カンボジアに観光旅行に来たら、シェムリアップ、アンコールワット、そしてシハヌークビル辺りが有名どころの観光地です。
ツアーで来るとベトナムからタイにかけての観光の途中でアンコールワットにちょっと寄るというコースがほとんどです。
でも、どうせなら思い切ってレンタカーでカンボジア観光してみましょう。カンボジアは遺跡などの世界遺産で有名ですが、見どころはそれだけではなく、農業や伝統工芸、綺麗な農村風景や美しい海岸線もあります。
遺跡めぐり
まず、シェムリアップ州には世界遺産として有名なアンコール遺跡群があります。これは、アンコールワット、アンコール・トム、バイテイアイ・スレイ、ベンメリアなどを含み、9世紀から13世紀初頭のクメール王朝時代に建てられたものです。
初期はヒンズー教、後期は仏教に影響を受け独自の宗教観を作り出しています。クメール王朝の繁栄が東南アジアに与えた影響は大きく各地にその建築様式や習慣が残っています。
もう一つの見どころはプレアビヒア州にあるプレアビヒア寺院です。9世紀から11世紀にわたって建設されたヒンズー教のお寺です。
山がないと言われるカンボジアですが、北部と南西部には山岳地帯があります。プレアビヒア寺院 は北部のタイ国境にあり、500mの絶壁には魅了されることでしょう。
※プレアビヒア寺院からの景色
ほかにもアンコールワット、プレアビヒアに次ぐ3カ所目の世界遺産になるのではないかと言われているコンポントム州のサンボール・プレイ・クックも日本のNGOなどにより整備が進んでいます。
※アンコールトム・像のテラス
※アンコールワット東入口
※一之瀬泰三のお墓
※タプローム
カンボジアの田んぼとヤシの木
カンボジアの農村風景は独特です。一つはお国柄とも言えますが、田んぼの用水路の整備が進んでいないので、雨季と乾季で田んぼの緑が変化することです。
乾期の後半である1月から雨期の初めの6月頃まではあちこちに収穫が終わった田んぼがありますが、9月から12月にかけてはほぼ全土が田んぼの緑に覆われます。
トンレサップ湖周辺とメコン川沿いは年に二回の稲作が出来ますが、近くに川のない地帯では1回しか稲作が出来ません。地域によっては3回の以上収穫ができるところもあります。
一方で、視線を上げるとヤシの木があります。よく目にするのは砂糖ヤシ(パームシュガー)とココナッツヤシ。葉が広がって緑の実がなっているのを見ることが出来るのがココナッツ、上の方に葉が丸くなって見えるのが砂糖ヤシ。
この砂糖ヤシはベトナムやタイではあまり見られないのだそうです。理由は田んぼの整備が進み作業が機械化されたことによって邪魔になるので切られたのだそうです。
ココナッツもカンボジアでは沢山に見かけることがありますが、タイやベトナムではやはり減りつつあるようです。
車を止めて真っ青な田んぼの中にそびえるヤシの木のある風景を眺めるのもまたいいものです。
※モンドルキリの高原
※カンダル州、ジャスミンの花の収穫
※野菜畑と砂糖ヤシ
※マンゴー畑
※水遊びの子供達
※雨期、家の周囲まで水が来ています
※プチュンバンのお寺
※プチュンバン(カンボジアのお盆)には村中の人がお寺に集まります。
※籐の家具、農村から都市へ運びます。
※雨期の田んぼ
※レモングラス、お茶用に乾燥中
※ニワトリの運搬業者、生きたまま運びます
※コンポンチュナン州は焼き物で有名です
※田んぼと砂糖ヤシ
※農家の家から増水した田んぼを見る
胡椒畑に行く
カンポット州とケップ特別市は胡椒の産地としては世界的に有名な産地です。国道からもあちこちに胡椒畑が見えます。
カンポットペッパーからは香り豊かな胡椒が取れるという事が、フランスの調査で確認されています。赤土に含まれる成分がほかのカンボジアや東南アジアとは違う組成なのだそうです。
同じカンボジア産でもここカンポット産の胡椒は主にヨーロッパ向けに高値で取引されています。胡椒農園は沢山あり、Starling Farm、LA Plantation、FARMLINK、Sothy’s Pepper Farmなどが有名です。
中でもSothy’s Pepper Farmは国道にも近く、3号線の白い馬のモニュメントからプノンペン方向に3kmほど行ったところを左折、線路を越えて数分のところにあります。
日本に10年ほど住んだことがあるというドイツ人のご主人とカンボジア人の奥様が迎えてくれます。
この地域は通称胡椒団地とも呼ばれ、いたるところに胡椒畑があります。日本人が経営する胡椒畑ではゲストハウスやレストランも整備されつつあり、山に囲まれた美しい空間は日常を忘れさせてくれます。
※収穫間近の胡椒
カンポットの山に行く
せっかくカンポットに来たのなら、天国の山とも呼ばれる所にも行ってみましょう。カンポットの街を抜け、数キロ行くと右に大きな門が見えます。そしてその向こうには標高1000mを超えるBOKOR山が見えます。
太平洋戦争前は王様やフランス人の避暑地であり、カジノホテルもあった有名な避暑地です。現在山頂では近代的なカジノホテルが営業しています。
周辺には内戦で廃墟になったカジノホテルや教会が今でも残っています。カジノホテルは2013年に一部が修復され見学できるようになっています。教会も信者の人々が定期的に訪れて礼拝が行われているそうです。
ほかにも、フランス軍が使っていた建物や高い水槽などもあり往時を偲ばせています。廃墟周辺からは海を臨むことができ、断崖からの景色は絶景です。
新しいカジノホテルには観光ツアーもあるので、貯水池でのボート、直営農場での野菜の収穫、内戦前にあった日本人農場主が植えたという日本茶の畑も見学できます。
数キロ離れたところには山頂から流れる川に滝があり、休日には多くのカンボジア人や欧米人が涼を求めてやってきます。
※山頂のカジノホテル
※滝、涼を求めてカンボジア人がやって来ます
※遠くには往時をしのばせる建物の残骸がある
※山頂からの夕日
※内戦前にはカフェテラスがありました
※日本のお茶の木が残っていました
※ホテルの野菜を生産
※カジノホテルの廃墟
※廃墟となった教会
ケップ特別市
せっかくのドライブですから、海にも行きましょう。
国道3号線を一路南へ。ゆっくり4時間ほど走ると海はもうすぐです。白い馬のモニュメントがあるロータリーを見つけたら左に曲がりましょう、やがて海が見えてきます。
ロータリーから7kmほど行くと海沿いに海鮮の市場があり、カニやエビ料理のお店も並んでいるのでここで海鮮料理を堪能してはいかがでしょうか。
ここはカンポット州の中にあるケップ特別市。小さな街ですが、魚介類の宝庫です。エビ、カニ、シャコなど採れたてを海を見ながら食べる事が出来ます。
沖のウサギ島(Rabbit Island)はスキューバダイビングのポイントとしての人気があり、ヤシの木の下のホワイトビーチ、コテージなど時間を忘れさせ、寛ぎの空間を演出してくれます。
※ケップの白い砂浜
※名産のカニ料理
※カニ漁と水揚げ
※ケップから見たBOKOR山
※カニの水揚げ風景
※足を縛って販売
カンポット州カンポット市
カンポット州の州都はカンポット市です。カンポット川の河口に位置ており、とても落ち着きのある街です。
特産品はドリアン、街の入り口のロータリーには大きなドリアンのオブジェがあります。臭い食べ物の代表みたいに言われることもありますが、カンポットのドリアンはそんなことはありません。
私は何も言わずに出されて気が付かずに食べました。クリーミー感と変わった匂いに、もしやと思い聞いたらドリアンでした。プノンペンでもあちこちに専門店があり、高価なのにもかかわらずカンボジア人に人気の果物です。
周辺にはドリアンの農場が点在し、市内ではあちこちで売られています。プノンペン市内のホテルでは部屋への持ち込みを禁止しているところも多いので、お気を付け下さい。
リバーサイドにはローカル料理のお店などとともにヨーロッパ系のお店もたくさんあります、格安でヨーロッパの味も楽しめる街です。この街と周辺には欧米人がなぜかたくさん住んでいます。
仕事をしているというよりは普通に暮らしています。ステキなホテルやゲストハウスも多く、バカンスで来るフランス人も多いそうです。
※カンポットのレストラン
※ボリューム満点
※カンポット川
※リバーサイドの夕日
※カンポット川上流のレストラン
※周辺の田んぼ
※カンポットの山
※リバーサイドの日本食レストラン
※古い橋(オールドブリッジ)
シハヌークビル特別市
カンポットから西に80km、車で二時間ほど行くとシハヌークビルに着きます。カンボジアのリゾートとして最大規模を誇る街です。
高級ホテルが立ち並び、それぞれのホテルがプライベートビーチを持っているので優雅なひと時を過ごせます。ホワイトビーチで夕日を見ながらグラスを傾けるのもいいのではないでしょうか。
プノンペンからはバスで5時間くらいです。昼間はビーチを散歩して、夜はビーチに並ぶ沢山のバーを楽しみましょう。
※海
※ホワイトビーチ
※お土産店
※ホテルの庭
河イルカを見よう
プノンペンから6号線、8号線、11号線、7号線に抜け73号線を北上すること6時間。クラチェ州の州都クラチェ市に着きます。ここからさらに15kmほどメコン川沿いに北上すると左手に売店が見えてきます。
川沿いにボートが停泊しているので、それに乗って河イルカを見に行きましょう。よく見られるのは午後2時から日没までです。いつ水上に出るのかわかりませんので、おしゃべりしないで水面を見つめていましょう。
船長が教えてくれることもありますが、なかなかはっきりとは見ることが出来ないかもしれません。私の経験では反応が一瞬遅れるコンパクトカメラでの撮影はほぼ無理です。諦めてしっかりと自分の目に焼き付けましょう。
川幅が広くなっているところなので、どこにイルカが出るかは全くわかりません。船長は経験的に出そうなところに行ってくれているようなのですが、歓声が上がった時には波紋しか見えませんでした。
30分の乗船で、はっきり見えたのは数回、それも背びれだけ。しかし同乗した人は軽くジャンプした姿を見たそうです。
もし見れなくても、2km位の川幅があるメコンに沈む夕日には感動さえ覚えます。日本の半分の面積のカンボジア、しかし壮大な大陸を感じる瞬間でもあります。
クラチェの街にはメコン・ドルフィン・ホテル(Mekong Dolphin Hotel)という、メコン川を眺められるホテルがあります。雄大なメコン川を眺めながらの夕食はまた格別な味がします。
※クラチェのメコン川
※メコンの夕日
雨期のアクシデント
クラチェに向かう途11号線を走ると、最初は地平線まで水田地帯が広がりますが、次第に丘陵地帯に変わり、見渡す限りのゴム園が見えてきます。
カンボジアでも早い時期からゴムの生産が行われた地域で、内戦終了後に出来た古いゴムの工場が今でも稼働しています。植林したばかりのゴム園は、よく見ると苗木の間にいろんな農作物が見えます。
主に大豆、ラッカセイ、スイカなどが植えられているようです。次に右折して7号線に出ると平坦な道が続きますが、雨期の9月から10月にかけては道路の低い部分が数キロにわたり冠水していることがあります。
水深は10cmくらいなので車は走れますが、日本なら大災害です。しかしそこはカンボジア、子供たちは水に身を任せて遊園地状態です。
※溢れる水で遊ぶ子供達
※畑に行く道路も冠水
カンボジアの観光はまだまだ成熟していません。もう少し、と思うことが沢山あります。
道路、見学路の案内板や、表示。施設周辺の草取りや整地。ゴミの片づけやごみはこの設置。
大きな遺跡などではそこに住民が住んでいたり、場合によっては遺跡と村が混在したりしています。カンボジアの場合、遺跡と村人が一体となって生活してきたがために、結果的に遺跡の保護もなされてきたという現実もあります。
一概に日本のような明確な遺跡管理を求めることはできないのです。アンコールワット遺跡の研究やコンポントム州のサンボ―プレイク遺跡のように日本人がその保存に大きく関与しているケースもあります。
カンボジアが本当の素顔を表すのはもっと先の事かもしれません。カンボジアに来られる方、また少しでもカンボジアに興味を持った方が増え、いつかカンボジアの大地を走り抜け、歴史を感じていただけることを期待しています。
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