ママたちも大忙し……。
そういえばこの時期、デパートでは「卒園入学スーツ」といったコーナーがよく設けられますね。
韓国の場合
さて一方で、韓国の場合ですが、
- スーツを着る方はほとんどいない
- 普段着で来るママも多い
- カジュアル
- きちんとした感じの恰好であれば充分
- 季節柄まだ寒いので、コートを着ている。そもそも、中は何を着ても見えない(3月3日あたりが入学式なので、雪が降るような寒い日の年も多い)
これらは、日本人の知り合いに「韓国での卒業・入学式での韓国のママたちの恰好はどのようなものだったか」について尋ねた時の返事の内容をまとめたものです。
相手は、いずれも、お子さんが昨年小学校入学したばかりの方。私の子どもよりすぐ1つ上のお子さんがいるママたち。最近の情報です。
中でも、少し年が離れたお2人のお子さんがいらっしゃるママは、「上の子の時にはジーンズで来る方もわりといて唖然としましたが、最近はもう少しきれいめな服で来る方が増えました」とのこと。
もう1人別のママに聞いても、やはり殆ど同様。「ジーパンやスニーカーはさすがに無かったですが、スーツとかパールアクセとかでもなかったです」とのことでした。
コートを着たまま?着ない?
今までお伝えした服装の部分については、 私の暮らす韓国の忠清北道エリアでの話が中心なので、もしかしたら、多少は地域や学校のカラーによる部分もあるのかもしれません。
特に韓国では学校により、色々と差が大きいです。それにしても、「コートを着たまま出席」という部分に関しては、地域により寒さの差はあれど時期は同じなので、恐らくあまり変わらないだろうと思われます。
仮にコートを脱ぐ場合は、式が室内で行われ、かつかなり暖房が効いている場合でしょう。少人数の園の場合も考えられます。
しかし、小学校の体育館内あるいは園の校庭で式が行われれば、寒いので勿論コートは脱がずそのままであろうと思われます。これは日本でもある光景ですよね。
体育館内で式。子どもは暖かく制服の下にセーターを着こんでいる姿と、パルプ椅子に座ってコートを着ても寒そうにしているママたちの姿。私の小中学校時代をふと思い出しました。
花束を渡す
自分の子どもへの花束
韓国では、ママたちが自分の子どもへ最後に花束を渡す場面が見られます。ただ、その花束をよく見てみると、どうも造花の花束のよう。卒業式のみならず、園の発表会の時などにもよく見かけます。
花束を渡すママもいれば、渡さないママもいます。
先生方への花束
元々、韓国では先生方への贈り物や花束などが多かった様子。韓国では、5月に「先生の日(師匠の日)」という、先生へ感謝の意を表す日もある程です。
ただここ数年、先生方への過剰な贈り物は禁止されるようになってきました。
うちの子が園に通い始めたあたりから既にその気配はあったようですが、特に、去年、過剰な贈り物行為は禁止される法律が制定されたようです。それが「김영란법」という法律です。
「법」とは「法」という意味です。김영란(キム・ヨンラン)という人が提案した法律だから「김영란법」と言うそうです。
一部分抜粋すると、「私立学校教職員を含んだ公職者が職務関連性と関係なく100万ウォン(約10万円)を超過する金品を受ければ刑事処罰を受ける」というものです。
そういう流れがあり、先生方に贈り物や金品受け渡しなど、縮小されている傾向が強いようです。
実際に卒園式に行ってきました!
さて、一見は百聞に如かず。先日2月10日(金)、実際に卒園式に行ってきました!その時の様子を詳しくレポします。
なお天候ですが、実は当日に限って、朝から雪が積もっていました。その日は、確か西日本でも大雪とネットで見た気がします。
ただ室内は暖房が聞いていて、コートを着たまま、しかもお恥ずかしながら貼るカイロを貼っていた私は、後半は暑くてコートを脱ごうかどうしようか迷いながら終了しました。コートを脱いでいたママたちも多くいました。
うちの園では、子どもたちの服装は角帽とアカデミックガウン
先に園に来て、子どもたちは卒園式用に角帽とアカデミックガウンを着て準備していました。最後までその恰好なので、コートの有無を問わず、中に何を着ても同じですね……。取り越し苦労だった私でした。
韓国のママたちの卒園式の服装は?
さて、気になるママたちの服装ですが……、私が日本人の知り合いから聞いた内容とほぼ同じでした。
ただいつものママたちよりの服装は、やはり少し綺麗目にしていました。ちなみに、ジーンズの方も1名いました。
子どもに渡す花束は?造花?
造花がやはり多かったです。しかも、ただ造花なだけでなく、その中にキャンディーやチョコレートが入っています。ボールペンがついている場合も。。
こういった商品は、この時期になると、よく近くの文房具屋さんで売られています。
ただ中には本当の花束を準備しているお宅もありました。その中で、カスミ草だけの花束がいくつか見られたのが印象的でした。
韓国では既に最終回を迎えた韓国の人気ドラマ「鬼(トッケビ)」で、このカスミ草の花束が出てきたそうです。それで、今、韓国ではカスミ草の花束がブームなのだと、仲の良い韓国人ママ友が教えてくれました。
小学校入学への準備物ランドセルがない?
さて、 私として は、一応卒園式を無事に終え、いざ長女が小学校にあがる準備を今まさにしている最中な訳ですが……、日本であれば、当然、最初に頭に浮かぶのはランドセルですよね。
最近は色も赤黒のみでなくピンクなど、ずいぶんバリエーションも増えてきているようです。ところが、韓国ではランドセルはありません。
学校に毎日持っていくカバンはあります。あるのですが、日本のようにしっかりした革で作られ、6年間使うことを想定に入れたランドセルではなく、大きめのリュックサックのような感じです。
あとは補助バックや室内履入れなどの準備、こういったバック類を全部同じ柄でセットで注文するお宅も多いそうです。
金額は日本のランドセルその他に比べてずいぶん負担が少なく、こういった部分は親としてはとても助かります。
ちなみに近所の韓国人(ママ)たちは、この時期になると、もう既にカバンを買い終わった様子。何故なら、セットで買いたい場合、早めに買っておかないと、不足が出て揃えられない場合があるからです。
私はそれを最近知り、少々焦っているところです。いずれにしても、新しい環境へ飛び込む子どもたち。すぐに適応し、楽しい学校生活を送ってくれればと思います。
まとめ
思った以上に日韓違いがある式の服装その他あれこれでした。正直、私は日本の自分の幼い頃のイメージで考えていたので、韓国の状況を知り、拍子抜けした部分が多かったです。
しかし逆に言えば、服装や準備物など、必要以上に華美にならず、出費も日本のそれに比べ、非常に抑えられる。そういったこの国ならではのメリットもあるようです。
最後に、今まさに新しい世界へ飛び立とうとする卒園及び入学のお子さんとそのママたちに対し、ここは日韓問わず、エールを送りたいと思う私なのでした。
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