インドで暮らしたい、働いてみたい。4歳半の息子を連れてオーストラリアに大学留学し、卒業が近づいた頃、私はインドで仕事を探すことを決めました。
無事にバンガロールの社内日本語教師の職を得、卒業から半年後、息子を連れてインドへと渡ります。
のんびりとしたオーストラリアから混沌の国インドへ。どうしてインドを選んだのか、どのように仕事を探したのか、働いてみてどうだったのかなど、インドで就職した私の経験をご紹介します。
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バンガロールで働くことを選んだ理由
インドが大好きだったから
オーストラリア滞在中に留学生など多くのインド人と出会い、インドという国にとても興味を持っていました。
オーストラリアの私の家にはインドの布が飾ってあり、休日にはインディアンタウンにスパイスを買いに行くという、インド大好きな生活。
大学卒業を控え、次はどこの国に行こうかと考えた時、好きな国なら多少の辛いことも我慢できるはずだと「住みたい国で働く」ことを決めました。
インドは成長著しい国なので、国自体にパワーがあって生き生きしているのではないかというイメージがあったことも理由です。
働くことで留学と違うものを得たい
オーストラリア留学で得たものは多くあります。英語力や専門知識に加え、子連れ留学だったので、人とのつながりや生きていく力などたくさんのものを得ることができました。
今度は仕事をしながら暮らすことで、留学とは違うものを得たいと考えました。
多少のトラブルやハプニングは過ぎてみれば笑い話になる、そのことをオーストラリアで学んでいたため、ハプニングを楽しみにできる度胸はついていたと思います。
バンガロールでの仕事を探した方法
資格を持っていた日本語教師に絞る
インターネットで「インド」「仕事」と検索すると、日本語教師の仕事が多く出てきました。ラッキーなことに、私はオーストラリア留学前に日本語教師の資格を取っていたので、日本語教師一本で探すことにしました。
利用したのはこちらのサイトです。
- 日本語教師・職員求人情報サイト「日本村」:http://job.nihonmura.jp/
インドは広い国なので、求人地域も南インドから北インドと広範囲に渡っています。私は治安がいいと言われる南インドの中でも「インドのシリコンバレー」と呼ばれるバンガロールに絞り込んで探しました。
応募したい仕事が見つかればメールで履歴書を送り、書類選考に通ればスカイプで面接という流れです。
就活期間は約3ヶ月
バンガロールのIT企業に就職が決まり、働き始めるまで3ヶ月ほどでした。社内日本語教師として、社員という立場での採用です。
日本語教師の求人が出ているのはほとんどが日本語学校でしたが、IT企業の社内講師というポジションも中にはあったため、私は企業内で教える仕事を中心に探しました。理由は後述します。
なお、日本語教師の資格がなくても可という求人もあったので、資格を持っていなくてもチャンスはあるのではないかと思います。
バンガロールの企業内日本語教師の仕事とは
※インドへ行く時に乗った飛行機(タイ経由)
日本で働けるレベルの日本語が目標
私の仕事は、社員8人に日本語を教えることでした。日本語の成績が良ければ日本でITエンジニアとして働くチャンスを与えるというプロジェクトの候補として選ばれた8人です。
そのため、採用時の会社の希望は、その8人に日本の会社で仕事ができる日本語力をつけてほしいというもの。しかし、新しく始まったプロジェクトだったため、前任者も同僚講師もおらず、私1人にすべてがまかされました。
8人の生徒さんたちは日本で仕事をしたいという高いモチベーションを持っていて、大変真面目に授業に参加してくれました。9時から15時まで私の授業を受け、その後、社内でエンジニアとして働いていました。
厳しいレベルチェックにハラハラ
勤務時間に授業を受けさせているだけあって、会社によるレベルチェックが毎月ありました。
日本に駐在経験のある日本語の流暢なマネージャーによってロールプレイ式のレベルチェックが行われるのですが、社長同席のかなり厳しいもので、その日は授業参観に来た母親のような気持ちで生徒さんたちを見守っていました。
8人全員が目標を達成することはできませんでしたが、ほぼ8割の生徒さんが約1年半後、目指すレベルに到達。そして私の仕事は完了しました。
バンガロールの企業内日本語教師という仕事の魅力
※授業風景
自分と同じ夢を持つ人を応援できる
日本語学校ではなく企業内講師を選んだのは、学校で日々、大勢の生徒さんと接するより、私と同じように「海外で働きたい」という夢を持っているインドのエンジニアの人たちのお手伝いをしたいと思ったからです。
日常的に英語が使える
また、日本語教師の仕事は初級クラスでも日本語だけで授業をすることが多いのですが、この企業では理解を深めるために英語を使って日本語を教えてほしいということだったので、日々英語を使えるという点も魅力の1つでした。
インドでは、北インドで話されているヒンディー語や南インドで話されているタミル語など地域それぞれの言語が多く、「1マイルごとに水が変わり、2マイルごとに言葉が変わる」ということわざがあるほどです。
そんな国でも英語はだいたいのところで通じ、耳にすることも多いのですが、インドの英語は独特で、発音や言い回しに慣れるまでは大変だと言われています。
インド英語を聞けると有利
それでも、インド英語が聞けるようになるということは、インドの成長などを考えるととてもメリットが多いのではないかと思います。
私はもともとインド英語の音が好きだったので、毎日インド英語を聞けることの嬉しさの方が大きかったのですが、今でもインド英語が聞けることは仕事上のアドバンテージになっています。
バンガロールで日本語教師として働いて良かった点、悪かった点
※インドで住んでいた家の屋上から見える街並み
良かった点
大好きな国で仕事ができたことに加え、日本ともオーストラリアとも違う文化や価値観の違い、働き方を経験できたことです。
実際に暮らしたインドは、日本やオーストラリアでは得ることができないものを私に与えてくれました。
たくさんの人にパワーをもらう
生徒さんたちはとても真面目で、宿題はもちろん復習や予習も必ずしてきてくれて、先生先生と慕ってくれました。目標に向かって頑張る彼らの姿は尊敬に値するものです。
また、街を歩いていても、インドの人々のパワーは私にたくさんの力をくれました。
私たちより持っているものは少ないはずなのに、キラキラとした目をしている子供たち、雑踏の中でたくましく生きている人たち。何が幸せなのか、何を大切に生きていきたいのか、そんなことを肌で感じさせてくれる毎日でした。
日本での嬉しい再会
そして何より、帰国して数年後、私の授業を受けてくれた生徒さんたちと日本で再会できたことが嬉しかったです。みんなで食事をした日のことは今でも忘れられません。
悪かった点
インドで働いてみて悪かったことは特にありません。インドが懐かしくて、今でも1年に一度は「里帰り」したくなることくらいでしょうか。
危ない、怖い、汚いといったステレオタイプのイメージが先行しているインドですが、そんなことはないと思います。特に危ないところに行ったりしなければ、特に南インドは人が親切なので安心して暮らせると思います。
まとめ~最初の一歩を踏み出せば広い世界が待っている
インドが好きだという理由でインドに行った私ですが、最初から働いた後の自分の将来像が見えていたわけではありませんでした。
でも今、インドでの経験は仕事をする上でも、生きていく上でも、私の大きな財産になっています。あの時、全体像が見えるまで考えていたら、インドへは行けなかったでしょう。
動けば何かが見えてきます。最初の一歩を踏み出す勇気さえあれば道は開けてくると思います。
周りであれこれ言う人は必ず出てきますが、応援してくれる人もいるはずです。度胸と好奇心を胸に、自分を信じて新しい道を切り開いてみませんか。
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